ファントム日記

 暗黒街で相次いで発生したマフィア幹部暗殺事件。その影で囁かれる謎の組織『インフェルノ』と,組織最高の暗殺者である『ファントム』の噂...
 一人旅でアメリカを訪れた主人公の少年は,ある事件で偶然にもファントムに遭遇。その正体は自分と歳が変わらない少女だった!?それまでの記憶を消され,ファントムのもとで数々の暗殺術を学ぶうちに,いつしか主人公は組織最高の暗殺者まで成長していく。陰謀が渦巻く,凶暴で無法な世界に芽生える純愛の行方は何処へ....。

【ケース裏解説文より】

 2000年にニトロプラスから発売された『ファントム・オブ・インフェルノ』にDVD版&PC2版で加筆したシナリオ,追加・書き直しされたCG,刷新・追加された主題歌,BGM等を追加して2004年に発売されたものです。購入したのは随分前なんですが,何故か今まで積んだままでした(^^;)。
 そして,これはそのリアルタイムなゲーム記であり,当然ながらネタばれ全開ですので,これからやってみようとする方はそのつもりで読んでくださいね(^^;)。
8月22日

 クラッシュしてしまった前ハードディスクの代わる新ハードディスクにインストール。HDの必要容量が500MBというのは,最近のゲームとしてはかなり少ない方ですね。まぁその代わり音声無しなんですが...。というわけで,インストールも何事もなく無事終了。

 オープニング・テーマの『Promised Island』はアコースティック・ギターとストリングスが印象的なヨーロッパの香りのする曲で,これが実に良い感じです。メロトロンのような音は...きっとサンプリングなんでしょうね。

 というわけでゲーム開始。
 まずは囚われの主人公が目を覚ますところから始まります。
 自分が何処の誰であるのか,そして何故ここにいるのかわからないまま,主人公は一人の少女と戦うことになります。少女の名はアイン(ドイツ語の『1』ですね)。
 本能のままに戦いかろうじて勝利を得た主人公は『ツヴァイ』(これはドイツ梧の『2』)という名をサイン=マスターから与えられ,謎の組織インフェルノの殺し屋となるべく少女アインの指導を受けることになります。アインはインフェルノのトップ・スナイパーである『ファントム』の称号を持つ少女。

 砂漠にある廃工場でアインから日夜射撃等殺しのテクニックを教わるツヴァイ。過酷な訓練を受けるツヴァイに唯一優しい言葉をかけてくれたのは,インフェルノの幹部の一人であるクロウディア一人だけ。
 ツヴァイが最初に殺したのはインフェルノにとって邪魔になった米軍関係者。
 それ以後アインとコンビを組んで暗殺を繰り返すツヴァイ。住んでいる所もロスにある同じアパートですが,だからといって男女の関係があるわけでもなく...というより人間同士の関係ですらないのかもしれません
 普段は人形のように無表情なアインですが,年相応の女の子のような演技もすることができます。その時の花のような笑顔と冷酷な暗殺者の顔とのギャップにはゾッとさせられるものがありますね。

 クロウディアに誘われて彼女のフェラーリを乗り回すツヴァイ。『ファントム』は武器に対する拘りの強いゲームですが,クルマに対する拘りも強いようです。

 クロウディアからアインツヴァイに与えられた任務は日本の暴力団(梧桐組)が中国マフィアの麻薬を強奪するバックアップ。しかし,直前になってツヴァイリズィの代わりにクロウディアの護衛をすることになる。
 クロウディアの家に行ったツヴァイは彼女から自分のパスポートを渡され,それが引き金となって自分自身の過去を思い出す(デフォルト名は吾妻玲二)。
 今後のことを考えるために砂漠の廃工場に行った玲二が見たのは撃たれて腹部から血を流しているアインの姿。電話で「サイスが裏切ってファントムにインフェルノの麻薬運搬船を襲わせた」と言うクロウディアは玲二に今すぐ自分の許に戻るかロスを離れるか決めろと告げる。

