AIRアニメ日記

第1話『かぜ〜Breeze』 1/7放送

 期待と不安のうちに迎えたTVアニメ版『AIR』第1回ですが,いや〜,期待以上でした。スタッフの原作の雰囲気を大切に作ろうという意欲がひしひしと伝わる作品となっています。
 『Air Prelude』で作画の素晴らしさは分かっていましたが,実際に見るまでは1話を通してあのクオリティが保たれているのだろうか....と心配だったんです。でも,それは杞憂でしたね。あの絵は18禁ゲームを原作としたアニメとしては間違いなく最高のレベルでだと思います。それにしても,いたる絵がアニメとして動いている様を見られる日が来るとは夢にも思いませんでしたよ。

 オープニングのぶつ切り『鳥の歌』も原曲を知らない人ならそんなに違和感は無いんじゃないでしょうか。少なくとも私は『Air Prelude』で何回か見ているうちに慣れちゃいました。

 また,初回から観鈴,佳乃,美凪の3人が登場するのは早急過ぎないか,という声もあるようですが,あのストーリーを12回でまとめようとするなら,このくらいのペースじゃないと無理ですもんね。もっとも,個人的にはそんなに早急な展開だとは思いませんでしたが....

 それにしても,このアニメの観鈴ちんはいいですねぇ。最初『夏影』とともに登場したときには涙が出そうになってしまいましよ。原作を知らない人にはただ変な女の子にしか見えないかもしれませんが,原作を知っていると,台詞の一つ一つが切ないんですよね。
 特に往人に「遊びたいな」と告げるシーンで,あんな表情されちゃぁたまりませんよ。

 かといって,シリアス一辺倒であるかといえば,決してそんなことはなく,ギャグについても原作同様随所にちりばめられています。たとえば,往人の「ほれるなよ」に対する晴子のハリセン(どこから出したんだ?(^^;)ツッコミや,みちる往人の戦いとかは,原作を知らなくとも楽しめるのではないでしょうか?しかし,往人の情け容赦ない攻撃は,下手したら児童虐待とクレームがつきそうですね....まぁ,もっとも往人はそれ以上の攻撃をみちるから加えられてはいるのですが(^^;)。

 あと,印象深いのがポテト君ですね。いやぁ,動くポテトがあんなに変で可愛いとは思いませんでした。ポテト君の存在は一般の女性にも人気が出るかもしれませんね。

 ところで,原作ゲームの背景CGは美しいので有名ですが,このアニメの背景もまたとても美しいんです。青空だけでもずいぶんと丁寧に描かれているような気がします。また,往人が川に落ちたシーンにおける川の流れなんか,本当に良くできているんですよね。

 なお,BGMはすべて原作ゲームの曲が使用されています。『AIR』というゲームは音楽との関係が切っても切れない面があるので,これは正しい判断だと思いますね。これで音楽が違ったら(原作ゲームの音楽よりつまらなかったら),きっと『AIR』のアニメとして楽しめないと思います。
 それにしても,オープニング曲の『鳥の歌』とエンディング曲の『Farewell Song』は普通のシングルCDとして発売されるんでしょうか?
 

第2話『まち〜Town』 1/14 放送

 今回の見所は何と言ってもポテトの怪しげな踊りでしょう(^^;)。こいつは,なんちゅ〜か実に不気味で可愛いです。

 というわけで,第2回目の『AIR』ですが,作画がレベルダウンすることはなく相変わらず美しい世界を見せてくれます。特に夕焼けに染まる海の美しさと,往人観鈴が神社から戻る時の木漏れ日の美しさ,そして往人観鈴が遊ぶ小川の美しさは特筆すべきものがありますね。

 この回で往人は霧島診療所でバイトをすることになるのですが,その最初の仕事が流しそーめんのための竹切りだというのがなんとも(^^;)....しかし,箸も使えるとは,ポテトって本当に犬なんですか?
 そして,の命令により往人は学校まで弁当を届けに行くのですが,そこで佳乃の居場所を訊ねた3人娘を良〜く見てみると,なんとまぁ,名雪あゆ真琴kanon3人娘じゃないですか....しかも声優もゲーム(アニメ)と同じ人を使っているし....なんという贅沢ぶり! 

 その他にも
 ナマケモノの人形としのさいかちゃん
 美凪の母親と往人の遭遇
 GAO GAO Tシャツを着た往人
 みちるの人形強奪と美凪の人形修理,そして『お米券』贈呈
 橘敬介とケーキ
 等々イベントが目白押しです。

 これだけを見ると詰め込み過ぎという印象を受けるかもしれませんが,実際にアニメとして見ると,編集の上手さ故か,詰め込み過ぎって感じはしませんでしたね。ただ,『ナマケモノの人形としのさいかちゃん』のイベントは後のストーリーに絡むものではないので必要ないといえば必要ないんですけれど...ま,ナマケモノの人形を抱きしめるしのさいかちゃんが可愛いからいいんですけどね...(^^;)

 そして夜,夢遊病者のように神社へ向かう佳乃の姿を往人が見つけたところで今回はEND。ただ,観鈴と一緒にいたところが原作とは異なりますが...

 それにしても,このアニメは細かい表情の使い方が本当に上手いですね。佳乃往人に対して楽しげに笑っている様子を見たときのの何ともいえない表情が,実はちゃんと今後の展開の伏線になっているんですよね。そういえば,前回,往人を泊めることをOKする直前の晴子もまた同じ様な表情を浮かべていましたっけ...。ともに往人という存在が佳乃にとって,そして観鈴にとって必要なものであることを察したという表情なんだと思います。

 期待していた『東鳩R』が残念な出来だっただけに,この『AIR』のアニメを見ると実に幸せな気持ちになれます。
 でも,小川で往人とと楽しそうに遊ぶ観鈴の笑顔を見てると,切なくて涙が出そうになるんですよね。
 このままのグレードであのEndingを迎えてしまったら....こりゃ絶対に泣くな(^^;)。
 

第3話『こえ〜Whisper』 1/21 放送

 『神』と言われる作画も2話まで....との風評の中,果たして3話での作画はいかに....と思ったら,何です,これは....第2話よりも作画が向上してるじゃないですか!
 こうなったら,ぜひ最後までこのクオリティーを継続させていただきたいもんですね。

