EVER 17日記

-水深51mの海中に浮かぶ近未来海洋テーマパーク "LeMu / レミュウ"
ここに,何の前ぶれもなく7人の男女が閉じこめられた。
徐々に失っていくもの:食料・水・酸素
新たな脅威:深海に棲息する未知のウィルス。
さらに,苛烈な水圧にさらされたLeMuの隔壁は
119時間以内に崩壊すると言う。
分厚いガラス窓の向こう側は,濃紺の深い闇....。
この閉ざされた空間の中で,限られた時間の中で,
次々と起こる危機を乗り越えながら,7人は脱出への未知を探し続ける。

パッケージ裏解説より

 『Ever 17』は2002年にKIDから発売されたPlay Station2用のソフトです。いわゆるコンシューマー版のソフトでありながら,普段18禁物の美少女(恋愛)ゲームをやっているゲーマーから『シナリオが素晴らしい!』等評価が非常に高いため,発売当初から興味をそそられていたのですが,Play Station2用のソフトということもあり,ついつい買いそびれていたのです。いや,別に18禁的場面が無いからではありませんよ(^^;)。自室にTVが無いので,買ってもなかなかやる時間がとれないからなんですよ。
 が,しかし,ここにきて某帝国皇帝陛下からも「ぜひやるべきだ」との熱烈なプッシュがあったため,ついに一大決心をして購入したというわけです。
 そして,これはそのリアルタイムなゲーム記であり,当然ながらネタばれ全開ですので,これからやってみようとする方はそのつもりで読んでくださいね(^^;)。
 つ〜か,まだやっていない人は絶対に見てはいけません!
2月4日

 我が家の新恋愛ゲーム専用機,Sony Vaio PCV-J12にインストール...はする必要ないんですよね(^^;)。
 ソフトをPS2にセットして,さあ開始です。

 オープニング・テーマ曲は悪くはないんですが,あまり好みの曲ではありませんね。それよりもタイトル場面で流れる曲の方がずっと良い感じです。

 何が起こったのかわからないままに海中テーマパーク『LeMu』に取り残された7人の男女。
 大学生でちょっと調子の軽い
倉成武
 記憶喪失(それとも記憶障害?)で自分の名前も覚えていない『
少年
 孤高の少女(但し口の悪さは劇辛)
小町つぐみ
 LeMuのアルバイトでやたらテンションの高い
田中優美清春香奈通称
 LeMuの専属スタッフでお姉さんキャラの
茜ヶ崎空
 見た目も行動も小学生そのまんまの中学3年生
八神ココ
 もう一人の
松永沙羅はまだ登場してません(^^;)

 ゲームは途中から視点と少年視点に別れ,そのどちらかを選ぶかによって体験できるシナリオが変わってきます。
 たとえば
視点では小町つぐみ茜ヶ崎空のシナリオ,少年視点では田中優美清春香奈松永沙羅のいずれかのシナリオになるのです。
 
八神ココのシナリオはまた別物のようですね。

 とりあえずは小町つぐみシナリオ狙いでやってみようと思います。
 いやぁ,こういうキッツ〜イ娘って好きなんですよね....とはいえ,実生活ではこの手のキャラは困ってしまいますが....(^^;)。
 ところで,この
つぐみという娘,黒ずくめの服装とか,愛想というものを母親の胎内に忘れてきたような態度とか,臓腑をえぐるような悪口雑言とか,誰かに似ているなぁ....と思ったら,そうです,家族計画』の黒魔術師(^^;)高屋敷青葉にそっくりなんですよ。が,年齢は見た目よりも若く,まだ17歳だそうです。うへぇ,怖い17歳だなぁ(^^;)。

 つぐみは何故か知りませんがLeMuの内部構造にやたら詳しく,発電室に異常があって停電になったときには自分で修理をしてしまいます。その一方で,このイベントの際にはエキセントリックな部分と小悪魔的な部分も見せてくれます。しかし,君はつぐみから一方的にやられ放題で,どうやら彼はこのゲーム中一番のイジラレ・キャラのようです....朝から誰かに顔に落書きされちゃうし(^^;)。

