リらいと日記

緑化都市、風祭。
文明と緑の共存という思想を掲げたこの都市に住む天王寺
瑚太朗は、神戸小鳥、吉野晴彦らの有人たちと平凡な日々を送っていた。
そんな平和な風祭市に、年に一度の騒がしい時期が訪れようとしていた。
都市を上げての収穫祭、巨大な文化祭のようなその催しに、
瑚太朗は記事のネタ集めのバイトを始めることに。
風祭では未確認生物の情報や、オカルトチックな噂がまことしやかに囁かれていたからだ。
同時期、
瑚太朗の身に不可思議な出来事が降りかかり始める。
瑚太朗はオカルト研究会の部長千里朱音に助けを請い、知り合いの生徒たちをも巻き込んでの調査を開始するのだった。
それは
瑚太朗にとって、ちょっとした冒険心のつもりだった。
騒がしく仲間たちと過ごしていけるなら、それで良かった。
瑚太朗はまだ気付かない。
それは誰も知らない『真実』の探究へ繋がっていくことを。

--書き換えることが出来るのだろうか。彼女のその運命を。

【ケース裏解説文より】

 スピンオフ作品である『クドわふたー』を除けばオリジナル作品としては『リトルバスターズ!』から4年ぶりにKeyから発売されたゲーム、『Rewrite』の初回限定版。『CROSS†CHANNEL』のシナリオ・ライターである山田ロミオと『ひぐらしのなく頃に』の作者である竜騎士07がシナリオを担当するというニュースを初めて聞いた時はエイプリル・フール・ネタなんじゃないかと疑いましたが、こうして手にした本物にもきちんと両者の名前が書かれていました(^^;)。
 初回特典版ということで,恒例のアレンジCD(『Soli』)の他に冊子や携帯ストラップが付いてきました。
 毎度のことながら,これはほぼリアルタイムなゲーム記であり,当然ながらネタばれ全開ですので,これからやってみようとする方はそのつもりで読んでくださいね(^^;)。
6月26日
 現時点で物語に登場しているのは、何かと主人公瑚太朗につっかかりながらも遊ばれているいじられキャラの吉野晴彦、主人公瑚太朗の幼馴染みで森を愛する少女、神戸小鳥、転校生でどじっ娘属性の怪力少女鳳ちはや、『学園の魔女』の異名を持つオカルト研究会の会長にして唯我独尊先輩の千里朱音、無口な眼帯後輩少女中津静流、潔癖性で激辛好きの委員長此花ルチア...といった面々。
 いかにもKeyらしい個性豊かな面々ですが、特定の食べ物に対するこだわりや口癖といった属性は今のところ見られません。
 神戸小鳥は初見では物静かで人付き合いの下手な少女に思えましたが、確かに人付き合いは上手そうではありませんが、こと瑚太朗に対してだけは雄弁で、なかなかノリの良いところも見せてくれます(「あんたがたそこさ」のやりとりには笑わせていただきました)。斉藤千和の声もキャラクターに良く合ってますが、某かにの人のような毒舌を吐くのではないかという恐れもあったりして...(^^:)
 現時点では特にこれといったイベントは起きていませんが、主人公瑚太朗には本人が隠している過去と能力があること、そして現在何らかの霊的障害にあっていることは明らかになっています
 ゲームは画面上に表れるマッピーというウォーキング支援ソフト上を移動してそこに表示されるイベントを体験して行くという形式になっていますが、はクリアしなければならないイベントとクリアしなくても物語上は問題のないイベントがはっきりとわかるようになっているのがありがたいですね。  
6月28日
 10/10まで終了。
 それにしても、此花ルチアの辛味耐性は化物か?
 彼女だったら、きっとあの髑髏マーク付きの危険物認定されているアレでも平気で食しちゃうんだろうな...。
 しかし、彼女のあの暴力性...いや、正義の鉄ついっぷりはどこかで見たことがあると思ったら、『ONE』の七瀬留美に感じが似ているんだよね。もっとも七瀬留美と同じいじられキャラの転校生といえば、『Rewite』にも鳳ちはやがいるのですが...
 それにしても、オカルト研究会の部長で先輩ときたら、とんがり魔女帽子にマントと相場が決まっているのに、まったくがっかりですよ、千里朱音さん...(^^:)。しかも、オカルト研究会の部長なのにオカルトを信じてないというのですから...もっともそれ故に、「超常現象の存在が明らかになったらおっぱいを触らせる」なんて約束を瑚太朗としちゃうんですけれどね。そ〜いや、千里朱音さんの裏情報を駆使しての女王様ぶりは、某生徒会の書記さんを彷佛とさせます。
 小鳥もオカルト研究会に入部。瑚太朗とは幼馴染みで仲も良いというのに、恋愛感情を持たない様にしているように見えるのは何故なんでしょう。
 新キャラとしては西九条灯花という中津静流を愛でて止まない女性教師が登場しますが、彼女の立ち位置はまだまったくわかりません。
 それよりも気になるのが、台詞はやらた多いのにまだ一度も立ち絵のひとつも登場しない新聞部の井上さんです。彼女の情報収集力はなかなかあなどれないものがあるみたいですが、どうせなら声も同じ生徒会でも役員共のあの新聞部の人の声でやっていただきたかったなぁ...などと思ったりして...(^^:)。
6月29日
 10/20まで終了。
 小鳥に続いて、鳳ちはや朱音と旧知の仲ということでなし崩し的にオカルト研究会に参加。
 静流も正式加入は無理だが手伝うだけならということでオカルト研究会に参加。
