メモオフ日記

 
Memories Off 〜 かけがえのない想い....見つけた
 日が経つに深まっていく秋。
 主人公「三上智也」は
 ありきたりでありふれた毎日を送る17歳の高校生。
 しかし,その心の奥には胸を締め付けるような辛い過去が秘められていた。

Memories Off 2nd 〜 かけがえのない想い....再び
 うだるような暑さ。かしましいセミの鳴き声。
 季節はまさに夏本番を迎えようとしていた....

【ケース裏解説文より】

 『Memories Off Duet』は,KIDから1999年に発売された『Momories Off』と2001年に発売された『Momories Off 2nd』,さらにそれぞれの外伝的作品である『Memories Off Pure』と『Memories Off 雪螢』までをも収録したPS2用恋愛ゲームソフトです。
 そして,これはそのほぼリアルタイムなゲーム記であり,当然ながらネタばれ全開ですので,これからやってみようとする方はそのつもりで読んでくださいね(^^;)。
7月1日

 このソフトは『12歳以上対象』となっていますが,まぁ確かに小学生がやっても面白いゲームだとは思わないよなぁ....つ〜か,小学生でこの手のゲーム楽しんでいるお子さまがいたら,何か怖いですよねぇ(^^;)。

 さて,PS2ソフトということで,インストゥール等の面倒臭いことも一切なく,Discを入れてメモリ・カードをさして,スイッチを入れればいよいよ始まりです。

 幼い頃から深い絆に結ばれた男の子一人と女の子二人の三人組。しかしその女の子の一人が事故で死んでしまい,残された二人にの心には深い傷痕が残されてしまった....ん?どこかで見たような設定だなぁ....と思ったら,『夏色夜話』が同じ様な設定でしたね(もっとも『夏色夜話』の方は男の子一人と女の子三人の四人組でしたが)。それに死んでしまった女の子の名前も『Momories Off』が『彩花』,『夏色夜話』が『綾香』と,どちらも『あやか』だし....う〜む,『Momories Off』の方が4年前に発売されていることからも,もしかしたら『夏色夜話』が間接的に影響を受けている可能性はあるかもしれませんね。

 さて,『Momories Off』において『夏色夜話』の小鳥に該当する女の子は今坂唯笑になるわけですが,彼女は疑うということをどこかに置き忘れてきたような女の子で,ちょっと天然の入った女の子です(もっとも,シナリオが進むうちにそれだけの娘ではないことがわかってくるのですが....)。主人公である三上智也は毎日幼なじみの彼女と登校するのですが,これはもうギャルゲーの王道のひとつですね。
 そ〜いや,主人公が親の都合で一人暮らしというのもまたギャルゲーの王道のひとつです。

 唯笑の他に登場してくる女の子は,ショートカットで明るい転校生音羽かおる,同じ転校生だけれど人付き合いが苦手で本が大好きなロングヘアーの双海詩音なんか拷問されちゃいそうな名前だなぁ(^^;),ツインテールで病弱な後輩の伊吹みなも,学校の購買でバイトをしている女子大生の霧島小夜美と,この手のゲームにしては少ない方かもしれません。
 現時点では音羽かおる双海詩音がお気に入りですが,実際にゲーム進めると,これも変わってくるかもしれませんね。

 初めのうちは唯笑とのほのぼのとした会話やとの間で交わされるギャグが中心の明るい雰囲気でストーリーが進むのですが,智也彩花のことを思い出すにつれて徐々にシリアスになっていきます。このあたりがなかなか良くできていて,どんどん物語の中に引き込まれていってしまいます。

 う〜む,どうもいつの間にやら唯笑ルートに入っているようです。さて,このまま無事にエンディングまで辿り着くことができるのか...これは明日のお楽しみです。
 

7月2日

 『今坂唯笑トゥルー・エンド』終了。
 う〜ん,最初にこれをやるべきではなかったなぁ....っと,後悔することしきりです。
 このシナリオを体験しちゃうと,他のヒロインのシナリオをやっていても唯笑の事が気になって仕方がなくなっちゃうじゃないですか。あ〜,こうして他のヒロインと仲良くなっているとき,きっと唯笑は影で泣いているんだろうなぁ...と....