 今までの3回の放送を見ると,このシリーズの構成とシナリオを担当している人が本当に『AIR』というゲームを理解して制作しているということが良くわかりますね。
 はずせない台詞やギャグはしっかりと原作のまま生かしているって感じがします。
 たとえば,今回放送された『の3本メス攻撃』『朝のセミ入りベーコンエッグ』『往人の目キラ〜ン』は絶対にはずせないネタですしね。

 かといって,すべてが原作通りかといえばそういうわけでもなく,たとえばゲーム本編では佳乃の話に観鈴が絡むことはほとんどないのですが,このアニメ版では神社で佳乃を見つけるシーンでは往人一人ではなく観鈴も一緒なんですよね。さらにこの時,メスで襲いかかろうとするを止めようとして観鈴が転んでしまい,さらにそれに引っかかってが転んでしまうというオリジナル展開も見ることが出来ます。また,その後佳乃が行方不明になった時も,観鈴往人と一緒に佳乃を捜しています。

 また,細かな点においてもこのアニメは良くできており,たとえば何気ない行動や言葉が,実は伏線のひとつであったりするのです。佳乃の家から帰るとき,往人の「佳乃と仲良くすれば良いのに」という言葉に対する観鈴の寂しげな表情は大いなる(哀しい)伏線の一部であり,当然,佳乃の手首のバンダナや不可解な言動も,観鈴の『過去に遡って見る夢』の話しもまた重要な伏線の一部なのです。

 それにしても,ラストの佳乃往人ののどを絞めるシーンは凄かったですね。佳乃の腕が往人の首に向けて伸びる動きや,指が首に食い込む様子は,見ていて思わずゾッとしてしまいましたよ。

 ところで,このアニメの往人は本編ゲームに比べてダメダメ人間ぶりが少なく,ずっと良い人間に描かれているように思えるのですが....
 今回も佳乃の「魔法が使えたら,(死んだ)母親に会って謝りたい」という台詞に対して「謝るんじゃなくて礼を言うべきだ」と,実にカッコイイ台詞を口にしてくれます。

 さて,次回で『佳乃編』はクライマックスを迎えるのでしょうか?
 

第4話『はね〜Plume』 1/28 放送

 今回で『佳乃編』終了ってところですかね。
 ゲーム本編をやっている人間にとっては少し急ぎ足のような印象は受けますが,それでも元のシナリオを手堅くまとめて作られていると思います。
 *夏祭りの風船の思い出(女学生時代のさんが東鳩の志保に似ていると思ったのは内緒だ(^^;)
 *神社に奉納されていた白い羽
 *佳乃の失踪(ゲーム本編だとここでバッド・エンドになるケースが多いんですよね(^^;)
 *白い羽に隠されていた白穂の話
 *母親と会う佳乃佳乃が母親に「ありがとう」と告げるシーンでは思わず涙腺が緩くなってしまいました。また,「貴方には羽は無いのだから」という佳乃の母親の言葉もある意味ネタバレというか伏線のひとつなんですよね
 *佳乃が目覚めた後,空に飛んでいくバンダナ(往人佳乃に「お前の代わりに空に行ってもらおう云々」とカッコイイ台詞を言ってくれますが,ゲーム本編だと飛んでいくのは風船なんですよね。でも,アニメの場合は話の流れ上,バンダナが空に飛んでいく方が自然な感じがします

 そ〜いえば,ゲーム本編では往人はこれに法術のすべてそそぎこんでしまったため,二度と法術を使えなくなってしまうのですが,さすがに本アニメにおいてはそ〜ゆ〜わけにはいきません(^^;)。また,往人が白い羽を手にしたときの「懐かしいような切ないような気がする」という言葉も伏線のひとつですね。

 今回は『佳乃編』の最終話ということで,当然佳乃の話が中心となっていますが,その中においても観鈴の『悲しい夢の話』やみちるが探し出したガラスの小瓶,そして美凪と母親が一緒にいる様子を見ているときのみちるの哀しげな表情等,きちんと後の話の伏線を散りばめているあたりはさすがだと思います。

 さて,次回からは『美凪&みちる編』の始まりかな?
 となると,霧島姉妹の出番は当然減ってしまうんでしょうね....あ,でもゲーム本編において先生は『美凪&みちる編』や『観鈴編』でも出番がありましたよね。

 ところで,作画の方ですが,正直言って前回よりは落ちています....でも,同日の地上波で放送されている『ああっ女神さまっ』と比べたら,まだまだ『AIR』の方が上なんですけれどね。
 

第5話『つばさ〜wing』 2/04 放送

 『佳乃編』が終わったと思ったらもう『美凪&みちる編』の佳境に入ってしまいました。
 予想通りというか,今回は佳乃はまったく登場しません。ポテトと往人の会話の中で「佳乃は飼育係で学校に行った」という内容が話されただけです(^^;)。美凪の母親の症状を説明するシーンで登場してくるのですけれどね....

 オープニングは往人が夢の中でかつて母親から聞いた少女の話を思い出すという場面から始まります。
 そして,観鈴が見た夢は遥か昔あの悲しい出来事のあった日の夢なのです。

 駅前で美凪&みちるに会った往人美凪から天文部に誘われます(その前にビンに入った『星の砂』をみちるとともに美凪からもらいます)。天体望遠鏡を覗きながらはしゃいでいるみちるの後ろ姿を眺める美凪の表情がなんともいえないんですよねぇ....暖かいような哀しいような...
 そして,美凪を家まで送った往人は,彼女が母親から「みちる」と呼ばれるのを聞くのですが,このとき母親の口がアップになるあたり,実に憎い演出だと思いますね。
 ところで,みちる往人が頬を抓りあうシーンでのみちるの腕の動きは,第3話で佳乃往人の首を絞めるシーンのセルフパロディなんでしょうね。

 ああ,ついにきちゃいましたね,観鈴の癇癪のシーンが....。やっと往人念願のトランプができるというのに突然襲ってきた癇癪の発作。それを必死に我慢しようとする観鈴の姿がなんとも痛ましくて切なくて....。でも,あの号泣するシーンの表情は怖いものがあるものまた事実で....何故クラスメイト達が観鈴から離れていってしまったのか,その理由が良くわかる映像です。あれは普通ひくよね(^^;)。