 そして静流を心配したルチアもオカルト研究会に参加、ということで、これまで登場してきたヒロインは皆オカルト研究会に集まったということになります。
 で、何を活動をするのかといえば、『ツチノコ目撃情報』の調査といった、どこぞの団長さんが喜びそうな不思議探査活動や、オカルト研究会のCM作りと行った活動で、瑚太朗は特にオカルトに興味があるというよりも、なんだかこうして皆で青春っぽいことをしていることを楽しんでいるように思えます。
 物語が進むにつれヒロイン達の新しい面も色々とわかってきました。
 神戸小鳥の趣味はガーデニングで、瑚太朗の家のガーデニングも小鳥が行っています。最初に登場したのが森ということもあり、彼女と風祭の緑(森)との間には何か隠された関係があるのかもしれません。
 鳳ちはやは根っからのお嬢様育ちのようで、一般常識に欠けた面も多々見られます。また現在は兄弟という態の執事である鳳咲夜と二人で暮らしているようですが、この鳳咲夜という人物が滅法ちはやに甘く、それ故かちはやと親し気にしている瑚太朗に対しては「私はあなたが嫌いです」とどこぞの幽霊のような台詞を口にしてますが、どうやら一筋縄ではいかない御仁のようで、あの朱音ですら苦手としてる様子が見られます。ちはやに関しては現時点では「ドジっ娘」「怪力娘」「大食い娘」というネタキャラ的存在ですが、何故鳳咲夜と二人で風祭に引っ越してきたのか等隠された謎も多そうです。
 千里朱音はオカルトは信じていないといいながら、オカルトに対する知識は深く、また瑚太朗のオカルト探索に対しても様々な面で協力をしており、また孤独を好むような言動をとりながらも、瑚太朗小鳥を始めとして女の子達をオカルト研究会に引き込むことに対しても「責任はあなたがとりなさいよ」と言いながらも容認しており、実はツンデレさんだったりするのかもしれません。
 中津静流はみかけによらず大人びた考えの持ち主で、共に友人である瑚太朗ルチアのトラブルに関しても中立的立場で二人を諌めており、彼女がフーキーン(風紀委員)であるというのも納得がいきます。もっとも彼女も一般的な社会的常識に疎い面があったり、まるで某0号機パイロットのように物が無い部屋で一人暮らしをしているのか等、まだまだ隠された面が多そうです。それにしても、何故サンマ好き?
 此花ルチアは上記のヒロイン達と比べるとまだわかりやすいキャラかもしれません。潔癖性ではあるけれど常識人だし...とはいえ、何故いつも白い手袋をしているのか(手袋をとって人に見せることにはあまり抵抗は無いようなのに)、そして何故あれほどまでにも辛味耐性があるのか、これが一番の謎だったりします(^^:)。
 新キャラとしては江坂ゲンさん等『魔物ハンター』(本人達はゲームの話といってるけれど)の風祭の謎を知ってるような大人が登場してきますが、はたして彼等は敵になるなのか、それとも味方になるのか?
7月4日
 10/26まで終了。
 どうやら委員長ルートに進みつつあるようで、此花ルチア関係のイベントが増えてきました。
 ちはやとのトラブルもちはやルチアに猫を手渡そうとしたところをルチアが突き飛ばしたところから始まりますが、これだけなら良くいる動物嫌いとう潔癖性気質として理解ができるのですが、花ですら触りたく無いというのは何かが違うと思ったら、ルチアの唯一の親友である静流の口から、実はルチアは潔癖性なのではなく、過去のトラウマから「自分自身のことを触れてしまう物を傷つけてしまう汚らわしい存在であると思っている」ことを知らされます。
 それにしても、主人公である瑚太朗君は本当に自分自身が興味があることに対しては本当に無関心な人のようで、此花ルチアが入学以来独り浮いた存在で、委員長という責務を果たすにはふさわしい人間と思われながらも、静流以外には友人がひとりもいなかった(彼女の家をクラスメイトの誰一人として知らなかったというエピソードが彼女の孤独ぶりを雄弁に語っています)ということを、あの吉野の口から語られるまで知らなかったとは...というか、この瑚太朗君自身謎の多い人なんで、そもそも本当に昔からこの土地にいた人間なのか、そしていつも不在にしている両親は本当に存在しているのか、それすらも疑問に思えるんですよね。
 それにしても、吉野君は瑚太朗君以上のお人好しというか、クールなふりして実は周囲の空気を実に良く読んでいる人で、ちはやルチアのこじれてしまった仲(この二人いじっぱりという部分で似たもの同士なのが一番の原因なんですが)をとりもつことになる、巨大パフェ完食イベントも、そもそもが吉野の発案なんですよね。困った人を見ると助けてしまうという主人公属性は瑚太朗よりもよっぽど吉野の方があるように思えます。もっとも、あの痛い言動が無ければの話ですが...(^^:)。
 その他イベントとしては、朱音の実家探索尾行がありますが、彼女はネカフェのVIPルーム等を別宅にしている他は基本的に部室に住んでいるようで、実家にはほとんど帰っていない様子です。旧知の仲であるちはやですら知らないようですし、あれほどまでに実家を知られることを拒むということは何か理由があるんでしょうね。
 また、街の探索中に公園で出会った江坂氏と再開しますが、この人も色々と秘密の多そうな人です。彼が口にした地下遺跡(考古学上はガセネタ扱いだそうですが)は、おそれく今後の物語に絡んでくるものと思われます。が、江坂氏ののり突っ込みは正直うさったいです(^^:)。
7月13日

