リアライズ 日記

未知なる能力を手に入れた少年少女たちの群像激

エゴの具象化
心と心を結び,時には他人を捜査することもできる不条理な力。

エゴと呼ばれる万能な支配力を手に入れた彼等は,
やがて,力そのものに翻弄されていく....。

たとえ,それが間違った力の使い方だとしても....
誰かを傷つける結果になろうとも....。
守らなくてはならない。

(パッケージ裏解説より)

 Visual Novel系18禁ゲームの礎となった名作『雫』『痕』『To Heart』のシナリオと原画を担当した高橋龍也水無月透の二人が制作した久しぶりの新作ということで発売前から評判の高かったゲームです。もちろん,私もしっかりとAmazonで予約してたのですが,それが昨日発売から1日遅れの昨日(2004年4月24日)にようやく届きました。
 これはそのリアルタイムなゲーム記であり,当然ながらネタばれ全開ですので,これからやってみようとする方はそのつもりで読んでくださいね(^^;)。
4月25日

 我が家の恋愛ゲーム専用機,Sony Vaio PCV-J12にインストール。媒体はDVD-ROMなのですが,容量は800MBと,最近のゲームとしては少ない方ですよね(Voice無しということもありますけど)。

 インストールは無事終了。

 ゲームは主人公とおぼしき松浦亮が通学途中に蛍光オレンジ色の不思議な物体と遭遇するところから始まります。学校に行くと,今度は孤高の少女芝浦八重がやはり謎の物体を使う様子を目の当たりにしてしまいます。
 そして,その芝浦八重から放課後屋上に来るように言われたところでオープニング

 オープニング・ムーヴィーは特に斬新なものではありませんが,音楽とのシンクロはなかなか気持ちが良いですね。その音楽は歌無しのインストで,ギターのカッティングはハードだけれど,全体的にはどちらかといえばフュージョンって感じのサウンドです。

 放課後,は屋上で芝浦八重から謎の物体『エゴ』についての説明を受けますが,これは見える人と見えない人がおり,そしてが見えるようになったのは「スイッチが入ったから」だといいます。

 学校からの帰り道に出会ったのが稲葉倫ちゃん。3つ年下の幼なじみ....ということは中学生?しかし,どこから見てもちゃんだよなぁ(^^;)。
 彼女と喫茶店で話をしているとき,
は朝方見た蛍光オレンジ色のエゴに襲われますが,それを歯車式のエゴが助けます。
 なるほど歯車式のエゴは友人である伏見修二のエゴだったんですね。修二からエゴ(プロクシとも呼ばれる)の危険性と,エゴによる戦いが繰り広げられていることを知らされ,その後修二によって自身のエゴを引き出してもらいます。

 いやぁ,吃驚です。まさかメインヒロインかと思われた芝浦八重があっさりと交通事故で死んじゃうとは!(もしかしたら選択肢によって死なないルートもあるのかもしれませんが)。
 屋上に残されていた八重のエゴとのエゴが融合し,のエゴはさらに攻撃的な形に姿を変えます。

 宮地沙耶麻生春秋の登場。この二人は以前すでにエゴを戦わせているらしく,春秋曰く沙耶の攻撃は容赦のないもののようです(^^;)。そうか,を襲ったあのオレンジ色のニクイ奴(^^;)は春秋のエゴだったんですね。
 その春秋とチームを組んでいるのが浅見邦博春秋曰く邦博は人殺しということですが,どうやら八重を殺したのも邦博の仕業のようです(裏技だけれど)。彼等のチームに佐伯真が合流。狙いはPK(プレイヤー・キラー)と呼ばれるエゴ使いを攻撃する人物なのですが,どうやら彼等はがそのPKであると勘違いしている様子。で,結局彼等はのエゴに攻撃を仕掛けるものの,東日本1位の力を持つといわれるのエゴに敵うわけもなく,完膚無きまでに叩きつぶされてしまいます。
 それでもリベンジを忘れようとしない邦博て,なんともしつこい野郎ですねぇ(^^;)。

