2002/05/01
Frantic / Bryan Ferry 2002

 『As Times Goes By』から3年ぶり,オリジナル・アルバムとしては『Mamouna』から8年ぶりのフェリーさんの新作です。といっても,今回も全13曲中6曲はカヴァー曲(ボブ・ディランの2曲を含む)なんですけれどね。サウンドそのものは20年前からほとんど変わらず,どの曲を聴いても見事なまでにフェリーさんです。しかし,これはマンネリとかそういうものではなく,もはやひとつの伝統芸みたいなもんです。
 録音にはMick Green, Chris Spedding, Robin Trowerといったベテラン勢からRadioheadのJohny Greenwoodといった若手,そして一時期は犬猿の仲と言われたBrian Enoまで録音に参加しています。Mixを担当したのがBob Clearmountainというのもなんだか懐かしいですね。  BACK

2002/05/02
To Our Children's Children's Children / Moody Blues 1969

 Moody Bluesが自身のレーベルThreshold設立後第1弾目のアルバムで,1969年に発売されました。この後に発売された『A QUESTION OF BALANCE』や『童夢』と比べるとヒット曲がないために地味な印象を受けますが(私も最近までそう感じていました),最近改めてCDを聴いてみると,収録曲が佳曲揃いであることを再確認するとともに,アルバムとしての統一感は上記2枚よりも上かも知れないと思うようになりました。特に,ジャスティン・ヘイワードが切々と歌う『Watching And Waiting』はMoody Bluesの曲の中でもBest3に入る名曲です。  BACK

2002/05/07
Sweet Thursday / Sweet Thursday 1969

 Mark=AlmondのJon Mark,Cat Stevensの片腕として活躍したAlun Davies,セッション・ピアニストとして名高いNicky Hopkins等が在籍していたバンドSweet Thursdayの唯一のアルバムですが,長い間CD化されず幻のアルバムとなっていました。さて,そのサウンドですが,一口で言って『地味』です。少なくとも売れるようなサウンドではありませんね。だからといって決してツマラナイわけではなく,何度も聴いているうちにじわじわと良くなってくるというタイプのものです。上記3名が一緒に演奏をしている『Mark=Almond '73』とも共通するところが多いサウンドですね。Jon Markのボーカル,Nicky Hopkinsのピアノともにとても味わい深いものがあります。
 個人的お気に入りは『
Laughed At Him』と『Molly』です。  BACK

2002/05/18
Petting Zoo / Residents 2002

 アメリカの謎の目玉音楽集団レジデンツの活動30周年を記念して作られたコンピ盤です(何と全20曲収録されて950円)。しかし,聴けば聴くほど不思議な音楽ですね。決して難解というわけではなく,中にはPOPとも言える曲もあるのですが,そのサウンドには何か聴く者の神経を刺激するものがあるのです。それ故,人によっては不愉快であったり快感であったりと,かなり評価の別れるサウンドかもしれません。このコンピ盤には1974年から2002年までの曲が収録されているのですが,今も昔も変わることなく我が道を行く姿勢を貫いているのはさすがです。決して万人受けはしませんが,ツボにはまるとクセになるサウンドですね。  BACK

2002/05/27
Just The Right Sound / Association 2002

 今までに何種類もアソシエイションのベスト盤は出ていますが,1965年のデビュー・シングル『One Too Many People』から再結成後の1981年に出したシングル『Dreamer』までを収録した,このライノの2枚組ベスト盤こそ決定版と言っても過言ではありません。唯一残念なのはコロンビア移籍後の1972年に出したアルバムの曲が収録されていないことですが,もっとも彼等の絶頂期は1960年代後半なので,特に問題はないでしょう(^^;)。もちろんライノですから音質の方もバッチリです。より一層彼等のコーラス・ワークの美しさが全面に出るようなサウンドになっているような気がしますね。
 これからアソシエイションを聴こうという方には絶対お薦めの1枚です。 BACK

