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カリフォルニア・マイ・ウェイ 
California My Way

ランブルズLTD
Rumbles,LTD

1969年
全米*位,全英*位

 謎のサイケデロック・ロック・バンド、ファイアー・エスケイプ(Fire Escape)の唯一のアルバム『Psychotic Reaction』がCD化された際、ボーナス・トラックとしてGNPクレシェンドからリリースされたガレージ・サイケ系バンドの曲が10曲収録されていましが、この『カリフォルニア・マイ・ウェイ 』もその1曲です。
 といっても、ネブラスカ出身のランブルズLTDが演奏するこの曲は、リード・ギターにはファズがかかっているものの、サウンド的にはアソシエイション+ブラス・ロックといった感じの実に良くできたPOPサウンドで、ガレージ・サイケ系の曲ばかりが収録されているこのアルバムの中にあっては異色な存在なんですけどね。
 それにしても、洗練されたコーラスとホーン・セクションで彩られたこの曲が、GNPが買い取ったローカル・レーベルから発売されたものだとは、とても信じ難いものがあります。ぜひともソフト・ロック・ファンに聴いていただきたい曲ですね。

*追記〜実はこの曲って5th Dimension等も取り上げているナンバーであることを最近になって知りました。いやぁ勉強不足でお恥ずかしい(^^;)。もっともランブルズLTDのヴァージョンが一番好きであることは変わりありませんが...
 作曲はWillie Hutch,収録アルバムは『Psychotic Reaction』です。 BACK

クリスマス・イン・サバービア Christmas In suburbia

マーティン・ニューウェル
Martin Newell

1994年
全米*位,全英*位
 XTCのアンディー・パートリッジがプロデュースをしたことで話題を呼んだアルバム『The Greatest Living Englishman』に収録されている曲ですが,実は私このマーティン・ニューウェルというミュージシャンについてはまったく知りません。インターネットで調べてもその経歴ははっきりしないし(ジャケットの写真はかなり老けて見えるけれど,いったい本当は何歳なだろう?)....ただ,言えるのは,この人はとんでもなくPOPな音楽を作る才人だということです。さすがはアンディー・パートリッジが惚れ込んでプロデュースをしたことだけはありますね。
 このアルバムはPOPな名曲揃いなんですが,その中にあってもこの『クリスマス・イン・サバービア』はBeatles-->>XTCというブリティッシュPOPの王道とでも言うべき完璧なPOP Musicに仕上がっています。なんといっても,甘酸っぱい香りのするメロディーが素晴らしい。内容的には『クリスマス』の歌なのかもしれませんが,季節を問わずいつでも聴きたくなる名曲ですね。
 それにしても作る曲(歌声も含めて)と容姿がこれほど一致しない人も珍しいのではないでしょうか?(^^;)
 作曲はMartin Newell,収録アルバムは『The Greatest Living Englishman』です。Youtube BACK

Cider '73'74'75
Cider '73'74'75
大滝詠一
Ootaki Eiichi

1975年
全米*位,全英*位
(AJP20)*位
 1973年、アイドル全開だった風吹ジュンが出ていた三ツ矢サイダーのCMで流れていた曲が、当時中学生だった私の耳にもやけに新鮮に聴こえたものですが、この洗練されたPOPソングを作ったのが大滝詠一であったことを知ったのは、かなり後になってからのことです。
 はっぴいえんど解散後、大滝詠一は数多くのCMソングを手がけますが(CM作品集も発売されています)、その記念すべき第1弾がこの三ツ矢サイダーのCMソングでした。
 1975年にリリースされたアルバム『Niagara Moon』には1973年から1975年にかけて作った三ツ矢サイダーのCMソングが『Cider '73'74'75』として収録されていますが、これが単に3つのヴァージョンをつなげただけのものではなく、ちゃんとひとつの楽曲として聴くことができるのは、大滝詠一マジックといったところでしょうか。
 それにしても、時間的に制限のあるCMソングの中にドゥーワップ、ビーチ・ボーイズ、そしてニューオリンズ・スタイルのリズム等様々な音楽要素が盛り込まれ、なおかつ完璧なPOPソングとして仕上げている大滝詠一のPOP職人ぶりにはただただ敬服するのみです。
 余談ですが、山上たつひこの代表作のひとつである『喜劇新思想大系』の一遍で『Cider '73』がネタで使われているのですが、これがなかなか酷くて(良い意味で)笑えますので、機会がありましたら御一読ください。
 作曲は伊藤アキラ & 多羅尾判内(大滝詠一の変名,収録アルバムは『Niagara Moon』です。 BACK

ニューオリンズの町
 
City of New Orleans

アーロ・ガスリー
Arlo Guthrie

1972年
全米*位,全英*位
 ボブ・ディラン等に多大な影響を与えた米国のフォーク・シンガー、ウディ・ガスリーの息子であるアーロ・ガスリーが歌ったこの曲は、1973年にワーナー系列のレコード会社の洋楽サンプルとして2枚組980円という驚異的な低価格で発売された『ホット・メニュー '73』というLPを通して初めて知ったのですが(このLPを通して存在を知ったミュージシャンは数多いのですが、それはまた別の話ということで)、何よりもそのノスタルジックで哀愁のあるメロディーに一発で心を奪われてしまいました。特に『Good Morning America,How Are You』と始まるサビの部分は何度聴いても心に染みるものがあります。
 この曲はアーロ・ガスリーの自作曲ではなく、同じ米国のシンガーソングライターであるスティーヴ・グッドマンの1stアルバムに収録されている曲をカヴァーしたものですが、アーロ・ガスリー以外にもジョン・デンバーウィリー・ネルソン等多くのミュージシャンがカヴァーしています。
 作曲はSteve Goddman,収録アルバムは『Hobo's Lullaby』です。Youtube  BACK