 秘密をもっているのはつぐみに限らず,他のキャラも皆多かれ少なかれ秘密を抱えているようです。あまり秘密のなさそうなも,実は何かしらの秘密を抱えているのかもしれませんね(^^;)。

 それにしても,夜に行われた缶蹴り(ココ曰く『やみおに』)で全員揃っているのに空き缶を蹴ったのは,そして数を数えていたのは,一体誰なんでしょう?何だかまた謎が増えちゃいましたね(^^;)。
 というところで,今日は終了です。

2月6日

 倉庫のイベントからクヴァレのイベントまでを終了。

 愛想のかけらもなく『仲間』であることを頑なに拒むつぐみですが,倉庫でのアクシデントの際には我が身を投げ出してココを助けています。
 なのに,自分を助けた
に対して「私は死にたかっただけ。何で私を助けたの?」と怒りをぶちまけるつぐみ。そして,そんなつぐみを必死で諭すに「偽善者」の一言....こりゃぁ,じゃなくてもへこみますよ(^^;)。

 が,しかしそんなことではめげないのが君。まるで某東鳩の浩之君を彷彿とさせるようなしぶとさを持っています。そういえば,君も「ったく,しょうがねぇな」って言ってたような.....

 事故の翌日,足に大けがを負ったはずのつぐみがこつぜんと姿を消してしまいます。やがて3階の気圧調節室で彼女は発見されるのですが,どうやら何かを探していた様子。しかし,全治2ヶ月の大けがを負ったはずの彼女がどうして歩けるのか....彼女は人間ではないのでしょうか?(^^;)

 つぐみが探していたのはハムスターであることがわかるのですが,そのハムスター(仮称「ハム吾郎」(^^;)は人が行けない部屋に迷い込んでしまった様子。は「(ハムスターだって)仲間だから」と言って,つぐみの制止を振り切り危険を犯して仮称「ハム吾郎」を救助に行きます。いやぁ,漢だねぇ,君(^_^)。
 そして,無事助けられた仮称「ハム吾郎」を愛おしそうに見る
つぐみの可愛いこと!しかも,仮称「ハム吾郎」に『チャミ』というなんとも乙女チックな名前をつけていたのもつぐみなんですよね(^^;)。

 翌日の早朝,悪夢から目覚めたつぐみから『クヴァレ』というアトラクションに誘われ,そこで「12年前にウィルスに感染した」と打ち明けられます。そして本当の年齢も....といっても23歳なんですが。
 彼女はウィルスに感染したために遺伝子が書き換えられてしまい17歳で成長が止まったわけではなく,死ねない身体になってしまったそうです。
 にわかには信じられない
ですが,しかし実際に大けがをしたはずの彼女の太股には傷痕がわずかに残っていただけでした。
 しかし,その時の
つぐみの「もっと近くで見てみたい?」という言葉には,思わずコンシューマー機のゲームであることを忘れちゃいそうになってしまいますね(^^;)。

2月7日

 『つぐみ編グッド・エンド』終了。

 君,あなたはだった!何よりも一番がこの感想ですね。
 まさかあんなエンディグになるとは思いもよりませんでしたよ(:_;)。

 つぐみが死ねない身体であることを今ひとつ信じることができないの目の前で,つぐみはチャミもまた死ねない身体であることを見せつけ,驚きを隠せないに自分の過去を話します。ウィルスに感染した12歳から8年間の間,ずっと研究所の中でモルモットのように扱われたら,そりゃぁ,人間不信にもなるってもんです。しかし,なんだかんだ言って,つぐみは自分のことをに話してしまうんですよね....

