リトバス日記

 あの,一番辛かった日々。毎日ふさぎ込んでいた日々。
 そんな僕の前に,四人の男の子が現れて,僕に手を差しのばしてくれたんだ。
 「強敵があらわれたんだ! きみの力がひつようなんだ!」
 そう彼らは訴え,僕の名を訊いた。
 「…なおえ,りき」「よし,いくぞ,りき!」
 一方的に手を掴んで,僕を引きずるように走り出す。
 「ね,きみたちは!?」
 転ばないように必死についていきながら,そう訊く。
 「おれたちか? 悪をせいばいする正義の味方。
  ひとよんで…リトルバスターズさ」
 歯をにやりと見せ,そう名乗った。

 ずっと,そうして彼らと生きていたら,
 僕はいつの間にか心の痛みも寂しさも忘れていた。
 ただただ楽しくて…
 いつまでもこんな時間が続けばいい。
 それだけを願うようになった。

【ケース裏解説文より】

 『リトルバスターズ!』は,Keyが前作『Clannad』から3年ぶり,『Clannad』のアフターストーリーである『智代アフター』から2年ぶりに発売した新作ゲームです。前々作『Air』前作『Clannad』ともに,当初予定していた発売日からかなり遅れて発売されていたので,本作も当然のごとく遅れるんだろうな...と思っていたら,これが吃驚,ちゃんと予定通り発売されちゃいました。
 初回特典版ということで,恒例のアレンジCDの他に『棗恭介風来記』という冊子が付いてきました。
 毎度のことながら,これはほぼリアルタイムなゲーム記であり,当然ながらネタばれ全開ですので,これからやってみようとする方はそのつもりで読んでくださいね(^^;)。
7月29日

 このゲームはWindows me未対応ということなので,XPの入っているノートPC(Vaio)にインストール実施。これから発売されるゲームは対応OSがXP以上になっていくことは間違いないので,そろそろゲーム用PCの更新も考えなければなりませんね...(^^;)。
 というわけで,インストールは問題なく終了。

 幼い頃に両親を亡くし,ふさぎ込んでいた主人公直枝理樹の前に現れた4人の少年。
 「強敵があらわれたんだ!きみの力がひつようなんだ!」と彼らに連れ出されてから,理樹の人生は大きく変わります。もっとも,少年の内1名は実は少女だったんですけれどね。
 それ以来行動を共にする5人は高校も同じなら寮も同じ。騒がしい毎日だけれど,理樹は四人と過ごすこの時がずっと続けば良いと願っています。
 なんだか,このあたりは『Kanon』のシナリオや,『One』と同じ感覚を感じますね。
 ということは,理樹もしくは周辺の人々に何か大きな謎が隠されているということは間違いないでしょうね...つ〜か,それが無ければKeyのゲームじゃありません(^^;)。

 リトルバスターズのメンバーは,
 熱血筋肉馬鹿の井ノ原真人
 剣道部所属のクールガイ(但し真人にだけは別)の宮沢謙吾
 わがままなだけれど極度な人見知りの猫使い,棗鈴
 の兄であり,リトルバスターズのリーダー的存在である棗恭介
 そして,理樹を含めた5人。

 それにしても,両親がいない理樹が寮に入っているのはわかるけれど,他の4人まで寮に入っているのは何故なんでしょう?学校が家から遠いのか...学校が全寮制なのか...それとも某『学校を出よう』のような,もしくは某『クロスチャンネル』のような特別な学校なのか....なんとなく謎ですね。

 「一緒に何かしよう」という理樹の言葉に恭介が提案したのが『野球』。
 もちろんチーム名はリトルバスターズ。そういえば,『Clannad』でも野球イベントがありましたよね。
 そしてメンバー集めが始まるのですが,何故か現れるのは女の子ばかり。まぁ,そもそも恭介が「男ばかりだとむさ苦しいからと,残りのメンバーは女子にする」と言ってるんですけれどね
 まず最初にメンバーになったのは,お菓子を愛するののほほん少女,神北小毬。もっとも,彼女の場合はあまりの運動音痴ぶりに即戦力外でマネージャーになるのですが...
 次にメンバーになったのが,「おまえらだけで何か楽しそうなことやってるのが気にくわん」
 「私にもぴちぴちの少女達と一緒に,しっぽりと青春の汗をかかせろ」と参加を申し出た姉御こと来ヶ谷唯湖
 そして,学校一のお騒がせ娘,三枝葉留佳もメンバーになります。この二人は一応戦力となる様子。
 現時点でメンバーになったのはこの3人だけですが,他にもヒロイン級キャラとして
 外国少女な外見とは裏腹に外国語が不得意なドジっ娘の能美クドリャフカ
 昼休みはいつも中庭で日傘をさしながら本を読んでいる謎の少女西園美魚がおり,
 その他にも,サブキャラですが,いつもとバトルを繰り広げるソフトボール部次期部長(自称),笹瀬川佐々美葉留佳のような風紀を乱す者を敵対視する無愛想娘の二木佳奈多のような個性的な娘達が登場します。

