Laughing Dogs / Laughing Dogs (1979) CBS/SONY 25AP 1626

side-A
1. get'im outa town
2. low life
3. no lies
4. johnny contender
5. reason for love
6. i need a million

side-B
1. it's alright, it's ok
2. i'm awake
3. round and round
4. it's just the truth
5. get outa my way

Drs-Moe Potts, Key,G,Vo-Carter Cathcart, B,Vo-Ronny Carle,
G,Vo-James Leonard

Produce - Bruce Botonik


 というわけで、【私的名盤】第1段として紹介させていただくのがこの日本語に訳すと「笑う犬」というニューヨークのバンドの1stアルバムです。
 このバンドはラモーンズやトーキング・ヘッズが出演していたことで知られるCBGBの常連バンドの一つで、1976年に出た「Live atCBGB'S」というアルバムにも彼らの曲が2曲収録されています(内1曲は1stアルバムにも収録)。
 では、バリバリのパンク・ロックかといえばそうではなくて、ビートルズをはじめとするマージー・ビート系のポップな曲が中心でして、ちょっと時代はずれるけど、スミザリーンズと共通点の多いサウンドですね(実際スミザリーンズのを初めて聴たとき、ラーフイング・ドッグズのメンバーがいるのではないかと思ったくらいす)。

 はっきり言ってこのアルバム、発売当時まったく話題ににもなりませんでしたし、現在に至るまでCD化されたという話も聞きません。CDNOWで検索しても見つからないということは、本国アメリカでもCD化されてないみたいですね。

 しかしながら、このアルバムがこのまま歴史の中に埋もれてしまったら実になんとももったいない話です。
 とにかく捨て曲なんか1曲もなくて、どの曲を聴いてもポップのツボを押さえたメロディを持っているアルバムなんて、そう滅多にあるもんじゃありません。
 所謂パワー・ポップ系のサウンドやマージー・ビート系のサウンドが好きな人なら、絶対に好きにならざるをえないサウンドなんですけどね。
 このアルバムの中では「get'im outa town」と「reason for love」が私的ベストです。

 ちなみにプロデューサーのブルース・ボトニックはドアーズのアルバムのエンジニアやプロデュースを勤めた人であり、またラーフィング・ドッグズは1977年に再結成モンキーズの前座を勤める等、私の好きなバンド二つと関わりのあるバンドでもあります。



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Late One Night / Robert Williams (1982)  A&Msp 6-4889

Side-A
1. late one night
2. whitin you without you
3. roseanna
4. refuse to suffer
5. self destruction

Side-B
1. let it slide
2. grinding the gears
3. gotta be nice
4. hungry
5. never in love

   Produce - Robert Williams & Joe Chiccarelli

Robert Williams-Drs,Vo, Eric Williams-G,Vo,Peewee Hill-B, John Boen-Key,

 
 後期Captain Beefheart & Magic Bandのドラマーだったロバート・ウィリムズのソロ・アルバムです(Magic Bandでは「shiny beast」「doc at the rade station」に参加)。
 彼は、ストラングラーズのヒュー・コーンウェルと組んで「ノスフェラトゥ」というアルバムを出してますので、こちらの方で名前を聞いたことがある人がいるかもしれませんね(このソロ・アルバムにもヒューが1曲参加しています)。
 ちなみにこのアルバムのジャケットのロバート氏はまるでブライアン・アダムスみたいです(^^;

 元Captain Beefheart & Magic Bandということで、さぞや難解なサウンドだろうと思われる方もいらっしゃると思いますが、実際はいかにも1980年代初期という感じのシンセの音が目立つポップなサウンドなんです。
 そういえばキャプテン・ビーフハートの朋友であるフランク・ザッパのバンド出身のメンバーで結成されたミッシング・パーソンズもザッパ色の感じられないポップ・サウンドを演ってましたね。

 もちろん。ポップといっても単純なポップではなく、演奏の方はロバート・ウィリアムスのタムを多用した独特のドラムを中心としたハイ・グレードなもので、特にビートルズのカヴァーである「whitin you without you」の格好良さはすべてのロック・ファンに聴かせたいくらいのものです(特に間奏のスライド・ギターとシンセの絡みの格好良さときたら!)

 その他にもブルース・ファーラー(元ザッパ・バンド)のトロンボーンが格好いいスカ・レゲエ風の「refuse to suffer」や、同じくスカ・レゲエ風のリズムに哀愁メロディーの「late one night」等お薦めの曲があるのですが、残念ながらこのアルバムも未CD化なんですよね。

 レコードに何カ所か傷が付いて音飛びがするんで、CD化されることを切に願っているんですけれどねぇ...(^^;

 ところでロバート・ウィリアムスは上記のソロ・アルバムを出す前に4曲入りのミニ・アルバム(「buy my record」なんちゅうタイトル(^^;)を出しているのですが、これがまた良いんです。
 