2002/06/11
The Soft Parade / Doors 1968

 これはドアーズのアルバムとしては最も評価の低いアルバムですが,私自身もどうにも好きになれず,その結果今までCDを買わずにいました(もちろんアナログ盤は持ってますが)。ところが,このリマスター盤を聴いたら,印象がまったく変わってしまったんですよね。確かにドアーズのアルバムとしては物足りない部分はありますが,しかし,1968年に出た1枚のPOP&ROCKのアルバムとして聴くと,これはなかなかの名盤なんです。特に『Tell All the People』『Touch Me』『Wishful Sinful』といった,ドアーズらしくないPOPなナンバーの出来が良いのですが,これらはすべてロビー・クリューガー(ギター)の曲であり,そういう意味では,それまでジム・モリソンの陰に隠れて目立たなかったロビー・クリューガーの才能が一気に開花したアルバムとも言えますね。 BACK

2002/06/16
Exodus / Bob Marley & The Wailers 1977

 『Jamning』『Exodus』『One Love/Pwople get Ready』といった後期ボブ・マーリィを代表する曲が収録されているアルバムです。中でも『Jamning』は翌年ジャマイカで行われた『One Love Peace Concert』において,ボブ・マーリィが当時殺し合いをするまでの対立関係にあった二つの政党の党首をステージに上げて握手をさせた時に演奏していた曲でもあり,この映像を見ると,この当時のボブ・マーリィの凄まじいまでのカリスマ性が良くわかりますね。戦う音楽としてのレゲエがここにあります。 BACK

2002/07/01
Live At The Royal Albert Hall/ Who 2001

 The Whoの2000年のLive映像です。以前から出ていたのは知っていたのですが,50歳を過ぎたThe Whoの衰えた姿を見たくないという思いがあって今まで買わずにいたのです。すみません,私が間違っていました。『衰えた姿』?....とんでもない。The Whoは50歳を過ぎても十分すぎるくらいに刺激的なロックバンドでした。キーボードにラビット,ドラムにリンゴ・スターの息子のザックを加えた5人編成で(途中ピートのソロのコーナーもありますが)2時間以上のステージを繰り広げているのですが....あ〜,なんて格好いいジジイ達だろう!
 また,このLiveにはポール・ウェイラー,ブライアン・アダムス,ノエル・ギャラハー,エディ・ベイダーといった今をときめく大物ゲストが参加しているのですが,The Whoの前に立つと,彼等ですらデビューしたての新人のように見えてしまいます。
 いやほんと,このステージを見て聴いて何も感じない人はロックを聴くのを止めた方が良いと断言しちゃいますね!  BACK

2002/07/05
Live In Hollywood / Doors 2002

 1969年7月21日にアクエリアス・シアターで行われたLiveを収録したアルバムです。Doors関連の本を読むと,この当時のジム・モリソンはアルコールとドラッグのためにまともにステージに立つことができないことがままあったとありますが,このLiveの音を聴く限り,まったくそんな感じは受けませんね。ジム・モリソンの好調ぶりに刺激されたかのようにバンドの演奏も素晴らしく,ドアーズが一流のLive Bandであったことを改めて再認識させられます。Live演奏で聴く『Touch Me』や『Blue Sunday』もまた良いものですね。
 音質も良好ですが,これはDoorsのサウンドを知り尽くした男Bruce Botnickの手腕によるところが多いのでしょうね  BACK

2002/07/09
The Best Of The Cats / Cats 1988

 『Cats』といっても猫が歌ったり踊ったりするアレではなくて,1970年代前半にオランダで活躍したPOPバンドです。日本でも1971年に『ひとりぼっちの野原』がヒットしたので,当時ヒットチャートを聴いていた人ならば覚えている人もいるのではないでしょうか。これはその『ひとりぼっちの野原』も収録されている彼等のベスト・アルバムで,もちろんオランダで制作されたものです。サウンドの方は実に真っ当なポップスで,悪く言えばバンドとしての個性を感じさせません....が,こういうポップスらしいポップスも良いな...と思う今日この頃です。  BACK