A

恋をするだけサ  
All I Have To Do Is Dream
エヴァリー・ブラザーズ
Everly Brothers

1958年
全米1位,全英1位
 全米で4週間,全英で7週間も1位の座を守ったこの曲は,なんとわずか15分で作られた曲だそうです。作者はFeliceBoudleauxBryant夫妻ですが,彼等は他にも「バイ・バイ・ラヴ」や「起きろよスージー」といったヒット曲をエヴァリー・ブラザーズに書いています。
 それらエヴァリー・ブラザーズの名曲の中にあって,トレモロのきいたギターのイントロから「ドリーム,ドリーム,ドリーム」と歌われるこの曲は,一番ポップな魅力溢れる名曲だと思います。彼等二人の息の合ったハーモニーで歌われる甘酸っぱいメロディーは,聴く度に胸がキュンとなってしまいますね。
 ふと考えてみれば,この曲ができたのは私が生まれた年なのですが,その魅力には少しも衰えがありません。つまり良いメロディーは時代を超越するということですね。
 収録アルバムは『Heartaches & Harmonies』....他ベスト盤なら必ずといって良いくらいに収録されているはずです。Youtube BACK

想いは君だけに
All I Think About Is You
ニルソン
Nilsson

1977年
全米*位,全英43位,日本*位
 アルバム『KNNILLSONN』収録のこの曲はヒット曲としてはご覧のとおり決して成功したとは言い難い作品ですが,ドリーミィーなPOPナンバーとしては1970年代屈指のものであると私は断言しましょう。夢見るようなエレクトリック・ベースとストリングスのイントロから始まり,甘美なストリングスの調べと女性コーラスをバックに歌われるシンプルだけれど美しいメロディー,そしてイントロと同じようなエレクトリック・ベースとストリングス,それに女性コーラスが加わったエンディングまで,徹頭徹尾ドリーミィーな曲に仕上がっています。特に間奏部のストリングスと女性コーラスには身も心もとろけてしまいます。
 ところが,
ジョン・レノン等との付き合いによる過度の飲酒が祟ったのか,ニルソンの声にはかつての4オクターブを誇った頃の伸びやかなつやも声量もありません。が,しかし,徹頭徹尾甘くドリーミィーなこの曲には,かえってこの枯れた味わいのある声の方が合うんですよね。そしてこのヴォーカルがあるからこそ,『想いは君だけに』はとろけるような甘さの中に上品な苦みを感じさせる高級チョコレートのような大人の魅力を醸し出しているのです。
 
作詞作曲はNilsson,収録アルバムは『Knnillsonn』『As Time Goes By』です。Youtube BACK

アローン・アゲイン  
Alone Again (Naturaly)
ギルバート・オサリバン
Gilbert O'sullivan

1972年
全米1位,全英3位,
日本(AJP20)1位
 最近でもしばしばCMで使われる等,押しも押されもせぬエヴァー・グリーン・ソングであるこの曲が,実は日本では発売当初まったくヒットしなかったってご存じですか?イギリスでのヒットをうけて日本盤が発売になったのが4月25日,とこるがAll Japan Pop 20にチャート・インしたのは,なんと4ヶ月後の8月28日なのです。つまり,アメリカでNo.1になるまで(7月29日),日本ではヒットの兆しすらなかったってことですね。今から思えばとても不思議に思えるかもしれませんが,チャップリンの映画に出てきそうな古臭い衣装にザンギリ頭のオカシナ兄ちゃんが座っているという当時のシングル盤のジャケットを見れば,「こりゃ売れなくても仕方ないなぁ」と思っちゃいますね(^^;)。
 しみじみと心に染みるメロディーを持つ「アローン・アゲイン」ですが,歌詞の方はとえいば,これが実に暗いというか哀しく寂しい内容で,とてもCM向きとはいえません(少なくとも英語圏の国では使わないと思うな)。以前保険会社のCMでこの曲が使われたときには,ずいぶんブラックな選曲したもんだなぁ...と変に感心しちゃいましたね(^^;)。
 作詞作曲はGilbert O'sullivan,ベスト盤なら必ず収録されているはずです。Youtube BACK

