2006/01/15
Direct From Brooklyn / They Might Be Giants 1999

 ジョン・フランズバーグジョン・リンネルの二人を中心としたバンド(初期はこの二人組でした),ゼイ・マイト・ビー・ジャイアンツのヴィデオ・クリップ12曲を収録したDVD。彼等の創り出すサウンドはとてもPOPなんだけれどちょっぴり変なものが多いのだけれど,ヴィデオ・クリップもまた彼等のサウンドをそのまま映像にしたようなPOPでおバカなものばかりです。おバカなんだけれど凝っているというのもまた彼等のサウンドそのものと言えるかもしれません。基本的には二人のジョンが自ら出演するものが多いのだけれど,この二人が実に良いキャラで,なかなかの役者ぶりを見せてくれます。また,『Tiny Toons』のキャラが登場するクリップも2本収録されているのですが,これもまた彼等のサウンドに雰囲気ピッタリなんですよね。なお,オマケにLive映像とAudio Trackも収録されているのですが,彼等はLiveもかなり変なんですねぇ....いやぁ,あれは見てみたいです。 BACK

2006/01/25
You've Got To Be Loved / Montanas 1997

 世の中には活動当時はまったく評価されなかったのに,解散してからずいぶんと経ってから評価されるバンドがありますが,このイギリス産ハーモニー・ポップ・バンド,モンタナズもまたそのひとつです。何しろ,1965年から1969年にかけてパイ・レーベルから8枚のシングルをリリースしながらTop40入りした曲が1曲もないのですから....が,しかし,現在では優れたソフト・ロックとしてその筋では高く評価されており,現役時代にはリリースされなかったアルバムまでこうしてリリースされているのです。それにしても,『Ciao Baby』『You've Got To Be Loved』『Take My Hand』『One Thing Or The Other』といった珠玉のPOPナンバーが,何故当時まったく評価されたかったのか,実に不思議でなりません。
 ちなみにメンバーのテリー・ローリージョン・ジョーンズは1970年にグレン.ヒューズトラピーズを結成し,アルバム『Trapeze』をリリースしています。 BACK

2006/02/18
Delilah / Sensational Alex Harvey Band 1994

 1970年代イギリスで人気の高かったバンド,Sensational Alex Harvey Bandのコンピ盤です。デビューは1974年ですが,当時のML誌に載っていたバンドの写真がとても印象的だったのを覚えています(あまりにもみんながバラバラの格好をしていたので....何しろピエロ・メイクした人もいたし(^^;)。ヴォーカルのAlex Harveyはそのときすでに39歳と,ロック歌手としてはずいぶん遅いデビューですが,彼のついさっきまでパブで飲んでましたという風貌と歌声が,このバンドの魅力の一つでもあるんですよね。また演奏している曲もハードロック風な曲からトラッド風の曲まで幅広く,Tom Jonesで有名な『Delilah』からAlice Cooperの『School's Out』まで節奏無く演ってますが,それらも単なるカヴァー曲には終わっていません。Alex HarveyのヴォーカルIan Duryと通じるところがあり,そのどちらもがイギリス(それもパブのあるような下町)でしか生まれないものだと思うんですよね....。なお,残念なことにAlex Harveyは1982年に心臓麻痺でこの世を去っています。合掌。 BACK

2006/03/31
The Singles Collection / Geordie

 1970年代に活躍したニューキャッスル出身のバンド,GEORDIEが1972年から1976年にかけてリリースしたシングルのA面B面を収録したコンピ盤です。日本でも『All Because Of You(邦題「君にすべてを」)』が1974年にヒットしてますね。
 同じグラム・ロック出身のバンド,Sladeに通じるストレートでハードでそれでいてポップなサウンドを聴かせてくれますが.....なんといいますか,彼等のルックス同様田舎のあんちゃん的な野暮ったさがあるんです....曲によってはお国訛り丸出しだし....いや,これはこれで良いのですが(^^;)。また,曲によってトラッドを取り入れているのも彼等のサウンドの魅力のひとつですが,特に第1弾シングルである『Don't Do That』の間奏のギターが良い味を出してるんですよね。
 ちなみに,ヴォーカルのBrian Johnsonはその後AC/DCに加入しています。 BACK

2006/05/19
Gritz,Blitz & Hitz / Sweet 2004

 日本では『Fox On The Run』『Action』等のヒットで知られるイギリスのバンド,スウィートのデビューからヴォーカルのブライアン・コノリーが脱退するまでの歴史を辿ったヒストリー物DVDです。というわけで,インタビュー・シーンも多く,輸入盤だとちょっと辛いところもありますが,しかし,これまでなかなかお目にかかることのできなかった動くSweetの映像を見ることができただけでも良しとしましょう(^^;)。デビュー当時のポップ・アイドル然とした姿からギンギラギンのグラムロック・スタイルになり,そして皮メインのハードロック・スタイルというファッションの変遷を見るだけでも楽しむことができますしね(何故かブライアンの髪型だけは変わりませんが(^^;)。映像の方はほとんどがTV番組出演時のもので,基本的には口パクなんですが,『Turn It Down』だけはどうやらちゃんとしたLive映像のようです。これを見ると,スウィートがLiveバンドとしてもなかなか上手いバンドだったことが良くわかりますね。
 それにしても,『ロックンロールに恋狂い』のあの素っ頓狂ヴォイスを担当していたのがベースのスティーヴ・プリーストだとは全然知りませんでしたよ(^^;)。
 そういえば,ヴォーカルのブライアン・コノリーとドラムのミック・タッカーは,どちらもすでに故人なんですよね(:_;)。 BACK