 *ここで『一人で逃げる』を選択すると,日本に帰りながらもうつろな日々を過ごすというエンディング。

 アインに打ち込まれた弾丸の摘出をする玲二
 麻酔も無しって...普通ならそれだけで死んじゃいそうです(^^;)。
 しかし,摘出の場面がやたらエロチックに見えてしまうのは気のせいでしょうか?(^^;)

 ここで『組織に戻る』『二人で逃げる』のどちらかを選択するかで今後の展開が大きく変わりそうです。
 とりあえず今回は『二人で逃げる』を選択。

 サイスに裏切られながらも「最後までマスターに尽くす」と言うアインを連れて逃げる決意をした玲二は,「君といっしょに逃げるんだからもう意味はない」と自分のパスポートを破り捨てる。

 モーテルで「アインのまま死にたかった」と泣くアインに『エレン』という新しい名前をつけた玲二は,彼女に「生きていて良かったと思わせるくらいに幸せにしてみせる」「君は,僕が守るから」と約束する。

 しかし,ソルトレイクでクルマを盗もうとした玲二の前にリズィクロウディアが現れ,
 そしてエレンの前にはサイスが現れる。
 インフェルノにつかまり尋問を受ける玲二サイスを殺して身の証を立てるよう告げるクロウディア

 港で玲二の前に現れたエレンは,玲二に人殺しをさせないために,身を挺して玲二が撃った弾丸からサイスを守ります。倒れたエレンを抱えたまま逃亡するサイス
 
エレンを殺してしまったと自責の念にかられる玲二
 しかし,ファントムである
エレンを倒したことで,皮肉にも玲二ファントムの称号を引き継ぐことになります。

 というところで,本日は終了。
 いやあ,さすがは『萌え』ではなく『燃え』のゲームであると言われるだけはありますね。
 

8月24日

 ファントムの称号を引き継いでから1年後,玲二がクロウディアと二人で日本人ヤクザと500万ドルのコカインの取引に行くと,そこにはヤクザ達の死体と,流れ弾に当たって死んだと思われる黒人娼婦の死体が。

 翌日調査のため玲二が現場に行くと,そこに一人の少女の姿が。
 死んだ黒人娼婦
ジュディの妹だという少女キャルは,ジュディを死なせた相手を知っていると言う。
 しかし,実際には
キャルは殺人者に姿を見ておらず,また盗まれたと思った500万ドルも彼女が持っていたのだった。
 キャルを庇う決意をした
玲二は,インフェルノの幹部の前でキャルに殺しの才能があると嘘をつく。しかし,こんな嘘を付くなんて,冷徹な殺し屋ファントムらしくありませんねぇ....

 玲二に服を買ってもらい喜ぶキャル。新品の服を買ってもらうのにはこれが初めてだという。

 インフェルノの幹部の前でキャルに殺しの才能があると言った手前,砂漠の廃工場でキャルに銃の扱い方を教えると,キャルが本当に銃を撃つ才能を持っていったことが判明する。

 クロウディアから梧桐組を見張り敵が現れるのを待つよう指示を受けていた玲二だが,ホテルで梧桐の舎弟を殺されてしまうというミスを犯してしまう。
 殺人者の後ろ姿は....え?死んだはずの
エレンではないのか?

 キャルと共にホテルの狙撃場所を探索していた玲二は,キャルにオルゴール付きの懐中時計を買ってあげる。ジュディの仇をとるためにも,狙撃の場所に一緒にいたいというキャル

 梧桐組とインフェルノの会談の日,狙撃しようとしていたランディを撃ち殺す玲二
 なのに,どこからか別の弾丸が飛んできてホテルの窓を破壊。それと同時に
アイザックが梧桐組狙撃の主犯だと言って撃ち殺すクロウディア
 遥か遠くからホテルの窓を狙撃したのは....やっぱり
エレンだった。

 その後,アイザックの屋敷にキャルが持っていた500万ドルを置いてきて一件落着...のはずが,何かが腑に落ちない玲二

 これからも玲二の手伝いをしたいというキャルは,「私を抱いて」と玲二にせまる。
 そんなこと言われたらねぇ...据え膳喰わぬはなんとか云うし....(^^;)
 ところで彼女は何歳なんだ?どう見ても年齢制限に引っかかるような気がするのだが...(^^;)。

