加奈〜いもうと〜日記


 『加奈〜いもうと〜』はD.O.から1999年に発売されたゲーム(18禁)です。
 ネット上の色々な所で「泣ける,感動する」という評判を見ていたので,以前からやってみたいものだな,と思っていたゲームです。中古で5750円と,えねま的にはかなり高かったけれど,それだけ人気がある証拠なのだろう,と自分自身を無理矢理納得させて(^^;)買ってみました。
 そして,これはそのリアルタイムなゲーム記です。
 当然ながらネタばれ有りですので,これからやってみようとする方はそのつもりで読んでくださいね(^^;)
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10月16日

 
我が家の恋愛ゲーム専用機,SOTEC PC STATION M246にインストゥールする。容量が約220MBというのは,最近のゲームとしては少ない方ですね。インストゥールは問題なく終了。とりあえずはあまり考えずに直感のままにやってみることにします。

 オープニングの曲はゲームの性質上か,マイナー調の静かな曲です。ボーカルはちょっとアニメ声かな?....いや,嫌いではないんですけれどね。画面もアニメーションではないけれど,なんとなくゲームの雰囲気を伝えてくるようで悪くないです...もっとも,.最初はなんでこんなに解像度が低いのだろう?とちょっぴり驚いてしまいましたけれどね(^^;)。最後の水滴が広がるようなエフェクトも良いですね。

 文字は「Kanon」や「To Heart」のような下のウィンドウに表示されるタイプではなく,画面全体を使って表示されるタイプですが,特に見づらいというわけではありませんし,慣れてくるとほとんど気になりませんね。

 ううむ,小さい頃の加奈は芹香さんが入ってますねぇ,「(こくこく)」(^^;)。こういう健気な子を見ると,やっぱり娘も欲しかったなぁ...と思っちゃいます(^^;)。
 中学生になった加奈をいじめるのが女の子3人組というのが,いかにも定番ですね....お前は岡田か?(^^;)それを助けた少年は浩之って名前じゃないだろうな?(^^;)(^^;)

知的ルート第3エンド『今日を生きる』」が終了。

 泣いたかって?ええ,泣きましたとも。特に
『加奈の「行ってきます」』『雪が降るシーン』そして『日記を読むシーン』では涙があふれそうでした。
 
それにしても,悲しみの後に爽やかで力強さすら感じられるこのエンディングは本当に良いですね。夕美も救われているし....いや,この娘,ほんとに良い娘ですよ。実は,個人的には夕美の方がお気に入りだったりします(^^;)

 さすがに話題となったゲームだけに,シナリオ的には良くできていますね。特に「死」についてここまで真摯に考えさせるゲームって他には例を見ないのではないでしょうか。
 絵柄はあまり一般ウケするものではないと思いますが,それでもゲームを進めているうちにまったく気にならなくなります。BGMも特に傑出したものはありませんが,それでも画面には良く合っていると思います。ただ,時折音が途切れてしまうのは残念ですね。特に感情移入しようかというときにこれがあるとガッカリです(^^;)
 それから,場面転換がスムーズに行われずに一瞬ブラック・アウトしてしまうのも,また興をそがれてしまいますね。
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10月17日

夕美エンド『迷路から』」を終了。

 このシナリオではまったく泣けませんでした。しかし心にズキズキと突き刺さる痛さがありました。
 加奈の臓器移植手術後,手術は成功したのか,とホッとさせながら,「死にたくなかった」の一言で一気に奈落の底へ落とすあたりのテクニックは本当に上手いですね。
 そして,加奈の死を受け入れられずにどんどん精神が荒廃し崩れていく隆道(主人公)の姿を見ていると心が痛くて仕方がありません。このときには,このまま救われないままに終わるのかと暗澹とした気持ちになってしまいましたよ(^^;)。
 しかし,そんな隆道を献身的に支える一人の女性がいたのです。それが
夕美です。いやぁ〜もう夕美ってなんて良い娘なんだろう!!わたしゃ惚れましたね(^^;)。
 そんな
夕美の献身的な支えがありながら,ただ崩れていくだけの隆道の姿にはなんともイライラさせられていまいましたが,エンディングは救いのあるもので,ホッとしました。だって,もしあのまま救われない内容だったら,心が痛くて眠れませんよ。いや,隆道はどうだっていいんです(^^;),夕美が可哀そうじゃないですか!
 なるほど,タイトルの『迷路から』の迷路って,心の迷路のことだったんですね....

 それにしても,場面変換の際にBGMがブツっと切れてしまうのはいただけませんね。あれではせっかくの盛り上がりに水をさしてしまいます。
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10月22日

知的ルート第1エンド『雪』」「知的ルート第2エンド『おもいで』」を終了。

 実は「知的ルート第1エンド『雪』」は,「夕美エンド『迷路から』」終了直後にやってしまったのですが,「知的ルート第3エンド『今日を生きる』」を終了して間がないときだけに,何だかとても物足りなく感じてしまいましたね。これを逆にやっていれば,きっと涙の一滴もこぼれたのでしょうが....
 「知的ルート第1エンド『雪』と「知的ルート第3エンド『今日を生きる』」の分岐が『抱く』か『抱かない』の違いだけというのもまた寂しいですね。