ドアーズ・ファンにとってはロビー・クリューガーが1曲ギターで参加しているのも嬉しいのですが、それ以上に皆さんにお聴かせしたいのが、ラストの「time to dance again」というダンス・ナンバーです。
 基本的にはスカ・ナンバーなのだけれど、ベースに元ザッパ・バンドのアーサー・バーロウ、ホーン・セクションにブルース・ファーラーを中心としたファーラー3兄弟、ギターとシンセにディーボのマイク&ボブという一癖も二癖もある連中が演奏しているのだから、単純なスカであるわけはありません。シンプルなんだけれどさりげないところに捻りが入っていて、これがまた決まってるんですよね。 
 残念ながらこれも未CD化です。



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The Geese & The Ghost / Anthony Phillips (1977) vjcp-2321

1. wind-tales
2. which way the wind blows
3. henry:portraits from tudor times
(i) fanfare
(ii) lutes' chorus
(iii) misty battlements
(iv) henry goes to war
(v) death of a knight
(vi) trumpahnt return
4. god if i saw her now
5. chinese mushroom cloud
6. the geese & the ghost part1
7. the geese & the ghost part2
8. collections
9. sleepfall:thegeese fly west

Anthony Phillips - G,B,Vo(8),Per
Michael Rutherford - G,B,Per
Phil Collins - Vo (2&4)

Produce - Simon hayworth,Michael Rutherford,
Anthony Phillips

 
 このアルバムはプログレ・ファンの間では名盤として認知度が高いけれど、一般的な認知度は低いのでは...と思いとりあげてみました。

 Anthony PhillipsはGenesisの初代ギタリストで、2枚目の「侵入」発表後にGenesisを脱退し、それから7年を経て初めて出したソロ・アルバムがこの作品です。

 とはいえ、私がこのアルバムを買った時、Anthony Phillipsが元Genesisだとは知らなかったんですよね。それでは何故買ったのかというと、Michael RutherfordとPhil Collinsが参加していたということもありますが、それ以上にジャケットの美しさに惹かれたというのが一番の理由です。

 いかにもイギリスらしい丘の上に吟遊詩人が座り、その向かいの泉からは半透明の妖精が立ち上がっているという、まるで良質の絵本の挿し絵のようなジャケットはこれだけでも持っている価値があると思わせるに十分なものでした。
 現在はCD化されていますが、ぜひともLPサイズのジャケットで持っていたいものです。というのも、CDサイズではわかりずらいちょっとした遊びが随所にあるですよね(たとえばカタツムリに乗った小さな騎士とか...)

 サウンドの方はGenesisの「侵入」に通じるギターを中心とした中世風のアコースティック・サウンドで、いかにもプログレ!という派手さはありませんが、とにかく美しいの一言につきます。

 特に「which way the wind blows」と「god if i saw her now」は当時のGenesisより良いんじゃないかと思ってしまうくらいにPhil Collinsのボーカルが素晴らしく、実になんとも心に染みます。

 それ以上に好きなのがAnthony Phillips自身が歌う「collections」から「sleepfall:thegeese flywest」へと続くラストです。正直言ってAnthony Phillipsのボーカルはお世辞にも上手いとは言えないのですが、悲痛な内容の歌詞と合っていて、これが泣けるんですよね。
 また「sleepfall:thegeese flywest」もこの上なく優しく美しい曲で、睡眠導入ソングとしても最適な曲だと思います。

 ところで、ヘンリー8世をモチーフとした組曲「henry:portraits from tudor times」の中の「fanfare〜lutes' chorus」を結婚式の入場場面で使ったのはこの私です(^^;

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Instant Replay / Monkees (1969) Rhino R2 71796

01. Thorough The Lokking Glass (Tommy Boyce & Bobby Hart)
02. Don't Listen To Linda (Tommy Boyce & Bobby Hart)
03. I Won't Be The Same Without Her (Gerry Goffin / Carol KIng)
04. Just a Game (Micky Dolenz)
05. Me Without You (Tommy Boyce & Bobby Hart)
06. Don't Wait For Me (MIchael Nesmith)
07. You And I (David Jones / Bill Chadwick)
08. While I Cry (MIchael Nesmith)
09. Tear Drop City (Tommy Boyce & Bobby Hart)
10. The Girl Left Behind Me (Carole Bayer / Neil Sedaka)
11. A Man Without A Dream (Gerry Goffin / Carol KIng)
12. Shorty Blackwell (Micky Dolenz)
<Bonus Selections>
13. Someday Man (Roger NIchols / Paul Williams)
14. Carlisle Wheeling (MIchael Nesmith)
15. Rosemarie (Micky Dolenz)
16. Smile (David Jones)
17. St. Matthew (MIchael Nesmith)
18. Me Without You (Tommy Boyce & Bobby Hart)
19. Thorough The Lokking Glass (Tommy Boyce & Bobby Hart)

Monkees - MIchael Nesmith (Vo,G)
Micky Dolenz (Vo)
Davy Johns (Vo)

Back - Guitar / Tommy Tedesco, Gerry Mcgee, James Burton, Neil Young,etc...
Bass / Joe Osborn, Chip Douglas, Larry Taylor,etc...
Drums / Hal Blaine, Jim Gordon, Earl Palmer,etc...
Keyboards / Larry Knechtel, Michael Rubini,etc...