 梧桐組に便宜を図っていたギュゼッペの正体はサイン。というと,サインは日本にもいたんですね。
 そして彼は
玲二が梧桐組を狙っていたという嘘の情報を梧桐組に流す。

 その嘘の情報を信じた梧桐組は,リズィを利用して玲二を呼び出す。
 「必ず戻ってくる」と
キャルに約束する玲二
 港に現れた
玲二を襲撃する梧桐組。しかし,その梧桐組を襲撃する殺し屋の姿が。
 その殺し屋は紛れもない
エレンその人。
 しかし,
玲二を見ても「エレンと呼ぶな,私はアイン」と冷たく言い放つエレン

 一連の騒動はサイスが復讐のために仕組んだものだった。
 そして,インフェルノの裏切り者となってしまった
玲二キャルを助けるためにアパートに行くと,ちょうど部屋が爆破されたところだった。それを見てキャルが殺されてしまったと絶望感に襲われる玲二

 エレン玲二を抹殺するよう命ずるサイス
 そして「帰還する必要もない」とも告げる。つまりそれは死ぬこともゆるされているということ。それを聞いて微笑みを浮かべる
エレン

 砂漠の廃工場で待つ玲二の前に現れたエレン
 銃口を向ける
エレン
 「どうせやられるなら君がいい」と告げる
玲二
 それに対して
 「お願いあなたも抜いて」
 「そのまま引き金を引いて」
 「お願いよ,私を殺して先に進んで」
 「あなたは私の夢だった」
 「あなたのいない世界に私は,生き残りたくない」
 と答える
エレン

 結局お互いを撃つことができなかった玲二エレンは,アイザックの家に置いてあった500万ドルを逃走資金にしてアメリカからの逃亡を図る。

 爆発で死んだと思ったキャルは生きていた。
 そして,
玲二の帰りを待ち続ける彼女の前にサイスが現れる。

 ということろで今日は終了。
 いやぁ,二転三転目まぐるしいストーリー展開に思わず引き込まれてしまいますね。
 このままで行くと
キャルのシナリオになるのでしょうか?
 

8月26日

 2年後,日本で普通の高校生として暮らす玲二江蓮と名を変えたエレン....ってそのままじゃないですか(^^;)
 二人は帰国子で双子の兄妹でという設定になっているのですが,玲二はともかくエレンの普通の女子高生ぶりには吃驚です。もちろんこれも演技なんですけれどね。
 屋上で藤枝美緒から告白される玲二
 この美緒という少女は梧桐組組長の娘であり,アメリカで殺された梧桐の妹....ということは梧桐が国際電話で話していた相手は美緒なんですね。しかし美緒本人は自らの出自を知りません。
 「自分達の所在が知れても美緒の身柄を押さえておけば梧桐組を脅迫してインフェルノに圧力をかけられる」と玲二に告げるエレン。しかし,その一方で一人古い礼拝堂で神に祈るというこれまでにない姿を見せています。

 そんな日常生活を送っている玲二の前に姿を現すキャル
 新ファントムのドライを名乗る彼女はリズィとともにチャイニーズ・マフィア殺害のために来日しているのですが,その本来の目的は組織の裏切り者であるツヴァイ...つまり玲二の処刑にあります。
 殺人を楽しむかのようなドライの姿からは,あの明るかったキャルの面影はどこにも見つけられません。
 それも,キャル玲二から捨てられたと思いこんでいるからなんですね。

 礼拝堂で互いに銃を額に向け合うキャルエレン玲二が止めようとするも,それぐらいで止まる二人じゃありません。しかし,そこにリズィが現れ,キャルも仕方なくその場を後にします。

