とらいあんぐるハート日記

 「オレ,相川真一郎。風芽丘学園に通う2年生だ。
幼なじみで,でかいくせにガキくさい鷹城唯子と内気で世話好きな野々村小鳥と,まぁ,それなりに学生生活を送っている。
 悩みといえば,ちょっとばかし背が低いことと,女っぽい顔をしていること。」

 のんびりとした,だけど少しだけ退屈な毎日。
 冬休みを間近に控えた12月。

 ほんの小さなきっかけから,自分がはじめて本気の恋に落ちていくことを,彼はまだ知らなかった...。

 『とらいあんぐるハート』は1998年にJANIS/ivoryから発売されたゲーム(18禁)です。
 『ゲーム記』をご覧になればおわかりのように,『とらいあんぐるハート3』『とらいあんぐるハート2』の方を先にやってしままったために,初代であるこの『とらいあんぐるハート』が最後になってしまったんですよね。
 これは『とらハ・ワールド』とでも呼ぶべきハートウォーミングな世界を作り上げた『とらいあんぐるハート』の原点となる作品であり,そして,これはそのリアルタイムなゲーム記です。
 当然ながらネタばれ有りですので,これからやってみようとする方はそのつもりで読んでくださいね(^^;)
10月19日

 我が家の新恋愛ゲーム専用機,Sony Vaio PCV-J12にインストールする。最大インストールで約350MBというのは,最近のゲームと比べるとコンパクトに感じますよね。インストールは何の問題もなく終了。

 では,さっそくゲーム・スタート.....おおおお,これがあの聴く者すべての腰を砕くという伝説のオープニング・ソングですぁ....うへぇ....こいつはぁ強力ですね。物凄い破壊力です。ある意味クセになりそうで怖いですね(^^;)。

 そして,ゲームの始まり。
 
野々村小鳥に電話で起こされ,鷹城唯子とランニングをしてから登校。いかにも典型的な学園モノのシチュエーションだけれど,これがいいのだ。この時点ですでにとらハ・ワールド』に入り込んでいる私がいました。鷹城唯子のヴォイスもそのヘロヘロぶりが伝説となっていますが,今の時点ではさほどヘロヘロには感じませんね。それにしても,小鳥ちゃんは可愛いなぁ....
 学校に着くと
御剣いづみが窓から登校するのを目撃。あの〜,見えてるんですが(^^;)。彼女は忍者の国家検定3級免許保持者だそうですが,これっていったい何なんでしょうね(^^;)。
 休み時間に
井上ななか登場。おお,この娘は「とらハ2」に出てた娘だ!ここでは主人公の親友の彼女という設定なんですね。
 午後,廊下で
綺堂さくらとぶつかる。これは運命的な出逢いなのか?(^^;)

 翌日,階段から落ちたところを千堂瞳に助けられる。う〜む,これはいわゆる逆マルチ状態ですね(^^;)。彼女も「とらハ2」に出ていますが,確か耕介にある種のトラウマを与えた(また逆に与えられた)娘だったと思います。
 うむ,最初はこの
千堂瞳狙いでやってみましょうかね。
 彼女は主人公の通う高校の3年生で,
唯子が活動している護身部の主将(県大会連覇達成中)にして容姿端麗学力優秀(学年7位),しかも面倒見が良くて優しいというスーパーお姉さんです。
 唯一の苦手が男性なのですが(これにも何か過去に理由がありそうです),真一郎君は女の子に間違えらるくらいに可愛い顔立ちなので大丈夫のようです(人によると二人は姉弟のように良く似ているそうです)。とはいえ,初対面のときには思いっきり投げられてしまったんですけれどね(^^;)。
 学校で会って話したり,真一郎が護身部の練習に遊びに行ったり,一緒に帰ったり,テスト勉強をしたりするうちに徐々に親しくなるのですが(なんだかこのあたりは某『ときメモ』を彷彿とさせますね),このあたりのほのぼのムードがいかにも『とらハ』って感じで良いですね。
 そして,ついに「千堂瞳様ファンクラブ」「相川真一郎くん後援会」の前で交際宣言をすることになるのですが,このシチュエーションも凄いけれど「真一郎君と健全で高校生らしい,男女交際をさせてもらってます」という
ちゃんの台詞がまた彼女らしいというか....(^^;)
 しかし,その帰り駅で別れるときには「
浮気したら,殺すわよ」という恐ろしい台詞も...実は独占欲が強くてわがままな面もあるんですね。しかも凄い焼きもち焼きだし...。スーパーお姉さんがこういう面を見せるというのも,また萌えの要素のひとつかもしれません。.
 そして,
ちゃんの誕生日,欲しいものは「相川くん」とはまたなんて大胆な発言!結局その日はお泊まりで目出度くいたしたのでした。