 これらのヒロインキャラの中で,現時点で一番魅力的なのは誰かと言えば,そりゃもう来ヶ谷姉御しかいないでしょう(^^;)。
 「ええいうるさい黙れこの与太郎が」「逃げたら殺す。声を上げても殺す。助けを呼んでも殺す」
 「キミはでかくて強くて堅いが,下手だ」「私を悶死させる気か」等々...
 実に漢らしい台詞で魅了してくれます。

 ところで,本作にはバトル・モードやミニ野球ゲーム(練習)的なシステムも組み込まれているのですが,これは正直最初の頃は少しばかりうざかったのですが,しかし,重ねるに従ってしだいに楽しくなってきたんですよね。特にバトルモードで敗者に与えられる『称号』が実になんとも馬鹿らしくて,それを見るのが楽しみなんです。
 馬鹿らしいといえば,『新しい名言シリーズ』には腹が苦しくなるほど笑わせていただきました。これだけでも,さすがKeyだなぁ...とつくづく思ってしまいましたね。

 本作には最初からヴォイスが入っていますが,keyのゲームで最初からヴォイスが入っているのってこれが初めてじゃないですか?
 声優はあまり名前を聞いたことが無い人が多いのですが,実際に聴いた限りでは特に問題は無いと思います。が,の声がどう聴いても釘宮嬢に聞こえてしまうんですよねぇ(^^;)...台詞回しがシャナっぽいのも原因なのかもしれませんが...

 おそらくこの後怒濤の展開が待っているのでしょうが,果たしてどんな物語になるのか,実に楽しみです。
 ところで,このゲームをコンプするのにどれぐらいかかるんでしょうね?(^^;)
  

8月4日

 5/26の野球試合本番まで終了。

 前回のゲーム記ではマネージャーに降格された小毬ですが,実はボールの投げ方を知らなかっただけであり,恭介がきちんと指導するとすぐに上達し,正式メンバーへと昇格。
 「わふー」娘のクドことクドリャフカもメンバーとなりますが,最初にグローブを足に履いた時には焦ってしまいました...それでも最初から捕球だけはきちんとこなせたってことは,実は見かけによらず運動神経が良いのでしょうか?
 そして,小毬の代わりにマネージャーとなったのが,日傘娘の西園美魚。彼女は来ヶ谷姉御に連れてこられたのですが,来ヶ谷姉御が彼女を連れてきた理由が「女子マネージャーが欲しかった」からというのは,さすがというか...しかし,「棗さん,井ノ原さん,宮沢さんと直枝さんの四人がアイドルデビューを目指すそうで,とても興味があります」...って,姉御はいったい西園さんに何を吹き込んだんだ?
 ともあれ,これで新生リトルバスターズのメンバー勢揃いです。

 野球の試合本番までの間には,『パジャマ・パーティー』『第1回・恭介の野郎にギャフンと言わせてやろう選手権』『肝試し』といったイベントが発生。

 『パジャマ・パーティー』には強制連行された理樹も参加し,来ヶ谷姉御の陰謀によって女子の制服を着せられ,あまつさえリボンまでされてしまいます。それにしても,巡回に来た先生に見つかっても男性とバレなかったとは理樹君の女装少年ぶりはかなり板についていたんでしょうね...なるほど,こういうところも可愛い女の子好きの来ヶ谷姉御理樹君を気に入ってしまった理由なのかもしれません。
 結局理樹もそのまま女の子達と同じ部屋に泊まることに...しかし,事前に理樹のTシャツとジャージを用意していたとは...なんて手回しのいい...というかどこから持ってきたんですか?姉御...(^^;)。

 『第一回・恭介の野郎にギャフンと言わせてやろう選手権』では『第一回』を『策一回』続いて『弟一回』と素で書き間違えてしまう真人の天然バカぶりと,情け容赦なくギャグにツッコミを入れる美魚の天然真面目ボケぶり(葉留佳のギャグには100点満点で5点,小毬のギャグには100点満点で4点の辛口評価)が見物です。

