5月12日

 『美佐枝シナリオ』終了。
 『智代シナリオ』から分岐される学生寮管理人さんのシナリオです。
 正直言っておまけシナリオ程度に考えていたので全然期待していなかったのですが,いや〜,これが予想外に面白かった。
 少なくとも『有紀寧シナリオ』と比べたら....ってしつこいかな(^^;

 朋也達が通う高校のOBであり,初めて女子で生徒会長になった伝説の人である美佐枝さんは,今でもある人を待ち続けており,それ故この場所(学生寮)から離れることができずにいます。

 そんな今の美佐枝さんが好きだという朋也は,彼女の部屋で『夢』を見ます。
 それは美佐枝さんの過去の夢。

 高校時代の美佐枝さんの前に突然現れた志麻賀津紀少年。
 彼は彼女に「何でもいいから一つだけ願いを叶える」と言いますが,当然相手にされません。
 しかし,毎日美佐枝さんの帰りを校門で待つうちに,いつの間にか全校公認の美佐枝さんの彼氏になってしまいます。
 美佐枝さんの高校時代の友人ユキサキはCGが無いのがもったいないくらいに良いキャラなんですが,彼女達の計略により志麻君は女装させられて美佐枝の生徒会長ぶりを見に行くことになります。
 たまたまぶつかった子先生につれられて無事生徒会室に着いた志麻君ですが,いくら女装しているとはいえ気が付かない美佐枝さんはどうかと思うぞ(^^;)。

 ところで,創立者祭で軽音楽部の発表をひとりオンステージにしてしまった先輩,そして,教室で「ろっけんろ〜る」叫んでいたのは....そうか,公子先生と芳野祐介の接点はここにあったんですね。

 志麻が持っていたお守りの中に入っていた『願いを叶えることの出来る光』って,あの光りの球のことなんでしょうね。

 ユキサキと一緒に自分の家に行った志麻は,そこで本当の志麻賀津紀は死んでいることを知ります。そして,志麻賀津紀から願いを託された自分が志麻賀津紀を演じていたことを思い出します。

 「志麻君,ずっと私のことを好きでいてください」
 それが美佐枝の願い。
 
 そうか,あの猫が志麻君だったんですね。
 エンディングには思わずじ〜んときちゃいましたよ。

 ところで,この『美佐枝シナリオ』をやった後で『智代シナリオ』の『創立者祭猫イベント』を見ると,これまたじ〜んときちゃうんですよね。

5月13日

 『ことみシナリオ』終了
 図書室の少女,一ノ瀬ことみはその浮世離れした言動から電波系少女か....と思ったら,実は彼女は全国模試でも全教科10位以内に入る天才少女だったのです(しかも両親ともに大学教授というサラブレッドぶり)。
 4時間目の図書室で一緒に昼食を食べるようになったことみ朋也ですが,何故かことみはすべてを半分ずつにしないと気がすまない様子。

 人付き合いが極端に下手なことみを見るに見かねた朋也は彼女を自分の知り合いの少女達に紹介していくのですが....「いじめない?」って,君はシマリス君か?(^^;)。
 そして友情の芽ばえた藤林姉妹そしてことみの女の子4人と朋也は演劇部部室で昼休みや放課後を一緒に過ごすようになるのですが,その中でもことみのボケボケトリオの作り出すまったりとした空間が実になんとも....(^^;)。
 とは性格的にどうかな...と思ったのですが,どうやらことみの良き師匠となっている様子...でも,何故に吉本新喜劇?(^^;)。しかし,朋也のことを『健康低脳児』ってのは酷いと思うぞ,ちゃん(^^;)。

 合唱部から流れてきたバイオリンの音色に心を奪われたことみ(何故か朋也もそのバイオリンの音色に懐かしさを感じてしまう)が,そのバイオリンを弾いてみると,演奏という名の拷問(朋也曰く『謎の超音波怪獣』)。なのに本人は「うっとり」しかも声に出して(^^;)。
 合唱部からバイオリンを借りたことみの「少しでも多くの人にこのヴァイオリンの音色を聞かせてあげたい」という願いをかなえるためには発表会を開くことを提案します。
 そして発表会当日。そこには耳栓を売り歩く
の姿が(^^;)。途中がトライアングルとカスタネットで参加(^^;)するというオマケ付きながらも,なんとか無事に発表会は終了。

 バイオリンを返す日,朋也ことみからデートのお誘いを受けます。
 ところが,記念すべき第1回デートは結局いつものメンバーが勢揃いし,主導による集団デートになってしまいます。
 翌日はやっと二人きりのデート。行きたい場所が学校の図書室というのがいかにも
ことみらしいですね。
 お手製アップルパイを食べてから(これもきちんと半分ずつ)本を読んでもらう等まったりとした時間を過ごします。

 クラス・メイトともうち解け始めたことみですが,の乗っていたバスが事故にあった(実は誤報だったのですが)という知らせを聞いて突然号泣し,そしてそのまま帰ってしまいます。
 それ以来学校を休んでしまう
ことみ朋也彼女が幼い頃に飛行機事故で両親を失っていたという事実を知ります。大切な人を失うことを恐れるが故に人とのかかわりを断とうとすることみと話そうと彼女の家に行く朋也ですが,彼はそこで子供の頃ことみの家に遊びに来ていたことを思い出します。
 幼い頃迷い込んでしまった家で一緒に遊んだ女の子との再会...というシチュエーションは『
To Heart』の『レミイ・シナリオ』にもありますが,もちろん物語としてはまったくの別物です。