 晴子から観鈴は友達ができそうになると癇癪の発作を起こすという話を聞いた往人は,観鈴の家を出て廃駅で野宿を始めます。この部分は原作とは異なりますが,アニメ版の話の流れからすると,これは自然な展開になるわけで,このあたりは本当に上手いと思いますね。

 癇癪の発作のために友達ができないと話す観鈴に「お前は笑っていろ」と言う往人。その後の観鈴の笑顔がとても切なくて泣けてきます。

 廃駅の前で美凪が来ないと言って落ち込んでいるみちるを励ますかのように,往人みちるのシャボン液とストローを奪い取ってシャボン玉を膨らませます。それを見ているみちるの表情がとても丁寧に描かれており,とても可愛いのだけれど,それだけに切ないものがあるんですよね。

 美凪を迎えに美凪の家へ行く往人。しかし,出てきた母親は「うちには娘はいない」と言って扉を閉めてしまいます。この場面では母親の不気味さが影の使い方でうまく表現されています。

 夕闇迫る学校の屋上に一人佇む美凪の儚げな美しさ。これを見ると,美凪がゲーム本編では一番好きなキャラだったのを思い出してしまいます。
 そして,美凪の涙とともに語られる「飛べない翼に意味はあるんでしょうか。」という言葉でEnd。

 前回ちょっと落ちたかな....と思った作画ですが,今回はクオリティ高いですねぇ....ここまで丁寧にやるかってくらいに細かいところまで気を使っている様子がひしひしと感じます。何しろ往人が見ていた謎のTVアニメ(これは何か元ネタがあるんでしょうか?)ですらちゃんとアニメしてましたからね(^^;)。

 次回はいよいよ『美凪&みちる編』のラストのようですね。予告で金網越しに立つみちるの姿を見ただけで泣きそうでしたよ....
 

第6話『ほし〜Star』 2/11 放送

 『美凪&みちる編』終了。

 ゲーム本編のDream編では一番泣けたシナリオだったのですが....ええ,泣けましたとも。
 初回視聴時は近くに家人がいたんで,あまり世界に入らぬようセーブしちゃったんですが,二度目に一人で見たときにはじんわりと瞼が熱くなってしまいましたよ。涙は....こぼれたかもしれません(^^;)。

 オープニングは往人を起こす美凪の顔のアップで始まります。う〜む,やっぱりヒロインの中では美凪が一番美人さんですよね。それに何気にスタイルも良いし....でも,あの私服は胸を強調し過ぎだと思うぞ(^^;)。
 しかし,楽しげに話す3人の姿を見て寂しそうに立ち去る観鈴の姿には胸が痛くなります。

 から美凪の母親が記憶を戻しかけているという話を聞いた往人は(この場面で佳乃の後ろ姿が(^^;),「お前に世界を見せてやる」と言って美凪を彼女の家まで連れていきます。そして母子の再会。美凪の母親が美凪のことを「美凪」と呼ぶ場面で,まずじんわりきちゃいました。

 夜の駅舎のベンチで「私は帰らなければならないの」と言って往人の胸で泣きじゃくるみちるの切なさ。

 野原や小川で遊ぶみちる美凪往人(実際に遊んでいるのはみちる往人の二人で,美凪はそれを優しく眺めているだけですが)。疲れて眠ってしまったみちるを背負って歩く往人とその横を歩く美凪。この姿はゲーム本編でもありましたが,ゲームだとこれは祭りの日なんですよね。
 そして,美凪みちるに自分の家で夕食を食べないかと誘います。何故か往人も一緒に食べているのは,まぁ話の流れ上仕方がありませんね(^^;)。
 
美凪の母親から名前を聞かれたみちるが「みちるはね,みちるって言うの」と答え,それに対して「良いお名前ね」と美凪の母親が優しく答えるシーンは,ゲーム本編では大いに涙腺が緩んでしまったシーンでしたが,アニメでもやっぱり涙腺が緩んでしまいました。そして追い打ちのように「おかあさん,ありがとう」の独白が入るのだから,こりゃたまりません。

 そして,いよいよやってきました。校舎の屋上での金網越しの別れ。ちょっとテンポが早すぎたためか,ゲーム本編の時のような怒濤の涙....ってことはありませんでしたが,それでも,『笑ってバイバイ』のシーンには泣けましたね。

 数日後(?),数年ぶりに父親に会いに行き,義理の妹と会う美凪。もちろん義妹の名前は.....。いやぁ,この場面もまたホロリときますね。

 なんだかほっとしたなぁ....と思ったら,そのままで終わらせてくれるような『AIR』じゃありません。
 往人観鈴を迎えに行くと,倒れている観鈴の姿を発見...という,今後の悲劇を暗示するような場面で終了です。

 それにしても,なんて美しい空なんでしょう。青空も夕焼け空も,本当に美しくて,これを見るだけでも見る価値があります。もっとも,星空に関しては第3話の方が綺麗ですけれどね。

 しかし,次回のタイトルが『ゆめ〜Dream』ということは,ついに観鈴の身に悲劇が起こるってことですね...そして往人が.....そして,晴子が....。いやぁ,次回はホントに辛い話になりそうです。こりゃぁよっぽど覚悟が必要だな。
 

第7話『ゆめ〜Dream』 2/18 放送

 はぁ,ついにこの日が来ちゃったんですね(って,毎回同じ様なフレーズ使ってるよな(^^;))。
 ゲーム本編と比べると展開が早すぎることは間違いありませんが,しかし,観鈴が痛みに苦しむ場面を延々と見せられるような拷問には耐えられそうもないので,これはこれで良いのです。

 それにしても,今回はゲーム本編をやってない人にとっては,驚愕の展開だったでしょうね。
 何しろ母親である晴子は苦しむ
観鈴を置いて旅に出ちゃうし,主人公(往人)は消えちゃうし(いなくなるんじゃなくて消滅してしまう),そうかと思うと突然それまでの話とは無関係としか思えない平安時代の話になっちゃうし....(^^;)。
 でも,これらすべてが伏線であるというところがまた『AIR』の凄いところなんですよ。