 『肝試し』は三人一組で夜の校舎を回るのですが,来ヶ谷姉御をメンバーに入れると,途中から脅かす方になってしまうんですよね...まぁ確かに彼女らしいのですけど...。しかし,一番怖いのは「お払いした方がいいですよ」とボソっと口にする美魚かもしれません(^^;)。

 さて,メインである『野球試合』の相手ですが,これがなんと各運動部のキャプテンが集まった選抜チームだったのです。それにしても,これだけのメンバーを集めてしまう恭介の力って...
 しかも,理樹恭介からキャプテンのみならず監督まで任命されてしまいます。恭介にとってはこのリトルバスターズというチームが理樹のためにあるチームであるという認識なんでしょうね。はからずも,来ヶ谷姉御だけは「全員,キミを中心に集まってきた」と,状況を的確にとらえていたようですが...一番理解できてなかったのは理樹本人なのかもしれませんね。

 試合本番は13対2で四回コールド負け(の結果は監督の采配しだいで変わってくるのかもしれませんが)。しかし,理樹を含めたリトルバスターズのメンバー達は「負けたけれどやって良かった」と充実感を味わうことができたのです。

 それにしても,来ヶ谷姉御は良いです。
 「楽にしてればよい。ただし逃げれば死」
 「ええいうるさい黙れこのファッキン小僧」
 という漢らしい台詞はもとより,
 「格好良くなりたいです」と言うクドに,「語頭に『ガッデム』語尾に『あたいに触れると痺れるぜ』とつけるといい」とコーチしたり(これに対して「私は『ガッデム』よりも『ノッテンガム』の方が美しいと思います」と言ってしまう西園さんもある意味大物かもしれません(^^;),
 小毬に「ばふんうに」と何度も言わせ,彼女が泣きながら逃走するのを「ああ,可愛い」とうっとり眺めてみたり...
 それだけでなく,学業優秀で(全国模試で一桁の順位に入ったこと有り),あの真人を倒してしまう力強さを兼ね備え,その上にさらに「生は迫力がひと味違う」と葉留佳に言わしめた巨乳の持ち主である...
 いやぁ,これほど危険で魅惑的なキャラは類を見ません。
 もっとも,彼女自身は自分自身があまり好きではないみたいなんですけれどね...
 ところで,「キミは死なないよ。心配はいらない」という理樹に対する台詞は,何やら意味深ですね...もしかしたら,洞察力が人一倍優れている来ヶ谷姉御ですから,理樹自身も知らない理樹のことに気が付いているのかもしれません。まぁ,それはこの先否が応でもわかってくるんでしょうけれどね...
 

8月6日

 『来ヶ谷唯湖シナリオ終了

 世間では個別シナリオはツマラナイという人もいるみたいですが,少なくも姉御シナリオに関していえば,私はその意見には賛同できません。まぁ,他のKey作品のシナリオと比べたら...という前提付きだったら,ほんのちょっとは頷けますが,それでも,私は楽しめましたよ,ほんとに。

 いつから彼女の個別シナリオに入ったのかは良くわかりませんんが,おそらく5/27のホットケーキ・パーティー後,5/28からではないでしょうか。というのも,ここからゲーム内の日付表示が無くなってるんです。

 来ヶ谷姉御の代わりに嫌がらせの対象となる理樹。最初は上履きの中に数個の画鋲だったのが,だんだんとエスカレートし,上履きの中に画鋲だけでなくゴミクズや食べかけのあんパンが入れられたり,教科書の表紙をボロボロにされるようになってしまいます。
 「来ヶ谷さんに話すと彼女がリトルバスターズに居づらくなるから」と我慢していた理樹ですが,このままではいけないと,犯人の一人であると思われる杉並さんを追究すると,彼女は思いの外素直に認め謝罪します。しかし,彼女が嫌がらせに荷担したのは来ヶ谷さんに対してだけで,理樹にはやっていないという。実は理樹に嫌がらせをしていたのは彼女の友人である残りの二人,勝沢高宮だったんですね。また,この二人が見事なまでな下衆女でして,そりゃもう某東鳩の落書きトリオなんて比じゃありません。それにしても,この手のゲームのイジメキャラって三人組が定番なんでしょうかね?
 証拠を見せろと居直る二人に録音した証拠をつきつけても「あんたらのつるんでる連中全員潰してやる」と逆キレる高宮に対して,ドアを蹴破り,「殺すぞ」と怒りを顕わす姉御
 「今はなんだか,殺人者になってもかまわないような気分だ」
 「これに恐怖をおぼえたなら,二度と私に関わるな,このクズがあああああああっ!!」
 って,こりゃぁクズ二人じゃなくても逃げ出しちゃいますよ。
 「(『リトルバスターズ』という)安らぎ空間を侵すなど,何人たりとも許すことはできない」とおっしゃる姉御を見て,「この人は僕にはない強さを持っている」と格好良く思う理樹

