いや〜,栞が可愛過ぎます!壮絶に可愛過ぎます!犯罪的に可愛過ぎます!
正直,私にとって栞はゲーム本編では一番印象の薄いヒロインであり,前回にも書いたように,サブキャラである姉の香里の方にころんでしまったのですが,アニメ版の栞にはすっかり魂持ってかれちゃいましたよ。
毎回見るたびに思うんですが,京都アニメーションはヒロインの魅力の表現力にとても長けていますね。これは,原作及びヒロイン達のキャラ設定を熟知しているからできることであって,どこぞのアニメのように原作の設定を無視するような所には絶対にできないことなのです。
夜の公園で「恋人...」と言いたいところを抑えて「お兄ちゃん...」と言う,あの微妙な間と表情。
祐一と別れた後,それまでの笑顔から辛そうな哀しそうな表情に変わるところ。
有名な「起こらないから奇跡って言うんですよ」という台詞も,後ろを振り向きながらあんな笑顔で言われたら,切なさが余計増すってもんです。
しかし,何よりも今回の一番の見どころは,学校に制服を着て登校してきた栞です。
初めて入った食堂で,カレーを食べる,ただそれだけの場面なのに,まぁ表情のくるくる良く変わること。
特に,栞が辛いモノが苦手だとわかった後の
(祐一)「ワサビは」
(栞) 「見るのも嫌です」(目を伏せる)
(祐一)「カラシは」
(栞) 「聴くのも嫌です」(耳をふさぐ)
(祐一)「タバスコは」
(栞) 「人類の敵です」(毅然と)
(祐一)「アイスクリームは」
(栞) 「それは大好きです」(満面の笑顔)
という台詞のテンポの良さと,栞のリアクションは,何度見ても飽きません。
そして,翌日,お弁当を持ってきた栞が,「ここですよ」と祐一に向かって大きく手を振る場面も可愛らしいのですが,祐一に頭をなでられた後のあの笑顔....これは反則ですよ。
栞が作ってきたお弁当の中身も実に美味しそうで,さすがは食に拘る京都アニメーションです。
しかし,あの大きなお弁当にも,自分が生きているうちに少しでも多くの自分の手料理を食べて欲しいという切ない想いが隠されているんですよね。
一方,香里は前回祐一にはあれほど感情を顕わにしたのに,学校でも,街角でも,そして家出も,相変わらず栞を無視し続けたままです。
それでも,自分の部屋に入った後,力が抜けたように座り込み,じっと哀しみを耐える様子から,彼女の思いの深さが感じられます。香里とって,栞の存在が大きいものであるからこそ,彼女はその辛い現実から目を背け続けているのでしょうね。
でも,これはこれでとても辛いことだと思うのですが....
さて,その他のキャラはですが,名雪はますます影が薄くなり,今回は「お昼だよ」の台詞すら北川に奪われてしまうしまつです。
その一方であゆは,登場シーンこそ少ないものの,落ち込む祐一を励ましたり,ヒントを与えるという重要なポジションを担っています。「また,お前だったら誕生日に何が欲しい?」という祐一の質問に「たい焼き!」と即答するというお約束も忘れてはいません。
栞の余命が幾ばくもないと知った祐一がものみの丘に行き,そして今はもういない真琴に語りかけるというアニメーション・オリジナル場面にはじ〜んとくるものがありましたね。こういったフォローをきっちりとやってくれるのもまた京アニ・クォリティです。
それにしても,途中作画がヤバイかな?と思った回もありましたが,後半に入って作画が劣化するどころか,ますます向上していってるのは驚きです。
特に今回の冒頭で,祐一と香里が並んで歩いているときの川の流れの,夜の公園の刻々と色を変える噴水の,そして降りしきる雪の圧倒的なまでの美しさは,単なるアニメの領域を遥かに超えています。
さて,次回はいよいよ『栞編』の最後ですが...はたして栞に奇跡は起きるんでしょうか?
死亡ルートの方がストーリーとしては良いのだろうけれど,それは何か嫌だなぁ...
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