 そうはいっても,今回もほんと切ない話の連続でした。
 
往人と一緒にしたことだけが書かれた観鈴の絵日記。
 
往人と一緒に海に行こうとして発作を起こしてしまう観鈴
 
往人に別れを告げられて一人寂しくトランプをする観鈴
 
往人が家を出ていこうとする寸前,「いっしょに連れていって欲しい」とせがむ観鈴
 家を出ていく
往人に寂しげな...それでも笑顔を浮かべて「バイバイ」と言う観鈴

 今回で往人は母親の言葉を全て思いだし,そして母親の最後をも思い出すのですが.....え〜と,ゲーム本編で母親のCGってありましたっけ?
 それにしても,ギター弾きながら3体の人形を操って人形劇をするなんて,
往人母の才能は素晴らしいものがありますね。それに引き替え往人君ときたら.....(^^;)。
 
観鈴の笑顔を取り戻すために子供達の協力のもと新しいネタ作りに励む往人君でしたが,結局観鈴は見てないんですよね....これは哀しい(:_;)。

 次回からは『Dream編』ですが,予告編の感じだとどうやら1回ではなく2回で放送されるのではないかと...そして『AIR編』で3回...って感じでしょうか。
 それにしても,
神奈柳也の掛け合いは良いですねぇ....うむ,やっぱり二人はこうでなくちゃね。
 そして,当然次回からは
裏葉さんも「あらあらまぁまぁ」と活躍してくれることでしょう。

 当たり前の話だけれど,制作スタッフの作品に対する愛情の有る無しで作品の出来は決まるのだということを,この『AIR』というアニメを通して改めて実感させられます。
 

第8話『なつ〜Summer』 2/25 放送

 『AIR』過去編の『Summer』です。

 『AIR』を知らないカミさんは「いつの間に昔の話になったの?」と疑問を呈していましたが,これが普通の反応なのかもしれませんね。
 でも,良く見れば「3人で祭りを見る場面」「3人で旅をする場面」「屋敷に閉じこめられている神奈」等,観鈴が見た夢の内容に合致する場面があることに気が付くはずです。
 そう,これは往人が探している少女であり観鈴のもう一人の自分であるところの『翼を持った少女』の話なのです。

 でもなぁ,今まではあまり気にならなかった展開の早さが今回は何故か気になるんですよね。
 舘の中での神奈柳也,裏葉の触れ合いがかなり省略されているために,柳也裏葉が危険を冒してまで神奈を舘の外に連れ出した理由が今一つわかりにくいんです(もちろん母親に会わせるという理由は提示されてはいましたが)。
 また,
神奈がお手玉をやるシーンは何度も繰り返されているのに,何故神奈がそれほどまでに一生懸命お手玉ができるようになりたいのか,その理由が提示されていないというのも気になるところです。

 とはいえ,裏葉の話を受けての柳也の例え話がきちんと再現されていたのは嬉しかったですね。
 『
Summer』ではこの例え話の会話が一番好きなんですよ。ゲーム本編で最初に読んだときには腹が痛くなるくらいに笑ったものです。いやぁ,裏葉柳也は天下をとれるコンビだと思いますよ(^^;)。

 それでもねぇ,裏葉さんの活躍の場が少なくて物足りないというのが正直な気持ちなんです。
 もちろん,某劇場版の存在感0の
裏葉さんと比べたらちゃんと裏葉さんしてるんですが,それでも彼女のつかみどころのない不思議さ(これが彼女の一番の魅力なんですが)があまり伝わって来ないんですよね。
 すみません,『
Summer』では裏葉さんが一番好きなもんで(^^;)(^^;)。
 そ〜いえばDream編の3人娘の中で一番
裏葉っぽいのは,間違いなく美凪ですね。美凪裏葉の転生だと言われても素直に信じちゃいますよ。

 あと,これはどうでもいいことなんですが,『AIR』の後にTBSで放送されている『ああっ女神さまっ』の3女神の声優って,『AIR』でも声優やってるんですよね。裏葉ベルダンディウルド晴子スクルド....。というわけで,『AIR』見た後に『ああっ女神さまっ』見たら,ベルダンディが「あらあらまぁまぁ」と言ったり,ウルドがメスを取り出してしまうんじゃないか...と思ってしまいました....なんてことはないんですけれどね(^^;)。
 

第9話『つき〜Moon』 3/4 放送

Summer編』終了。

 前回は色々と不満を書いてしまいましたが,今回の展開には脱帽です。
 いやぁ,この20分ほどの短い時間に上手くまとめたものだと,心底感心しちゃいました。
 今回のシナリオや構成を担当したスタッフには最敬礼ですね。

 『泣き所』満載の今回の『Summer編後半』ですが,まずは瀕死の八百比丘尼の前で必死にお手玉をする神奈にウルウルきちゃいました。
 そして
八百比丘尼亡き後,討伐兵達に囲まれるという窮地の中で語られるささやかな夢の話。今までは裏葉のたとえにひねくれた返答しかしてこなかった柳也が「仲の良い家族みたいだな」と答えた後の幸せなイメージ映像にさらにじわ〜っときて,神奈柳也に「末永く,幸せに暮らすのだぞ。」と最後の命を告げた後の涙を浮かべた笑顔にぐわ〜っときちゃいました。

 それにしても,神奈が弓に打たれるシーンはキツイものがありますね。映画版の方が神奈に刺さった弓矢の数は多いのですが(^^;),心に痛いのは,間違いなく今回のTV版のシーンなんですよね。

 神奈が消えた後,自暴自棄になった柳也を身を挺して止める裏葉。う〜ん,この場面はちょっとあっさりしすぎているような気も....というのも,私ゲーム本編の裏葉のあの笑顔にやられてしまったクチなもんで(^^;)。

 方術を身につけた裏葉による『魂寄せの術法』で明らかになる,神奈が見続ける悪夢の正体。死体となった柳也にしがみつきながら「なぜ,皆,余を残して」と泣きじゃくる神奈の姿がなんとも切ないですね。

 翼人の呪いにより傷が治らず衰えていく柳也に「子を作り,神奈を救うという意思を残す」ことを提案する裏葉。何をとんでもないことを....と思ってしまうかも知れません。しかし,このシナリオでは省かれていますが,実は裏葉柳也に思いを寄せているんですよね。もっとも,柳也から「残りの時間を裏葉に捧げる」告げられた時の裏葉の笑顔を見ればそれも一目瞭然かもしれませんが....