 眠り病のため意識を失った理樹が目を覚ますと,そこは来ヶ谷さんの部屋。
 「(下着を)1枚くらいなら持っていって構わんぞ」
 「夜な夜な私の下着で色々しながら,ふごふご鼻を鳴らしてうへへへとか言うといい」
 って,そんなことを女の子が言っちゃいけません(^^;)。

 来ヶ谷さんのことが好きになってしまった理樹来ヶ谷さんをバッチリ上手く行くようにするのが,新しいリトルバスターズのミッション。
 名付けて「オペレーション・リトルラブラブハンターズ」
 第一弾は,正しいデートの誘い方...いや3人とも前々参考にならないんですが...

 月曜日の放課後,雨の中来ヶ谷さんと初デート。駅前の喫茶店で一緒にコーヒーを飲み,相合い傘までしてしまいます。帰り道,二人で傘もささずにずぶ濡れになって帰りますが,そのせいで理樹は翌日風邪をひいて熱を出してしまいます。
 そんな理樹を授業(数学)をサボって看病をしてくれる来ヶ谷さん。
 それはいいのですが,そんなに胸の谷間を強調しなくても...しかも添い寝する気十分だし...熱を上げるつもりなんですか?姉御は...
 りんごに「鬱」と刻んで「これをキミに捧げる」....って,嫌がらせですか?(^^;)
 そのりんごをすり下ろし,「離乳食のようだな。よし,ばぶーとかちゃーんとかはーいとか言いながら食うといい」...って,イ○ラちゃんじゃないんですから...(^^;)。

 「オペレーション・リトルラブラブハンターズ」第二弾は,プレゼント作戦。
 ちなみに,恭介が選んだのは「ハワイの空気」の缶詰。謙吾が選んだのは,アルファベットの付いた4つの饅頭。しかし,「E,V,O,L」と順番が逆に...。そして真人が選んだのは,「ヘイ!親分」と筆字で書かれた茶色の湯飲み...ダメだこりゃ...(^^;)。

 「オペレーション・リトルラブラブハンターズ」第三弾は,夜の花火作戦。
 しかも,恭介が以前バイト先からもらったという本物の尺玉を打ち上げようという壮大な計画。
 夜の教室から二人で花火を見て,「私はとても楽しかったぞ」と笑顔を浮かべる来ヶ谷さん。

 翌日の放課後,放送室にいた来ヶ谷さんに自分の想いを伝える理樹
 しかし,来ヶ谷さんは「聞かなかったことにはできないかな」「多分,私には...誰の気持ちにも答えることが出来ないんだよ」と放送室を後にする。
 それでも,「まだ終わったわけじゃないと思うんだ」「もう少し頑張れる気がする」と思う理樹は,次の日の昼休みにも放送室を訪れ,「僕のことが好きか,嫌いか」と直球勝負。
 それに対して「何で私なんだ?」と逆に質問してくる来ヶ谷さん。
 「僕は来ヶ谷さんが好きなんだ」と理樹が改めて告白すると,来ヶ谷さんは顔を伏せたまま早足で放送室を出ていってしまう。
 そんないつになく動揺していた来ヶ谷さんを見て「可愛かったよなぁ」と思う理樹

 夜,落ち着かないので外に出た理樹が中庭でブラックコーヒーを飲んでいると,そこに来ヶ谷さんが現れ る。
 「キミが私の調子を狂わせるんだ」と話す来ヶ谷さんは,昨日もよく眠れなかったという。
 「変に浮かれて,キミの言葉ばかりが頭に響く」
 「くそ,何なんだ,キミは」
 「キミは,私なんかのどこがいいんだ...」
 「私の不幸はそういう感情に触れることなく過ごしてきたことなのだと思う」
 「キミ達と出会うまで,自分が不幸であることにすら気づけなかったんだ」 
 「何が楽しくて,なにがつまらないことなのか,私は何もしらなかった」
 「恋してるだとか,好きだとか,もな」
 「だが,今は,ほんの少しだけ,かもしれないが...今は,解る気がする」
 「キミの言葉が嬉しかったんだ」
 「それはきっと,キミが思っていることと,同じなんだって,ことだと思う」
 「以上,私の偽らざる気持ちだ」と言いながらも真っ赤になってる来ヶ谷さん。
 あの来ヶ谷さんがこんなこと言うなんて....可愛すぎるじゃないですか!
 しかし,「雨の日は外に遊びに行くのはやめよう」という約束はどういう意味なのか?