 その後二人はちょっとした感情の行き違いから一時疎遠になるのですが,最後はちゃんとラヴラヴでエンディングを迎えます。いや,別に手を抜いて書いたわけではなく,本当にこれだけで説明できちゃうようなストーリーなんですよね。特に何か劇的なシチュエーションがあるわけでもなく,薄味といえばこれほど薄味なストーリーも珍しいかもしれません。結局最後まで何故ちゃんが男性を苦手とするようになったのかという理由すらあきらかになりませんでしたしね(^^;)。
 もし,これが他のゲームだったら,「バカにするもほどがある!」と怒っちゃうところですが,なぜか『とらハ』だとこれが許せちゃうんですよね。これは『とらハ』の魅力がシナリオよりも
とらハ・ワールド』とでも呼ぶべきハートウォーミングな世界にあるからなのだと思います。

 ところで,ヒロイン達がどこにいるかがわかるようになっているシステムは,すでに「1」の時からあるんですね。しかし,マウスのみでキーボードが使えないのはちょっと不便ですね。やっぱりマウスのクリックよりもリターン・ボタンの方が楽ですし....

10月20日

 続いては『忍者の国家検定3級免許保持者』である御剣いづみちゃんでいきましょう。
 
いづみちゃん(漢字だと『一角』って書くようですね....そ〜いや,星里もちるのマンガ『りびんぐゲーム』のいずみちゃんも『一角』でしたっけ....)と真一郎君は高校1年の時の同級生であり,その頃から「男女」「美少女男」(^^;)と呼び合うような,いわゆるケンカ友達の関係にあります。

 忍者の国家検定のために毎日校庭で練習を続けるいづみちゃんと,それを暖かく見守る真一郎君。このあたりのほのぼの感がいかにも『とらハ』ですね。それにしても,いづみちゃんの『きつねうどん』への拘りは尋常ではありません。しかし,何故「きざみあげ」だと邪道なんでしょうかね?(^^;)。
 男勝りで気が強いように思われる
いづみちゃんですが,実は内面的には繊細というか脆い部分があり,そのために唯子とケンカをするようなこともありました。

 そして,緊張のあまり大事な忍者の国家検定に失格してしまったいづみちゃんは忍者を止めることを決意し,真一郎と結ばれます。すると,まるで人格が変わったように大人しくなり,なんと真一郎のことを『真一郎様』と様付けで呼ぶようになってしまいます。当然周りの人間は訝しく思いますが,いづみちゃんは『これが本来の私です』とまったく意に介しません。う〜む,お淑やかないづみちゃんも悪くはないのですが,やっぱり『相川!』と真一郎君を呼び捨てにするような男らしい(^^;)いづみちゃんの方が良いですよね。

 1月のある日,真一郎といづみちゃんが学校を休んだ菟弓華のお見舞いに行くと,そこでプロの殺人者である本来の菟弓華と出会ってしまいます。
 そして,真一郎と
いづみちゃんは夜の学校で菟弓華と戦うことになるのですが....あらら...なんというか....まさか『とらハ』にこんなダークなバッド・エンドがあるとは思いもよりませんでした(:_;)。こ,こんなの『とらハ』じゃないやい!
 おそらくこのバッド・エンドがあまりにも不評だったので,次作『2』以後からはダークなバッド・エンドを無くし,それによって
ハートウォーミングな『とらハ・ワールド』が確立されたのかもしれません。
 というわけで,無事にハッピー・エンド終了。いづみちゃんは普段学校では以前の通りに真一郎達と接していますが,夜は淑女ないづみちゃんとなってくれるわけですね....う〜む,これは良いかも(^_^)。

