『ことみシナリオ』終了
図書室の少女,一ノ瀬ことみはその浮世離れした言動から電波系少女か....と思ったら,実は彼女は全国模試でも全教科10位以内に入る天才少女だったのです(しかも両親ともに大学教授というサラブレッドぶり)。
4時間目の図書室で一緒に昼食を食べるようになったことみと朋也ですが,何故かことみはすべてを半分ずつにしないと気がすまない様子。
人付き合いが極端に下手なことみを見るに見かねた朋也は彼女を自分の知り合いの少女達に紹介していくのですが....「いじめない?」って,君はシマリス君か?(^^;)。
そして友情の芽ばえた渚,藤林姉妹そしてことみの女の子4人と朋也は演劇部部室で昼休みや放課後を一緒に過ごすようになるのですが,その中でもことみ,渚,椋のボケボケトリオの作り出すまったりとした空間が実になんとも....(^^;)。
杏とは性格的にどうかな...と思ったのですが,どうやらことみの良き師匠となっている様子...でも,何故に吉本新喜劇?(^^;)。しかし,朋也のことを『健康低脳児』ってのは酷いと思うぞ,杏ちゃん(^^;)。
合唱部から流れてきたバイオリンの音色に心を奪われたことみ(何故か朋也もそのバイオリンの音色に懐かしさを感じてしまう)が,そのバイオリンを弾いてみると,演奏という名の拷問(朋也曰く『謎の超音波怪獣』)。なのに本人は「うっとり」しかも声に出して(^^;)。
合唱部からバイオリンを借りたことみの「少しでも多くの人にこのヴァイオリンの音色を聞かせてあげたい」という願いをかなえるために杏は発表会を開くことを提案します。
そして発表会当日。そこには耳栓を売り歩く杏の姿が(^^;)。途中椋と渚がトライアングルとカスタネットで参加(^^;)するというオマケ付きながらも,なんとか無事に発表会は終了。
バイオリンを返す日,朋也はことみからデートのお誘いを受けます。
ところが,記念すべき第1回デートは結局いつものメンバーが勢揃いし,杏主導による集団デートになってしまいます。
翌日はやっと二人きりのデート。行きたい場所が学校の図書室というのがいかにもことみらしいですね。
お手製アップルパイを食べてから(これもきちんと半分ずつ)本を読んでもらう等まったりとした時間を過ごします。
クラス・メイトともうち解け始めたことみですが,椋の乗っていたバスが事故にあった(実は誤報だったのですが)という知らせを聞いて突然号泣し,そしてそのまま帰ってしまいます。
それ以来学校を休んでしまうことみ。朋也は彼女が幼い頃に飛行機事故で両親を失っていたという事実を知ります。大切な人を失うことを恐れるが故に人とのかかわりを断とうとすることみと話そうと彼女の家に行く朋也ですが,彼はそこで子供の頃ことみの家に遊びに来ていたことを思い出します。
幼い頃迷い込んでしまった家で一緒に遊んだ女の子との再会...というシチュエーションは『To
Heart』の『レミイ・シナリオ』にもありますが,もちろん物語としてはまったくの別物です。
家に閉じこもったまま出てこようとしないことみのため,朋也はかつて彼女と一緒に遊んだ庭を彼女の両親が生きていた頃のように綺麗にしようと行動を始めます。
もちろん,女の子チームも何もしていないわけではなく,ことみの誕生日プレゼントのためにあのバイオリンをプレゼントしようとするのですが,思わぬ事故で壊してしまいます。もちろん,それぐらいで諦める彼女達ではないのですけど....。
真夜中,朋也が花壇の土を掘り返すと光りの球が現れる。
そして,翌日無事に庭ができあがり,そのまま眠ってしまった朋也はことみとの幼い頃の記憶を蘇らせます。しかし,再会したときの「粘土食べるの?」ということみの台詞すら伏線だったとは...いや,恐れ入りました。
朋也が目を覚ますと目の前にことみの姿が。
不安に押しつぶされそうになって泣きじゃくることみを,朋也は「いなくなってもずっとそばにいる」と言って抱きしめます。う〜む,漢だねぇ。
翌日,学校に来るのを待っていた4人の前にことみが姿を現し,そして彼女達の前で自分のことをきちんと自分の言葉で話します。
ことみの誕生日,彼女の元に届けられたジュラルミンのケースはことみの父親が持っていた物であり,あの飛行機事故で海に落ちた物が世界中を巡ってようやくことみの手元に渡ったもの。
そしてその中にはクマのぬいぐるみ(誕生日プレゼント)と両親からの手紙。飛行機が墜落する直前に書かれたであろうその手紙は,両親からことみへの愛情に満ちあふれたものでした。
そして,ほのぼのとしたバイオリン贈呈式のエピローグでエンド。
それにしても,再会した頃のことみの突飛かと思われた台詞や行動が,後に実は彼女の朋也との思い出を元にしたものであることを知ったときには,さすがに「やられた!」って思いましたね。
泣きはしなかったけれど,とても良くできたシナリオだと思います。でも,このシナリオで一番好きなのは,他のシナリオではともすると寂しい思いをさせてしまう椋と渚が最後までちゃんとかかわってくるところなんですよね。特に渚に3人も友達ができたことには,素直に「良かったね」と言いたいです(特にアフター・シナリオやるとその思いが強くなりますね)。
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