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アイ・キャント・レット・ゴー
I Can't Let Go
ホリーズ
Hollies

1966年
全米42位,全英2位
 日本では『バス・ストップ』のB面に収録されており,当然の如く,私も『バス・ストップ』目当てにシングル盤を買ったわけですが(リアルタイムではなく中学生になってからです),軽快でそれでいて甘酸っぱいメロディーを持ったこの曲の魅力に,一発(一聴?)でノックアウトされてしまいました。それもそのはず,実はこの曲,本国イギリスでは『バス・ストップ』以上にヒットしているんですよね。そして,この曲に代表されるビートの利いたPOPなROCKこそが,ホリーズの本来の魅力であることを知った私は,ますますホリーズのファンになっていったのです。いや,もちろんサイケなホリーズも大好きなんですけれどね(^^;)。
 ちなみに,リンダ・ロンシュタットのカヴァー・ヴァージョンも1980年にヒットしています。
 作者はTaylor & Borgoni,スト盤ならば必ず収録されているはずです。 BACK

奇跡は信じない
I Don't Believe In Miracles
ラス・バラード
Russ Ballard

1975年
全米*位,全英*位
 Rainbowの『Since You've Been Gone』『I Surrender』そして3 Dog NIghtの『Liar』等の作者として知られるラス・バラードのバラードの名作です(シャレにあらず(^^;)。この曲は元ゾンビーズのボーカリスト,コリン・ブランストーンもカヴァーしており(レコーディングはこちらの方が先です),こちらのヴァージョンも素晴らしいのですが,個人的にはトッド・ラングレンにも通ずるPOPな味わいのラス・バラードのヴァージョンの方が好きですね。別れた恋人に向けて「奇跡は信じない」と切々と歌われるこの曲ではイントロのピアノを含めすべての楽器をラス・バラード自身が演奏しています。数々のヒット曲を他ミュージシャンに提供しているラスの作品だけに,POPのツボをしっかりと押さえた名曲に仕上がっています。
 作者はRuss Ballard,プロデュースはRuss Ballard & Dan Loggins,収録アルバムは『Russ Ballard』です。 BACK

好きさ好きさ好きさ
I Love You
ゾンビーズ
Zombies

1965年
全米*位,全英*位
日(AJP20)1967年5位
 日本ではカーナビーツが1967年に,アメリカではPeopleが1968年にヒットさせたこの曲のオリジナルはイギリスのバンド,ゾンビーズのヴァージョンです。このゾンビーズのヴァージョンは日本ではカーナビーツののヒットに後押しされた形で1967年にリヴァイヴァル・ヒットしていますが,アメリカ,そして本国イギリスでは何故かまったくヒットしていません
 「I Love You」と繰り返すキャッチーな出だしに,マイナー系の切ないメロディーと,いかにも日本人好みの曲ですが,それでも英米でまったくヒットしていないこの曲に目を付けた人(カーナビーツのメンバーかレコード会社のディレクターかはわかりませんが)の慧眼には感心してしまいます。
 ロック的なはっちゃけ度ではカーナビーツのヴァージョンに軍配が上がりますが,演奏とヴォーカルの洗練度では間違いなくゾンビーズに軍配が上がりますね。
 作者はメンバーのChris White,ベスト盤ならば必ず収録されているはずです。  BACK

悲しき初恋
I Think I Love You
パートリッジ・ファミリー
Partridge Family

1970年
全米1位,全英18位
日(AJP20)3位
 テレビ番組「パートリッジ・ファミリー」第1話において,パートリッジ家の母親と子ども達が作ったバンド(母親役のシャーリー・ジョーンズと長男役のデヴィッド・キャシディーは実生活でも義理の母子でもあったのですが)がレコーディングし,1位とさせたのがこの「悲しき初恋」ですが,なんと実際のヒット・チャート上でも番組同様1位となってしまったのです。もっとも,このパートリッジ・ファミリーは実質上はデヴィッド・キャシディのソロのようなもので,実際の演奏はハル・ブレインをはじめとした名うてのスタジオ・ミュージシャン達が行っているのですけどね...
 だからといって,それはこのセンチメンタルなメロディーを持つPOPの名曲の魅力を少しも損なうものではありません。これはPOP職人が丹誠こめて作り上げたアイドル・ポップの王道たる曲なのです。
 作者はTony Romeo,プロデュースはWes Farrell,収録アルバムは『The Partridge Family』です。 BACK

アイ・タッチ・マイセルフ  NEW
I Touch Myself
デヴァイナルズ
Divinyls

1990年
全米4位,全英10位
日(AJP20)*位
 ヴォーカルのクリスティーナ・アンフレットとギターのマーク・マクエンティーを中心に結成され「オーストリアで最もデンジャラスな魅力を持つバンド」と称されたデヴァイナルズの5thアルバム『Dyvinals』からシングル・カットされた曲。不穏な雰囲気を醸し出すイントロから突然POP全開のメロディーになるという展開に思わず引き込まれてしまいます。1stメロだけでも十分に魅力的なPOPなんですが、2ndメロがまた実にPOP心をくすぐるものがあります。
 アルバムの中でこの曲がとりわけPOPなのは、曲作りにマドンナの『Like A Virgin』やシンディー・ローパーの『True Colors』等を手がけたトム・ケリービリー・スタインバーグが加わっていると知って、なるほどと納得。
 ちなみに歌詞はタイトルそのままの内容で、しかもそれがクリスティーナのセクシーな声で歌われるのだから、こりゃぁ放送禁止になった所があっても不思議ではありません。
 作者はT.kelly/B.Steinberg/C.Amphelett/M.McEntee,プロデュースはC.Amphelett/M.McEntee/D.Tickle,収録アルバムは『Dyvinals』です。 BACK