 日に日に衰えていく柳也。あの人形は裏葉が作ったものなんですね。ということはあの人形を修繕した美凪=裏葉の生まれ変わりというのもあながち間違いでないのかもしれません。
 死ぬ間際に「俺のことも神奈のことも忘れてもいい」と話す
柳也に,きっぱりと「嫌でございます」と涙を浮かべながらも笑顔で答える裏葉。いやぁ,ほんとに貴方は素敵で強い人です。
 「ありがとう」と言ってこの世を去る
柳也
 そして,
神奈の元へ二人一緒に向かう柳也裏葉。これは何年後何十年後かわかりませんが,裏葉が我が子を育て上げた後この世を去ってからのことなんのでしょう。つまり,それまでの間柳也裏葉のことを彼岸で待っていたんでしょうね。しかし,「どこまでもお供します」って,ほんとに裏葉柳也一筋なんですね。
 それにしても,この場面で『銀色』オルゴール・ヴァージョンを使いますかね。こりゃもう泣くなって方が無理ってもんです。

 しかし,一番泣けたのがこの後の烏(元往人)と観鈴の出会いの場面なんですよね(BGMが『夏影』ってのも凶悪です(^^;)。しかも「よ〜い,ドン」ですよ!,そして静止画に『AIR』の文字が!!
 いやもう悔しくなるくらいに構成が上手いですよね。

 さて,いよいよ次回から『AIR』編ですが,こりゃもう絶対に泣くだろうなぁ....つ〜か,何回泣くんだろう?(^^;)
 

第10話『ひかり〜Light』 3/11 放送

 いよいよ今回から『AIR』編の始まりです。
 かなり急ぎ足のような印象も受けますが,それでも必要なポイントはしっかりと押さえられていたと思います。
 第1話から第7話において語られなかった観鈴晴子の隠された思いもちゃんと明らかになりましたしね。
 これを見ることによって,本編ゲームをやらなかった人達にも,何故観鈴が見ず知らずの往人とあれほどまでに友達になろうとしたのか,何故晴子観鈴に冷たかったのか,そして何故苦しむ観鈴を置いて『温泉巡り』に行ったのか,その本当の理由がわかったのではないでしょうか。

 夕方,眠る往人の隣りに座りながら海岸で遊ぶ子供達を眺めながら「私もあんな風に遊べるといいのに」とつぶやく観鈴
 終業式の日,友達を作ろうとして結局作ることができず,それでも「泣いたらダメ」と自分に言い聞かせる観鈴
 「やっぱり一人っきりは嫌」と言って往人と友達になることを決意する観鈴
 これらのを観鈴の思いを知ってから改めて第1話の出会いのシーンを見ると,あまりの切なさに胸が痛くなること間違いなしです。
 あの時観鈴が両手を広げていたのは,実は深呼吸をしていたんですね....。

 観鈴のことを愛しながらも自分の本当の子どもではないので,いつか本当の親の元に帰ってしまうのではと思い,故にその時の悲しみを少しでも少なくしようと,あえて観鈴と距離を保とうとする晴子
 しかし,往人からキツイ一言を言われたことをきっかけに,観鈴を本当の自分の子どもにしようと決意します。そう,あの『温泉巡り』とは,実は観鈴の実家に観鈴を本当の自分の子どもにするように直談判に行くことだったんですね。それならそうと正直に言えばいいのに.....と思っちゃいますが,でも,あれが晴子さんらしいのかもしれません。

 観鈴は発作を起こした頃にはすでに背中の痛みをおぼえていたんですね。それにもかかわらず笑顔を見せていた観鈴ちんは本当に強い子です。
 それでも,往人が去った後の観鈴が強い子でいられるはずもなく,「一人になったらもう頑張れない」と,まるで幼い子どものように泣きじゃくり,そして「もう起きなくていいや」と言って眠りについてしまいます。この場面のなんとも辛いこと....(:_;)。

 本当だったら,そのまま目を覚ますこともなく死んでいったであろう観鈴の前に現れた往人。そう,そらは第7話の最後で消えていった往人が現世において転生した姿だったのです。
 元の姿に戻った往人はその短い時間において,観鈴を抱きしめながら「お前なら誰もたどり着けなかったゴールにたどり着ける。」「俺はいつもお前のそばにいる。」「頑張ろうな,ゴールにたどり着くまで」と励まし,そして消えていきます。
 後に残ったのは烏のそらの後ろ姿。

 ここでいよいよ『ゴール』というキーワードが出てきてしまいました。いやもうゲーム体験者はもうこの『ゴール』という言葉を聞いただけで泣けて来ちゃうんです。ああ,あと2回で観鈴ちんは『ゴール』しちゃうんですね....(号泣)。

 それにしても,今回の作画はいつにも増して力が入っていたように思います。
 浜辺にうち寄せる波ひとつにも,こだわっているって感じですね。

 すでに出番の終わってしまった佳乃美凪もそらとの絡みでちょっと出てきますが,これはもうゲスト参加みたいなものですね(^^;)。でも,美凪の「あなたは頑張ってください。いつかその翼で飛べるように。」という言葉はかなり意味深なものがあります。
 とはいえ,ゲストの中で一番存在感があったのはそらに「ピコピコ」と迫るポテトだったんじゃないでしょうか(^^;)。そ〜か,アニメでは『裏庭の主』ではなかったのね(^^;)。
 そうそう,ゲストといえば第2話に登場したしのさいかちゃんの姉妹であるまいかとそのお母さんも登場してますが,彼女達が神社の賽銭箱の上に置いた恐竜のぬいぐるみ(元々は晴子観鈴の誕生日プレゼントとして買いながらも渡すことができずに捨てた物)が,シナリオのうえで大きな役割を果たすのですが,それはまた後のお楽しみです(^^;)。

 今回はそれほど泣けなかったけれど,次回の海岸のシーンではきっと泣いてしまうだろうなぁ....
 

