恋愛ゲームの楽しみ方


 
 恋愛ゲーム(別の名を「ギャルゲー」ともいう)と一口にいってもその種類は千差万別で,何を持って恋愛ゲームと呼ぶかという定義はなかなか難しいのだけれど,とりあえずここでは「10代の恋愛」を主軸としたゲームを恋愛ゲームと呼ぶことにします(もっとも「Air」のようにこの分類にすら当てはまらないゲームもあるのだけれど)。

 恋愛ゲーム=18禁ゲームという印象が強く,また実際にその通りなんですが(もちろん18禁じゃないものもあるけれど),この18禁の意味が最近変わりつつあるような気がします。18禁ゲームの中には当然のごとく性描写があり,それ故に「18歳未満お断り」の処置がとられているのだけれど,実際のところ恋愛ゲームの性描写って大したことないんですよね。少なくとも最近の青年誌のマンガの性描写の方がずっと過激だと思います(なのにあれって18禁じゃないんだよね)。

 恋愛ゲームにおいては,性描写はメインではなく,逆に性描写は不必要ではないかというゲームすらあるくらいで,たとえば「To Heart」「One」「Kanon」「Air」といった人気作品は,性描写を省いた形でコンシューマー機(プレイステーションやドリーム・キャスト)に移植されています。

 では,何故18禁なのか。ネット上では,「18歳未満の子供がやっても理解できない」という意味での18禁だという意見を良く目にしますが,これは的を射ていると思います。
 実はコンシューマー機に移植されたゲームはそれほどヒットしていません。たとえば「To Heart」は10万本以上売れていますが,これは「ドラクエ」や「FF」といったメガ・ヒット作品と比べると微々たる数字です。では,何故雑誌での人気投票で上位に入りながらも売れないかといえば,それは購買者層の主流である子供達が買わないからです。
 確かに小学生が恋愛ゲームやって楽しむ姿なんて想像できないし,青春まっただ中の中学生高校生は現実の恋愛に忙しくて,ゲームの中の恋愛に関わっている暇はないでしょうしね(中学生高校生でゲームの中の恋しか知らない子がいたら,こりゃやばいです(^^;)。

 つまり,恋愛ゲームは初めから18歳以上の「大人」を対象として作られたゲームなのです
 そして,この恋愛ゲームを本当に楽しめるのは恋愛をリタイヤした中年からであると,私は思うわけです(現在でも恋愛まっただ中という中年の方がいらっしゃいましたら,ぜひ現実の恋愛の方をお楽しみください)。逆に,若い人たちが現実の恋愛の代償として恋愛ゲームをやるのは,百害あって一利なしです。恋愛ゲームの中の恋愛は,あくまでもフィクションとして楽しまなければいけません。これは人生の中でいくつもの恋愛経験を積んできた大人にこそできることなのです。

 さて,いよいよ本題の恋愛ゲームの楽しみ方ですが,なんといっても,忘れていたもしくは忘れかけていた胸がキュンとなる切なさ甘酸っぱい思いを追体験できるところに真髄があります。
 いい歳をして恋愛ゲームなんて恥ずかしいという人も多いかもしれませんが,実際恥ずかしいです。私だって家人の前ではやったことがありません。家族が寝た後とかにこっそりやってます。でも,これがまた昔親に隠れてエロ本読んだりタバコ吸ったりしたときのことだ思い出されて楽しかったりするんですよね(^^;)。もっとも,カミサンは私が恋愛ゲームをやってるのを知ってますし,半ば呆れながらも公認しているんですが....(^^;).

 恋愛ゲームには大きく分けて「シュミレーション・タイプ」「アドベンチャー・タイプ」「ヴィジュアル・ノヴェル・タイプ」の3種類がありますが、私がお薦めするのはストーリーが重視される「ヴィジュアル・ノヴェル・タイプ」です。

 「ヴィジュアル・ノヴェル」とは「視覚小説」の直訳のとおり「ストーリー」と「グラフィック」(それに「音楽」)を主軸としたゲームであり、ゲーム途中に出てくる選択枝の選び方でストーリーが変わっていくという形式になっています。

 つまり、「シュミレーション・タイプ」のゲームように経験値を上げたり、「アドベンチャー・タイプ」のゲームのようにマップ上をあちこち移動したりといった面倒臭さがないということです。これは逆に言えばゲーム性が希薄であるということにもなり、この点では好みが分かれるところかもしれません...が、ストーリーを楽しむという観点から言えば、「ヴィジュアル・ノヴェル・タイプ」が一番ですね。(私は面倒くさがりなもんで、「シュミレーション・タイプ」や「アドベンチャー・タイプ」のゲームは疲れちゃうんです(^^;)

 また、「ヴィジュアル・ノヴェル・タイプ」に限らず恋愛ゲームの名作と言われるゲームは、いずれも音楽が素晴らしいんですよ。単にゲームのBGMとしてではなく、一個の音楽として十分に楽しめるレベルです。ちなみに、私はゲーム音楽からお気に入りのものをセレクトしてCD-Rに焼いた物を自動車に積んでドライブの友にしたりしています。

 肝心のストーリーですが、これがなかなかバカにできません。特に最近の傾向として涙腺を刺激するものが多いのですが、これが実にまったく泣けるんですよね。いや冗談じゃなく、ゲームによってはホロリどころではなくボロボロ涙が出て来ちゃいます(もっとも中年になって涙腺が緩くなってきているせいもありますが...(^^;)。

 少なくとも下手なテレビ・ドラマよりは面白いこと間違いなしです!

 「百聞は一見にしかず」ともうします。騙されたと思って一度やってみてはいかがですか?.後ほど私えねまが実際にやったゲームについて書いてみようと思っていますので、よろしければ参考にでもしてください。

 .....あ、「騙された」と思っても恨まないでくださいね(^^;。こりゃもう趣味が合わなかったってことで、ひとつご容赦のほどを(^^;(^^;