Produce - Tommy Boyce & Bobby Hart,
      Michael Nesmith, Micky Dolenz,


 TV放送の終了による人気の急落,ピーター・トークの脱退,という満身創痍の状況下において発売されたアルバムであり,当然ながら発売当時(1969年)の評価は極めて低いものでしたが(全米32位が最高位),今改めて聴くと,これが実に
POPの輝き溢れる名盤なんですよね。

 確かにモンキーズのアルバムとして聴くと,全盛期の頃と比べて全体的な曲のクォリティは下がっていることは否めません。しかも内4曲は1966年から1967年にかけて録音されたいわゆる没テイクなのです。また,このアルバム作成時のモンキーズはもはやバンドとしての形はなく,各自がソロで録音しプロデュースするという,ビートルズでいえば「ホワイト・アルバム」状態でした。
 それでも,所謂ソフト・ロックのひとつとして聴くと,これが最近乱再発気味の
B級ソフト・ロック系のアルバムがいくら束になっても敵わないクオリティを保っているんですよね。
 特に【3】【10】【11】はソフト・ロック度が高い名曲といえるでしょう。

 また,ボーナス・トラックを除いた12曲中モンキーズのメンバーが作った曲が5曲収録されていますが,マイク・ネスミスの曲(もちろんカントリー・ロック)が良いのは当たり前のこととして,デイビー・ジョーンズの【7】がなかなかカッコイイROCkになっているんですよね(バックでニール・ヤングがディストーションの効いたギターを弾きまくっているし)。

 しかししかし,このCDの白眉は何といってもボーナス・トラックとして収録されている『 Someday Man (Roger NIchols / Paul Williams)』でしょう。作者の一人であるポール・ウィリアムスのヴァージョンも先頃再発となりましたが,私的にはモンキーズのヴァージョンの方が好みですね。ポール・ウィリアムスのヴァージョンも悪くはないのですが,モンキーズのヴァージョンにある胸がキュンとなるようなPOPさに欠けているように思えるのです。

 ともかく,ソフト・ロックが好きという人なら,絶対に聴かなければならないし,聴かないと一生の損となるアルバムであると,そう断言しちゃいます。


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Pain Killer / Brainpool (1995) Epic/Sony ESCA 6279

01.Ready Steady Go
02. Holidays
03.Some Days Are Made For Smoking
04.We Aim To Please
05.Invisible To Her
06.Ha Ha Ha Ha Honey
07.A Postcard From JUan
08.Baby Baby Baby Baby Baby Baby Baby I Love You
09.Bandstarter
10.Breakfast In Bed
11.Smile
12.Girl Found
13.Every Second Day

Brainpool : Jan Kask / Vocal
     
David Birde / Guitars
     
Jens Jansson / Drums and Percussion
     
Christoffer Lundquist
     /Bass,Back Vocal,Keyboards,Flutes,etc...


 1990年代にはスウェーデンをはじめとした北欧諸国のバンドが数多く日本でCDを出しましたが,その中にあって私のPOPのツボに最もずっぽりと填ったのが,このスウェーデン出身のブレインプールです。
 同じスウェーデン出身のトランポリンズと比べると影は薄いですが,私的にはブレインプールの方が好きなんですよね。
 なんといってもメロディーが素晴らしい,それも
良質な60年代POPの特徴である胸がキュンとなるような甘酸っぱいメロディーがいっぱいです。それでいて単なる1960年代懐古サウンドに終わらないのは,演奏がグリーン・デイあたりと共通する今風パンク的なソリッドなものだからでしょう。
 そしてもうひとつ彼等のサウンドを特徴付けるのが
Jan Kask少年声ボーカルです。このまるでロー・テーンの少年のような歌声が,ますますPOP度を上げているんですよね。もっとも,この手の歌声が合わない人にとっては気持ち悪くて仕方がないかもしれませんが....(^^;)。
 彼等の曲のほとんどは,メンバーの
Jan KaskDavid Birdeが作っているのですが,サウンド面ではChristoffer Lundquistの役割も大きなものがあります。たとえばアルバム中にはストリングスやホーンを使用した曲があるのだけれど,これらのアレンジをやっているのは彼だし,また随所で聴かれるセンスの良いキーボードも彼の演奏によるものです。本職であるベースの方もまた気持ちの良いプレイを聴かせてくれます。
 このアルバムの中では,2曲目の『
Holidays』(ビージーズじゃないよ(^^;)は1990年代を代表するPOP Songのひとつであると言っても過言ではないくらいの名曲です。この曲1曲だけでもアルバム持っている価値があるのに,その他の曲もまた気持ちの良いPOPだらけで,所謂捨て曲といわれるような曲は1曲たりともありません。
 パワー・ポップや,ポップ・ロック,メロコアといったサウンドがお好きな方なら,聴いて絶対に損はしないアルバムであるとお薦めしちゃいますね!(^_^)

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