第11話『うみ〜sea』 3/18 放送

 『Air』もついに2回を残すところになりました。
 今回は観鈴晴子が初めて本当の母子として心を通い合わせるという,かつての大映の母物映画を彷彿とさせるようなお話でして....はい,当然ながら泣けます,泣かされます,泣かされました。

 一人頑張って外に出る観鈴。いつものように自動販売機でジュースを買おうとすると,後ろから手を伸ばしボタンを押す晴子の姿が。
 「観鈴を本当の自分の子どもにするために橘の家に行った」と話す晴子(この時の着替えシーンがとてもエロチックでした(^^;)。しかし,「二人それぞれに生きていこう」とそっけない観鈴。せっかく晴子が作ってくれたご飯も「お母さんの作ったご飯はいつもおいしくない」なんて文句を言ったりします。
 しかし,これも自分と仲良くなると晴子まで病気になると心配したからなんですね。「もし病気になっても嬉しい。それは観鈴と仲良くなれた証拠だ」と答える晴子に抱きつき泣きじゃくる観鈴。そして優しく抱きしめる晴子。ああ,これで二人は母子になれたんだな....と思ったら....涙が....(^^;)。
 観鈴晴子の差し出したスプーンからパクリとご飯を食べる仕草がなんだかすごく可愛らしくて....。

 そして観鈴の断髪。切りすぎて慌てふためく晴子さん。そしてついにはそらもビックリのショートヘアーになってしまった観鈴。ええ,そこの人,「某あゆあゆみたいだ」などとは言わないこと(^^;)。
 「これからがスタート」と話す晴子観鈴の間で交わされるVサイン。

 これですべてが上手く行くのかと思われたら,今度は観鈴が記憶喪失に...しかも幼児退行までも....。「おばさん,誰?」と言われてショックを受けながらも晴子は「これから本当の母子になる」と決意を新たにします。
 幼児退行を起こしてしまっている観鈴はまさに聞き分けのない小さな子どもそのもので,せっかく晴子が弁当を作って海に連れていこうとしても「帰る」とわがまま放題。でも,これは幼い頃の観鈴にはできなかったことなんですよね。
 観鈴が車椅子に乗っている姿を見て「家に連れて帰る」と告げる敬介に3日だけ待ってくれるよう頼み込む晴子。しかし,3日で状況がそう変わるわけでもなく(かえって悪化している様子),母親としての自信を失いかける晴子そんなとき観鈴の悲鳴が聞こえ,観鈴の部屋に行ってみると「蝉が窓から入ってきた」と怯える観鈴の姿が(セミ入りベーコンエッグがトラウマになっていたのでしょうか?(^^;)。『セミ取りおばさん』と化し無事にセミを外に出した晴子が部屋を出ようとすると,観鈴それまで一人遊びしていたトランプを晴子の前に差し出します。
 ささやかながらも平和で穏やかなな生活が続き,そして3日が経過。

 敬介観鈴を返す決意をした晴子は,最後の願いと言って眠ったままの観鈴を背負ったまま海に行きます。
 この時の海の描写が本当に綺麗なんですよねぇ。
 眠ったままの観鈴敬介に渡したす晴子がそらに「お姫様が行ってしまうで」と話しかけ,そして去って行く観鈴敬介の方に視線を向けると,敬介の腕の中で暴れる観鈴の姿が....波打ち際に落ちてしまった観鈴敬介が恐竜のぬいぐるみやジュースでなだめようとしますが,観鈴はそれをふりきって晴子の方に向かおうとします。声は聞こえないけれど,観鈴が何を叫んでいるのか気が付いた晴子はころげるようにして観鈴の元に走ります。そして観鈴の「ママー」と叫ぶ声が....。いやぁ,BGMの『銀色』効果も合わせ,この場面は泣かずにはいられません。ほんと,このあたりの演出は上手いよなぁ....。

 実は,正直言って初回見たときには,なんだか性急過ぎるかな....と感じてしまい,ほとんど涙も出なかったのですが,2度目に見直した時にはぐ〜っときちゃいましたねぇ。おそらくこの後もう1回見たらもっときちゃうんじゃないでしょうか(^^;)。

 さて,いよいよ次回で最終回です。
 果たして,あの最後をどんな演出で見せてくれるのか....今から楽しみですね。
 でも,その反面,この素晴らしいアニメがあと1回で終わってしまうかと思うと,寂しくて仕方がないのもまた事実なのです。
 

第12話『そら〜air』 3/25 放送

 ああ,ついに最終回の日が来てしまいました。放送日が来るのを毎週毎週楽しみにしていたアニメって,『元祖東鳩アニメ』以来かもしれません。それだけに,今日で終わってしまうのが寂しくて寂しくて...(:_;)。

 あるはずのない痛みに苦しむ観鈴を見て往人の「最後の夢を見たときに死ぬ」という言葉を思い出す晴子
 楽しみにしていた夏祭りの朝,
晴子が窓を開けると土砂降りの雨。その雨の中神社に向かう晴子観鈴。しかし,当然ながら祭りはやっておらず売店の一つも出ていません。これは晴子ならずとも天を呪いたくなるってもんです。しかし,賽銭箱の奥に捨てたはずの恐竜のぬいぐるみを見つけた晴子観鈴とともにぬいぐるみを手に入れようとします。自分で取って観鈴に渡せば簡単なものを,わざわざ観鈴とともに取ろうとしたのは,これが初めての親子としての共同作業になるからなんでしょうね。
 ようやくのことでぬいぐるみを手にした観鈴のなんともまぁ可愛らしいこと。

 家に戻った観鈴晴子の呼び方が「ママ」から「お母さん」に戻っています。いつの間にか記憶を取り戻していたんですね。自分を眠らせないために無理をして起きている晴子の姿を見た観鈴は,もうどこも痛くないし大丈夫,と嘘を付きます。その優しい嘘を聞いて安心して眠る晴子(かりんとうネタの夢を見てるなんて(^^;)。そして痛みをこらえながら最後の日記を描く観鈴

 翌朝,観鈴晴子に「夢を見るのは今日が最後」と告げ,最後に見た夢の話をします。これでもう大丈夫だと涙を流しながら喜ぶ晴子の姿は,結末を知っている身からすると,とても辛いものがありますね。

 海を見に行く二人。途中,竹田商店の前では晴子がゲルルン・ジュースと格闘する場面も見られますが,これが最後の親子の触れ合いになると思うと,とても切ないものがあります。

 そして,そして.....ああ,ついにその時が来てしまいました。
 『夏影』が流れ
 それが『銀色』に変わり....
 「もうゴールしてもいいよね」
 「ゴ〜ル」
 と同時に流れる『青空』

 リアルタイムで見たときには家人もいたので我慢しましたが,後に一人で見たときには涙ボロボロでした。
 しかも,ここで『幸せな生活を送る
晴子観鈴』の映像を流すなんて...これはもう反則でしょう(^^;)。

