2006/10/31
Live / Association 1970

 ソフト・ロックの代表的バンドのひとつであるアソシエイションが1970年4月にユタ大学で行ったLiveを収録したアルバム。この頃はバンドとしての人気も下降気味だったのですが,実に素晴らしいLiveを聴かせてくれます。この手のPOP系バンドのLiveは,演奏をバック・バンドがやったり,演奏しても下手だったりと,レコードと比べて魅力に欠けるケースが多いのですが,アソシエイションLiveにおいてもレコードと遜色のない演奏を聴かせてくれます。当然ながらコーラスの方も完璧で,楽器を演奏しながら歌っているにもかかわらず,レコードとまったく変わらぬ美しいコーラスを聴かせてくれます。特に荘厳なコーラスの『Requiem For The Masses』をLiveでも演奏していたのには吃驚です。それにしても,この美しいコーラスを内ジャケットに写っているむくつけき男達がやっているとは....ちょっと信じがたいものがありますね(^^;)。 BACK

2006/11/07
A Little Touch Of Schmilsson In The Night / Harry Nilsson 1973

 1994年にこの世を去ったニューヨーク出身のシンガー・ソングライター,ニルソンが,ゴードン・ジェンキンス指揮による甘美で華麗なストリングをバックにスタンダード・ナンバーを歌ったアルバム。邦題は『夜のシュミルソン』。ソングライターとしても数多くの名曲を世に送り出したニルソンですが,このアルバムではヴォーカリストとしての魅力をたっぷりと聴かせてくれます。甘い歌声でありながら,ちょっぴり苦みがあるのが実になんとも味わい深いものがあります。また,このアルバムは曲と曲の間をストリングスが繋いでいるため,アルバム全体でひとつの物語という感じがするんですよね。個人的な話ですが,二十数年前,手痛い失恋をしたときに一番良く聴いていたのがこのアルバムでした。ニルソンの歌声と甘美なサウンドが,ひび割れた心にとても染みたんですよね。今でもこのアルバムを聴くと,あの頃のことを思い出してちょっぴり心がうずいちゃうのです。 BACK

2006/11/29
ワンダフルワールドのWondermints / Wondermints 1996

 現在はブライアン・ウィルソンのバック・バンド活動のため開店休業状態のワンダーミンツが1996年にリリースしたカヴァー曲集。といっても,カヴァーされているのはモンキーズの『Porpoise Song』やピンク・フロイドの『Arnold Layne』といった,POP中毒者の彼等らしいマニアックな曲ばかりです。そうかと思うと,アバの曲『Konwing Me,Knowing You』(1966年のビートルズ風アレンジになってますが)もカヴァーしているのもまた『POPに貴賤無し』という彼等らしい拘りなのかもしれません。ブライアン・ウィルソンが高く評価したバンドだけあって,サウンド面も非常に凝っており,『Louise』にドアーズの『Hello I Love You』のフレーズを入れたり,『Ooh Child』にビーチボーイズの『God Only Knows』のフレーズを入れたりと,今流行の(^^;)マッシュアップ的なこともやってます。他にも色々とPOPな小ネタ満載で,サクマ式ドロップスのようにカラフルで多彩なPOPの味を楽しむことができるアルバムなのです。 BACK

2006/12/18
Vintage Collection / Mops

 モップスが1968年にリリースしたアルバム『サイケデリック・サウンド・イン・ジャパン』にシングルのみで発売された2曲を追加収録したCD。『サンフランシスコの夜』『あなただけを』『ハートに火をつけて』といったほぼ同時代のサイケな香りのする洋楽のカヴァー曲と,シングルになった阿久悠/村井邦彦作の曲が収録されています。この内カヴァー曲は同時代の英米のガレージ/サイケ・バンドと比べても遜色のないサウンドで,海外のガレージ・ロック・ファンからも高い評価を受けているのも納得できますが,阿久悠/村井邦彦作の曲はねぇ...モップスが一生懸命ロックらしいサウンドにしようと頑張ってはいるのですが,でもやっぱりこれはロックじゃないよね。まぁ確かに典型的なGSサウンドではあるのだけれど...。1曲だけ収録されているモップスのオリジナル曲が見事にロックしているサウンドなので,どうせならその路線で統一すれば良かったのに...実にもったいない話です。
 それにしても,このCDはジャケットも収録曲もほとんどそのままなのに,どうして『サイケデリック・サウンド・イン・ジャパン』のタイトルで再発しなかったんでしょうね? BACK