2003/11/13
Jump! / Van Dyke Parks 1984

 アメリカを代表するPOP職人の一人,ヴァン・ダイク・パークスがアメリカ南部の民話『ブレア・ラビット/リーマスおじさんの物語』を元にして作ったアルバム。1曲目の『Jump!』からラストの『Hominy Grove』まで,これぞヴァン・ダイク・パークスという目眩くPOP Worldが繰り広げられます。サウンドは所謂オールド・タイム・ミュージックなのですが,そこには古さはまったく感じられません。逆に時代を超越したサウンドのように感じられるんですよね。かつて存在しなかった夢の中の古き良きアメリカの音がここにあります。 BACK

2003/11/20
Irish Tour 1974 / Rory Gallagher 2000

 アイルランドの国民的英雄ロリー・ギャラガーが一番勢いのあった1974年に故郷アイルランドで行ったツアーの様子を収録したDVDです。それだけにロリー自身もまた客席もその盛り上がりは凄まじいものがあります。ロリー・ギャラガーというとブルースのイメージが強いのですが,それと同時にトラッドの影響が強いこともこの映像を通して再認識することができました。
 また,当時音楽雑誌の写真で見たランバージャック・シャツにジーンズそして塗装の剥げたストラトキャスターという彼のトレードマークといえる姿をこの映像でも見ることができます。
 それにしても,ロリー・ギャラガーって,本当に楽しそうにギターを弾きますね。インタビューの中で彼自身「音楽は楽しまなくちゃ」と話していますが,まさにそれを実践してるって感じです。特にオフ・ステージの映像でパブのような所で酒を飲みながらギターを弾き歌っている場面は,なんだか近所の兄ちゃんって感じでいかにも楽しそうです(^_^)。 BACK

2003/11/27
Legenda / Shela Majid 1991

 マレーシアの歌姫シーラ・マジッドが自国の国民的音楽家P.ラムリーの作品を自らアレンジして収録したアルバムです。所謂ワールド・ミュージックの範疇に入るアルバムなのですが,収録されている曲にはワールド・ミュージックにありがちな泥臭い雰囲気はまったくなく,逆にとても洗練されたサウンドとなっています。同時期のJ-Popのアルバムと比べてもひけをとらない....いや,洗練さからいえばこのアルバムの方が上かもしれませんね。このCDを聴いて,これがマレーシアのサウンドだとすぐに分かる人は少ないんじゃないでしょうか?だからといって,完全に西洋の音楽になっているかといえばそうではなく,根底にはマレーシアの音楽がしっかりと根付いているんです。このアルバムなんかを聴くと,日本という国が実は音楽後進国であるということが良くわかりますね。 BACK

2003/12/11
Rides / Reef 1999

 イギリスのバンド,リーフの3枚目のアルバムです。最近のイギリス音楽界は1960年代〜1970年代のサウンドを彷彿とさせるバンドが多いようですが,どうも腰がすわっていないというか,脆弱な印象を受けるバンドの方が多いような気がします。その中にあってこのリーフのサウンドはしっかりと腰がすわって聞こえるんですよね。特にベースのどっしりとした音はこのバンドの要のひとつと言っても過言ではありません。
 また,スティーヴ・マリオットを彷彿とさせるヴォーカリストのぶち切れ方も,これぞロックって感じで良いですね。曲によってはプログレ風な味わいもありますし....リーフって,実は正当派ブリティッシュ・ロック・サウンドの流れを汲んだバンドなのだと思います。。 BACK

2003/12/15
The Complete Monterey Pop Festival / V.A. 2002

 1975年にNHKの『Young Music Show』でも放映された『Monterey Pop』,その中からジミヘンとオーティスのライヴのみを収録した『Jimi Plays Monterey / Shake! Otis At Monterey』,そして上記2枚に収録されていない未発表映像を収録した『The Outtake Performance』の3枚のDVDを収録したBox Setです。すでにLD等で発売されていた前記2枚は画質音質ともにこれまでの映像は一体何だったんだろう?と思うくらいに向上しており,それだけでも買う価値は十分にあるのですが(特にdtsで聴くサウンドは感涙ものです),それ以上に価値があるのが『The Outtake Performance』です。何しろ,そのサウンドは聴いたことがあるものの,未だかつて演奏する姿を見たことがないミュージシャン達の映像ばかりが収録されているのですから!特にAssociation,Electric Flag,Lora Nyro,そしてBuffalo Springfieldの映像には感動しました。
 ただ,残念なのは,この盤のみdtsじゃないってことです(一部5.1ch mixされている曲もありますが)。そして,Completeというのなら,たとえ何枚組になっても構わないから残っているすべての映像を収録して欲しかったですね。それともこれ以外にはもう映像が残っていないのかな?(^^; BACK

2003/12/27 New
For You / Prince 1978

 1980年代〜1990年代のポピュラー・ミュージックを語る上で欠かすことのできない天才奇才であるプリンスの,これがデビュー・アルバムです。このアルバムにおいてプリンスは全曲を自分で作り,すべての楽器を自分で演奏し,なおかつアレンジもプロデュースも自分自身で行うという,八面六臂の活躍を見せているのですが,驚くことにこの時プリンスはまだ10代だったんですよね(しかもデモ・テープを作ったのは15,6歳の頃らしい)。なんと恐るべき10代!もはや天才という言葉すら陳腐に思えてしまいます。
 確かに1980年代以降の作品と比べれば完成度は低いかもしれません。しかし,プリンスはこのデビュー・アルバムにおいてすでにブラック・ミュージック,ロックといったジャンルにとらわれない音楽を作り出しているんですよね。特にラストのヘヴィー・メタルなギターが実にカッコイイ『I'm Yours』はミクスチャー・ミュージックの先駆的な曲といえるのではないでしょうか。 BACK