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蜜の味   
A Tasete Of Honey
ハーブ・アルパート&ティファナ・ブラス
Herb Alpert's Tijuana Brass

1965年
全米7位,全英*位
 ハーブ・アルパート&ティファナ・ブラス によって,1965年にヒットしたこの曲ですが,元々は3拍子のスローなナンバーでした(たとえば,ビートルズのカヴァー・ヴァージョン-『Please Please me』収録-がそうですね)。それをリズムを4拍子にしてテンポ・アップし,ティファナ・ブラス・サウンドに仕上げたのが,このヴァージョンです。ティファナ・ブラスの演奏全体について言えるのですが,彼等のサウンドって実に軽やかです。世の中に軽いサウンドというのは溢れているのですが,彼等のような軽やかなサウンドって,案外少ないんですよね。それでいながら深みも感じる,これは大人のサウンドです。
 ところが,
ハーブ・アルパート&ティファナ・ブラス のアルバムって,何故か現在国内盤は廃盤状態なんです。決して日本で人気の無かったバンドではないのに....何故なんでしょうね?
 ちなみにティファナ・ブラスも在籍していた
A&MのAはHerb AlpertのAなのです。
 
作者はScott/Marlow,プロデュースはHerb Alpert, Jerry Moss(A&MのMです),収録アルバムは『Whipped Cream & Other Delights』です。 BACK

ただいま
Tadaima
大貫亜美
oonuki ami

1997年
全米*位, 全英*位,
(オリコン)10位
 Puffyのソロ・アルバム『Solosolo』の大貫亜美サイドのラスト・ナンバーであるPOPで可憐なこの曲を作曲したのはJetsetSmall Town Pareadeにも参加していたPOP職人Paul Bevoirです。クラシカルなストリングスによるイントロから一転ギター・ポップなサウンドになり,そこに極上のメロディーが歌われるという,まさにPOPファンならば好きにならずにいられない曲ですが,大貫亜美のクセのないヴォーカルもこの曲に良く合っていると思いますね。
 また,阿部義晴による詩が実に良いんです。特にサビの部分はその甘酸っぱいメロディーも相まって心がじ〜んと暖かくなってきます。こういう歌詞ならば抵抗なく耳に入ってくるんですが,最近の所謂J-Pop系のアレやらこれやらHipHopもどきのアレやらこれやらは....どうもねぇ....(^^;)。
 ところで,この曲はアニメ『はれときどきぶた』のエンディング・テーマでも使われていのですが,当時たまたまTVのスイッチを入れてこの曲が流れてきたときには吃驚しちゃいましたよ(^^;)。
 作者は阿部義晴/Paul Bevoir,収録アルバムは『Solosolo』 BACK

テル・ヒム
Tell Him
ハロー
Hello

1974年
全米*位,全英6位
 1970年代中期にイギリスのアイドル・バンド(BCRと同時期ですね)であったハローの初ヒットです。この曲はアメリカの黒人グループ,エキサイターズが1963年にヒットさせた曲(全米4位)のカヴァーですが,ペシャペシャしたドラムの音とハンド・クラッピング,アフター・ビートで打ち鳴らされるピアノ,そしてやたらにリヴァーブの深いコーラス等,典型的なロンドン・ポップサウンドとなっています。それでいながら爽やかな印象を受けるのは,ヴォーカルがいかにもアイドル・バンドといった少年ヴォイスだからでしょうね。ファズっぽいギターのリフもなかなかカッコイイですよ。
 もっとも,この曲が日本でヒットしたのは1977年になってからのことです(AJP,9位)。当時発売されたアルバムのライナーにはまるでBCRに対抗して出てきた新人バンドみたいに書かれていましたが,実は大嘘だったんですね(^^;)。
 ちなみにこのバンドはラス・バラードの弟分のような存在であり,初期のシングル及びもう一つのTop10ヒット『New York Groove』を彼が作曲しています。
 作者はRussell,収録アルバムは『New York Groove...Best Of Hello』 BACK