 場面は変わって鱗雲の空。ということは季節はもう秋になろうとしている頃ですね。
 家を訊ねてきた
敬介に「私は観鈴の母親だ」と自信をもって答える晴子。ふっきれたのか,ずいぶんとすっきりとした表情を浮かべています。

 そしてここで,ポテト,佳乃,美凪,真みちるといった登場人物達が登場してくるのは,良い意味でのファン・サービスと言えますね。しかも,母と妹の面会を受ける入院中のしのさいかちゃんまで見ることが出来ます。

 そらに「空に思いを伝えて」と話す晴子ですが,この部分の映像はちょっとやりすぎかな.....と思わなくもありません....しかし,アニメの映像としてはこれもアリなのかもしれませんね。

 夕方の海岸で遊ぶ子ども二人。なるほど,ゲーム本編でも物議を巻き起こしたあのラストまでしっかりやってれるとは....でも,これがなければ画竜点睛に欠けるというものです。それにしても,手をつなぐ少年少女の絵があのロゴになって終了だなんて,ほんと最後の最後まで演出上手過ぎです。
 改めてアニメという形でこのラストを見ると,あの少年少女が
往人観鈴の転生した姿であることに確信が持てました。少なくともアニメ制作者はそう考えていることは間違いないでしょうね。だって,少年の目が髪の毛に隠れていたし....恋愛系のゲームでは主人公のCGは目が髪の毛に隠れて見えないというのがお約束になっているんです。ということは少年=往人ってことになりますよね。
 確かにゲーム本編を知らない人にとっては謎多きラストかもしれませんが,その謎について自分なりに考えるのもまたこの『AIR』の魅力の一つだと思っていただきたい.....と思うのですが.....

 それにしても,原作物のアニメ(特に恋愛ゲーム系)のほとんどが原作ファンから酷評されるのも当然のような迷作ばかりである中,このTV版『AIR』が原作ファンのほとんどが絶賛するという希有な作品となったのは,何よりも制作した人達(京都アニメーション)が『AIR』という作品に対して深い愛情を持っていたから...というのは紛れもない事実でしょう。HPに掲載されているスタッフのコメントを見るとそれが良くわかりますね。
 そして,この点が劇場版『AIR』とTV版『AIR』とで大きく評価の別れた一番の原因なのだと思います。

 しかし,昨年,劇場版『AIR』とTV版『AIR』の制作が明らかになったとき,おそらくほとんどの『AIR』は劇場版『AIR』には期待をかけてもTV版『AIR』には,先に書いた前例もありほとんど期待をしていなかったのではないでしょうか。私はそうでした。
 ところが,実際に始まってみると,これがまったくの逆だったんですよね。TV版の方が劇場版より作画が優れているなんて,これまで聞いたことがありませんよ。

 さて,これでTV版『AIR』も終わってしまったんだなぁ....と半ば茫然としてTVを見ていたら,え?次週予告?え?今日で終わりじゃないの?....はぁ,なるほど『総集編』があるんですか....いやぁ,そんなものがあるとは全然知りませんでしたよ。
 まぁ,これは良い子のオマケとして気楽に見ることにいたしましょう。
 

『総集編』 4/01 放送

 全12話だと思っていたTVアニメ版『AIR』に総集編があったとは....前回終了までは,まったく知りませんでした。

 さて,その『総集編』ですが,そらと観鈴の出会いから観鈴がゴールするまでを,20分ちょっとという極めて短い時間の間にまとめた,まさに『総集編』という内容でした。
 とはいえ,さすがに本編を知らなければ何が何やら....という内容なんですが,それでも時間的な制限を考えれば,よくもまぁここまでハイライト・シーンを詰め込んだものだと感心しちゃうくらい,上手くまとめてられていると思います。
 もっとも,こんな風にハイライト・シーンをこれでもかとばかりに続けられてしまうと,泣く暇も無いんですが....(^^;)。

 もちろん,佳乃(&美凪(&みちるも登場しますが,さすがに観鈴(&晴子と比べると登場時間が短いのは仕方ないことなのかもしれませんねぇ....。
 また,不思議に思ったのは『Summer編』が完全に省かれていたことなのですが,これは番組終了後にその理由が明らかになりました。

 観鈴の『ゴ〜ル』の直後,ここでまた『青空』が流れるのだろうな....と思ったら,流れてきたのは『鳥の歌』じゃないですか。それもアニメ用にカットされた評判の悪いそれではなく,ゲーム本編のオープニングで使われていた正規ヴァージョンの方なのです。
 最後の最後で数多くの『AIR』ファンが望んでいた正規ヴァージョンの『鳥の歌』を使うなんて....まったくなんて心憎いことをやってくれるんでしょうね。
 正規ヴァージョンの『鳥の歌』をバックに繰り広げられる『総集編』では使用されなかった名場面の数々...これを見ていたら,本当にTVアニメ版『AIR』は終わったんだなぁ...って気持ちになりました。それは寂しさよりも爽やかな感動といった方が良い感情なのかもしれません。

 そして,正規ヴァージョンの『鳥の歌』と共に『総集編』が終了すると,なんと先日の『一言』にも書いた『AIR夏特別編』の番宣が始まったではないですか!
 いや〜,これはまたレベルの高い作画ですねぇ....この短い映像を見ただけでも,京都アニメーションが本気でやってるって感じがひしひしと伝わってきます。
 それに何よりも神奈が凶悪なまでに可愛いんですよ。
 放送は夏になるそうですが,これは今から楽しみですね。

 しかし,こうして『Summer編』の特別版を作るんだから,ぜひともその後は佳乃(&美凪(&みちるの特別編も作っていただきたいものです。
 ね,京都アニメーション様!

