2005/01/30
Amigo / Milton Nasciment 1995

 ブラジル・ポピュラー音楽界の巨匠,ミルトン・ナシメントが1994年にオーケストラ(Orquestra jazz Sinfonica)や子供達のコーラスをバックにブラジルで行ったLiveを収録したアルバムです。バンド演奏をバックにしようと壮麗なオーケストラをバックにしようと,ミルトンのヴォーカルが聞こえてくれば,そこにあるのは紛れもないミルトン・サウンドなのです。かえってオーケストラをバックにしているからこそミルトンのヴォーカリストとしての魅力が前面に出ているといえるかもしれませんね。それに,元々が美しいメロディーを持つミルトンの曲ですから,オーケストラとの相性もピッタリです。 BACK

2005/02/09
The Old Grey Whistle Test / V.A. 2004

 1971年から1987年にかけて英国BBC2で放送された音楽TV番組『The Old Grey Whistle Test』で放映されたLive映像28曲とJohn Lennon等の貴重なインタビューが収録されたDVD。いやぁ,これは凄いです。音の方はモノラルなんだけれど,映像の方は若干ノイズは入るものの想像以上に鮮明で,何よりもこんな映像が残っていたのかと吃驚な映像ばかりのまさにお宝映像満載のDVDです。特に『Ain't No Sunshine』を歌うBill WithersPeter Tosh在籍時のWailers,そして普通のRock Bandをバックに歌うCaptain Beefheartの映像には感動しちゃいましたね。また,Punk&New Waveの映像も,デビュー当時の元気一杯なXTCやまだ髪の毛がふさふさなREM等の映像を含め数多く収録されているのも個人的には嬉しい限りです。しかし,これらはまだこのDVDのほんの一部であり,その他にも見どころが一杯です....というより,すべてが見どころなんですけれどね(^^;)。ぜひ輸入盤を置いてあるお店に行って,自分自身で収録されている曲とミュージシャンを確認してみてください。1970年代〜1980年代のRockに興味がある人なら絶対に欲しくなるはずですから....。ちなみに輸入盤なのにちゃんと日本語字幕も付いてます。 BACK

2005/02/26
Live / Colosseum 1971

 ドラム:Jon Hiseman,キーボード:Dave Greenslade(Greenslade),ギター:Dave'Clem'Clempson(Humble Pie),ベース:Mark Clarke(Uriah heep),サックス:Dick Heckstall-Smith,そしてヴォーカル:Chris Farloweという最も強力なメンバーが揃っていた時代のColosseumが録音したLive盤の傑作。後にプログレ系のバンドを結成するメンバーがいるためか,音盤屋によってはプログレのコーナーに入っていることがありますが,このアルバムに収録されているのはジャズ+ブルース+ロックなサウンドです。正直言って古臭いサウンドなのですが,腕利きのミュージシャン達が真剣勝負をすることによって生み出された,このサウンドのなんと強力なこと!これは純粋にヴォーカルを含めた演奏の力だけで魅せてくれる(聴かせてくれ)るLive盤なのです。そ〜いえば,私がChris Farloweという稀代のヴォーカリストの存在を知ったのもこのアルバムでした。 BACK

2005/03/01
San Fran Sessions / Beau Brummels 1996

 アメリカ初のフォーク・ロック・バンドといわれるBeau Brummelsが1964年から1966年にかけてAutumnレコードに残した未発表ヴァージョン,デモ・ヴァージョン等60曲を収録した3枚組CDです。このCDは当然Beau Brummelsというバンドを知っている人対象のマニアックなCDという側面もありますが,だからといってBeau Brummelsをまったく知らない人が聴いたらつまらないCDであるかといえば,決してそんなことはありません。というのも,このCDに収録されているのは,1960年代中盤のPOPなROCkが好きな人ならば間違いなく楽しめるGoodなメロディーの曲ばかりなのです。もちろん,正規盤と比べて演奏が粗い曲も多いのですが,それですらガレージ・ロック的な味わいを楽しめます。ちなみにこれらの曲の録音時のプロデューサーであるSylvester Stewaertは後にBlackミュージック界の巨星となるSly Stoneその人です。 BACK