 翌日,クッキーを焼いて持ってくる来ヶ谷さん。
 「耳掃除をしてやろうか」と膝枕をして耳掃除をしてくれるけれど,
 「穴をほじられるの気持ちいいか」と相変わらずのオヤジギャグ。

 何故か理樹以外の誰も来ヶ谷さんの昼の放送を聞いたことがないらしい。

 翌日もクッキーをも持ってきてくれた来ヶ谷さんにリトルバスターズに入った理由を尋ねると,
 「楽しそうだったから」というお答え。
 「私はな...笑い方を知らなかったんだ」
 「感情の動きというものが,私には何故か無かった」
 「ここでようやく,私は『人間らしく』なれたような気がする」
 「キミと一緒にいると,そんなことに一杯で会えるような気がする」
 「だからもっと一緒にいたいと思ったんだ」

 次の日も雨。
 放送室で,後ろから抱きついてくる来ヶ谷さんの胸の大きさを実感する理樹
 「可愛いよ」と言われて赤面し,
 「くそ,理樹君に手玉に取られる日が来るとは思いもしなかった...」と言いながらも,
 今度お弁当を作ってくるから,二人で食べよう」とおっしゃる来ヶ谷さん。
 でも,料理はやったことがない....?
 両親の海外生活が長く,家では日本名ではなく海外で生まれたときの愛称で呼ばれているという来ヶ谷さん。その愛称は「リズベス」。

 カレンダーを見ながら今日が何日であるかがわからない理樹

 翌日も雨。
 来ヶ谷さんは理樹と初めて行った喫茶店のことを忘れている?
 今日が6月20日(水曜日)であることに疑問をおぼえる理樹
 それだと告白した日が日曜日になってしまうが,その日は放課後学校で告白をしているから,日曜日であるはずがない。

 翌日もまた雨。
 昨日の授業すら思い出せない理樹
 真人来ヶ谷理樹が付き合っていることを知らない。
 「オペレーション・リトルラブラブハンターズ」も覚えがないと言う。
 放送室にいた来ヶ谷さんは,「恋愛相談にでもきたのか」と冗談を言いながらも,いつもどおりの(恋人としての)来ヶ谷さん。
 しかし,彼女の手帳には『理樹君と付き合っている』『毎日クッキーを焼いていく』『最初のデートは喫茶店』と書かれていた。

 翌日,6月のはずなのに雪が降ってくる。
 しかし,理樹以外の誰もそれを不思議とは思っていない様子。

 目を覚ますとまた6月20日。そして外は雪。
 放送室に入った理樹来ヶ谷さんはこの前と同じ「恋愛相談にでもきたのか」と話しかける。
 メモ帳に書いていたことをたずねる理樹に,
 「忘れてしまうといい,そんな女の子となんかな」と答える来ヶ谷さん。
 「どうなるかもわからず,キミの心を踏みにじるような,最低の女だ」
 「私のことなんか,忘れてしまえばいい」と背中を向けたまま話す来ヶ谷に
 「忘れられるわけないだろ!」と叫ぶ理樹
 「私のせいなんだ」「私が,そんな風に願ってしまったから」
 「ここはそういう場所なんだ」「願いを叶えられる場所なんだ」
 「キミは私の夢の中の住人なんだ」
 「ここは私の見ている,願いの叶う夢なんだよ」
 「夢は覚めたら無くなるんだ」「キミと恋したことも」「キミが私に抱いている感情も」
 「私は抗ったんだ」「忘れまいとした」「でもダメだった」
 「多分,もうすぐこの夢は終わるんだ」
 「できれば,ずっとこうしていたかったけど,な」
 「私が全部忘れてしまったら,それは『覚める』ということで」
 「きっとこの6月20日は終わるのだろう」
 「知らなかったんだ,悲しいってことが,辛いってことなんて...」
 「恋をするってことは,誰かを好きになるっていうことで」
 「その大好きな人と別れるってことは..」
 「こんなにも悲しくなるってことだったんだ...」
 ようやく手に入れた人間らしい感情...しかし,それ故に苦しいまでの悲しみも感じてしまうことになってしまった,来ヶ谷さんの台詞がなんとも切なくて...