 正直言って,この御剣いづみ・シナリオもかなり薄味で,ストーリーとしてはさほど楽しめるものではありませんでした....が,だからといってつまらなかったわけではなく,『とらハ』として楽しむことができたのだから,これはこれで良しといたしましょう。

10月21日

 今日は『とらハ1』人気投票1位らしい綺堂さくらにチャレンジです。
 廊下でぶつかったのが初めての出会い。そして2度目の出会いの時,貧血(?)をおこして倒れてしまった
さくらちゃんを保健室につれていきます(しかし,どうして「ちょっとえっちなことを」なんて選択肢を付けるんでしょう....どうしたって選んじゃうじゃないですか(^^;)。
 一見冷たく見える
さくらちゃんですが,動物好きの優しい面もあり,同じ動物好きの小鳥とは気が合うようです。そして,何度か顔をあわせるうち,徐々に笑顔を見せるようになってきました。
 それにしても,保健室での『指ちゅぱ』は破壊力大です(^^;)。同様のイベントは『とらハ3』でもありましね。
 テスト期間中は図書室でいっしょにお勉強をする二人(席は別だけれど)。そして,サンドイッチで餌付け(^^;)をする真一郎君。実はよく食べる
さくらちゃんであった。

 唯子にもらった映画のチケットを使ってのデートのイベント。さくらちゃんを駅まで送ったとき3人娘に見られてしまい,思いっきり冷やかされてしまいました。いやもうこのあたりのやりとりが実に『とらハ』です。それにしても,電話で『先輩大好き』だなんて,私も一度でよいから言われてみたかったもんです(^^;)。
 終業式の日にお互いの気持ちを打ち明け,晴れて恋人同士に....いやもう恥ずかしくなるくらいにラヴラヴな台詞ですなぁ。
 しかもその日にすぐいたしちゃうなんて....黒い下着,ストッキングにガーター・ベルトとは,なかなかやるな,
さくらちゃん。しかも積極的だし(^^;)。

 正月明けにはさくらちゃんが真一郎君の家にお泊まり。
 朝起きると,なんと
さくらちゃんにネコ耳と尻尾が....しかも血まで吸われちゃうし....
 実は
さくらちゃんは父親が吸血鬼で祖父が人狼という妖怪ハーフだったのです。 
 そして発情期ネタ。『とらハ3』
月村忍でも同じようなネタがあったけれど,これは同じ血を引く一族だからなんでしょうね。それにしても,昼休みに3階の女子トイレでいたしちゃうなんて,なんというスリル!(3では図書室だったけれどね)。
 そういえば『とらハ3』
月村忍シナリオにはさくらも登場してくるのですが,こちらのさくらはずいぶんと大人びて見えますね(まぁ,7年後の話だから当たり前かもしれないけれど)。

 ちょっとした心のすれ違いで互いに傷つき合う二人。真一郎君のイライラ感もなんだか良くわかる気がします。

 そして初回はなダークなバッド・エンド氷村ってば,やることが某毒電波使いの生徒会長さんみたいだぞ(^^;)

 途中のセーブ・ポイントからやり直して,なんとかハッピー・エンドに行くことができましたが,体育館で唯子が語った胸の内はなんだかとても切ないですね。もっともその直ぐ後で氷村にきついお返しをするのですが....(^^;)。冷静に怒るさんも相当に怖いですけれどね(^^;)。

 同じ時の流れを過ごすことのできない二人の少し哀しくそれでいてしみじみとしたエピローグがまた良い味を出しています。

 元祖『とらハ』のシナリオの中では,現時点ではこのさくらシナリオが一番良いですね。

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