2005/03/13
ワンステップ・フェスティバル1974 / V.A. 2005

 1974年に福島県郡山市で行われた大規模野外コンサート『ワンステップ・フェステイバル』のドキュメンタリー映像です。Live映像としては,『外道』『イエロー』『サディステイック・ミカ・バンド』『四人囃子』等貴重な映像が収録されていますが,これが音と映像が完全にずれまくっているという海賊版ヴィデオ以下の3流品なんですよね。完奏している曲は一部だし『外道』や『四人囃子』にいたってはほとんどBGM扱いだしね。
 というわけで,Live映像としては欲求不満しかわかない代物ではあるのですが,だからといってツマラナイかといえば,そうでもないんですよね。1974年という時代の雰囲気がダイレクトに伝わるドキュメンタリーとしては十分に楽しめると思います。観客の長髪にベルボトムのジーンズにチューリップハットというファッション(カットジーンズもそうだな)を見るだけでも,あの時代にタイムスリップできるんです。それにしても,参加ミュージシャンがノーギャラだったというのも,いかにもROCKにまだ特別な意味があったあの時代らしい話ですね。あの時代らしいといえば,まるでNHKのドキュメント番組みたいに堅いナレーションもまた,あの時代らしい味わいがあると言えるかもしれませんが.....。
 しかし,どうせ出すなら映像をデジタル処理したり,サウンドを5.1chにしろとは言わないから,せめて曲をきちんと映像に合わせるくらいのことはしても良かったのでは....と思うのは,贅沢な願いなんでしょうか? BACK

2005/03/20
Sixties Rock / V.A. 2004

 タイトルどおり1960年代のTV番組に残されたROCK BANDの映像を収録したDVDです。1960年代中期のTV映像なので画質は決して良いとは言えませんが,音の方は思ったよりも良い感じです。演奏の方は基本的にはレコード音源をバックにした口パクだと思うんですが,中にはレコードとヴォーカルが異なるものや,レコードとはエンディングが異なるものもあります。しかし,ダンサーの兄ちゃん姉ちゃんが邪魔して演奏シーンが見えなくなったり,曲とはまったく関係のないコスプレ姉ちゃんやセットがバックだったり等かなりトホホな面も見られるのは,TV番組故の宿命なんでしょうね(^^;)。
 それでも,YardbirdsByrdsMamas&PapasHolliesAnimalsといった1960年代のビッグ・スター達だけではなく,Bobby Fuller FourOutsidersといった他ではなかなかお目にかかれないミュージシャン達の映像も収録されているのはとても魅力的ですね。私はこれが理由でこのDVDを買ってしまったと言っても過言ではありません。ま,個人的にはアラブな衣装に身を包んだSam The Sham & The Pharaohsや南北戦争時代の軍服に身を包んだPaur Revere & The Raidersといったコスプレ軍団(^^;)の映像もまたいかにもあの時代らしくて好きなんですけどね。 BACK

2005/03/30
The Singles A&B Sides / Sweet 1995

 1970年代に人気の高かったイギリスのバンドSweetが残したシングルのA面B面を収録した2枚組CDです。デビュー当時の甘口ロンドン・ポップサウンドから,人気プロデューサー&ソングライター・チームのChinn-Chapmanの元を離れハード・ロック・バンドへと転身を遂げた後期のサウンドまでSweetサウンドの変遷を楽しむことのできるお得盤ともいえますね。日本では『Fox On The Run』以降のハード・ロックなSweetの方が人気があるのですが,私は『Funny Funny』を初めとしたいかにもロンドン・ポップ然とした前期の曲も好きなんですよ。曲も良いしヴォーカルも良い(特にハイトーンによるコーラスは後のバンドにも大きな影響を与えています)....だけど,あの服装のセンスだけはどうにかならなかったもんでしょうか。このあまりにもグリッターな服装故にサウンド云々以前にB級バンド扱いされてしまうことが多いのがSweetの哀しいところです。本当はもっと高く評価されていいバンドなんですけれどねぇ(^^;)。 BACK