此花ルチアルート 終了

 事の始まりはオカルト研究会の元に届けられた一通の投書。
 そこには「その少女がそばにいるだけで周囲の者の元気がなくなり病気になってしまう。そして彼女のことを話したり詳しく調べようとする者も呪われてしまう」という呪われた少女アサヒハルカのことが書かれていた。
 その少女がなんとなくルチアのことを彷彿とさせるため、瑚太郎アサヒハルカのことを調べ始める。

 アサヒハルカの呪いで死んだといわれる岸田隆吾という少年は実在しており、しかも吉野の同級生だったという。当然ながら吉野アサヒハルカの呪いの話は知っていたが、アサヒハルカという少女は存在しなかったという。しかし、過去にあの吉野でさえアサヒハルカの呪いを恐れる出来事が起きたことは確かであり、吉野からは「やばいと感じたらっすぐ手を引け」という忠告すら受ける。
 それでも吉野から岸田隆吾と同級生であった小学校4年1組の連絡網を借りることができ、たまたま先生からコピーの用事を頼まれれたルチアとともに連絡網をコピーするが、何故か連絡表のコピーだけではなく「私を起こさないで」と印刷された用紙も出てくる。

 なんともオカルト研究会らしいホラーな出来事だが、これはほんの序章にしか過ぎなかった。その夜、携帯電話が壊れてしまったため瑚太郎が連絡をとれない間に、吉野を含む元4年1組全員の家の電灯や窓ガラスが割れるという出来事が起きていた。吉野たちは4年間にも同様の出来事を経験していたらしい。

