Neon / Cyrkle (1967) Sundazed SC 11109 

01.Don't Cry, No Fears, No Tears Comin' Your Way
02.The Visit
03.Weight Of Your Words
04.I Wish You Could Be Here
05.It Dosen't Matter Anymore
06.Two Rooms
07.Our Love Affair's In Question
08.I'm Happy Just To Dance With You
09.Ploblem Child
10.Please Don't Ever Leave Me
11.I'm Not Sure What I Wanna Do
Bonus Tracks
12 〜20

personal-Tom Dawes / Vocal,Guitar, Sitar,Bass,etc...
     
Don Dannemann / Vocal,Guitar,
     
Marty Fried / Drums,Percussion
     
Mike Losekamp / Keyboards

Produce - John Simon

 ジョン・レノンが名付け親でブライアン・エプスタインがマネージャー,そして初シングルの作曲をポール・サイモンが担当と,非常に恵まれた環境でデビューをしたアメリカのバンド,サークルの2nd アルバムです。ところが,このアルバム見事に売れなかったんですね。しかもシングル・カットした曲もヒットせずと,発売当時はさほど話題にもなりませんでした。
 私がこのアルバム(アナログ盤)を中古屋で見つけたのは1982年ですが,私自身サークルというバンドは知っていても,このアルバムの存在はまったく知りませんでした。ただ,いかにも1960年代っぽいジャケットと,ビートルズの『I'm Happy Just To Dance With You』のカヴァーが収録されているという,それだけの理由で買ったのです。

 正直言ってあまり期待はしていませんでした,が,実際に聴いてみると,すてきなダンス(I'm Happy Just To Dance With You)』のサイケデリックなアレンジにぶっとび,そして永遠の名曲Please Don't Ever Leave Me』に心を奪われ,あっという間に私内部において名盤へと昇格したのです。

 そして,1980年代後半になるとソフト・ロックの名盤として,一躍評価されるようになるのですが,どうせ聴くのならば,2001年に発売されたこのSundazed盤のCDがお薦めですね。ボーナス・トラックが9曲も収録されているだけでなく,音質の方もとても向上しているんですよ。

 このアルバムの魅力は,全編を通じて美しくPOPなメロディーと,そしてそれを歌うDonとTomの2声のハーモニー,そして洗練されたアレンジ(これはプロデューサーのジョン・サイモンの力によるものが大きいと思われます)にありますが,それにプラスして所々サイケデリックな味付けがなされているのが,実にえねま好みなのです。

 いわゆるソフト・ロックそしてPOPなサウンドがお好きな方なら,絶対に聴く価値のあるアルバムだと断言しちゃいますね。

 えねま的お気に入りナンバーは,永遠の名曲Please Don't Ever Leave Me』,サイケなアレンジが素晴らしい『I'm Happy Just To Dance With You』,ポール・サイモン作の『I Wish You Could Be Here』,そしてバード・バカラック作の『It Dosen't Matter Anymore』といった曲です。

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Seconds Of Pleasure / Rockpile (1980) Columbia CK 36886

01.Teacher Teacher
02.If Sugar Was As Sweet As You
03.Heart
04.Now And Always
05.A Kinfe And Fork
06.Play That Fast Thing (One More Time)
07.Wrong Again (Let's Face It)
08.Pet You And Hold You
09.Oh What A Thrill
10.When I Write A Book
11.Fool Too Long
12.You Ain't Notthin' But Fine
Bonus Tracks
13 〜16

personal-Billy Bremner / Guitar, Vocals
     
Dave Edmunds / Guitar, Vocals,Keyboards
     
Nick Lowe / Bass,Vocals
     
Terry Williams / Drums

 イギリスのPOP&Rock'n'Rollの大御所であるニック・ロウとディヴ・エドモンズを中心に結成されたロックパイルが発表した唯一のアルバムです。
 元々はディヴ・エドモンズの同名アルバムのレコーディング及びツアー・メンバーが意気投合してバンドとなったそうですが,ニックとディブ以外の二人も様々なバンドを経験してきた強者なのです(例えばBilly Bremnerは元グレアム・パーカー&ルーモアのメンバーです)。

