『ことみ編』クライマックスの回。
今日も今日とてガーディニングに励む朋也君。
ゲーム本編と異なるのは渚と藤林姉妹が手伝ってくれてるってことです。
ゲーム本編の『ことみシナリオ』もヒロイン同士の交友が目立つシナリオでしたが(特に渚にとって友達らしい友達ができるのはこのシナリオだけという哀しさ(^^;),アニメ版ではさらに『友情』をメインに押し出した構成になっているようです。もっともそうでもしないと,これは朋也とことみが付き合わなければおかしい展開になってしまいますからね。
ところで,朋也がことみの家の庭の再生に取り組んでいる理由ですが,これは残念ながらアニメではきちんと表現されていないような気がしてなりません。
ことみにとって『庭』とは,そこには両親がいて,ただ一人の友達であった朋也が遊びに来てくれた,そんな「かつてあった『幸せ』の象徴する場所」なのです。荒れ果てた庭を再生させることができれば,ことみも絶望の淵から立ち直ることが出来る,そう信じたからこそ,朋也は学校をサボってまで(これはいつものことか(^^;)ガーディニングに励んだわけであり,そんな朋也の姿を見ていたからこそ(アニメの場合はヒロインズも一緒ですが),そして日一日と庭が再生されていく様子を見ていたからこそ,ことみは再生をとげることができたのです。
徹夜でガーディニングを終了させた後,居眠りをした朋也が見たのは,初めてことみと出会った頃の夢。
そして,夢から覚めた朋也の前には『初めて出会ったときと同じ服装をしている』ことみの姿が...
ここもねぇ,何故ことみが『初めて出会ったときと同じ服装』をして朋也の前に現れたのか,アニメしか知らない人にはわかりづらいんじゃないでしょうか?
それにしても,この場面でのことみの台詞って,愛の告白にしか聞こえないんですが...
しかし,それに対する朋也の返事が「みんな待ってるぞ」って......そんな酷なことはないでしょう(^^;)。
もっとも,ここでことみとデキちゃったら,今日が『CLANNAD』最終回になってしまいますが......
翌日,登校してくることみを笑顔で出迎える渚と藤林姉妹,そして朋也。
正直,今回はこのシーンが一番ぐっときちゃいましたね。
そして,『ことみ編』のクライマックスである,天国から届いたぬいぐるみのシーンを迎えます。
墜落しようとする飛行機の中,世界的に重要な論文を捨ててまでジュラルミンのケースの中にしまわれたクマのぬいぐるみと両親からの手紙は,長い年月と多くの人々の手を経てことみの元に,しかも彼女の誕生日に届けられたのです。
このシーンで乱舞する光の球は,まるであの『別の世界』でのようです。
光の球が人の想いだとすれば,それだけ多くの想いがあのジュラルミンのケースに込められていたということですね。
そして,両親からの想いがこめられたぬいぐるみと手紙を手にしたことで,ことみは長きにわたる呪縛から解き放されたのです。
ラストはバイオリンの贈呈式の直前,ことみが渚と藤林姉妹,そして朋也を家の前で出迎えるほのぼのムードで終わりますが,ちょっと気になったのが,朋也がことみに対して「また(お菓子を)作りすぎたのか」と話すシーンです。確かアニメではことみがお菓子を作りすぎたなんてエピソードは無かったような気が......
ということは,朋也はあの後何度もことみの家に遊びに行っており,その中でことみがお菓子を作りすぎたなんてエピソードがあったってことなんでしょうか?......なんて邪推をしたくなるくらいに,なんだか朋也とことみの間にはデキてるっぽいムードが漂ってました。まぁ,ゲーム本編では実際にデキちゃった後なんですけれどね(^^;)。
それにしても,『ことみ編』はちょっと急ぎ過ぎちゃったなぁ...って印象がぬぐえません。
ゲーム本編の『ことみ・シナリオ』は,ことみの奇矯な言動のほとんどが実は伏線であったということがわかったときの驚きと感動が大きかったので,それが足りないテレビ・アニメ版にはちょっと物足りなさを感じてしまいました。
いや,もちろん,つまらなかったわけではありませんよ。凡庸のアニメと比べたら,そもそものレベルが違い過ぎます。ただ,京アニ制作アニメとしては物足りなかったというだけの話です。
予告からではどんな展開になるのかまったくわからなかったのですが,さてさて,次回からはどんな展開になるんでしょう?
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