『AIR In Summer 前編〜やまみち』 8/28 放送

 4月1日に放送された『総集編』終了後に番宣が流れてから約5ヶ月,ついにその日がやってきました。
 DVD-HDDレコーダーの準備もバッチリです(何度確認したことか(^^;)。
 そして,23時30分,ちゃんと時間通りに始まりました....当たり前だけれど(^^;)

 まずは戦いのシーンから始まるのですが,草の上にいるカエルまで丁寧に描いているのは,さすが京都アニメだなぁ....と変な感心をしているうちにオープニング。
 録画したやつを見直してみたら,実は舘から脱走するシーンから始まってました。カエル云々もAパートが始まってからのことです(^^;)
 オープニングはTV本編と同じなんだなぁ....と思っていたら,途中からちゃんと夏ヴァージョンになっているじゃないですか....こういうこだわりは嬉しいですよねぇ(^_^)。

 この『AIR In Summer』においてはアニメ本編の『第8話『なつ〜Summer』』から『第9話『つき〜Moon』』に至るまでの間に描かれなかった出来事が描かれているのですが,もちろんそれはゲーム本編の内容に忠実に作られたものです。

 柳也神奈衣を被って囮になって逃げるシーンとか,柳也はからずも神奈着替えを覗いてしまうシーンとか,市場における柳也神奈の掛け合い漫才(^^;)とか....神奈がニワトリと一騎打ちをするシーンはゲーム本編にあったかな?
 ともあれ,本編ゲームのあの場面この場面がアニメになっているんですから,『AIR』ファンとしては感涙ものです。

 この前編を見て思ったのは,今回のAIR In Summer』は,何よりも神奈の可愛らしさをメインに作られているなぁ...ってことです。
 頭から水をかけられてパニくる
神奈
 湯気を噴きながら怒る
神奈
 石のお手玉を頭に当てて倒れる
神奈
 笑顔で山道を登る
神奈
 餅をのどにつまらせてゴロゴロころがる
神奈
 お酒を飲んで酔っ払う
神奈
 くるみを殻のままガシガシ囓る
神奈
 ニワトリと一騎打ちをする前に腰を振る
神奈
 ....etc....
 いやもう可愛すぎです!

 もちろん裏葉さんも本編アニメに比べると活躍されてはいるのですが,神奈と比べると影が薄いのは....まぁ仕方ありませんね。
 とはいえ,気配無く近付いたのに誰も驚いてくれないと,滂沱の涙を流すシーンは最高ですが....
 
(扇子で「えいえい」と柳也をペシペシ叩くシーンも良いのですが,それ以上に柳也と神奈のことを思いやる優しさが伝わってくるのが良いんですよね。)

 背景の美しさもまた本編同様で,BGMとともに,ああ『AIR』を見てるんだなぁ....としみじみ思わされます。(空と雲の美しさは当然として,今回のアニメでは花の美しさが際立ちます)

 おや,オープニングだけでなくエンディングも一部夏ヴァージョンになってますね....いやはや,本当に良い仕事してくれます。

 あああああ,早く来週にならないかなぁ....と思う半面,これで本当にTVアニメ版『AIR』は終わって終うんだなぁ....という幾ばくかの寂しさもあるんですよね。
 

『AIR In Summer 後編〜あめつち』 9/4 放送

 前回の意味深なエンディング....神奈の「ちと恥ずかしいが,見てくれるか?」って,お手玉のことだったんですね....原作やってて知ってるはずなのに思わずドキドキしてしまいましたよ....ドキドキといえば,「入らぬというに....」という神奈の寝言もドキドキでしたね....って,これも食べ物の夢だったんですが...しかし,これには柳也ならずともころげてしまいますよ(^^;)。

 今回もまた原作ネタをしっかりとアニメで魅せてくれて....いやぁ,嬉しいですねぇ。

 柳也が起こしても二度寝三度寝をする神奈を「手ぬるいですわ」と言って勢い良く枕はずしで起こす裏葉さん。それなのに「ご機嫌麗しゅう」とサラリと言ってしまうあたりは,さすが裏葉さんって感じですね。
 「和歌のひとつもうたえぬ口など無用の長物というもの」といって
神奈の口に指を突っ込んで引っ張る裏葉さん。それなのに,怒ってその場を後にする神奈を見て柳也に八つ当たりをするのも,いかにも裏葉さんって感じです。

 柳也が語る自分の身の上話。そして,身の上話の次には,「後の手はずは柳也殿にまかせる」と言って衣をはだける神奈の姿が....これもまた裏葉さんの差し金なんですけれどね(しかも演技指導付き)。
 「えいっ」という可愛らしいかけ声とともに繰り出される
裏葉さんの扇子ペシペシ攻撃はいいですねぇ。いやぁ私もされてみたいです(^^;)。

 とまぁ今回はなんとなく裏葉さんに目がいってしまう今回ですが,神奈の壮絶なまでの可愛らしさももちろん健在です。
 子ウサギを見つけ,両手でウサギ耳パタパタする場面とか,子ウサギを頭の上に乗せる場面とか(これって,やっぱり『Kanon』の真琴とピロから来てるネタですよね),疑問に首を傾げる場面とか....いやぁ,この『AIR In Summer』における神奈は,裏葉スキーの私から見ても壮絶に愛らしいです。

 もちろん,絵の美しさ(特に自然描写)も当然ながら素晴らしいものです。
 
柳也裏葉が山の上から進む方向を見つけている場面の山々の立体的な美しさは息を飲むほどであり,そして柳也が身の上話をしている時の『水面に映る紅葉』『しんしんと雪が降る真冬道』『富士山と菜の花畑』等のほんの短いシーンでありながら丁寧に描かれた自然の風景からは,京都アニメーションのこだわりというものを感じます。

 そしてアニメのオリジナルである『神奈の夢』には泣けました。
 「ここではないどこか他の場所で,余は不思議な身なりをしておった」
 「側には母上がいて,心優しい人々がいて,余はたいそう幸せであった」
 そう,これは
観鈴のことなんですよね。それもおそらくは最後の幸せな記憶....そう思ったら泣くしかないじゃないですか!

 これだけでもいっぱいいっぱいなのに,母親の元に行った子ウサギに対して言った神奈の言葉
 「末永く幸せに過ごすのだぞ
 これは.....そうです神奈柳也に与えた最後の命じゃないですか.....
 ここでこんな最終兵器を使うなんて....京都アニメーションのバカヤロー!(:_;)。

 ラスト,笑顔の3人の姿は,結末を知っているだけに,とても哀しくて切ないものがあります。

 ああ,これで本当にアニメ『AIR』は終わってしまったんですね。
 なんだかほんと,寂しいですよねぇ....
 この歳になって,ここまで真剣に楽しむことができるアニメに出会えるとは思いもよりませんでした。
 こんなにも素晴らしいアニメを魅せてくれた京都アニメーションには感謝感謝です!