2006/05/30
The Fury Of The Aquabats! / Aquabats 1997

 一体どんなバンドなのかどんなサウンドなのか知らずに,ただただジャケットのおバカさに心轢かれて買ってしまったCDですが,中身の方もこれが実になんとも当たりでした。ドゥー・アップやサーフィンを含めた色々なサウンドが取り入れられているせいか,単純なスカ+パンク・サウンドではなくとても多彩なサウンドを楽しむことができます。また,(11)のイントロではブルー・オイスター・カルトの『ゴジラ』を引用する等,遊び心もたっぷりです。しして,ジャケットのおバカな雰囲気からは想像もつかないくらいに演奏は歌を含めて上手いし,曲の方もPOPでメロディアスな曲が多くて,アルバムを通して楽しむことができます。それにしても,インナー・スリーヴに映っているおバカ丸出しの彼等の写真はステージ衣装なんでしょうか?これはぜひともライヴを見てみたいバンドですね。 BACK

2006/06/22
GG at the GG / Gentle Giant 2006

 1978年に放送されたBBC のTV番組『Sight & Sound In Concert』を中心に1974年のTVフィルム,1976〜1978年のプロモ映像等を収録したDVD。以前発売された『Giant On The Box』と比べると年代的に新しいこともあり,画質音質共にかなり向上していますが,何よりもあのOn Reflectionが収録されているだけでも,このDVDを見る価値があります。中世ヨーロッパの香り高いリコーダーとストリングスの演奏から複雑なアカペラに移り,そして最後はリズミカルなロック・サウンドへと変化するこの曲を,たった5人のメンバーで次々と楽器を持ち替えながら演奏する姿は実に感動モノです。
 YesKing CrimsonPink FloydGenesisといった同時代の他のプログレ・バンドと比べると今一つ知名度の低いバンドですが,Liveの完成度の高さは他にひけをとらない....いやいや,超一流と言っても過言ではないでしょう。また,改めて聴いてみると,彼等のサウンドってかなりファンキーな部分もあるんですよね。そういうリズム的な面白さもあるためか,サウンド的にもあまり古さを感じさせん。まぁ難を言えばステージ衣装がちょっとアレってことぐらいですかね?(^^;) BACK

2006/07/18
Call Me - The Songs Of Tony Hatch / V.A. 2002

 イギリスのバート・バカラックと称されることもあるソングライター,トニー・ハッチが作曲した曲60曲が収録された2枚組CD。ペトゥラ・クラーク,スコット・ウォーカー,サーチャーズといった日本でも馴染みの深いミュージシャンの曲から初めて名前を耳にするようなミュージシャンの曲まで多種多様な曲(ジャズ〜フォーク〜サイケ)が収録されていますが,そのどれもがPOPの魅力に溢れたものばかりで,これらを聞くと1960年代英国ポピュラー・ミュージック・シーンにおいてトニー・ハッチという作曲家がいかに大きな存在であったかということが良くわかりますね。トニー・ハッチの曲の魅力は何と言ってもそのメロディーにあります。わかりやすいけれど,実はとても凝ったメロディーであるという点では,確かにバート・バカラックと共通点がありますが,トニー・ハッチの作る曲には良い意味での下世話さがあって,それが親しみやすさとなっているのです。 BACK

2006/09/06
Wichita Lineman / Glen Campbell 1997

 『恋はフェニックス』『ウイチタ・ラインマン』等のヒット曲で知られるアメリカのシンガー,グレン・キャンベルのライヴ盤です。彼は1960年代初期には腕利きのセッション・ギタリストとして活躍し,一時期ビーチ・ボーイズのツアーにも参加したという経歴の持ち主でもあります。さて,このライヴ盤ですが,何年に録音されたか記載がありませんが,おそらく1990年以後のライヴではないでしょうか。だからといって,これを単なる懐メロ・アルバムだと思ったら大間違いです。もちろん上記を含むヒット曲も収録されていますが,元々シンガーとして実力のある人ですから,歌が良いのは当たり前として,バックの演奏がこれがまた素晴らしいんですよね。ライヴのために何回か音を合わせました,って感じじゃなくて,しっかりとバンドの音がしているんです。特にドラムなんかカントリーとは思えないくらいに叩きまくってますしね。ラスト・ナンバーはポール・マッカートニーの『夢の旅人(Mull Of Kintyre)』です。 BACK

2006/09/30
Live Cream Volume II / Cream 1972

 1972年5月7日にNHKの『Young Music Show』で放送されたクリームのLiveほど,私に衝撃を与えた音楽映像はありません。何しろ,当時田舎の中学2年生だった私にベースを弾こうと(正確にはベースを弾きながら歌おう)決意させたぐらいですから....。そして,その感動がまださめやらない翌6月に発売されたのがこのLive盤です。これは間違いなくTV放送に合わせての発売だったのでしょうが,『Young Music Show』に感動を受けた少年にとってはこの上もないプレゼントでした。買ってから毎日のようにこのレコードを聴いたのは当然のことです(実際は盤が痛むのがもったいないのでカセットに落としたやつを聴いていたんですが(^^;)。それ故,私にとっては『White Room』『Politician』『Sunshine Of Your Love』とえばこのLive盤のヴァージョンがスタンダードであり,オリジナルであるスタジオ・ヴァージョンを聴くとどうしても違和感を感じてしまうんですよ。
 ところで,発売当時のアナログ盤では『Steppin' Out』が『Hideaway』と表記されていたんですよね。同じ『Bluesbreakers』のアルバム収録曲とはいえ,これはうっかりさんにもほどがあります(^^;)。 BACK