アイル・ビー・ゼア・フォー・ユー
I'II Be There For You
レンブランツ
Remblandts

1995年
全米17位,全英3位
情報提供るーべんさん
 アメリカのTVドラマ『フレンズ』のテーマ曲として作られたこの曲が日本ではたしてどの程度ヒットしたのかはわかりませんが,しかし,マージー・ビート風のギターによるオープニングからエンディングまで見事なまでにPOPなこの曲が1990年代を代表するPOPソングのひとつであることは間違いありません。何よりも素晴らしいのがその甘酸っぱいメロディーです。特にサビの「I'II Be There For You」を繰り返す部分はまさに胸キュンPOPの鏡と言っても過言ではないでしょう。しかし,不思議なことにこの曲が収録されているアルバム『L.P.(邦題「アイル・ビー・ゼア・フォー・ユー」』は廉価盤コーナーの常連的存在となっているんですよね。こんな素晴らしいアルバムが何故?と大いに疑問に思わずにはいられません。
 作者はメンバーのPhil Solem & Danny Wilde,プロデュースはGavin Mackillop,収録アルバムは『L.P.』です。 BACK

好きなんだ
I'm Telling You Now
フレディとドリーマーズ
Freddie & The Dreamers

1965年全米1位
1963年全英3位
 『British Rock - The First Wave』というLDでこの曲を歌うフレディとドリーマーズを見たとき,私は思わず絶句してしまいました,「何だ,この変な奴らは!」。それほど彼等のフレディ・ダンスと呼ばれる振り付けは珍妙なものでした。その珍妙さを口で説明することは難しく,実際に見なければわからないと思います(^^;)。
 だからといって,この曲がコミック・ソングであるかといえばそんなことはなく,実に真っ当なLove Songです。それも典型的初期リバプール・サウンドのPOPなメロディーを持った逸品なのです。AメロとBメロを繰り返すだけのシンプルこの上ない曲なのに(転調という味付けはほどこされていますが),どうしてこんなに胸がキュンとなっちゃうんでしょうね?
 作者はFreddie Garrity, MIch Murray,プロデュースはJohn Burgess,ベスト盤ならば必ず収録されているはずです。  BACK

花のささやき
In Un Fiore
ウイルマ・ゴイク
Wilma Goich

1966年
全米*位,全英*位
 1970年代以前の日本の洋楽ヒット・チャートには英米だけではなく,ヨーロッパ各国の曲が数多くチャート・インしていましたが,イタリアからもカンツォーネを中心に数多くの曲がヒット・チャートを賑わしたものです。1966年第16回サンレモ音楽祭で入賞したこの曲もまた日本で大ヒットした曲のひとつです(何しろ,当時8歳の私が覚えているくらいですから(^^;)。イタリアン・ポップスの魅力はなんといってもそのメロディーにあるのですが(イタリアン・プログレのバンドもメロディーが美しいバンドが多いんですよね),この曲もまた哀愁を帯びた美しいメロディーを持っています。そしてサビになると一転明るい曲調になるのがまた良いんですよね。ところで,歌い手のウイルマ・ゴイクですが,本当の発音は『ゴイチ』なんだそうです。しかし,これでは印象が悪いってんで,日本では『ゴイク』にしちゃったそうですが....こんなことができたなんて,なんとも大らかな時代ですね(^^;)
 作者はMogol & Donida,収録アルバムは『The Best Of Italian Pops』です。  BACK

冷たい初恋
It's Cold Outside
クワイア
Choir

1966年
全米67位,全英*位
  ラズベリーズの前身バンドとして知られる米国クリーブランド出身のガレージ・バンド、クワイアが1966年にシングルとしてリリースした曲。しかし、ガレージ・ロックのコンピレーションとして有名な「ペブルス」に収録されているとはいえ、この『冷たい初恋』は、ガレージ・ロックというよりもビートルズ直系のメロディアスでポップな曲であり、なるほど、当時同じクリーブランドで別のバンドをやっていたエリック・カルメンをしてクワイアに入りたいと思わしめただけあります。後にエリック・カルメンはクワイアのメンバー達とラズベリーズを結成するのですから、ある意味夢を果たしたことになりますね。もっとも、すぐに立場は逆転してしまうのですが…(^^;)。
 この曲は全米でさほどヒットしたわけでもないのに日本でもシングル盤が発売されているのですが、これは当時の日本のレコード会社のディレクターが日本人好みのメロディーだと判断したからなのでしょう。もっとも、日本でヒットしたのかどうかはわかりませんが…(^^;)。 
 作者はDann Klawon,収録アルバムは『Choir Practice』です。BACK



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