 翌朝,からきわめて厳しい現状を知らされ,会話もなく沈むメンバー達。そんな重苦しい雰囲気を打破しようと,は『お菓子パーティー』を提案します。いつの間にかそれは酒抜きの宴会になってしまうのですが(なんと,あのつぐみまでが隠し芸を!),こうやって自然体のままに場の雰囲気を盛り上げることが出来るがいたからこそ,皆が絶望に押しつぶされたり,パニックに陥いったりせずにいられたのでしょうね。

 突然のココの発病。彼女はティーフ・ブラウという悪性のウィルスに冒されていたのです。この場はピピが見つけたアンプルで事なきをえるのですが....しかし,ピピ君,君もただ者(犬)じゃないね(^^;)。
 
ココを助けるためにLeMUの更に下にあるライブリヒ製薬の秘密研究施設(IBF)へ向かう一行。しかし,だけはコンピューターの管轄外ということで一緒に行くことが出来ません。ところで,をはじいた『炎の壁』って『ファイアーウォール』なのだろうか?(^^;)。
 IBFには一人の職員を残して生きている人間を発見出来ませんでしたが,結局その一人も死んでしまいます。彼は
ココの父親だったのでしょうか?

 結局このティーフ・ブラウの発生がLeMUの混乱と事故を招き,そして彼等がLeMUに取り残された原因となったようです。しかも,ティーフ・ブラウの発生を知られることを恐れたライブリヒ製薬が,生存者が残っているにも関わらずLeMUを封鎖してしまったという考えも....
 それを知った
の「何が何でも地上に戻らなければならなくなった」という言葉に,「私も武と一緒に....」と答えてしまい慌てるつぐみの可愛いこと!彼女も女の子だったんですねぇ(^_^)。

 その直後ティーフ・ブラウを発病,続いて少年も発病してしまいます。
 しかし,一人発病しない
つぐみ。免疫の強い彼女の身体にはすでに抗体ができていたのです。
 自分の血液の中にあるウィルスが他の人間にうつることを恐れる
つぐみは抗体を作ることを拒否しますが,最後にはの説得により抗体が作られ,そして全員無事に助かることができました。

 その直後,海上保安庁と連絡が取れ,救助が来ることになりますが,LeMUにチャミを連れに戻ったつぐみは浸水のために帰ってこれなくなってしまいます。となれば,君が助けに行くのは当然で,減圧の際にかなり無理をしながらも無事につぐみとチャミの救助終了。しかし,LeMUから離れることのできないとは最後の別れとなってしまいます。

 つぐみがIBFに戻ると,そこはもぬけの空。どうやら先に海上保安庁が救助に来てしまった様子です。
 となれば,二人きりになってしまった
つぐみがラヴラヴ・モードに突入してしまうのは当然でして,なんと,そのものずばりのシーンはないものの,きちんとHまでしてしまいます...コンシューマーなのに...PS2なのに...(^^;)。

 LeMUが崩壊する中,つぐみは潜水艦で無事脱出....が,一難去ってまた一難です。
 今度はバッテリー不足のために潜水艦が走行不能となってしまいました。
 静かに海の底深く沈んで行く潜水艦。
 その時
がとった行動は.....
 いやもうこれは泣けます(:_;)。
 でも,どうしてこれが『グッド・エンド』なんだよぅ....あ〜,納得がいきません(^^;)。

 『つぐみ編』が終わったところで数多くの謎が残ったわけですが,これは今後のストーリーの中で明らかになっていくんでしょうね。
 それを思うと,今からもうワクワクドキドキです。

2月10日

 『空編グッド・エンド』終了。

 いやぁ,泣きました。涙ボロボロでした。
 崩壊寸前のLeMUの中で「ここを出られたら何をしたい?」というの質問に対して「26歳になったら(と)結婚したい。」と答えるの切ない気持ちに泣きました。
 だって,
はAIなんだよ。設定は24歳だけれど,永遠に26歳にはならないんだよ。決してありえないことだけれど,最後の時にそれを願ってしまうのあまりにも純な思いに,私は完全に崩壊しちゃいました(:_;)。

 正直言って『シナリオ』にはあまり期待していませんでした。
 というのも,生命無き者との恋愛というシナリオではすでに
To Heartの『マルチシナリオ』という最強の存在がありますから,どうしてもそれと比較してしまうんですよね(^^;)。
 しかし,『
シナリオ』はをロボットというハードを伴わない純粋なソフトウエアとしたことによって『マルチシナリオ』とはまた別の深い感動を私に与えてくれたのです。

 そして,この『シナリオ』はTo Heartの『マルチシナリオ』が根底にあることは間違いないでしょう。の性格が極めて人間らしく作られていることについて質問されるたびに,が「開発者のポリシーです」と答えるのを聞いて,思わず長瀬主任の顔を思い浮かべてしまったのは私だけではないと思います(^^;)。
 
To Heartの『マルチシナリオ』において語られた生命無きものの心について,ロボットという肉体すらはぎとることによって,さらに深く突き詰めたのがこの『シナリオ』なのではないでしょうか?