 ところで,ヒロインといえば,中学士時代からと付き合っている芦田蛍ちゃんを忘れてはいけませんね。現在は色々なことが重なってちょっぴり疎遠な状態になっていますが,ちゃんのに対する想いは少しも変わっていません。それだけに彼女の台詞や行動が切なかったりするんですよね。
 特に,いくら春秋からを守るためとはいえ「彼女じゃない」なんて言われたら,彼女じゃなくても傷ついちゃいますよ。なのに,からの電話一本ですぐにご機嫌になっちゃうなんて....いやもう恋する乙女ってやつは....(^^;)。これじゃぁ敦子ちゃんのツッコミが厳しくなるのも至極当然ってやつです(^^;)。この敦子に対するツッコミは,シリアスになりがちなこのゲームの中にあって,一服の清涼剤って感じですね。

 ダーク系ヒロイン宮地沙耶はどうやら修二との関わりが深くなりそうです。3体のエゴと戦ったために倒れてしまった修二をわざわざホテルまで運んだのは沙耶だし(近いからってラブホはないと思うぞ,沙耶ちゃん(^^;),逆に沙耶Σから攻撃されたとき(それにしてもΣのエゴの形って(^^;)には修二が助けちゃうし....。なんか良いペアになりそうですよね。

 とりあえず,今日はここで終わりにしておきますが,現在はたしてどんなシナリオの流れになっているのか全然わからない状態です。はたして正規のルートなのか,バッド・エンドまっしくぐらのルートなのか....それすらもわかりません(^^;)。
 それでも十分に面白いんですけれどね。

 システム上で気になるのが『Save』の少なさです。この手のゲームで20カ所ってのは,ちょっと少なすぎますよね。しかも,とても最近のゲームとは思えないくらいにそっけない画面だし(^^;)。

4月27日

 修二とともに一般人に手を出す悪質なエゴ狩りを始めるわけですが,その相手は選択肢によって変わっていきます。とはいえ,誰を相手にしてものエゴには敵わないのですが....

 春秋とパーティーを組むことを拒否する沙耶沙耶は一度として倒したエゴを吸収したことがないのだけれど,その理由が「気持ち悪いから」とは....彼女らしいというか....(^^;)。

 もうすでに過去のキャラと思っていた竹内聡子がエゴ・プレイヤーとして登場してくとは思いませんでしたね。しかもいくら雑魚キャラとはいえ,一度に7体のエゴを倒してしまうという力を持っているのです(彼女のエゴは芝浦八重のパールホワイトに似ているらしい)。そして,彼女達の話によると,どうやら芝浦八重は生きている様子。謎がますます深まってきました。

 修二の妹志乃はナマイキで可愛い娘ですが,このシナリオでは活躍の場面があるのでしょうか?

 なるほど,やはり修二のバックには精神科医の大隅康夫がいたのか....
 その大隅康夫が会って話したのが関西のエゴ使いの大物の一人である三沢由紀江
 「具現化されたエゴを抑制する社会的スーパーエゴが必要」と主張する大隅に対して三沢は「エゴは人と人がより互いを理解し合い,高みに登るための天恵のような力」と主張します。う〜ん,どちらが正しいんでしょうね?

 と一緒にいるところを3体のエゴに襲われますが,春秋の情報によれば,「プロクシランキング1位」として亮の氏名住所等がインターネットの掲示板に晒されているそうです。
 魔の手はだけではなくにまで伸び,彼女は学校の先輩である井手のプロクシに操られてしまいます。
 井手は亮にプロクシを出現させ抵抗しないように命令し,終いにはプロクシを使ってを切り刻みます。それを助けたのは修二君。それにしても井手ってのは外道だよなあ。

 夜の街で行われた沙耶修二のエゴの戦いは高度なテクニックの応酬。
 とりあえず沙耶の負けだけれど....なんかこの二人って良い感じだよね。

 八重と再会した夢から覚めたの携帯に八重から電話があり,指定されたマンションへ来るよう呼び出される。
 八重は謝るために亮を呼んだということだけれど,彼女の本当の狙いは何なんでしょうね?