気になる女の子
That's The Way A Woman Is
メッセンジャーズ
Messengers

1972年
全米62位, 全英*位
(AJP20)2位
 この『気になる女の子』は日本だけで大ヒットした曲の代表的な1曲として知られますが,何故アメリカでヒットしなかったのか不思議なくらいにPOPな魅力に溢れた名曲です。イントロの「アアッアアッ」ともだえるようなそれでいて爽やかな印象的なコーラス,そしてキャッチーで胸キュンなメロディーと,わずか2分にも満たない曲だけれど,そこにはPOPのエッセンスが凝縮されているのです。
 しかし,残念なことに,本国アメリカではヒットのないほとんど無名のバンドであるため,アルバムもCD化されず,またこの曲が1970年代のコンピ盤に収録されることもありません。そして何故か日本でもこの曲が収録されているCDって出てないんですよね(版権上の問題点でもあるのでしょうか?)。
*最近いくつかの国内盤オムニバスに収録されるようになりました。
 唯一One by Oneレーベルから出ている『
The Defenitive 70's Lost Single Collection - Radio Hits Of Japan Vol.2』に収録されているのですが,どうやらこれはすでに廃盤になっているようです。Power POPの先駆けとして若い人達にぜひとも聴いてもらいたい曲なのに,なんとも残念な話です。
 作者は
M.Morgan / M.Moier,M.Morganはバンドのメンバーです。 BACK

夏の日の恋
The Theme From "A Summer Place"
パーシー・フェイス
Percy Faith

1960年
全米1位, 全英2位
 映画『避暑地の出来事』のテーマ曲であるこの曲は所謂イージー・リスニングに分類される曲です。かつて私がロック馬鹿であった頃は,他のロック馬鹿の皆様同様,「イージー・リスニングなんて聴くに耐えない音楽,いや音楽と呼ぶのも汚らわしい音である」などとほざいておりました。が,しかし,実際には高校時代に何故か友人(男です(^^;)がくれたこの曲のシングル盤(B面は『ムーランルージュの歌』これも名曲です)を密かに愛聴していたんです。イージー・リスニングというと甘ったるい音楽というイメージがありますが(確かにそういうものもあります),この『夏の日の恋』は透明感のある上品な甘さのサウンドなんですよね。特にストリングスの音が良くて,ストリングス好きの私にとってはたまらないんですよ,これが(^_^)。
 1960年代初期の日本ではこういう映画音楽もヒットチャートの上位を占めていたんですよね。
 作者はMax Steiner,プロデュースはPercy Faith,収録アルバムは『Percy Faith's Greatest Hits』 BACK

愚かなり,わが恋
These Foolish Things
ブライアン・フェリー
Bryan Ferry

1973年
全米*位, 全英*位
 ロキシー・ミュージックの伊達男ブライアン・フェリーの初ソロ・アルバムのタイトルにしてアルバムのラストを飾るこのナンバーは戦前の古いジャズ・ナンバーのカヴァーですが,いかにも場末のクラブのような雰囲気で始まり,途中からレゲエになるという当時としては斬新なアレンジとなっています(当時はまだレゲエはメジャーな音楽ではなかったんですよね)。
 しかし,一番の聴き物はフェリーさんの『何を見ても聞いても恋人の事を思い出してしまうという情けない男の心情を切々と歌い上げる』ヴォーカルです。古くて大甘のジャズ・ナンバーとフェリーさんの歌声って実に相性が良いんですよね。後のダンディー・フェリーさんの原型がこの曲に凝縮されていると言っても過言ではないでしょう。
 それにしても『愚かなり,わが恋』という邦題って良いですよねぇ....実に味わい深いものがありますよ。
 作者はMashwitz/Strachey,収録アルバムは『These Foolish Things』 BACK