 にはマルチすら持てなかった感情の一部があります。その一つが嫉妬であり,もう一つが憎しみです。
 
つぐみが半ば強引な形でと関係をもってしまったことに対しては嫉妬し,やがてそれはへの憎しみと変わり,を殺そうとまでしてしまいます。これはもう完全な『ロボット3原則』違反ですよね。いや,開発者は空をただのAIではなく『娘』と考えていますから,最初からには『ロボット3原則』なるものは組み込まれていないのかもしれません。

 この『シナリオ』おいてはつぐみもまた重要な位置を占めています。
 先にも書いたように,
つぐみは激情のままにと肉体関係を持ってしまい,それがその後のとの関係に大きく影響を与えていくのですが,その時につぐみが話したソフトウエアとハードウエアの話は,そのまま『シナリオ』の核心をついたものでもあるのです。
 しかし,エンディング近く
を助けようと一人LeMUへ向かおうとした時の,つぐみの「置いて行かないで」「一人にしないで」という叫びは,『つぐみシナリオ』を終えた後だけに,実になんとも胸が痛かったですね。いやもう,そのままつぐみの元に残りたかったですよ....(^^;)

 その他『シナリオ』のエピソードとしては,何といっても『恋愛心理学講座』が一番ですね。のギャル言葉には笑ってしまいました(^^;)。そして『恋愛心理学講座第2部』におけるガラス越しの触れ合いはとても切なくて,まずここでぐっときちゃいました。

 しかし,『つぐみシナリオ』もそうだけれど,『Ever17』には哲学的な話がいくつも出てくるので,これは小学生には絶対理解不能だし,中学生だってかなりおませな子じゃないと理解できないのではないかな?と思ってしまいます。いや,高校生だって,うちの愚息クラスだとアウトだろうな....(^^;)。

 それにしても,君のAI殺しぶりは,やっぱり浩之だよなぁ...(^^;)(^^;)

2月12日

 『優編グッド・エンド』終了。

 う〜む,なんというか謎が謎を呼ぶシナリオでしたね(^^;)。
 この「編」からは『少年視点』となるのですが,最初から違和感を感じてしまいました。
 というのも,この少年視点』時の少年とずいぶんと性格が違うように思えたからです。
 『視点』時の少年が受動的な性格であったのに対して,『少年視点』における少年はもっと積極的な性格で,あえていえば『視点』時のに良く似ているような気がしました。

 また,つぐみは『つぐみ編』や『編』同様他の者と接しようとはしないのですが,以前のシナリオではそれでもココに対しては優しかったし,また他者を拒絶するというよりも他者との付き合い方がわからないために他者と接しようとしなかった....という感じが見られたのですが,編」では最初から一緒に閉じこめられたメンバー全員に最初から敵意を示しており,少年が記憶喪失であることすら嘘だと思っていました。しかも「同じ事の繰り返し」と言ってみたり,つぐみにとってはこの事故が初めてではないような印象も受けます。

 それ以上に登場人物が異なるのが,『つぐみ編』や『編』との一番の違いですね。『つぐみ編』や『編』に登場したココはこのシナリオには登場せず,変わりにの高校の後輩である沙羅が登場します。
 しかし,少年だけはココの声を聞いたり姿を見たりしているんですよね。これは何故でしょう?