 からしばらくの間距離を置くよう言われて落ち込むちゃんに,敦子が「明るくなる歌」を歌ってくれるのだけれど,この歌がまた...いったい誰がこのブラックな歌で明るくなるというのだろう?(^^;)

 何をするでもなく夜の街を歩く沙耶修二。どうやら沙耶も修二のことを意識し始めたようで,聡子発見の知らせを受けて現場へ向かおうとする修二に,「彼女も行く」と付いていってしまいます。しかも,聡子との戦いで危機を迎えた修二の「逃げろ」という言葉に「嫌だ」と即答しちゃってるし。
 修二曰く沙耶は雰囲気が似ているというけれど,確かに無愛想なところはそっくりだね(^^;)。
 しかし,姉の郁子とは全然性格が違うんですよね。ほんと似てない姉妹だこと....。

 の家の前で一人帰りを待つ
 「好きな人が苦しんでいるのに何もできないのが一番辛い」とは,なんていじらしい娘だこと。これじゃならずとも冷たくなんかできやしません。
 なんと1年ぶりにキスをした二人はそのまま初H。いやはやなんとも初々しい二人です。

 というところで,本日は終了。
 Leafの流れをくむだけあって,全般的に音楽のレベルは高いと思います。残念ながら,現時点ではまだ『お気に入り』の音楽はまだ無いのですが....(^^;)。
 CGですが,『』リメイク版の絵柄とあまり変わりはありません。それだけに『萌え』が足りない!と思う人も多いようですが,私はシナリオさえ楽しめればそれで良いのであまり気にしませんが....(^^;)。
 もっとも『萌え』が足りない替わりに『燃え』の方は充実してまして,男性キャラが多いのもこの手のゲームとしては異色かもしれません。もしかしたらヒロイン達よりも力が入っているかもしれませんね(^^;)。
 そ〜ゆ〜意味ではやおいなお姉さんにもウケが良いゲームかもしれません(^^;)(^^;)

4月28日

 芝浦八重とは決して交じらないことを確信した修二は最後の別れを告げるために沙耶を呼び出します。しかし,「会うのはこれが最後になるから沙耶のことを触りたい」だなんて,君はセクハラ親父かい?(^^;)
 でも,沙耶もすんなりOKしちゃって,以前行ったラブホテルで初H。人と触れ合うことを苦手とする沙耶にすれば,これは一大決心だったのかもしれません。
 八重と戦おうとする修二に「失うのは嫌だと思った...繋ぎ止めて...ずっと側にいて欲しいと思った」と話す沙耶....彼女も一人の女の子なんですね。

 結局,負けるとわかっていながら八重に戦いを挑んだ修二はあっけなく敗れてしまいます。
 その夜,夢の中で修二と会うのですが,その時の修二の別れの言葉
 「お前が俺に輝きをくれた」「だから,また走れよ」
 「沙耶に会ったら約束やぶってごめんと謝っておいてくれ」
 が実に泣かせます。

 翌日マンションを訪れた八重は「(翌日の)花火大会の日にまた来て欲しい。その時に人々の夢を現実化する」と告げます。
 「あらゆる夢を現実化する世界」それが八重の言う「救い」なのですが....う〜む,これって『夏夢夜話』のバッド・エンドの世界(常夢の国)みたいですね(^^;)。

 花火大会当日,八重と決着をつける決意を固める
 結局,との約束はやぶっちゃうんですね。
 八重のマンションの前に行くと,そこには春秋だけではなく沙耶の姿も。
 エゴを取り返し,自分が修二に返すという沙耶が実になんともいじらしいですね。

 屋上の手前で待ち受けていたのは竹内聡子西沢奈緒美(私服ヴァージョンです(^^;))
 聡子のエゴはが倒し,残る奈緒美のエゴは春秋沙耶のタッグが相手をします。

 同時刻,花火大会会場で一人寂しく待つの元にが3人娘とともに現れます。
 どうやら3人組の一人由実ちゃんは亮のファンのようですね。

 の集めたエゴを加えれば私のエゴでみんなを幸せにできるという八重
 自分の中にのみ存在する世界に幸せはあり,エゴはその夢を現実とする力。
 しかし,八重が見せる魅惑的な夢の世界(皆がいて幸せな世界)を否定します。

 そして八重に最後の戦いを挑みます
 しかし,奈緒美との戦いを終え屋上に上がった沙耶が見たのは倒れたの姿。
 八重はその沙耶をも含めて導こうとしますが,その時立ち上がったが純粋な自分だけのエゴを八重にぶつけます。
 浄化の炎の中向き合う八重
「私はあなたにも幸せになって欲しかったのよ」とつぶやく八重

 一人花火を見るの元に届いたからのメール。
 ちょっぴりうるうるきちゃいましたが....え?これで終わり?
 結局八重はどうなっちゃったの?
 