シェリーに口づけ  
Tout,Tout Pour Ma Cherie
ミッシェル・ポルナレフ
Michel Polnareff

1971年
全米*位, 全英*位,
(AJP20)1位
 フレンチ・ポップの火付け役であり,1970年代を代表する人気アーティストでありながら,諸事情により2000年までCD化されなかったミッシェル・ポルナレフの日本における初ヒットが,この「シェリーに口づけ」です。実はこの曲,本国フランスでは1969年にヒットした曲であり,日本でも「可愛いシェリーのために」(こちらの方が原題に近いんですよね)というタイトルで発売されたのですが,この時にはまったくといってよいほど売れませんでした。ところが,1971年にタイトルを変えて発売したところ,プロモーションも功を奏したのか,大ヒットとなり,一躍ミッシェル・ポルナレフ人気が高まったのです。
 「Tout,Tout Pour Ma Cherie,Ma Cherie」と歌われるイントロから最後まで,切なくなるような甘酸っぱいメロディーで満ちあふれているこの曲は,1970年代初期を代表するPOPソングと言っても決して過言ではないでしょうね。少なくとも私らの年代でこの曲を知らない人間はいないはずです(いたとしたら,かなりの希少価値ですよ(^^;)。
 ちなみに日本盤シングルのB面は「ノンノン人形」でしたが,これはいかにも1966年らしいフォーク・ロック・ナンバーですね。
 ちなみついでですが,この曲を1980年代に日本でカヴァーした崎谷健次郎とえねまは,一時期同じバンド(Vision)で活動していました....が,こりゃ,どうでもいいことですね(^^;)。
 
作者はMichel Polnareff,収録アルバムは『Michel Polnareff』 BACK

トレイシー
Tracy
カフリンクス
Cuff Links

1969年
全米9位, 全英4位,
(AJP20)2位
 「ぱ〜ぱ〜ぱぱぱぱ〜」という軽快なコーラスから始まるこの爽やかなPOPナンバーを歌うカフリンクスは,実はスタジオ・ミュージシャンによる実体のないバンドなのです。そしてこのカフリンクスで歌のみならずコーラスまでを一人で担当していのがロン・ダンテというアメリカを代表するセッション・シンガーです。アーチーズ(アニメに出てくるバンド)の全米No.1ヒット「シュガー・シュガー」でリード・ボーカルをとっているのも彼なんですよね。
 この曲,ずいぶんと長い間私にとっては失われた曲の一つでした。というのは,中学1年の頃FENからエア・チェックしたテープの中にこの曲が入っていて,物凄く良い曲だなぁ,と思いつつも,誰の何という曲かわからなかったのです。そして,曲名もバンド名もわからないまま10年近い月日が流れたある日,行きつけの喫茶店(当時江古田にあったメリー・ルゥというお店です)でこの曲が流れてきたのです。慌ててマスターに聞いたところ,カフリンクスの「トレイシー」ということが判明しました。マスターに頼み込んでそのカセット・テープをもらってきたのは言うまでもありません(^^;)。
 作者はVance/Pockriss,収録アルバムは『Have A NIce Day Vol.1』 BACK

トレイシー・ハイド
Tracy Hide
ワンダーミンツ
Wondermints

1996年
全米*位, 全英*位,
(AJP20)*位
 ブライアン・ウィルソンの完全復活及びアルバム『スマイル』制作を支えた男,ダリアン・サハナジャ率いる極上POPバンド,ワンダーミンツのデビュー・アルバムに収録されている曲ですが,これが見事なまでに『ペット・サウンズ』時代のブライアン・ウィルソンを彷彿とされるサウンドなんですよね。それじゃぁブライアン・ウィルソンの物真似なのか...といえば,ここまで完璧なPOPソングを作られたら,そんなこたぁもうどうでも良くなっちゃいます。この甘美なメロディーとコーラスを聴いていると,心がふわりと別の世界に行ってしまうようで,いやもうこの心地良さはある意味危険ですよ(^^;)。
 ところで,ワンダーミンツがカヴァー曲のみを収録したアルバム『ワンダフルワールドのWondermints』には『トレイシー・ハイド』のセルフ・カヴァーも収録されているのですが,これがまた心地良さ120%増量となっているので,ご使用の際には十分に気を付けて下さい。心地良すぎてあちらの世界に行ったままになっても,当方は責任とれませんので(^^;)。
 余談ですが,私らの世代が『トレイシー・ハイド』という文字を目にすると,どうしても映画『小さな恋のメロディー』の女の子を思いだしてしまうのですが,こちらはTracy Hydeなので,残念ながら関係はないようです。
 作者はD.Sahanaja,収録アルバムは『Wondermints』『ワンダフルワールドのWondermints』 BACK