 早苗の計略で美緒とデートをすることになった玲二の前にキャルが現れる。
 そして,その夜美緒を拉致監禁したキャルは,電話で美緒を人質にとっていることを告げます。

 『江連を探す』『キャルを探す』の選択の如何でエンディングが変わるんでしょうね,きっと。
 というわけで,『キャルを探す』を選択。

 廃校舎から美緒を助け出した玲二は,電話をかけてきたキャルを挑発して礼拝堂に呼び出します。
 玲二キャルに撃ち殺されようとしたところにエレンが現れ,キャルエレンの撃ち合い開始。
 そして,エレンが一瞬の隙をついて投げたナイフから,玲二は身を挺してキャルを守り,そして気を失ってしまいます。
 玲二が自分を守ったことに混乱し,
 「なぜ」とつぶやくキャル
 「これが彼の望んだ結果だったから」と告げるエレン
 これで戦いが終わったかと思ったら,今度は梧桐組一味から襲撃を受けてしまいます。
 いくらファントムが3人いるからといって,多人数で攻め込まれたらなかなか勝てるものではありません。
 エレンから「玲二はあなたが連れて逃げて」と告げられ,傷ついた玲二を連れて逃げるキャル

 玲二が目を覚ますと胸の上で眠りながら泣いているキャルの姿が...
 「また会えたな」と言う玲二
 「うん」と笑顔で答えるキャル
 だからといって,「最後にお願いがあるの」「していい?」...って,キャルさんそんな場合じゃないでしょ....あららら,玲二もすっかりその気になってHしちゃうし....困ったもんです。

 事が終わったのを待ちかまえていたかのように二人を襲うサイス軍団の少女達。
 いや,もしかしたらナニの最中は恥ずかしくて教室に入れなかったのかもしれませんね....いくら殺人マシーンにされているとはいえ,サイス軍団はまだ年若い少女達なんですから....(^^;)。
 それを裸のまま迎え撃ち,あっという間に3人を撃ち殺してしまうキャル
 「やっと一緒になれたんだもん。生き延びるよ。どうやっても」って,いかにもキャルらしいですね。

 一人を奇策で倒すが何者かに撃たれてしまう玲二
 残りの二人を科学室でガス爆発を起こすことによって倒したキャルの前に玲二を盾にしたサイスが現れ,キャルに武器を捨てるよう告げる。
 そんな危機一髪の状態のとき,サイスを撃ち殺したのはエレンですが,しかし彼女も撃たれ瀕死の状態だったのです。
 「玲二のことお願いね。あなたなっら守れるわ」
 「やっとわかった...私恋してたんだ...美緒やあなたと...同じ風に」
 「最後にそれがわかっただけでも幸せだから」とキャルに告げてこときれるエレン
 いやぁ,この場面は泣けますよねぇ....

 数年後,サンタ・マデリアに向かう二人組の殺し屋ファントムの姿が。
 仕事が終わったら北極へ行こうと話す玲二キャル
 という,なんだか『明日に向かって撃て』を彷彿とさせるような場面で『キャル・シナリオ』End。
 これが正式なエンディングなんでしょうね。

 なるほど,確かにシナリオが良いと評判が高いだけはありますね。
 最後までダレることもなくやり終えることができました。
 

8月27日

 『キャル・シナリオ』の残りのエンディングを見てみました。

 上記で『江連を探す』を選ぶと
 「玲二キャルに撃ち殺され,そしてその2年後,キャルエレンに撃ち殺される」というバッド・エンドを迎えます。
 キャルを撃ち殺した後の「助けて...玲二」「私これからどうすればいいの」というエレンの慟哭はとても辛いものがありますね。なお,このエンディングではキャルではなくエレンとのHシーンがあります。

 その他,「キャルが爆殺されたと思った玲二マグワイアを殺し自分も死ぬ」というバッド・エンド(何も知らず一人待ち続けるキャルが涙を誘います)。
 そして,「玲二が生き残ったキャルと二人でインフェルノと戦いながら生きていく決意をする」というエンディングがありました。

 個人的にはキャルエレン玲二のファントム3人集でインフェルノに戦いを挑むというエンディングが欲しかったのですが....(^^;)。

 『美緒シナリオ

 自分達の安全保証のために美緒の告白を受け入れた玲二は,責任を持って美緒を騙し抜き,決して傷つけないという決意をします。
 美緒と二人一緒に帰る途中,キャルが登場。