 また繰り返される6月20日。
 放送から流れる来ヶ谷さんの言葉
 「理樹君,まだ伝えてないことが一つあったんだ」
 「私は,照れ屋で意地っ張りだから」
 「最後まで面と向かって言えなかったんだ」
 「もし,だ」「また,キミと過ごして,この気持ちを覚えていたなら」
 「そのときは,きっと私から言うよ」
 「誰も居ない放課後の教室にでも,キミを呼び出して」
 「好きなんだ,って」
 「恋してる方の,好きなんだって...」
 それを聞いて教室を飛び出し,放送室へ向かう理樹
 世界はもう消えかけていた。
 放送室で来ヶ谷さんに後ろから抱きかかえられながら
 「お弁当作ってくれるって言ったんだ」「結局作ってくれなかったけれど」
 「食べたかったな」「晴れた日,すごくドキドキしながらデートに行くんだ」
 「来ヶ谷さんは何も悪くないと思う」
 「ずーっとこうしていられたらなって,そう思ったんだ」と話す理樹
 「さよなら,理樹君」と涙をこぼす来ヶ谷さん。
 そして6月20日は終わりを迎える。

 ある晴れた初夏の日。
 放送室に一人いる来ヶ谷の携帯に知らない名前の人からのメールが入っていた。
 差出人の名前に何故か胸を締め付ける響きを感じる来ヶ谷さん
 メールに書かれていたのは「きっとそこにいくから待ってて」という言葉。
 ピアノを弾きながら「早く来ないかな」とつぶやく夏制服姿の来ヶ谷さん

 まぁ,あっさりしたエンディングといえばそうかもしれないけれど,私はこういう余韻を感じさせるエンディングって好きですね。
 ところで,物語が来ヶ谷さんの夢の中に入ったのはいつなんでしょう?
 登場人物が皆冬制服のままということは,5月中なのだ思いますが...
 しかし,理樹が話しているように,これは来ヶ谷さんだけの夢ではないこともまた間違いないんですよね。
 理樹の眠り病とも何か関係があるのでしょうか?
 そして,理樹が見ていると思われる白い景色の夢にも謎が隠されているんでしょうね。

 ともあれ,来ヶ谷姉御は現時点で『リトルバスターズ!』個人的お気に入りキャラ暫定1位であることだけは自信を持って言えます。
 やっぱり強い女の子は最高です!....もちろん現実世界は別ですよ(^^;)

8月13日

 『西園美魚シナリオ終了

 これはある意味一番Keyらしいというか...原点というか...なんとなく『One』を彷彿とさせるシナリオでした。いや,美魚望んでいたのは『永遠』だったのだから,こりゃもう「なんとなく」なんてもんじゃありませんね...「彼女が望んだ『永遠』」...いや,これじゃ他の会社のゲームになってしまうな...(^^;)。

 先にやった来ヶ谷姉御のシナリオでは,どちらかといえば受け身であった理樹ですが,このシナリオではかなり主体的に動いていました。
 たとえば,来ヶ谷姉御のシナリオでは来ヶ谷姉御が謎を解いた『本消失』のイベントですが,このシナリオでは理樹自身が解いていますし,また,来ヶ谷姉御のシナリオでは来ヶ谷姉御が美魚をマネージャーとして引っ張ってきましたが,このシナリオでは理樹自身が彼女に「マネージャーになるよう」依頼しています。
 そして,
「彼女が望んだ『永遠』」から美魚を連れ戻したのも理樹自身なのです。

 美魚は個性の塊のようなリトルバスターズのメンバーの中にあっては,一番の常識人のように見えますが,実は彼女も一般的な常識からすれば,かなり変わった人でした。
 常日頃から日傘を手放さないのは,そうせざるをえない理由があったから仕方ないとしても,『恭介×理樹』と801な妄想モードに入ってしまうのはいかがなもんでしょう?(^^;)。
 また,その台詞も上品なようでいて
 「おにぎりは,鬼桐男爵が考えだしたものです。江戸時代に,男爵が花札を中断する手間を惜しんで考え出したのがおにぎりです」
 「やはり,セクハラが目的なのですね」「私が脱いだ服に興味があるのですね」
 「美しくないです, 井ノ原さん×直枝さん」
 「世の中には異性の食事姿にエロティシズムを感じる人がいるらしいですが,もしかして,直枝さんはそんな人ですか?」
 等々,時に黒いものが入るんですよね。まぁ,それがある意味彼女の魅力でもあるのですが...
 実は無敵かと思われる
来ヶ谷姉御が,一番対応に苦慮していたのが美魚なんですよね。