 家に閉じこもったまま出てこようとしないことみのため,朋也はかつて彼女と一緒に遊んだ庭を彼女の両親が生きていた頃のように綺麗にしようと行動を始めます。
 もちろん,女の子チームも何もしていないわけではなく,ことみ誕生日プレゼントのためにあのバイオリンをプレゼントしようとするのですが,思わぬ事故で壊してしまいます。もちろん,それぐらいで諦める彼女達ではないのですけど....。

 真夜中,朋也が花壇の土を掘り返すと光りの球が現れる。
 そして,翌日無事に庭ができあがり,そのまま眠ってしまった朋也ことみとの幼い頃の記憶を蘇らせます。しかし,再会したときの「粘土食べるの?」ということみの台詞すら伏線だったとは...いや,恐れ入りました。
 朋也が目を覚ますと目の前にことみの姿が。
 不安に押しつぶされそうになって泣きじゃくることみを,朋也は「いなくなってもずっとそばにいる」と言って抱きしめます。う〜む,漢だねぇ。
 翌日,学校に来るのを待っていた4人の前にことみが姿を現し,そして彼女達の前で自分のことをきちんと自分の言葉で話します。

 ことみの誕生日,彼女の元に届けられたジュラルミンのケースはことみの父親が持っていた物であり,あの飛行機事故で海に落ちた物が世界中を巡ってようやくことみの手元に渡ったもの。
 そしてその中にはクマのぬいぐるみ(誕生日プレゼント)と両親からの手紙。飛行機が墜落する直前に書かれたであろうその手紙は,両親からことみへの愛情に満ちあふれたものでした。

 そして,ほのぼのとしたバイオリン贈呈式のエピローグでエンド。

 それにしても,再会した頃のことみの突飛かと思われた台詞や行動が,後に実は彼女の朋也との思い出を元にしたものであることを知ったときには,さすがに「やられた!」って思いましたね。

 泣きはしなかったけれど,とても良くできたシナリオだと思います。でも,このシナリオで一番好きなのは,他のシナリオではともすると寂しい思いをさせてしまうが最後までちゃんとかかわってくるところなんですよね。特にに3人も友達ができたことには,素直に「良かったね」と言いたいです(特にアフター・シナリオやるとその思いが強くなりますね)。

5月15日

 『アフター・シナリオ』終了
 いや〜,長かった。『アフター・シナリオ』というから,単なるオマケ・シナリオかと思ったらとんでもない,普通のゲーム1本分のボリュームがありますよね,こりゃ(^^;)。
 このシナリオは『渚シナリオ』のデータを元にしているため,『渚シナリオ』本編である人物を出会わなかったりすると,後々苦労するようなことになります...って,実際苦労させられました。そのために『渚シナリオ』もやり直ししちゃったし。

 内容は『渚シナリオ』終了後の物語で,高校を卒業した朋也の卒業,の復学,朋也の同棲,結婚,そして出産....と話が進んでいきます。もちろん,そこにはとてつもない悲劇が,そして感動が待ち受けているのです。最終的にはきちんとハッピー・エンドになるのですが,それまでが....(:_;)。
 泣いたかって?はい,泣きましたよ。
 特に
朋也の胸で泣く場面と,朋也が父親と和解する場面には泣けました。

 サブ・シナリオとして『早苗の学習塾』『秋生のバスジャック遭遇事件』『芳野祐介のインディーズCD』がありますが,中心となるのは前半が朋也が作る新たな家族の物語,そして後半が家族の再生の物語なのです。そして,そのどちらをも陰で支えてくれたのがの両親である早苗秋生の二人なのです。この二人無しには『アフター・シナリオ』はありえないと言っても決して過言ではありません。
 おそらくこの二人がKeyスタッフ(特に麻枝氏)の理想とする親の姿なんでしょうね。しかし,ゲームのシナリオでここまで親の存在にスポットをあてたものって,これが初めてなんじゃないかな?特に所謂ギャルゲーでは親の存在が無視されているものがほとんどでしたからね(親が遠くで働いているので一人暮らしとか,親が死んでしまったとか(^^;)。
 そういう意味では『クラナド』はもはや『ギャルゲー』でも『恋愛ゲーム』でもないのかもしれません。それじゃなんだと言われても困っちゃいますが(^^;)。

 不満があるとすれば,『アフター・シナリオ』に登場しないヒロインがいるということですね。『渚シナリオ』の進め方のせいかもしれませんが,ちゃんと登場したのは風子くらいです。智代あたりはが再度復学したときに同学年となっているのだから,シナリオに絡んできても不思議ではないのですけれどね(もしかしたらそういうシナリオもあるのかな?)。同学年で登場したのが立ち絵すらない仁科さんだというのがなんとも....(^^;)。しかし,仁科さんってこれだけ重要なキャラなのに立ち絵が無いのは,不憫ですよね。

 この『アフター・シナリオ』の中で秋生が話した『人が生きる意味は,家族や愛する人の中にある』という言葉こそがこのゲームの大きなテーマなのです。
 それにしても,同棲を始めた時の
 「スタートだからよーい,どん,でしょうか」
 「ゴールなんてないじゃん」
 という朋也会話って,何だか意味深ですよね。

 ところで,エピローグで風子が見つけた木の下で眠る少女(最後にタイトル場面に現れた少女のことでしょう)って,一体誰なんでしょうね?

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