 また,停電時の発電室の修理にはつぐみは参加せず,倉庫の修理時にもつぐみが怪我をすることもありません。つまり,同じようなストーリーでありながら,異なる点も多いということです。

 他のシナリオ同様,は自分の父親の行方を探すためにレミにアクセスしますが,このシナリオでは天才ハッカーである沙羅がレミにハッキング(クラッキング)をかけることになります。しかも,防御プログラムが働き達を攻撃するの内部プログラムの優先順位まで書き換えてしまうのです。
 その結果,
の父親は34年前に亡くなっており,また母親までもが実は15年前に亡くなっていることが明らかになります。は18歳なのに,何故父親が34年前に亡くなっているのか....これは大いなる謎です。
 しかも,その死因はどちらもティーフ・ブラウらしいのです。このティーフ・ブラウは『
つぐみ編』や『編』においては,まだワクチン等が開発されていない未知の病だったはずですが,何故か編」においてはすでに終結宣言が出ている過去の病となっています。
 となると,「編」はつぐみ編』や『編』とは時代が異なるのでしょうか?
 17年前に起きたLeMUの大きな事故って,『
つぐみ編』や『編』の事故のことなのでしょうか?

 そういえば,憩いの間近くにある石像の裏側には『つぐみ編』や『編』でココが掘った6人と2匹の姿が残っているんですよね....ということは過去において確かにココが存在したということになります。
 また,
少年は夢の中でIBFの内部を見るのですが,どうやら現在ではヒンメルの扉とIBFとはつながっていない様子です。

 そして,の正式名称がつぐみ編』や『編』とは異なることもまた明らかになります。『つぐみ編』や『編』では『優美清香奈』だったのが,編」では『優美清香奈』となっているんですよね。ということは二人は別人?

 LeMUからの脱出は唐突に地上から連絡があり可能になります。その時に優の母親が画面に現れるのですが,彼女はが「自分のお腹を痛めて生んだ子」であると言います。実の母親は15年前に死んだはずなのに何故?
 脱出ルートが確保され脱出が始まりますが,突然の浸水のために少年が取り残されてしまいます。自分の過去を知ってしまったために生きる希望を失ってしまったですが,少年から叱咤激励されて元気を取り戻します。そして,少年のアイデアによる排水が完了し,無事少年は間一髪地上に戻ることができたのです。脱出寸前にヒンメルの扉へと姿を消したココはいったいどういう存在なのでしょう?

 このシナリオでは当然少年の爽やかな恋の物語も出てくるのですが,どうにも謎にばかり目が向いてしまう,せっかくのハッピー・エンドなのに,どうも釈然としないんですよね(^^;)。

 ところで,このシナリオの中には『第3視点』がしばしば出てきますが,そういえば編』でも『4次元の視覚』の話が出てきましたっけ....
 視点といえば,
少年に説明をする際に,が持ったキャップに少年がサインペンを入れるというシーンがあるのですが,ここでの会話は会話部だけ抜き出したら,まるっきり18禁ですよね(^^;)。

 あとは,停電を修理しに行く際にエレベーターの中で4人が冷凍マグロを抱えているCGはなんともシュールなものがあります。

 あ〜,この後これらの謎がどのように解決していくのか,早く知りたいです。

2月14日

 『沙羅編グッド・エンド』終了。

 LeMUの事故発生後,少年がエレベーターの中から助け出した少女沙羅。彼女を見て少年は何故か衝撃を受けます。そして沙羅が通っていた高校の後輩だったのです。
 後に,沙羅が知り合ったときのエピソードが語られるのですが,その時の沙羅は今の沙羅とはずいぶん違う人を寄せ付けないまるでつぐみのような冷たさを感じる少女でした。

 そのつぐみに向かって沙羅は「そうやってあの人からも逃げたんだ」と激しく詰め寄る場面がありましたが,沙羅が言う『あの人』とは誰のことなのでしょう?つぐみが落としたペンダントの意味は?そして,何故少年はそれを見て激怒したのか?

 沙羅の持つ両親の唯一の形見であるペンダントはホログラム・ペンダントであり,何故かその映像を見ることができるのは沙羅少年だけだったのです。
 そして,そのホログラムに現れた男性こそ沙羅の死んだ父親の姿らしい。

 沙羅には兄がおり,今は離ればなれだが「いつか迎えに来てくれる」と約束をしていることを話しますが,少年もまた同じように離ればなれになった妹の夢を見ることがあります。両者には何か関係があるのでしょうか?