 学校の屋上で美緒の手作りお弁当を食べるという定番のイベントもあります。

 日曜日,美緒とデート。
 いつになく楽しそうな美緒
 喫茶店で二人でいるところにキャルが登場。
 キャルが去った後,玲二美緒に「キャルの気持ちを裏切ってしまったこと」を打ち明けます。もちろん事の真相は伏せたままですが。

 このシナリでも美緒キャルに拉致監禁されちゃいます。
 玲二の前にエレンを呼び出すキャル
 玲二を守るためにキャルを殺す決意をするエレン
 エレンよって解放された美緒玲二に電話をかけ「エレンとキャルが戦う」ことを告げます。
 その電話を受け,エレンキャルが殺し合う場所が礼拝堂であることに気が付く玲二

 礼拝堂で対峙するエレンキャル
 キャルが合図替わりに流した懐中時計(これはかつて玲二がキャルにプレゼントしたものですね)のオルゴールに合わせて歌うエレン
 オルゴールの曲が主の慈愛を讃える曲というのが実に皮肉ですね。

 戦いが始まる前に到着した玲二
 しかし,エレンキャルの戦いの火蓋は切って落とされてしまった。
 銃声で気をそらせてキャルエレンの刃から救う玲二
 そこを襲撃する梧桐組のヤクザ達。
 キャルは正面から,エレンは後方から脱出。一人残る玲二
 弾切れ寸前で死を覚悟した玲二の前に走り寄る美緒の姿が...
 そして,玲二に抱きつき
 「会えた...もう一度会えた」と泣きながらも
 自ら玲二の持つ銃の銃口を自分の頭に押しあて
 「あの人達が少しでも動いたら...構わず撃ってください。私を」
 と告げる美緒

 玲二美緒が礼拝堂を脱出した後,志賀の前に現れたサイスは「美緒すら排除すべき障害でしかない」と言い切り,サイス軍団を使って生き残った梧桐組のヤクザ達を殲滅します。
 そして次の目標は当然玲二美緒
 一人生き残った志賀美緒を連れて逃げるよう告げる玲二
 玲二の「必ず迎えに行く」という約束を受け入れた美緒志賀とともに学校を後にします。

 梧桐組の襲撃から逃れたキャルエレンですが,当然のことながら生きていました。
 サイス軍団を葬り去った玲二を狙うサイスを撃ち殺したキャルは,
 「次に合うときは,必ず殺す。あんたもアインも」と言ってその場を立ち去ります。
 そして,エレンに促され美緒に別れを告げに行く玲二

 美緒を連れて逃げた志賀ですが,実は彼も手酷い傷をおっていたのです。
 彼の死に様もまた漢でした....
 しかし,この場面の美緒は「ちょっと空気読めよ」って感じですよね(^^;)。

 志賀の死を見届けた後,玲二とは共に歩めないことを自覚する美緒
 駅で待っていた玲二は「朝には東京を発ち日本から逃げる」と美緒に告げます。
 そして美緒の家で最初で最後のH。

 翌朝,眠ったままの美緒を起こすことなく美緒の家を後にする玲二
 「さよなら」ではなく「行ってきます」の言葉を残して。

 1年後,美緒のことで梧桐組組長を強請る若頭本庄を撃ち殺した玲二は,次に梧桐組長に引退するよう告げます。それはもちろん美緒を守るため。

 卒業式の日,初めて梧桐家の墓参りをする美緒
 そして,未来へと旅立つ美緒の後ろ姿を見送る玲二エレン....という場面でEND。

 美緒も悪い娘じゃないんですけれどねぇ...シナリオ的にはなんだか唐突な感じがしてしまうんですよね。
 つ〜か,キャルエレンの立場はどうなるんですか?(^^;)。
 

9月1日

 『エレン・シナリオ

 『美緒シナリオ』と途中までほとんど一緒で,美緒との交際を断るとエレンのシナリオに移ります(実際は細かい点が異なるんですけれどね)。

 キャルが現れ日本を離れる話になったとき
 「以外と保たなかったな。この暮らしも」と言う玲二を後ろから抱きしめ
 「無理しないで。こんな時なら泣いていい」と言うエレン
 かつて無情な殺人者だった彼女から母性のようなものを感じてしまう場面です。

