ぷらねたりあん日記

宇宙開拓破綻に端を発した世界大戦から,三〇年。
ほとんどの人間が死に絶え,地表では雨が降り続いていた。
廃墟となった都市から貴重物資を回収するのを生業とする男,『屑屋』。
最も危険と言われる『封印都市』に単身潜入した彼は,その中心部で
戦前のプラネタリウム施設を見つける。
そこで彼を迎えたのは,コンパニオンロボット『ほしのゆめみ』だった。
彼女は屑屋のことを三〇年ぶりの客だと信じて疑わない様子。
早速星を見せようとするが,投影機は故障している。
ゆめみとの噛み合わない会話の末,屑屋は成り行きから
修理を請け負うことになってしまう...

【ケース裏解説文より】

 『Planetarian〜ちいさなほしのゆめ〜』は2004年にKeyからダウンロード販売されたキネティックノベルのパッケージ版であり,初回版ということで240pの書き下ろし小説が特典として付いています。麻枝,樋上,折戸というKeyの重鎮3人が参加していない作品なので,正直心配なところはありますが,とりあえずやってみようと思います。
 なお,これはそのリアルタイムなゲーム記であり,当然ながらネタばれ全開ですので,これからやってみようとする方はそのつもりで読んでくださいね(^^;)。
5月1日

 最近のゲームとしては珍しくCD-ROM1枚の作品です....といっても,ほんの数年前ならこれでも十分に大容量のゲームだったんですけれどね。
 ともあれ,インストールは何事もなく無事に終了。いや〜,DVDと比べると,ほんと早いですねぇ(^^;)。

 では,さっそく始めてみましょう。
 うわ〜,なんですか,このMenu画面に流れるピアノ曲の美しさは!
 いや〜,さすがはKeyですね。

 今は使われていない(?)プラネタリウムに一人残る少女の形をしたロボット。名前はほしのゆめみ。 
 そこに現れた一人の男,『屑屋』。
 客ではないと言う屑屋に「これも何かのご縁ということで,ぜひ投影をご覧になってください」とマイ・ペースなゆめみ屑屋ゆめみ曰く「29年と89日ぶりのお客さま」らしい。
 が,しかし,プラネタリウムの投影機(イエナ)は故障しており,星空を投影することはできなかった。

 プラネタリウムがあるのは『封印都市』(開戦初期に細菌爆弾によって破棄された都市)の中にあるビルの屋上。
 戦争によって人口は激減し,そして降り続く『雨』によって,世界には水浸しの大地と廃墟しかない。

 翌朝,「こころよりお待ちしています」と言うゆめみの言葉を背にプラネタリウムを後にした....はずなのに,何故かプラネタリウムの修理をしている屑屋
 屑屋がいくら戦争があって世界が変わったこと(だからもう二度とプラネタリウムに来る客はいないということ)を説明しても,それを理解することができないゆめみ
 屑屋がプラネタリウムの修理をする間,自ら話し好きだと言うゆめみはマイペースで屑屋に話し続ける。
 1年に一度,8760時間のうちの168時間だけゆめみは停止状態から目覚めるらしいのですが....う〜む,なんかセミっぽいですねぇ(^^;)。
 午前0時にゆめみがスリープモードに入った後も一人作業を続ける屑屋
 しかし,30年間稼働していなかった投影機の修理は困難を極めた。

 それにしても,話し好きのロボットってのは,ちょっと変わってますね。
 おそらくこれは何らかのバグなんでしょうが,かつての館長を含むプラネタリウムの従業員達は,そんなゆめみを面白がってバグをそのままにしていたんでしょう。

 屑屋がプラネタリウムに来てから3日後,すべての修理が終了する。
 それを聞いて喜ぶゆめみ
 そして,いよいよプラネタリウムの上映開始。
 初めて見る星空の美しさに圧倒される屑屋
 ところが,特別上映が始まろうとしたとき,突然停電が発生。
 電力の供給が止まってしまったのだ。

 というところで,今回は終了。
 

5月12日

 『ぷらねたりあん日記』第2回目にして早くも終了。
 値段が値段ですから短いとは思っていましたが,まさかこれほどまでとは....

 と,不満を言いながらも....
 ちくしょ〜,また泣かされちゃったじゃないかよ。
 最後のゆめみの独白のシーンでは,ほんと嗚咽をこらえるのに必死でした。
 ここは泣かされるシーンだとわかっていながら泣かされてしまうのはシャクですが,それでも泣かされてしまうのは,さすが『泣きゲー』最高峰のレーベル,Keyだけはあります。

 正直言って,麻枝,樋上,折戸というKeyの重鎮3人が参加しない作品ということもあって,あまり期待はしてなかったのですが....いやはや,これはとんでもない間違いでした。涼元悠一のシナリオ,駒都えーじの原画,戸越まごめの音楽,すべてが素晴らしく,また,派手ではないけれど効果的な演出も含めて,短編の作品としては近年希にみる傑作であると言っても過言ではありません。
 その中でも特に音楽が良いんですよねぇ...曲数としては少ない方だと思いますが,そのかわり無駄な曲は1曲もなく,またその使い方が上手いんです。先にも書きましたが,Menu画面でも流れる『Gentle Jena』を聴いただけで,すでにゲームの世界に引き込まれてしまいます。
 そして,Endingテーマが宮沢賢治作詞作曲の『星めぐりの歌』というのもまた上手い選曲ですよね。
 しかしながら,残念なのは,これらの音楽が『nwa』という形式のファイルとなっているため,ファイル変換ソフトを使わなければiPod等に落とせないってことです....しかも,mac版のファイル変換ソフトってあるのかなぁ(^^;)。

 これは普段美少女ゲームはやらないけれど,アニメなら見る....という人達(特に10代)にぜひやっていただきたいゲームだと思います。
 パッケージ裏に書かれている『天国をふたつに,わけないでください』という言葉の意味を知ったとき,きっと何か大切なものが心に染み込んでいくことでしょう。

 さて,これから初回版についてきた書き下ろし小説を読んでみることにしますかね。
 これを読むと『Planetarian〜ちいさなほしのゆめ〜』の世界観が広がるということですが,はたしてどんな世界が待っているのでしょうか....
 

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