 サウンドの方はまさに『小粋』という言葉がぴったりで,彼等がそれまでに体験してきた1950年代から1960年代にかけてのRock'n'Roll,POPそしてモータウン・サウンドを中心としたBlack Musicのもっとも美味しい部分を抽出したものであり,口当たりはあっさりとしているのですが,それでいて実に深い味わいものがあります
 これは,聴けば聴くほど良さがわかってくるアルバムですね。

 また,彼等はライヴ・バンドとしても評判が高いのですが,その演奏ぶりは彼等が所属していたStiffレーベルのメンバーが集まったLive『Stiff Live』や,未だに公式版が発売されていない『カンボジア難民救済コンサート』において聴く(見る)ことができます。

 なお,CD化にあたってニックとディヴが嬉々として歌っている様子が微笑ましいエヴァリー・ブラザーズのカヴァー曲が4曲収録されていますが,これを聴くだけでも買って損はありませんね。

 えねま的お気に入りナンバーは,モータウン風のPOPナンバーであるHeart』と『When I Write A Book』,エヴァリー・ブラザーズを彷彿とさせる『Now And Always』,そして小粋なR&Rの『Teacher Teacher』といった曲です。


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Jumpin' Jive / Joe Jackson (1981) A&M CD 3271

01.Jumpin' With Symphony Sid
02.Jack,You're Dead
03.Is You Is Or Is You Ain't My Baby
04.I We The Cats
05.San Francisco Fan
06.Five Guys Named Moe
07.Jumpin' Jive
08.You Run Your Mouth
09.You're My Meat
10.Tuxedo Junction
11.How Long Must I Wait For You

personal-Joe Jackson / Vocal,Vibes
     
Graham Maby / Bass
     
Larry Tolfree / Drums
     
Nick Weldon / Piano   
                and
Others....

Produce - Joe Jackson

 デビュー当時のJoe Jacksonは同時期にデビューした同じA&M所属であるPoliceSqueezeと同様にNew Wave系のミュージシャンとして売り出されており,当然私もそう認知していました。実際1st,2ndアルバムは私好みのPOPな魅力溢れるPunk&New Waveサウンドであり,もちろんアルバムも持っていましたし,バンドで演奏したりもしていました。3rdの『Beat Crazy』も若干感じは変わったものの,それでもPunk&New Waveとの範疇に入るサウンドでした。

 そして1981年,レコード屋にこの盤(もちろんアナログ盤ですが)が置いておるのを見つけた私は迷うことなく購入し,そしてアパートに帰ってからすぐさまレコードに針を下ろしたのですが.....いや,本当に吃驚しました。レコードを間違えたのではないか?とさえ思っちゃいました。
 だって,流れてきたのはPunk&New Waveはおろかロックですらなかったんですよ(^^;)。私の耳に聞こえてきたのは何十年も前の古いジャズだったのです(当時は『Jump』とか『Jive』といった言葉を知りませんでした(^^;))。しかし,これが心がウキウキと浮き立つ何とも格好良いサウンドに聞こえたんですよね。
 ある意味この時が私がロック以外の音楽に開眼した瞬間なのかもしれません。

 Joe Jackson自身がライナーに書いているとおり,このアルバムに収録されているのは彼の父母の年代が若かった頃,つまり1940年代のいわゆるJump,JiveそしてSwingのナンバー(ミュージシャンでいえばCab Calloway, King Pleasure, Glen Miller, Louis Jordan)ばかりです。さすがに当時からGlen Millerくらいは知っていましたが,他のミュージシャンはCab Callowayが映画『ブルースブラザーズ』に出ていたことで名前を知っているくらいで,曲も『Tuxedo Junction』以外は初めて聴くものばかりでした。

 なのに,昔から聴いたことがあるような不思議な懐かしさを感じたんですよね。そして,その原因は思わぬ所にあったのです。
 20年後,アメリカ・アニメの最高傑作である『トムとジェリー』のDVDを買って見たところ,バックに流れるサウンドがまさにJumpJiveだったんですよ。そしてなんと,どの話であるかは忘れてしまいましたが(^^;),このアルバムに収録されている曲をトムが歌っている場面があるんです。
 つまり,このアルバムを初めて聴いたときに感じた不思議な懐かしさは
トムとジェリー』にあったというわけですね。

 このアルバムをきっかけにロック以外の音楽にも興味を持ち始めた私は,やがてワールド・ミュージックの世界に足を踏み入れていくことになるのです。


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