 智也の心の中に占める彩花の存在の大きさ。それを誰よりも知る唯笑だから,その心の苦しみと痛みは智也以上のものがあったに違いありません。
 それでも健気に智也を支え続けてきた唯笑は本当に強い娘だと思います。

 しかし,そんな唯笑でも,智也の心の中に自分がいないのではないか....と思ったとき,心は崩れ,智也のことは拒絶するようになってしまうのです。
 唯笑を傷つけていたことに気が付いた智也は噴水のある公園(かつて智也彩花が互いに思いを打ち明けた場所)で,「昔からちっちゃいころから智ちゃんのことが大好きだったんだよお!」と想いをぶつける唯笑を抱きしめ,「ずっと一緒にいような」と告げるのです。

 普通のゲームならばここでハッピー・エンドとなるのでしょうが,メモオフはそうはいきません。
 付き合い始めたとはいえ,智也の心の中ではまだ彩花が大きな存在を占めていることには違いがありません。そんな智也に「もうこんなことはやめにしよう」「彩ちゃんがいなくなったのは全部唯笑のせいなの」と告げて,唯笑は去ってしまうのです。

 もちろん彩花が事故にあったのは唯笑のせいではありません。
 実は事故の現場にはがいて,その事故の一部始終を見ていたのです。そして,その場で足がすくんで何もできなかったという負い目から,智也唯笑に償いをしようとしていたのです。

 土砂降りの中校庭の真ん中に佇んでいた唯笑を抱きしめ「好きだ」と告げる智也
 そして「雨はあがったんだ...」のテロップでEnd。
 

7月11日

 『音羽かおるエンド』終了。
 転校してきたばかりだけれど明るくて人見知りをしないショートカットの女の子音羽かおる。一見何も悩みもないように見える彼女の笑顔の中に「作られた笑顔」を感じてしまった智也は,彼女の中に自分と同じものを無意識に見てしまったんでしょうね。

 とはいえ,彼女の明るさに智也が救われたのもまた事実で,かおるの前では素直な気持ちでいられる自分を智也は感じるようになります。
 しかし,それでも彩花のことは素直に話すことができない智也は,彩花と同じ様なことを言ったかおるきつい言葉をかけてしまうのです。

 この後,かおるに誘われて映画を見に行くイベントがあり,この時の選択肢では「かおると遊びに行く」を選ばないといけないのですが,これを選んだときの唯笑の哀しそうな顔が...『唯笑ルート』の後だと実に辛いものがあるんですよねぇ...

 休日,智也は家の前で帰りを待っていたかおるから「私と付き合う気ある?」と言われますが,彩花のことがあって答えることができません。そんな智也かおるは「前の街に5歳年上の恋人がいた」ことを打ち明けます。そしてその人のことを傷つけてしまったことも....
 「傷つけてしまったその人に謝りたい」と言うかおるに,智也は「謝りに行くよう」勧め,そして,自分自身も過去のことに拘らないことを決意します。

 かおるからのお誘いで一緒に映画を見に行くと,そこでかおるの元カレに出会います。元カレと話すかおるの前から立ち去った智也は,街中で唯笑に偶然出会い(何故か一瞬彼女を彩花と見間違えてしまいます),そして彼女に「もう他の誰かを求めてもいいんだろうか?」と罪なことを聞いてしまいます。そんな智也に「いいと思うよ」と優しく答える唯笑は,ほんとに良い娘ですね。

 唯笑が去った後,智也の前に現れたかおるは「私が言い残したことは全部伝えたよ」と告げ,そしてまた「私と付き合う気ある?」とたずねます。今度は自信を持って「もちろん」と答える智也

 そして,新しい日常の始まり....というところでEndingを迎えます。

 う〜む,キャラとしてはかおるて本当に魅力的なんですが,シナリオとしてはちょっと物足りませんね。まぁ先に唯笑をやってしまったせいもあるかもしれませんが....

 それにしても.....なるほど.....このゲームはまさにタイトル通り「メモリー(想い出)をオフにする(消す)」(主人公だけではなくヒロインもまた過去に拘らずに生きていくことを決意する)ことを主題としたゲームなんですね。
 

7月12日

 『双海詩音エンド』終了。
 何だか姉妹と入れ替わって周囲の関係者をどんどん殺してしまうような名前ですが(^^;),本が大好きでいつも図書室にいるあたりは,某ひらがなみっつの女の子を彷彿とさせますね....そ〜いや,親が有名な学者というのも同じだな....って,もちろんこっちの方がずっと先に作られているんですが....(^^;)。

 先にやった『かおるシナリオ』のかおる彩花とは性格も容姿も異なる女の子だったのに比べ,詩音彩花と同じように髪の毛が長く雰囲気も似ており,智也は何度か面影を重ねたり,またある時は間違えて名前を呼んだりもしています。
 それ故,智也は自分が求めているのが詩音なのか彩花なのか悩み,そして詩音もまた智也が求めているのが自分なのか彩花なのか悩んでしまうのです。

 そんな紆余曲折を経た後,智也詩音彩花のことをすべて打ち明け,そして「俺にはもうお前しかいない。もう二度と失いたくない」と告白します。まぁ普通のゲームだったらここでハッピーエンドを迎えるのでしょうが,ここから一波乱あるのがメモオフでして,詩音はまた転校することになってしまいます。しかも遠くフィンランドまで。