 それにしても,このシナリオは『文学ネタ』満載ですね。まさか,この手のゲームで若山牧水の名前を目にするとは思いませんでした。しかも彼の有名な短歌「白鳥は哀しからずや空の青 うみのあをにも染まず ただよふ」が,このシナリオの大きなキーワードになっているのです。
 他にも推理小説ネタは出てくるし,はては短歌の歴史まで出てきてしまいます。これほど『文学ネタ』に溢れたゲームは他に見たことがありません。
 『短歌』といえば,リトルバスターズのメンバーで『短歌』を作るイベントがあるのですが,これはシナリオが一通り終わった後にゆっくりと楽しませていただこうと思っています。

 美魚のシナリオからは離れてしまいますが,今回,来ヶ谷姉御のシナリオにはなかった『古式さんイベント』が発生しました。これは謙吾と密接に関係するイベントなのですが,このイベント後の謙吾はまるで別人のようにはじけてしまいます。なんかもう真人が二人になったようで,こりゃもう大騒ぎです。そして,前回は剣道のために参加しなかった謙吾も,片腕を折ったということで野球に参加することになります。いやぁ,野球でも十分に大丈夫じゃないと思うのですが...(^^;)。
 ところで,古式さんという名前を聞いて...某『○きメモ』のぽややんとしたお嬢様が頭に浮かんできてしまうのは,私だけでしょうか?

 来ヶ谷姉御のシナリオで起こった同じ時の繰り返しですが,理樹が違和感を憶えているところから,このシナリオでもきっと起こっているんでしょうね。おそらくそれは『リトルバスターズ』というゲームの重要なパーツの一つなのかもしれません。

 ところで,美魚よりも美鳥に魅力を感じてしまったのは,きっと私がそういう属性だからなんでしょうね。個人的には美魚の中に美鳥も入った2 in 1の状態がベストだと思うのですが...いや,そういうエンディングの方が面白かったんじゃないかなぁ...と思うのであります。
 

8月22日

 『能美クドリャフカシナリオ終了

 クドは可愛い。生まれて間もない子犬のように可愛い。
 いやもうこれだけで十分です...
 って,これだけで済ませるわけにはいきませんよねぇ...(^^;)。

 シナリオですかぁ...シナリオねぇ...まぁ何と言いますか......良くわかりませんでした(^^;)。

 金髪碧眼というどこをとっても立派な外国人の容貌であるにもかかわらず英語が苦手というクドですが,彼女は出身が非英語圏(ロシア語?)の人なので,英語が苦手であっても何の不思議もありません。おそらく母親との会話や手紙のやりとりは日本語ではない母国の言葉で行っているに違いなく,そういう意味では彼女も立派なバイリンギャルであり,劣等感を持つ必要などこれっぽっちも無いと思うんですけれどね。
 もっとも,クドが気にしていたのは,『変な外人』である自分と一緒にいることによって,理樹が笑われたりバカにされることでだったのですが...

 そんなクドと一緒にテスト勉強をしたり,初々しい恋愛模様を繰り広げるあたりは,普通にギャルゲーとして楽しめたのですが(これまでのシナリオの中では一番イチャイチャぶりを見せてくれました),後半,母親が関係する母国の宇宙ロケット計画の話が出てくる頃から良くわからなくなってきちゃいました...つ〜か,展開が唐突過ぎるんですよね。
 クドには複雑でファンタジーな過去があるんではないかと思っていたのですが(もしかしたら人間ではないとか(^^;),実は優秀な母親に対するコンプレックスが強いが故に日本に逃げて来ただなんて...なんだかガッカリです。理樹と互いの身体に文様を入れる儀式も何か大きな伏線であったりするわけでもなく,ただそれだけで終わってしまい...あれれ?って感じです。

 そして,クドが忘れていた『肝心なこと』も良くわからないままです。
 別な選択肢では,母親が処刑される映像を見たクドは「そうだ,私...これを見て...こんなの見たくない...信じたくない」と言ってるのですが,つまり,これは彼女にとっては一度体験した出来事ということなのでしょうか?