クラシカル・ガス
Classical Gas
メイソン・ウィリアムズ
Mason Williams

1968年
全米2位,全英9位
(AJP20)*位
 テキサス州出身のギタリスト・作曲家,メイソン・ウィリアムズが1968年にヒットさせたインスト・ナンバー。私が初めてこの曲を聴いたのはイギリスのプログレ・バンド,ベガーズ・オペラのヴァージョンなのですが,そのときにはタイトル通りクラシックの曲をモチーフに作られた曲だとばかり思っており,メイソン・ウィリアムズというミュージシャンが作曲し,全米全英で大ヒットさせた曲だとは知りませんでした。というのも,この曲,何故か日本ではあまりヒットしてないみたいなんですよね。少なくともAJP20にはチャートインしてません。クラシック・ギターによる哀愁を帯びたメロディーとクラシカル風味のアレンジはずばり日本人好みのサウンドだと思うのに,どうしてヒットしなかったのか......実に不思議でなりません。もしかしたら日本ではベンチャーズのカヴァー・ヴァージョンの方が有名なのかもしれませんね(Amazonで検索かけたらベンチャーズばかり出てくるし(^^;)。他にもポール・モーリア等多くのミュージシャンがこの曲をカヴァーしていますが,私が一番好きなのはなんといってもベガーズ・オペラのヴァージョンです。といいながら,このヴァージョンはまだ持っていないんですよね。
 作曲はMason Williams,収録アルバムは『Billboard Top Pop Hits,1968』です。Youtube  BACK

土曜の朝には
Come Saturday Morning
サンドパイパーズ
Sandpipers

1970年
全米17位,全英*位
(AJP20)*位
 ロサンジェルス出身の3人組コーラス・グループ,サンドパイパーズが歌うこの曲はライザ・ミネリ主演の映画『The Sterile Cuckoo』の挿入歌として1966年の『Guntanamera』以来のTOP20ヒットとなりました。
 いかにもA&Mらしいアコースティック・ギターとストリングスをメインとした爽やかな演奏に,これまたいかにもA&Mらしい美しいメロディーに透明感のあるコーラスという,典型的なA&Mサウンドなのですが,それ故に一度聴いたら忘れられない魅力を持つ名曲であるということができます。所謂ソフト・ロックが好きな人ならお気に入り間違いなしですね。
 メロディーも日本人好みなのに,どうして日本ではヒットしなかったのか不思議でなりません
 作曲はDory Previn & Fred Carlin,収録アルバムは『A&M Gold Series』です。Youtube BACK

クドント・ゲット・イット・ライト
Could'nt Get It Right
クライマックス・ブルース・バンド
Climax Blues Band

1977年
全米3位,全英10位
(AJP20)*位
 英国スタッフォード出身のクライマックス・ブルース・バンドはその名の通りブルース・バンドとしてデビューしたバンドですが,この曲はというと,これが『サタディ・ナイト・フィーバー』当時のビージーズを彷彿とさせるようなディスコ・サウンドなんです。まぁだからこそヒットしたのでしょうが,しかし,正直言ってディスコ・サウンドは当時一番嫌いなサウンドだし,今でも決して好きとはいえません。なのに,この『クドント・ゲット・イット・ライト』には抗えない魅力を感じてしまうんですよね。同時期のビージーズのディスコ・サウンドと比べるとアレンジも歌も圧倒的に垢抜けないのですが,逆に私にとってはその垢抜けなさが魅力的というか,それだけに曲を聴く者の耳にPOPな魅力がダイレクト伝わってくるような気がするのです。もちろん,哀愁を帯びたメロディーもまた魅力的なんですけれどね。
 作曲はHaycook/Ho ll/Cooer/Coffey,収録アルバムは『Gold Plated(黄金の一撃)』です。Youtube BACK

恋するふたり
Cruel To Be Kind
ニック・ロウ
NIck Lowe

1979年
全米12位,全英12位
(AJP20)*位
 イギリスのPOP職人ニック・ロウの作る曲はどれも素晴らしいPOPナンバーばかりなのですが,その名人芸ともいえるPOPさ故か,何故かヒットには結びつかず,唯一全米Top40入りしたのがこの『恋するふたり』です。しかし,この原題からどうしてこの邦題になるのか,はなはだ疑問なんですけれどね。『恋する二人』だとビートルズの曲になってしまうし(^^;)
 それはともあれ,この曲はドラムのフィル・インから始まるイントロからサビを繰り返しながらのエンディングまで,まるで頭から尻尾まであんこのびっちりつまったたい焼きのようにPOPがびっちりと詰まった名曲であることは間違いがありません。これぞ大人のPOPってやつですね!
 また,彼はプロデューサーとしても優秀な存在であり,エルヴィス・コステロやディヴ・エドモンズ,ダムド等のレコード制作に携わっています。
 作曲はRobert Ian Gomn & Nick Lowe,収録アルバムは『いかした愛の放浪者(Labour Of Love)』です。Youtube BACK