アメリカン・パイ
American Pie
ドン・マクリーン
Don Mclean

1972年
全米1位,全英2位
日本(AJP20)4位
 日本でも『木枯らしの少女』や『気になる女の子』と同時期にヒットしたこの曲はシングルとしては8分を超える異例の長さのため,片面には収録することができず,A面『Part1』B面『Part2』と分けて収録されていました(ちなみに『気になる女の子』の約4曲分の長さです)。そのため,当時ラジオで聴くことができたのは『Part1』ばかりだったのではないかと思います。もっとも,FENではフルレンジで放送されていたような記憶もあるのですが....。しかし,全曲通して聴いても少しも長さを感じない素敵なメロディーをもった曲であることは間違いありません。静かなギターの弾き語りから途中一転してアップテンポになり,そしてまたゆったりとしたテンポになるという曲の構成も,この曲を長く感じさせない要因かもしれませんねえ。
 ちなみに,この詩で歌われる『音楽が死んだ日』とは,少年時代のドン・マクリーンのアイドルであったバディ・ホリーが飛行機事故で死んだ日,1959年2月3日のことです。
 作詞作曲はDon Mclean,ベスト盤なら必ず収録されているはずです。Youtube BACK

アナ・エング
Ana Ng
ゼイ・マイト・ビー・ジャイアンツ
They Might Be Giants

1988年
全米?位,全英?位
 ニューヨーク出身のヒネクレ・ポップの二人組,ゼイ・マイト・ビー・ジャイアンツが1988年にリリースした2ndアルバムの1曲目に収録されている曲。確かシングルにもなったんじゃないかな?ヒットしたかどうかは定かではありませんが...(^^;)。
 パンクっぽいエッジの効いたカッティングのギターとチープな音色のドラム・マシーン,そしてアコーディオンとベースいう不思議な楽器編成と,シンプルなようで凝っているアレンジが一筋縄ではいかない風情を醸し出していますが,メロディーそのものは物凄くPOPなんですよね。特にサビの部分は何度もリピートして聴きたくなる中毒性があります。
 ところで,この曲には映像版もあるのですが,これがなんとも素敵なおバカぶりを見せてくれまして,まさにゼイ・マイト・ビー・ジャイアンツの魅力全開って感じです。
 作詞作曲はThey Might Be Giants,収録アルバムは『Linccoln』です。 BACK

アンド・サドゥンリィ
And suddenly...
チェリー・ピープル
Cherry People

1968年
全米45位,全英*位
 ジェリー・ロスがプロデュースをしているということで近年ソフト・ロック・バンドとして再評価されているアメリカはワシントンDC出身のバンド,チェリー・ピープルが1968年に放った唯一のヒット曲。バロック・ロックのバンドとして知られるレフト・バンクマイケル・ブラウンが作った曲であり,レフト・バンク自身もシングルとして発表していますが,こちらの方はほとんどヒットしませんでした。確かに今聴いても,いかにもジェリー・ロスらしいキラキラとしたアメリカンPOPナンバーとなっているチェリー・ピープルのヴァージョンの方が魅力的に聞こえますよね。
 ところで,メンバーの
Punky Meadowsって,1970年代に(ちょっぴり)活躍したエンジェルのメンバーで,フランク・ザッパから『Punky's Wgip』という曲でネタにされた,あのパンキィ・メドウスと同一人物なんでしょうか?
 P.S.この曲の正式な日本語タイトルがわかる方がいらっしゃったら教えていただけませんか?
 
作詞作曲はMichael Brown,収録アルバムは『And Suddenly』です。Youtube BACK

あの時君は若かった  
Anotoki Kimi wa Wakakatta
スパイダース
Spiders

1968年
全米*位,全英*位
日本(オリコン)6位
 日本が生んだ最初のロック・バンド,スパイダースの1968年のヒット曲です。印象的なギターのイントロ,胸がキュンとなるような甘酸っぱいメロディー,そしてサビのコーラス等々,この曲を聴くと,当時の日本の音楽シーンにおいて,いかにスパイダース(特にかまやつひろし)の音楽センスが図抜けていたかが嫌と言うほどわかりますね。当時のグループ・サウンズの多くが職業作曲家の曲を押しつけられるようにシングルとしていた中で,彼が自作曲をシングルとすることができたのは,その自作曲のレベルの高さ故なのでしょう。特にこの曲は,日本が生んだPOPの名曲として高く評価されてしかるべきだと思います。
 ちなみにシングルB面の『もう一度もう一度』も,今聴けば「ビーチボーイズのパクリじゃん」と言われるかもしれませんが,しかし,当時の日本でここまでビーチボーイズ・サウンドをきちんと取り込むことができたのはスパイダースだけなんですよね。
 作曲はかまやつひろし,作詞は菅原奈美恵,収録アルバムは『ザ・スパイダース・アルバムNo.5』です。Youtube BACK