ここから最後の盛り上がりを見せるのかと思っていたのに....う〜ん,なんだか尻切れトンボな印象を拭えませんね。
 もしかして,これってバッド・エンドなのでしょうか?

 オープニング画面に戻ると....う〜ん,無いですねぇ....いや,どのエンディングが終了したかという表示がどこかにあるかと思ったんですけれど,見つかりませんでした。
 そもそも,『リアライズ』にはいくつのエンディングがあるんでしょうか?
 このあたりはちょっと(いや,かなり)不親切ですよね(^^;)。

 もしかしたら『』みたいに,最初はバッド・エンドだけで,2周目以後にトゥルー・エンドやグッド・エンドが出てくるスタイルなのでしょうか?
 ともあれ,2周目に入ってみますかね....

4月29日

 う〜む....何と言ったら良いのか....結局あの『二人で炎の中』がトゥルー・エンドのようです。

 他のエンディングとしては
 修二が決別をするというエンディング。
 八重の作った夢の中で生き,八重が一人で炎に包まれるというエンディング(八重とのHシーン有り)。
 八重の作った夢の中から自ら戻り,八重と対峙するエンディング(とのHシーン有り)。
 その他にももうひとつエンディングがあるらしいのですが,それはまだ見ていません。

 しかし,あれがトゥルー・エンドとはね.....(^^;)。
 どうしてあんな中途半端なエンディングにしちゃったんでしょう?
 まさか,時間が足りないってんで未完成のまま発売しちゃった....なんてことは無いと思いますが,そういう感想が出ても不思議ではないと思います。

 あれがトゥルー・エンドだとしたら,八重を救うことができたんでしょうか?
 いや,どう見ても八重を救ってはいませんよね。かといって,八重が自己の目的(これがまた良くわからないのですが)を達成できたわけでもないし....。好意的に解釈しても,が自己犠牲のもとに八重の野望を防いだ...くらいにしか思えません。
 そもそも,八重の目的が良くわからないんですよね。「私のエゴでみんなを幸せにできる」と言ったって,彼女のエゴの力が及ぶ範囲はせいぜい1Kmくらいなんですから,それでどうやって「みんなを幸せにできる」というのでしょう?
 これだけだと,強大なエゴの力を持った八重という少女の妄想にを含めた多くの人達が巻き込まれただけってことにしか思えません。

 そして三沢由紀江をはじめとした関西グループの存在意義が良くわかりません。せっかく巨大な脅威として関西グループを提示しながら,結局ほとんど何の関与もないままに終わってしまっているんですよね。私はてっきり,2周目からは関西グループとの対立抗争,そして明らかになる『エゴの本当の正体』って流れになるもんだとばかり思っていたのですが....

 でも,『踏切の制服の少女』を含めサブ・シナリオには面白いものがあるんですよね。とはいえ,2周目以後,残されたサブ・シナリオを見るために本編シナリオのほとんどをスキップしなければならないというのも,本末転倒というか....。
 また,このスキップが遅くてイライラするんですよね(^^;)。このスキップ機能やセーブ・ロードの機能なんか最近の同人ゲーム以下の不親切ぶりです。
 オマケシナリオのひとつもないしね(^^;)。まさかDVD-ROMなのにこんなに短いシナリオだとは思いませんでしたよ(^^;)。

 中盤までが実に面白かっただけに,終盤の失速が残念でなりません。
 高橋龍也水無月透コンビの久しぶりの新作ということで,過大な期待をしすぎていたのかもしれませんが,しかし,これはほんとうにもったいない作品だと思います。

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