 宇宙鯨のあるコスミッシャー・ヴァルが水没し,そこにいた沙羅が閉じこめられてしまうというアクシデント発生。それを助けに行ったのが少年と,そしてつぐみでした。「しかたがないでしょ『仲間』だから」というつぐみの言葉にはちょっと驚いてしまいました。まさか,つぐみの口から『仲間』という言葉を聞けるとは思いませんでしたよ(^^;)。
 つぐみにより助け出された沙羅ですが,すでに呼吸も心臓も停止してました。少年の必死の心臓マッサージにより一命を取り留めた沙羅。しかし,少年は緊張と疲労からか意識を失ってしまいます。

 少年が目を覚ましたとき,左手にあった傷痕がなくなっていることに気がつきます。そしてその傷痕から出てきたガラスの破片には沙羅が持っているペンダントと同じホログラムがあったのです。
 空の調査により,このホログラムは赤外線を視ることのできる人間にしか視ることが出来ず,
少年沙羅にはその能力があること,そして二人が兄妹であることが明らかになります。
 ここで疑問が....
少年は確か外見上は14〜5歳であり(それ以下に見えてもそれ以上には見えることはない(^^;),一方沙羅は16歳....どう見ても少年沙羅の兄には見えないんですよね。もしかして双生児?....いやぁ,同い年にも見えないんだよなぁ(^^;)。

 まぁ,それはともかくとして....(^^;),沙羅が妹であることがわかったと同時に,少年は過去の記憶を取り戻します。少年沙羅は幼い頃ライブリヒの研究所の中に研究対象として暮らしていたのですが,何故か少年だけが先に研究所を出ることになってしまいました。その時に交わした「必ず迎えに来る」という約束。
 自分だけが人並みに幸福な人生を送り,しかも約束を守れなかったことに深い罪悪感を感じる
少年は,自分が兄であることを認めることが出来ずにその場を逃げ出してしまいます。
 ほとんどの記憶は戻ったにも関わらず,少年は何故か自分の名前と記憶を失った原因を思い出すことができませんでした。

 突然の非常警報。
 地上からの連絡により非常通路が開かれたことがわかり,全員で脱出をはかります。
 ところが,何故か途中で
沙羅が姿を消してしまい,少年がそれを追いかけます。
 
少年沙羅を発見したときには,すでに脱出不可能の状態となってました。
 「外に出るのが怖い。LeMUにいる間は監視のない本当の自由を味わえて嬉しかった」と語る
沙羅
 そんな
沙羅を兄らしく励まし,少年沙羅を連れ海上目指して泳いでいくところでゲーム終了。

 そして,エピローグは無事に海上にたどり着いた二人が,自由を求めて逃亡するところで終了。

 兄妹の話ということで恋愛には結びつかないシナリオですが,それでもまだ二人が兄妹であることに気付いていないときの『水泳訓練』のイベントはほのぼのとして良い感じですね。

 しかし,つぐみ少年沙羅兄妹の間には何か関係がありそうなんですよね。先にも書いたつぐみ沙羅の間のトラブルや,つぐみ少年のことをじっと見つめるという場面から,それを強く感じるんです。
 もしかして親子?それじゃぁ父親は?

 さて,ココ編ではこれらの謎がどのように解けていくのでしょう?今からとても楽しみですね。

2月16日

 『ココ編』終了。

 はぁ〜,いやもう何と言ったらよいのか....
 凄すぎますここまで完璧に騙されたら完全降伏以外ありませんね(最初『完全幸福』って変換されてしまったのだけれど,これはこれで合っているかもしれない(^^;)。

 『つぐみ編』『編』『編』『沙羅編』で残った数多くの謎が明らかになって収束していく様子はまさに圧巻でした。謎が明らかになる度にゾクゾクしちゃいましたよ。

 それにしても,『つぐみ編』『編』と『編』『沙羅編』が同一時間上の話ではないということは予想がついていたのですが,まさかあんな展開が待っているとは....じゃなくて少年少年じゃないなんてね!
 この『視点』を上手く利用したトリックは,ゲームでなければなしえない技です。
 これには本当に上手く騙されました。
 少年が鏡を見るシーンでは本当にビックリしちゃいましたからね(^^;)。
 確かにあの顔ならば沙羅と似ているといわれても不思議ではありませんが....