 キャルとの対決でキャルと撃ち殺す玲二
 ボロボロと涙を流す玲二
 「そんなにボロボロなくほどなら」
 「きっとあんた,あたしのこと忘れないだろうから」
 「良かった,最後の最後に,あんたのこと独り占めできたね」
 と言って死んでいくキャル
 『キャル・シナリオ』でエレンが死ぬ場面と並んで泣ける場面ですね。

 梧桐組に襲われる玲二を助けに来たエレン
 そして,サイス軍団との戦い。
 自分が囮になるからサイスを探して倒すようエレンに告げる玲二

 操り人形のような二人の親衛隊を倒したエレン
 自分を殺すはずがないとたかをくくっていたサイス
 「あなたが憎いから」
 「あの人を傷つけたあなたが私には許せない」
 と言って撃ち殺す。
 しかし,戦いが終わった後,玲二の腕の中で幼い子供のように泣くエレンは,また笑顔を失ってしまった。

 玲二と共にサイスことギュゼッペの過去を調べるエレン。それは自分自身の過去を見つけるため。
 エレンサイスの接点は香港にあるらしい....というわけで香港に渡る二人。
 香港の幼女を専門に扱う娼舘で5年前銀髪の白人が一人の幼女を身請けした事実が判明。
 その少女はウランバートルからさらわれてきたということで,ウランバートルへ向かった二人だが,結局それ以上のことはわからなかった。
 しかし,青空の下遥かに続く草原に立ったエレンは「もういいわここまでで」と笑顔を浮かべる。
 それはエレンが何度も夢の中で見た原風景だったのだ....という場面でEND。

 さて,この後二人はどうしたんでしょうね?
 また日本へ帰ったのか....それともそのままランバートルで暮らしたのか....
 

9月3日

 『クロウディア・シナリオ

 哀しい悪女クロウディアのストーリーです。
 このシナリオはエレン,キャル,美緒のシナリオとは異なり,アメリカ国内だけで完結しています。
 そのため当然美緒は登場せず,またキャルも活躍の場面はありません。
 また,エレン,キャル,美緒のシナリオがそれぞれのヒロイン達が色々な形で関わりを持つのに対して,クロウディアのシナリオでは,クロウディアが他のヒロイン達と関わりを持つことはありません。
 つまり,このシナリオはクロウディアオンリーのストーリーということです。

 エンディングは,大きく分けて二つ。
 玲二がわざとクロウディアに撃ち殺され,その後インフェルノの資料をガンビーノ一家に渡したクロウディアが,インフェルノ無き後のニューヨークでガンビーノ一家のNo.2を操り,さらに上を狙いながら生きているというエンディング(それでも玲二を撃った弾丸の空薬莢を捨てられずにいる。)。
 玲二クロウディアを撃ち殺し,5年後,インフェルノ総会の日にサイスの親衛隊の少女達を配下に収めた玲二がインフェルノ幹部全員を撃ち殺し,闇の頂点に立つというエンディング。
 の二つがあり,どちらともクロウディアとハッピー・エンドを迎えることはできません。
 せっかく複数のエンディングがあるんですから,クロウディアと二人で闇の頂点に立つというエンディングがあっても良かったと思うんですけどね....

 というわけで,いくつかCGの取り残しはあるものの,これで『ファントム』も終了です。
 さすがに評判の高いゲームだけにシナリオはとても素晴らしく,久しぶりにやり応え(読み応え)がありましたが,しかし,共通シナリオが多いというのが残念ですね。
 特にエレン,キャル,美緒のシナリオは終盤までほとんど同じ内容のため,スキップの連続で,これはとても興醒めでした。
 共通シナリオを多くするくらいなら,割り切ってエレンとクロウディアのシナリオだけにした方が良かったんじゃないでしょうか?
 とはいえ,キャルは好きなキャラなので,彼女のシナリオが無いと,それはそれで寂しいんですけれどね(^^;)。

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