 しかし,「知的ルート第2エンド『おもいで』」は数日間を置いてから行ったためか,『最後のお別れ』あたりから瞼の裏にじわりと熱いものがきちゃいましたね
 このシナリオで何とも辛かったのが,「知的ルート第3エンド『今日を生きる』」に行かないために
夕美に対して辛くあたらなければならないことです。夕美が転びそうになるところで『助けなかった』り,卒業式でボタンを欲しがる彼女にボタンを『あげな』かったりと,私は心の中で夕美に「ごめんよ〜」とあやまりながら鬼となりました(^^;)。
 しかし,これだけ冷たい仕打ちにあっても,
夕美は隆道のことを思い続けるんですよね。彼女に『別れ』の電話をかけるところでは,何とも心が痛くなってしまいました。隆道君,そりゃ〜,あまりにも酷ってもんですよ(^^;)。

 システム上で困るというか,やや辛いのが,キーボードで操作ができないってことですね。ず〜っとマウスだけでゲームを進めるのって,手と手首が凄く疲れるんですよ。バージョン・アップすればキーボードでもできるようになるらしいのですが,だったらデフォルトからそうしてくれよ,って感じです。
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11月1日

ノーマルエンド『追憶』」「ベストエンド『はじまりのさよなら』」を終了。

 前回から10日もたってしまいましたが,これは他の用件で忙しかったせいもありますが,少し間をおいたほうがより楽しめるのではないかと判断したためです。というのも,このゲームは基本的に加奈と夕美の二人の物語なので,エンディングの部分以外はほとんど同じ話の繰り返しになってしまうんですよね。だから,少し間をあけないとエンディング以外の話がただのルーティン・ワークになってしまう恐れがあるんです。

 さて,「ノーマルエンド『追憶』」ですが,これは「夕美エンド『迷路から』」と途中まではほとんど同じ内容です。しかし,「夕美エンド『迷路から』」では道隆が加奈の死を受け入れられずにどんどん精神が荒廃し崩れていくのに対して,「ノーマルエンド『追憶』」では加奈の死を受け入れて明日に向かって歩き出すという前向き姿勢であるのが大きな違いですね。また,夕美も傷つきながらも最後には幸福をつかもうとしているので一安心です(^_^)。
 この「ノーマルエンド『追憶』」で
一番辛いのは,ペンダントに録音された加奈の4番目のメッセージですね。彼女の「死にたくない」という悲痛な叫びには心が痛くなってしまいます。そしてその死の恐怖を乗り越えた後に録音された5番目のメッセージにはじわ〜っと感動しちゃいますね。おそらくこのエンディングを一番最初に迎えていたら,おそらく涙が止まらなかったに違いありません。

 そして,この「ノーマルエンド『追憶』」と最後の分岐で違う方を選ぶと「ベストエンド『はじまりのさよなら』」になります。
 もちろん,ベスト・エンドですから加奈は死にません。移植手術も無事に終了して,健康になり,道隆とも結ばれ,そして自立していきます。これはまごうことなきハッピー・エンドですね。でも,何だか物足りないんです。これじゃぁ,別に「加奈」というゲームでなくても良いのではないのかなぁ,って思うんですよね。
 それに,夕美も可哀想なままだし....(^^;)
 やはり,この「加奈」の神髄は「
知的ルート第3エンド『今日を生きる』」にあるといっても過言ではないでしょう。いや,別に私は不幸な話が好きなわけではありませんよ(^^;)。どちらかといえばほのぼの幸せなお話の方が好きです。しかし,こんな言い方は変かもしれませんが,この「ベストエンド『はじまりのさよなら』」は他のゲームにおける「おまけシナリオ」的な役回りだと思うんですよね。

「加奈」総論
 このゲームは「知的ルート第3エンド『今日を生きる』」と「夕美エンド『迷路から』」の2つをやれば十分です。つ〜か,この2つだけで十二分に泣けます感動できます。あとは時間があれば「ノーマルエンド『追憶』」「ベストエンド『はじまりのさよなら』」をやるくらいで,残りの2つ(「知的ルート第1エンド『雪』」「知的ルート第2エンド『おもいで』」)はコンプリートを目指さないのであれば,やる必要はありませんよ。

 さて,グラフィックですが,これは正直言って全然好みではありません。また,絵によってキャラクターが全然違う顔になってしまうのも大きな減点対象です。しかしながら,ゲームを進めて行くにつれて「ああ,このゲームはこのグラフィックで良いのだなぁ」と思えてくるんですよね。

 次にサウンドですが,これは以前にも書いたとおり,場面転換で音がぷっつり切れてしまうという大きな不満があります。特にクライマックスでこれをやられると,本当にガッカリしちゃうんですよね。
 BGMとして収録されている曲は特に印象には残るものはありせんが,BGMとしての機能はきちんと果たしていると思います。また,主題歌及びエンディング・テーマも同様に印象に残るものではありませんが,この「加奈」というゲームには良く合っていると思いますね。ちょっち下手っぴなのもご愛敬でしょうか?(^^;)

 加奈は良いですねぇ。私には実際に妹がいるけれど(いるからこそ)妹属性は全然ありませんが,それでも加奈のような妹がいたら『守ってあげたい!』と真剣に思っちゃうでしょうね,きっと。
 でも,やっぱり
私は夕美の方が好きですね(^_^)。いやもう本当に良い娘ですよ。「夕美エンド」における献身愛は,さながら女神のようです。

 この「加奈〜いもうと」はぜひ大人のあなたにやっていただきたいゲームです。キャラ萌えするゲームではないので,やっていても変な気恥ずかしさは感じないですむと思いますしね(^^;)。18禁ゲームに限らず,生と死についてこれほど真剣に考えさせられるゲームって他にはありません。
 もっとも,「ゲームで考えさせられるなんて嫌いだ!」なんて方にはお薦めできませんけれどね(^^;)


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