 また『ココ編』ではつぐみの謎もまた明らかになるのですが,これはもうハンカチ無しでは見ることができません。特に母子の再会のシーンには目頭が熱くなってしまいました。それにしても,つぐみは17年間本当に苦労したんですね(:_;)。
 また,優(春)優(秋)の2人が親子であることはわかっていたのですが,まさか優(春)が余命幾ばくもなく,そのために自分のクローンとしての子ども優(秋)を作ったとはねぇ....クローンだからこんなにもそっくりなんですね。

 そして,BWの登場により物語は佳境を迎えるのですが,この壮大な計画がココを助けるためだけ実行されたとはビックリです(^^;)。
 それにしても,って漢ですね。ちゃんとココとの約束を守って自分まで隣のポッドの中に入って冬眠しちゃうなんて....いくら約束とはいえ,なかなかできるもんじゃありませんよ....もっとも,本人は「疲れたから」としか言わないのですけれどね(^^;)。

 そして,ハッピー・エンドのエピローグで誰もが幸せな気分を味わえることになるでしょう。
 全般的にはかなりシビアなストーリーなので,最後がこのような幸せな終わり方だと本当に嬉しくなりますね(^_^)

2月18日

 『つぐみ/空編バッド・エンド』『優編バッド・エンド』『沙羅編バッド・エンド』終了。

 本当はバッド・エンドまで見るつもりはなかったんですけれどね....でも,ここまできたらコンプリートしたいという欲求もまたあるわけで....それに優(春)の哀しい思いが打ち明けられるという『つぐみ/空編バッド・エンド』が非常に気になるということもあり,まぁやってみたわけです。
 しかし,このゲームはバッド・エンドにする方がムズカシイんですよね(^^;)。

 というわけでやってみたのですが....いやぁ,どのエンディングも辛いですね(:_;)。
 その中でも『つぐみ/空編バッド・エンド』で死ぬ間際に打ち明けた優(春)の哀しい思いには泣けました。
 そうか,優(春)があの壮大な計画を実行したのにはに対する隠された想いもまたあったのですね。
 でも,その想いはかなわぬ想いなんだよなぁ(:_;)。

 かなわぬ想いといえば,少年こと桑古木涼権もまたむくわれない人ですよね。
 ココを助けたいが故に17年間待ち続け,しかもこの計画の中ではを演じて皆を騙すという悪役にまでなって,なのにその想いは決して実を結ぶことはない。
 いや,桑古木涼権にとってはココの笑顔を再び見ることができただけで満足なのかな?

 そういえば,もまた哀しい想いを味わなければならない女性の一人ですね。せっかく実体を得ても,肝心のにはつぐみという相手がいるのですから(しかも2人の子持ちだし(^^;)。極めて人間らしい心を持つにとって,それはとても辛いことなのかもしれません。もっとも,優(春)にそそのかされての家にメイドロボ(^^;)として押し掛けてしまうくらいのことはするかもしれませんが....(^^;)。

 しかし,一番混乱してしまったのは何といってもでしょうね。何たって,目覚めたら17年経っていて,しかも16歳の子どもが2人もいるんですから。普通なら精神的にまいっちゃうところでしょうが,そこは『大丈夫だ』の君です,きっとすぐに「そんなもんだろう」と受け入れちゃうんでしょうね(^^;)。
 それにしても,20歳の父親と17歳にしか見えない母親と16歳の息子と娘の家族ってのはなんか凄いですねぇ....これなんかSSの良いネタになるんじゃないでしょうか?
 しかし,このままだといずれ親と子の見た目年齢が逆転しちゃうんだよなぁ(^^;)。

 ともあれ,これですべて終了です。
 ふ〜む,なんというか,ちょっとした虚脱感ですね。
 良いゲームができたという充実感もあるのですが,それ以上に終わってしまったという虚脱感の方が大きいんです。ゲームをやっていてこんな気持ちを味わってしまったのは初めてです。
 しかし,これだけのゲームをやってしまうと,これからやるゲームを素直に楽しむことができるのだろうか?と不安になってしまいますね....いや,ほんとに....
 次のゲームまではちょっと期間を開けた方が良さそうです。

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