 詩音がフィンランドに旅発つ日,父親と一緒にいる彼女を街で見つけた智也は「行くな!」と叫び,それに「はい」と答える詩音。なんだか知らないうちに詩音は日本に残ることになってしまいます。
 まぁ,ご都合主義といえばこれ以上のご都合主義もありませんが,いつの間にかその場から消えてしまった父親からの電話を受け「私,置いていかれちゃいました」と笑顔を浮かべる詩音の笑顔を見たら,そんなこたぁどうでも良くなってしまいます。

 私はどうもこの手の『ツンデレ』娘に弱いんですよね。初めは名前すら覚えようとしなかった女の子が徐々に心を開き,やがて笑顔を見せるようになり,最後には「あなたと一緒にいたい」と言うようになる。ほんと典型的なシチュエーションなんですが,これがたまらんとですよ。

 蜘蛛が大嫌いで,紅茶にうるくて,帰国子女のためか誤解した日本像を抱いている,仮面の下は実は普通の女の子である....等々,「メモオフ」のSSを書く場合,詩音が一番書きやすいキャラではないかと思います。「図書室では静かにしてください」の決め台詞もあるしね(^^;)。
 

7月24日

 『伊吹みなもエンド』終了。
 病に冒されていて絵を描くことが大好きで後輩で....というと某鍵なゲームのアイスクリーム娘を彷彿とさせますが,残念ながら(^^;)みなもちゃんには姉はいません....但し1歳年上の従姉妹はいました。そう,彼女は彩花の従姉妹だったのです。

 それにしても,まさかこんなエンディングを迎えるとは思いませんでした。きっと最後の最後で奇蹟が起きるんだろうよ....と思ってゲームを進めていたら,本当に死んじゃうなんて....正直吃驚しました(別な意味での奇蹟は起きたのですが)。彼女のシナリオには唯笑シナリオのように『トゥルーエンド』と『グッドエンド』があるわけではなく,これが正真正銘のみなもエンドなんです。
 最終日,智也の家を訪れたみなもの「最後の1秒は,智也さんと一緒にいたいの!」という言葉は,乙女の感傷的な『ドラマのような』台詞ではなく,真実の言葉だったのですね。ということはその前に唯笑から「病院へ行ってあげて」と電話がかかってきたときにはみなもはすでに危険な状態だったわけで....そんな状態で智也の家を訪れたみなもの思いの深さを思うと....ちょっと怖いものもありますね(^^;)。

 しかし,このエンディング後の智也の人生を考えると暗澹たるものがありますね。何しろ,自分が原因で(と本人は思いこんでいる)彩花を事故で亡くしただけではなく,唯一のドナーであった彩花が死んでしまったためにみなもまでもが移植手術を受けられず死んでしまったわけですから,智也にしてみれば自分が愛する女性を二人殺してしまったようなものなのです。
 確かにエンディングの智也を見ているとかなり強くなったような気もしないではないですが,本来の智也の性格からすれば,かなり落ち込むはずですし,もしかしたら二度と立ち直れないかもしれません。
 そうなったらもう唯笑でも立ち直らせることは不可能かもしれません。いや,唯笑ならばたとえ智也がどんな状態になったとしても支え続けるんでしょうね,きっと....。

 とはいえ,この『みなもシナリオ』の評判が高い理由も良くわかります。私にとっても久しぶりに予想を覆されたシナリオですからね。
 まぁ確かにみなもが奇跡的に回復するシナリオもアリかもしれませんが,それはとてもチープなものにしかなりえないでしょう。それを考えるとみなもエンドはこれしかありえないのかもしれません。

 ところで,ラストの金色に輝く海のシーンなんですが,『duet版』以前では最後に一度だけみなもが目を開けるらしいのですが,『duet版』ではずっと目を閉じたままです。.つまりみなもは金色に輝く海を見る前に息をひきとってしまったわけで....この辺りは賛否両論別れるところでしょう。はたしてどちらが良いのか....これは実際に両方をやってみなければわかりませんね。
 

7月29日

 『ピュアストーリー 彩花編』終了。
 霧島小夜美ルートをやる前にこっちをやってしまいました(^^;)。
 これはゲーム本編でも出てきた彩花智也が恋人として付き合うようになるまでのストーリーを詳しく描いたもので,途中から『彩花視点』と『智也視点』に変わります。
 『智也視点』はゲーム本編に出てくるストーリーとほとんど変わらないのですが,『彩花視点』では本編では知ることのできなかった彩花の気持ちが描かれており,これがなんともいじらしいんですよね。
 それにしても,彩花に遊園地のチケットを渡したのが唯笑とはね....ほんと,この娘は良い娘過ぎます。でも,そばにいたらうるさくて仕方がないだろうなぁ....(^^;)。

 凝ったシナリオも好きですが,こういう何気ない日常の中における男女の関係を描いたシナリオも好きなんですよねぇ...。
 しかし,この後
彩花智也の二人を悲劇が襲うことがわかっているだけに,典型的なハッピーエンドあるにもかかわらず,とても切ない思いがするのもまた事実なのです。
 

GAMEに戻る