 混乱する母国に帰り,囚われの身となったクドと無意識の狭間で出会った理樹は,彼女を助け出すのですが,これはどういうことなんでしょう?
 理樹には何か隠された力があるのでしょうか?
 この世界は理樹が見ている夢なのでしょうか?....それじゃ某うぐぅ娘だよな...(^^;)。
 別の選択肢で恭介が最後に言った「能美のことは心配するな」「おまえが望めば...その心配は無用だ」という言葉も気になるところです。

 う〜む,何だか謎ばかりが増えてしまったシナリオですが,この謎も後のシナリオで明らかになるのでしょうか?

 唐突ですが,もしかしたらこの世界(つまり理樹が現在いる世界)は,ある意味『永遠の世界』なのではないか...そんな考えが浮かんできたのですが...はたしてどうなんでしょうね?
 

8月30日

 『棗鈴シナリオ終了

 猫のレノンの尻尾にくくりつけられていたメッセージに書かれていた
 「この世界には秘密がある」
 「それを知りたいならすべての課題をクリアせよ」
 という言葉に従い,与えられた課題に取り組む
理樹
 もっとも主として取り組むのは
で,理樹はその補佐役という感じだけれど...

 与えられた課題は
 『校門のイモムシ問題を解決せよ』
 『男子寮共有部分の衛生問題を解決せよ』
 『学食を救え』
 『2-A1番の恋患いを癒せ』
 『2-E 3番に対しつっこめ』
 『次の指令を待て』
 『明日のHRで立候補しろ』
 と,まるで統一性の無い行き当たりばったりのように思えるものばかり。
 しかし,この課題を与えた者は,学食のおばさん達が全員病気等で休んでしまうことや,議員と理事長が学校に視察に来ることを事前に知っていただけでなく,相川君が心に隠していた想いを知っていなければ,それらの課題を出すこともできないわけであり...なんかこれじゃまるで未来を予測したり人の心を読むことのできる超能力者か神様じゃないですか。
 結局最後までこの課題を与えたのが誰かわからず,そして『この世界の秘密』もわからずじまいでした。

 しかし,これらの課題によって,は人間として大きな成長を遂げており,もしかしたら,課題の目的はここにあったのではないかと思ってしまうくらいです。
 それに比べて
理樹はまったく成長してないというか...『美魚シナリオ』や『クドシナリオ』における理樹と比べると,ヘタレ度が高いような気がするのですが....

 当然ながら,このシナリオで理樹は付き合うようになるのですが,理樹杉並睦美(vs来ヶ谷3人娘の一人)からラブレターをもらったことがきっかけとなります。ラブレターをもらったけれど,付き合う気も無いしどうしよう...とヘタレている理樹が「あたしたちが付き合おう」と告げたことから二人は付き合うことになるのですが,やることはどう見ても高校生カップルじゃありませんね。
 実際,
理樹のことをはっきり好きだと自覚したのは,が交換留学生になってしまうかもしれないと聞いたときなんですから,それまでが恋愛とすら言えないものだったのでしょう。
 とはいえ,「愛を深めるために」最初にやったことが,二人で学食に夜食を食べに行くことだったのですから,この二人が18禁イベントに突入できるようになるまでには,あと何年かかることやら...(^^;)。

 このイベントの後,理樹はまた眠りに落ちていくのですが,その時に聞こえてきた
 「よくここまで来たな」
 「だが,まだ何も始まっちゃいない」
 「お前が選ばなかった日々を」
 「今度は越えてみろ」
 という言葉は何を意味するのでしょう?
 そして,この言葉は誰の言葉なのか?

 さて,正直言いまして,私,このというヒロインには(メイン・ヒロインであるにもかかわらず)あまり魅力を感じていませんでした。他のシナリオでは単なる幼なじみ兼ギャグ要員というか...少なくとも恋愛対象にはなりえない存在でした。
 しかし,こうして
のシナリオを終えてみると....ずいぶんと印象が変わりました。いや〜,実に可愛い娘じゃないですか。現時点では来ヶ谷さんに続いて一躍お気に入りヒロイン第2位に躍り出ました。

 そして,このシナリオにおいても,真人がまた良い味を出してくれてます。
 特に,
真人謙吾がお偉いさんに扮してシュミレーションを行った際の,「そのあとしっぽりむふふといきたいものですな」の繰り返しは大いに笑えました。
 それにしても,クラスメイトから「井ノ原がこの世に生まれたこと,それ自体が神様のボケ」と言われてしまうとは....いやぁ実に美味しいキャラじゃないですか!

 また,このシナリオで初めて出てきたイベントに『缶蹴り』がありますが,このイベントではやけに楽しそうな来ヶ谷さんが印象的でしたね。
 

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