2005/04/22
Old Friends - Live On Stage / Simon & Garfnkel 2004

 2003年に行われたサイモン&ガーファンクルの20年ぶりの再結成ツアーの演奏を収録したDVDです。とはいえ,二人とも60歳超してるし,特にアート・ガーファンクルは1980年代においてさえすでに往年の声が出ていないと言われていたこともあって,正直言って全然期待していなかったんですよね。ところが,1曲目で『Old Friends』を歌う二人の姿を見たとたん感動で涙があふれて仕方がありませんでした。だって,長い間確執のあったあの二人が歌う『Old Friends』ですよ!いやもうこの曲をトップにもってくるなんて反則ですよ。
 確かにボーナス映像として収録されている1970年当時の歌声と比べれば二人の歌声が衰えていることは間違いありません。しかし現在の二人の歌声が芳醇な味わいのあるものであることもまた事実なのです。特にアート・ガーファンクルの声がしっかり出ているのには嬉しいやら驚くやら....あの『明日にかける橋』のラストの高音部を歌いきった後,観客が総立ちになって拍手を送った気持ちが良くわかります。
 バックメンバーはドラムのジム・ケルトナーとベースのピノ・パラディノフーのベースとして来日しましたね)しか知りませんが,演奏は古の言葉(^^;)で言えばレイドバックしたものです。最近のHiPHopを聴いているような人が聴けば間延びしているように聞こえてしまうかもしれませんが,これが現在のサイモン&ガーファンクルの歌声にピッタリで実に気持ちがいいんですよね。
 選曲の方も懐メロツアーにありがちなヒット曲オンリーというわけではなく,『At Zoo』『Baby Driver』『Keep The Customer Satisfied』といったどちらかといえばマイナーな曲もとりあげています。個人的には大好きな『ニューヨークの少年』を歌ってくれたのが嬉しいですね。
 このDVDは,10代の頃サイモン&ガーファンクルが好きだった現在40歳以上の人達にこそぜひ見ていただきたいDVDです。 BACK

2005/04/30
The Very Best Of The Casulas / Casuals 1997

 『Jesamine』(1968年全英2位)のヒットで知られるイギリスのPOPバンド,カジュアルズのベスト盤。カジュアルズメリー・ホプキンスを送り出したBBCTVの新人発掘番組『Opportunity Kocks』出身のバンドですが,それ以前はイタリアで活動しており,そこそこ人気もあったようです。バンドとしては特に際立った個性があるわけでもありませんが,そのサウンドはエジソン・ライトハウス等のBritish Popサウンドが好きな人ならきっと好きになるサウンドだと思います。このベスト盤に収録されている曲にはカヴァー曲も多いのですが,ほぼ同時期にモンキーズも録音した『Daddy's Song』(Nilsson作)と『Someday Man』(Willams/Nichols作)が収録されているのが興味深いですね。ヒット曲でもないこれらの曲をカヴァーするあたり,実に渋いセンスしてますが,これはメンバーのセンスなのか....それともプロデューサーのセンスなのか....。ともあれ,どちらもソフト・ロック好きなら聴く価値ありのサウンドとなっています。また,ロイ・ウッドが作った『Caroline』も収録されていますが,これなんかまるっきりムーヴって感じのサウンドになっているのが可笑しいですね。 BACK

2005/05/16
Thunderbirds Are Go / Barry Gray 1967

 あのSF人形劇『サンダーバード』のTVシリーズと劇場版で使用された曲12曲を収録したサントラ盤です。1曲目はもちろん『サンダーバードのテーマ(Thunderbirds Theme)』ですが,これは幾つになっても何度聴いても心がワクラク高揚する曲ですよね。サントラということもあって,このアルバムに収録されている曲はフルオーケストラで演奏される『サンダーバードのテーマ』の変奏曲的なヴァージョンが中心なのですが,その中にあってギターインストとして演奏されている『Thunderbirds - Reprise』は異色な存在かもしれません。ちょっぴりラウンジなムードはありますが,ギターの音色などはまるでシャドウズって感じを受けるんですよね。また,ほのかにラテンの香りのする『Tracy Island』もなかなか味わい深いものがあります。これはある意味ラウンジ・ミュージックとしても楽しめるアルバムかもしれません。 BACK