 翌日、ルチアアサヒハルカの話をすると、かつての自分の境遇とかぶるところのある彼女に同情したルチアは自ら協力を申し出る。これは「怪談にされたアサヒハルカの名誉を守るための調査」であり、それがルチアの心の傷を癒すことになるのではないかと、改めて認識する瑚太郎

 しかし、その夜、ルチアの前に現れた少女は「私をどうして起こすの」「私もあなたも、同じ悲しみを背負ってきた、仲間でしょう?」さもないと「私と同じ悲しみと苦しみを味わうことになるよ」と告げ、それからルチアが触れた植物が腐り始めるようになる。

 瑚太郎は元4年1組の生徒たちの間でアサヒハルカの話が禁忌となった直接の原因である4年前の同窓会の出来事を、その日アサヒハルカの話を取材に来ていた元中学校新聞部部員自身の口から聞く(その元新聞部部員だった原木は、ルチアとちあきがパフェ対決をした店の店員で、あの元暗黒激辛会の一人だった)。はも当日ガラスや蛍光灯が割れるのを見ただけでなく、アサヒハルカと出会っており、彼女からつかまれた腕には今でも青黒く五指の形をした痣が残っていた。

 店を出た瑚太郎の腕をつかみ、「私を起こさないで」と告げた少女はアサヒハルカではなくルチアだった。アサヒハルカルチアにとり憑いたのか・・・それとも・・・。意識を取り戻したあと「草木も動物も人間も、この世界のすべてが、私たちを受け入れてくれないんだ」と泣きじゃくるルチア

 自分の推理を立証するために、かつてアサヒハルカがいたという孤児院を訪ねる瑚太郎。しかし、そこには「第4種特定有害産業廃棄物処分場」の掲示が。さらにフェンスを乗り越えて中に入ってみると、そこはまぎれもなく孤児院の跡地だった。
 孤児院の礼拝堂に姿を現したルチアは自分がアサヒハルカ(旭春花)であり、千年後の過酷な未来を生き残ることができるように改造された人間であることを告げる。そして 「私の存在は、ただそれだけで人に害をなす」ということも。

 ルチアの毒を打ち消すために自分自身の中のアクセルを全開にする瑚太郎。このアクセルというものが何であるのかわかりませんが、これが瑚太郎の持つ特殊能力なんでしょう...しかし、「俺は死なない」って、なんだかどこぞの101回もプロポーズした人の台詞みたいですね(^^;。

 そんな二人の間に現れたガーディアン達のリーダーはあの西九条先生。地球を守るというガーディアンという組織には全世界で数億の人間が所属しているとのこと。

 当然それだけ大きな組織なら相対する組織もあり、それがガイアという組織で、現在、風祭市は地球を滅ぼすか否かの鍵を握るたった一人の人物をめぐって、一食即発の事態となっており、悪いことに現在風祭市はガイアの勢力下にあるらしい。当然ながらルチアもそして静流もまたガーディアンの一員であり、学年が違う二人が親友であるという理由もこれでよくわかりました。もっともそれだけではなく、静流が毒が効かない特別な体質の持ち主であるということも大きな理由なんですけれどね。

 ツンデレのテンプレートどおり、デレた後のルチアは見事なまでにデレ倒してくれます。
 ショッピングタワーKAZAMOでの初デートでは、「こたろー」と名前を呼んでみたり、で「手・・・繋いで・・・・下さい」と恥ずかしげに言ってみたり、彼女のうろたえぶりや赤面ぶりは、それだけでご飯3杯は軽くいけます。デートの締めはルチアが密かにあこがれていた展望レストランでの食事(もっともこれは静流からのリークがあったのですけど)。そうなれば当然・・・いや、全年齢版なんでキスだけなんですが。しかし、ルチアが「お前がいてくれたから、私は生きていたいと、心底思えるようになった」と言えるぐらいに幸せな気持ちになったことは確かです。

