解(目明かし編)

連続殺人ノベル「ひぐらしのなく頃に」がいよいよ後半戦に突入。
雛見沢連続怪死事件に新進の園崎詩音が挑戦。
至るが早いは真相か魔手か。君に変わって詩音が挑む。

綿流し編で登場以来,人気沸騰の詩音がついに主役に昇格。
洞察力。行動力,全ての面で圭一を凌駕する真主役に事件は
早くも解明を迎える?詩音はしおんだよ,しいねじゃないよ?!

(ケース裏解説より)

 2004年に最も話題となった同人ゲーム『ひぐらしのなく頃に』の『解答編』第一段として2005年1月に発売されたゲームです。
 初回発売時には予約するのを忘れていたために入手できず悔しい思いをしましたが,第2次発売でようやく入手することができました。

CG
 CGの方は相変わらずというか....でも,このCGがすでに「ひぐらし」の一部になっているのだから,変わってもらっても困ります。
 今回は詩音視点ということで,今まで立ち絵のなかった(旧主人公である)前原圭一と,前作では『転校』のために姿を見ることができなかった北条沙都子の兄,悟史の立ち絵も見ることができます。
 個人的には悟史の立ち絵の方が圭一のイメージがあるんですが....つ〜か前作では圭一悟史は良く似ているという印象を受けたんですが,実のところ全然似てなかったんですね。まさか圭一があんなワイルドな感じだとは思いもよりませんでしたよ。

BGM

 前作と一番変わったのがこのBGMです。もちろん,良い意味で変わったんですけどね。というのも,前作ではFree素材の音楽を使用していたのに対し,本作では新たに「ひぐらし」用に作られた音楽を使用しているのです。前作のBGMが決して悪かったわけではありませんが,こうして「ひぐらし」用に作られた音楽の方がBGMとしての機能が高いのは当然といえば当然です。

シナリオ

 基本的には『綿流し編』を詩音視点で書かれたものですが,すべてが『綿流し編』通りかといえばそうではなく,いくつか異なる点もあります。たとえば,不良3人組のバイクを倒して絡まれるのは圭一でなく詩音だったり(当然助けに来るのは圭一です),綿流しの夜,祭具殿の中で聞いた足音のことを詩音圭一に話さなかったり....。とはいえ,これらはきっと大筋とは関係のない些末なことなのかもしれませんけれどね(^^;)。

 前半は詩音悟史の話が中心です。『綿流し編』で詩音悟史の間には何か縁があったのだろうと思ってはいましたが,なるほどそういうことだったのかぁ....詩音の恋する乙女ぶりがなんともいじらしいですね。
 追いつめられた末に『転校』してしまう悟史。とはいえ,この『目明かし編』でも悟史がどうなってしまったのか,はっきりとはわからないんですよね。

 後半は詩音視点による『綿流し編』なんですが....なるほど,『綿流し編』の「魅音に人形をあげていれば鬼が目覚めなかった」という意味が良くわかりました。あれがスイッチを入れてしまったんですね。
 また,『綿流し編』において詩音魅音が入れ替わっているであろうということは想像がつきましたが,実際はもっと早い段階から入れ替わりをしていたんですね。ということは....あの場面の魅音詩音だったわけで...再度『綿流し編』を読み返してみると....う〜む,確かに不自然なところがありますね。
 それにしても,『目明かし編』は,詩音魅音もどちらにしても辛く切ない話の連続で,読んでいると本当に辛くなってしまいます。
 それだけでなく,生理的に恐ろしい場面もあり,たとえば生爪剥がしの件なんか,読んでいて背筋が凍りそうになってしまいましたよ。怖さという点では間違いなく前作よるもパワーアップしています。

 この『目明かし編』では『綿流し編』におけるお魎,公由村長,沙都子梨花殺しの犯人は明らかになりますが,それ以外の『オヤシロさまの祟り』にまつわる事件については以前として謎のままです。また,一体誰が『オヤシロさまの祟り』の実行犯なのか,そして悟史を『転校』させたのはいったい誰の仕業なのか,これもまったく謎のままです。
 それにしても,沙都子が死ぬ場面は泣けてきますよねぇ.....あれはあまりにも可哀想過ぎます。
 死ぬといえば梨花もまた死んでしまうのですが,あの死に様は凄まじいですねぇ....あれは絶対に幼い子どもの死に方じゃありませんよ。そして『綿流し編』で梨花の死体と一緒に発見された注射器の謎もここであきらかになります。う〜む,梨花の謎がますます深まってきてしまいましたね。
 謎といえば,レナの存在もまた謎が多いんですよね。ある意味レナが一番一連の事件(オヤシロさまの祟り)の謎について知っているのではないか....とさえ思ってしまいます。

 ともあれ,『目明かし編』が期待以上に面白い作品であることは間違いありません。
 あ〜,早く続きが読みたいですねぇ。

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