ああ,ついに最終回の日が来てしまいました。放送日が来るのを毎週毎週楽しみにしていたアニメって,『元祖東鳩アニメ』以来かもしれません。それだけに,今日で終わってしまうのが寂しくて寂しくて...(:_;)。
あるはずのない痛みに苦しむ観鈴を見て往人の「最後の夢を見たときに死ぬ」という言葉を思い出す晴子。
楽しみにしていた夏祭りの朝,晴子が窓を開けると土砂降りの雨。その雨の中神社に向かう晴子と観鈴。しかし,当然ながら祭りはやっておらず売店の一つも出ていません。これは晴子ならずとも天を呪いたくなるってもんです。しかし,賽銭箱の奥に捨てたはずの恐竜のぬいぐるみを見つけた晴子は観鈴とともにぬいぐるみを手に入れようとします。自分で取って観鈴に渡せば簡単なものを,わざわざ観鈴とともに取ろうとしたのは,これが初めての親子としての共同作業になるからなんでしょうね。
ようやくのことでぬいぐるみを手にした観鈴のなんともまぁ可愛らしいこと。
家に戻った観鈴は晴子の呼び方が「ママ」から「お母さん」に戻っています。いつの間にか記憶を取り戻していたんですね。自分を眠らせないために無理をして起きている晴子の姿を見た観鈴は,もうどこも痛くないし大丈夫,と嘘を付きます。その優しい嘘を聞いて安心して眠る晴子(かりんとうネタの夢を見てるなんて(^^;)。そして痛みをこらえながら最後の日記を描く観鈴。
翌朝,観鈴は晴子に「夢を見るのは今日が最後」と告げ,最後に見た夢の話をします。これでもう大丈夫だと涙を流しながら喜ぶ晴子の姿は,結末を知っている身からすると,とても辛いものがありますね。
海を見に行く二人。途中,竹田商店の前では晴子がゲルルン・ジュースと格闘する場面も見られますが,これが最後の親子の触れ合いになると思うと,とても切ないものがあります。
そして,そして.....ああ,ついにその時が来てしまいました。
『夏影』が流れ
それが『銀色』に変わり....
「もうゴールしてもいいよね」
「ゴ〜ル」
と同時に流れる『青空』
リアルタイムで見たときには家人もいたので我慢しましたが,後に一人で見たときには涙ボロボロでした。
しかも,ここで『幸せな生活を送る晴子と観鈴』の映像を流すなんて...これはもう反則でしょう(^^;)。
場面は変わって鱗雲の空。ということは季節はもう秋になろうとしている頃ですね。
家を訊ねてきた敬介に「私は観鈴の母親だ」と自信をもって答える晴子。ふっきれたのか,ずいぶんとすっきりとした表情を浮かべています。
そしてここで聖,ポテト,佳乃,美凪,真みちるといった登場人物達が登場してくるのは,良い意味でのファン・サービスと言えますね。しかも,母と妹の面会を受ける入院中のしのさいかちゃんまで見ることが出来ます。
そらに「空に思いを伝えて」と話す晴子ですが,この部分の映像はちょっとやりすぎかな.....と思わなくもありません....しかし,アニメの映像としてはこれもアリなのかもしれませんね。
夕方の海岸で遊ぶ子ども二人。なるほど,ゲーム本編でも物議を巻き起こしたあのラストまでしっかりやってれるとは....でも,これがなければ画竜点睛に欠けるというものです。それにしても,手をつなぐ少年少女の絵があのロゴになって終了だなんて,ほんと最後の最後まで演出上手過ぎです。
改めてアニメという形でこのラストを見ると,あの少年少女が往人と観鈴の転生した姿であることに確信が持てました。少なくともアニメ制作者はそう考えていることは間違いないでしょうね。だって,少年の目が髪の毛に隠れていたし....恋愛系のゲームでは主人公のCGは目が髪の毛に隠れて見えないというのがお約束になっているんです。ということは少年=往人ってことになりますよね。
確かにゲーム本編を知らない人にとっては謎多きラストかもしれませんが,その謎について自分なりに考えるのもまたこの『AIR』の魅力の一つだと思っていただきたい.....と思うのですが.....
それにしても,原作物のアニメ(特に恋愛ゲーム系)のほとんどが原作ファンから酷評されるのも当然のような迷作ばかりである中,このTV版『AIR』が原作ファンのほとんどが絶賛するという希有な作品となったのは,何よりも制作した人達(京都アニメーション)が『AIR』という作品に対して深い愛情を持っていたから...というのは紛れもない事実でしょう。HPに掲載されているスタッフのコメントを見るとそれが良くわかりますね。
そして,この点が劇場版『AIR』とTV版『AIR』とで大きく評価の別れた一番の原因なのだと思います。
しかし,昨年,劇場版『AIR』とTV版『AIR』の制作が明らかになったとき,おそらくほとんどの『AIR』は劇場版『AIR』には期待をかけてもTV版『AIR』には,先に書いた前例もありほとんど期待をしていなかったのではないでしょうか。私はそうでした。
ところが,実際に始まってみると,これがまったくの逆だったんですよね。TV版の方が劇場版より作画が優れているなんて,これまで聞いたことがありませんよ。
さて,これでTV版『AIR』も終わってしまったんだなぁ....と半ば茫然としてTVを見ていたら,え?次週予告?え?今日で終わりじゃないの?....はぁ,なるほど『総集編』があるんですか....いやぁ,そんなものがあるとは全然知りませんでしたよ。
まぁ,これは良い子のオマケとして気楽に見ることにいたしましょう。
|