 しかし、幸福の後には絶望が待っているというのもまた定番で、デートの後、静流が倒れたという知らせが待っていました。しかもその原因はルチアの出してきた毒。ルチアに投与されている抑制剤は完全にルチアの毒を押さえきることができるものではなく、それでも静流には自分の身体の中で必要な薬を作り出す能力(曰く歩く製薬工場)があり、それがルチアの毒に対する抗体を作り出していたので、これまで普通に接することができていたのだが、しかし解毒ができていたわけではないため、溜まっていた毒が急激に回ってしまったのが倒れた原因とのこと。
 それでも死に至るものではなく、血液の交換で対処できたのだが、静流が自分の毒で倒れてしまったことはルチアに大きな衝撃を与えることとなった。瑚太郎の命を自分の毒で奪ってしまうのではないかという恐れと、抑制剤がまったく効かなくなってしまったことから、自分が生きる意味を失ってしまったルチアの前に現れたのは、かつてルチアの身体を現在の身体に改造した研究者の一人であるブレンダ。本来なら恨むべき相手なのだが、生きる意味を失ってしまったルチアにとって「あなたは人類の誰もなしえない、崇高な任務のため生まれた」「8年前のあの日から奪われた、あなたの生きる意味をあなたに返すためにやってきた」という言葉は甘く響き、ルチアは千年後の世界にに送り出してもらう約束の元、ブレンダの任務に従うことになる。

 収穫祭の前日、突然瑚太郎の前にルチアが現れ、約束どおり二人でパフェを食べに行くが、そこで彼女は自分には抑制剤の後遺症から味覚も嗅覚もないことを告げる。ルチアは辛さに強かったのではなく、味覚や嗅覚が無いから辛さすらもわからなかったのだ。

 「私は、自分の与えられた運命を全うする。そのためだけに、私は存在するからだ」と瑚太郎に別れを告げ瘴気を周囲に撒き散らしながら去っていくルチア。その毒はあまりにも強く、彼女が通った後には死体だけが残っていた。

 意識を失っていた瑚太郎の前に現れたのはちはや。彼女もまたルチアの毒の影響を受けない身体を持っているようだが、果たして彼女は何者なのだろう?

 ルチアの毒によって「鍵」の存在も消えたであろう風祭市に米軍のクラスター核爆弾を落とすことによって証拠の隠滅を図るだなんて・・・ガーディアンという組織は決して正義の組織ではないようですね。

 ルチアが最後の場所として選んだのは、初デートの場所であり彼女の最大の幸福の場所であったショッピングタワーKAZAMO。

 その場に駆けつけた静流ちはや瑚太郎の説得にもまったく耳を傾けようとしないルチアは、「瘴気を生み続け、世界を7日で滅ぼし、旧世界を滅ぼし、新世界を開く鍵となる」と告げる。

 そんなルチアの心を引き戻したのは
「俺が許可する。お前は俺のために生きろ」「俺はずっと一緒にいる。同情からではないぞ。お前と一緒にいないと死んじまうからだよ!」という情けないといっても良い瑚太郎の言葉と抱擁。しかし、これは「生きる意味」「自分が必要であると求められること」を何よりも必要として求めていたルチアの心を引き戻すには十分過ぎる言葉だったに違いありません。

 西九条の誘いで瑚太郎もガーディアンの一人となり、以後ルチアと行動を共にすることになる。風祭市の一件でガーディアンの旧勢力は引退を余儀なくされ、西九条の働きでルチアの身の安全は保障されることになったものの、1年経過してもまだルチアの抑制剤は完成せず世界各地のシェルターを渡り歩き、静流から「世界で一番豪勢な引きこもり」と言われる生活が続いている。 これは決して幸せな生活とはいえないし、当然ながら自らの毒で数十万の人間の命を奪ってしまったルチアの罪の意識が消えるわけではありません。しかしながら、瑚太郎ルチアも二人とも間違いなく未来を見つめて生きていることだけは間違いなく、それだけは救いといえるでしょう。

 確かにこれは今までのKEYには見られなかったスタイルの物語であり、故に驚きと人によっては落胆を感じるかもしれません。しかし、このようなある種ダークな物語がこれまで無かったわけではありません。KEYのメインスタッフがTACTICS時代に製作した『MOON.』にも異能力の持ち主やカルトな集団が登場しており、この『REWRITE』というゲームは『MOON.』の系譜を継いだ原点復帰のゲームということができるかもしれませんね。

7月26日

小鳥ルート終了。

 小鳥といえばヅャスコ・・・ということはさておいて、「Rewrite」のメインヒロイン(だよね)だけあって「Rewrite」世界の核心に触れる内容でした。

 何しろ「鍵」を守る魔物使いというのが小鳥の役割なのですから。

 先にやった「ルチアルート」で、「鍵」を巡ってガーディアンとガイアという二つの大きな組織が熾烈な争いを繰り広げており、ガイアには魔物使いがいるということがわかっているのですが、小鳥は魔物使いであってもガイアに属しているわけではなく、当然ながらガーディアンでもない、あくまでも「鍵」を守るためだけに存在するドルイドという存在。別な見方をすれば、「鍵」を狙うガーディアンもガイアも小鳥からすれば敵になるわけです。

 しかも、小鳥は魔物を使うだけでなく、作り出すこともでき、あの「もすもす」言うちびもすも、実は小鳥がかつて飼っていて死んでしまった犬のぺロを魔物として蘇生させただったんですね。それだけではなく、両親ですら、小鳥が作った魔物だという衝撃の事実が・・・

 交通事故で両親を失い森の中で一人彷徨っているときに、宿り木に出会った小鳥は、死者でも生き返らせる力をくれるという宿り木の言葉に従って、「鍵」を守る魔物使いとなる契約を結んだのですが、確かに両親を蘇生させることはできたものの、それは両親の姿をしてはいても意思の無い魔物でしかなく、つまり小鳥は幼い頃から一人で生きてきたようなものなんですね。

 そんな小鳥の唯一の心の支えだったのが、瑚太郎という存在。本来なら「鍵」を守るために高校にも通う余裕もないのに、瑚太郎と少しでも一緒にいたいがために同じ高校に進学したという健気さには泣けます。

 しかし、その瑚太郎が木から落ちて大怪我をしたとき(どこぞの「うぐぅ娘」みたいですが)、治療のために「鍵」の一部を使ったことが、小鳥の心に大きな影を落とすことになります。怪我が治った後の瑚太郎の性格がそれまでと異なり明るく優しく変わってしまったことから、瑚太郎が自分の願望が生み出した魔物ではないかという疑念を持たざるを得なくなってしまたのです。

 小鳥瑚太郎との不自然なまでな付かず離れずの関係の原因はここにあったんですね。

 瑚太郎が自分に好意を寄せても、それは瑚太郎の本心ではなく、魔物となってしまったかもしれない瑚太郎に自分の願望が反射されただけなのでないか・・・という疑念をぬぐうことができず、しかし、もし瑚太郎が他の女の子を好きになったら、瑚太郎は魔物ではなく人間である証拠となるわけで・・・いやぁ、このジレンマは哀しいほどに辛いものがあります。

 瑚太郎の特殊な能力の理由も、怪我の治療に「鍵」の一部を使った後遺症というか、つまりは「鍵」の力だったわけですね。あのなんでもありの所謂チーとな能力も「鍵」の力といわれれば、なるほどなぁ・・・と思うしかありません。

 最後には「鍵」の死によって、小鳥瑚太郎も普通の人間に戻るのですが、将来、瑚太郎君にはぜひとも小鳥を幸せにしてあげていただきたいものです。本編では内容的なこともあってニヤリングなラヴ度は「ルチアルート」に比べるとかなり少なかったこともありますし...

 「ルチアルート」と「小鳥ルート」を終えた時点で、
 *「鍵」が女の子の姿をしていること
 *「鍵」は地球に救済をもたらすが、それは人類にとって「破滅」を意味するものであること
 *「鍵」を巡ってガイアとガーディアンという二つの組織が熾烈な闘いを繰り広げていること
 *ヒロイン達にはそれぞれ隠された秘密があること
 等が明らかになりましたが、まだまだ謎は数多く残されています。

 「鍵」の少女は、本当に人類を滅ぼす存在なのか・・・どうやら彼女もヒロインの一人のようなので、それも今後の話の中で明らかにされることでしょう。

 そういえば「ルチアルート」の最後で、静流が「(鍵)はこたろーたちのすぐ近くにいたのかもしれない・・・気づかなかっただけで」と話していますが、これは事実だったんですね。

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