『CLANNAD』アニメ日記 2

第9話『夢の最後まで』 2007/11/30放送

 そうか,前回,公園で風子が決意していたのは,朋也の関係を近づけることだったんですね。
 「大人ならお互いに名字ではなく名前で呼ぶべきです」と風子から言われ,照れまくりながら互いに名前で呼び合う朋也がなんとも初々しくて......つ〜か,朋はとか智代のことは普通に名前で呼ぶんでいるのに,あれほど照れてしまうということは,つまりそれだけ意識してるってことなんでしょうね。
 そ〜いや,同じ姉妹なのに,のことは名前で呼ぶのに,のことは藤林と名字で呼んでいるのはどうしてなんだろう?

 夜中の学校でささやかに行われた「公子さんの結婚式を祝う会」は,(お子さま用)パーティ・セットに心奪われる風子の姿に和まされてしまいますが(いやぁ,あのとんがり帽子被らせたら,風子はほんとに日本一ですね),しかし,何故当日でなく『今』祝うのかといえば,それは風子自身が明日には朋也からも自分の存在を忘れられてしまうことを知っていたからに他ありません。
 風子を真ん中にして肩を寄せ合て座る3人。そして「まるで本当の家族のようだ」という朋也の言葉。
 この場面は間違いなく『AIR』の『Summer編』で柳也,神奈裏葉の3人が討伐隊に囲まれた時のあの場面を念頭に置いていますね。
 そして,この後神奈が「末永く幸せに過ごすのだぞ」と消えていったように,風子朋也の幸せを祈りながら消えてしまうのです。

 翌朝,何故自分達が学校に泊まっていたことすら憶えていない朋也。当然風子のことも忘れてしまっています。それなのに,朋也の間には無意識に人一人が入るスペースが空いているのが切ないですね。
 何か大切なものを忘れたような気がしてならない朋也。そんな二人がその大切なこと(公子さんの結婚式と風子のこと)を思い出すきっかけを与えてくれたのが幸村先生でした。結婚式そのものは風子の存在とは関係なく進められているのですから,幸村先生が「ご成婚おめでとう」の垂れ幕を書いていることは何の不思議もないのだけれど,二人と公子さんを繋いでいる存在が風子であることわかっていたようなのは......いやぁ,あのじいさんタダ者じゃありませんね。
 そして,二人が存在を思い出したと同時に二人の間に現れる風子。いや,現れたのではなく,彼女はずっと二人の側にいたのです。

 結婚式当日,式には朋也以外の生徒は参加しなかったけれど,それでも二人がいるからと満足気な風子。そして,外で公子さんと祐介を祝福しようと廊下に飛び出た3人が見たのは,中庭を埋め尽くすような生徒達の姿...当然そこには藤林姉妹智代三井美佐枝さん,そして何故か一人正装姿の春原も...まさに風子の願いが叶った瞬間です。
 生徒達から祝福を受ける公子さんと祐介の姿を見ながら,「ありがとうございました,風子,楽しかったです」と礼を言って消えていく風子
 しかし,最後の最後で想いが通じたのか,風子は「おめでとう,お姉ちゃん。いつまでも幸せに」と自らの手で公子さんにヒトデを渡すことが出来たのです。当然ながらBGMは『ANA』。ここで泣かずにいられるわけがありません。ゲーム本編でも一番泣けたシーンですが,アニメでも涙が出て来ちゃいましたね。

 といっても,風子みちるのように存在そのものが消えてしまった訳ではありません。本体はちゃんと病院のベッドで眠っているんですよね。
 そして,生徒達からは風子の記憶は消えても,「元気いっぱい廊下を走っている,健気な少女」としての風子のイメージが残っているというラストが,実に良い余韻を残してくれます。

 ...が,またしても京アニは『予告編』でやってくれました(^^;)。
 「ことみのこといぢめる?」
 「はい」
 ...って,どうしてそんな編集しますかね(^^;)。
 すっかり,余韻がすっとんじゃいましたよ(^^;)。
 

第10話『天才少女の挑戦』 2007/12/07放送

 『風子シナリオ』が一区切りついたというわけで,今回は久しぶりに『幻想世界』が登場。
 相変わらずこの『幻想世界』の描写には力が入ってますね。ゲーム本編では今一つ把握しづらかった『幻想世界』ですが,こうして動く映像で見ると良くわかるような気がします。もっともゲーム本編やってない人にとっては,まだまだ何が何やら......って状態だと思いますが,これだけ力を入れているってことは,それだけ重要なものであるといことだけわかっていただければ良いと思います。

 何事もなかったかのように繰り広げられる日常。しかし,朋也のことをごく自然に『なぎさ』と名前で呼ぶようになっていました。いつからそう呼ぶように(呼ばれるように)なったのか不思議に思う二人の脳裏に一瞬浮かんだのは,一人の少女の姿。
 前回の『Kanon』でもそうでしたが,物語がリセットしたのではなくきちんと継続していることを現す場面をきちんと挿入しているのが良いですね。
 もっとも,そのせいで「二人はできてるの?」とから冷たい視線を送られることになってしまうのですが...(^^;)。

 さて,今回から『ことみシナリオ』に入ったわけですが,このシナリオはゲーム本編でも良くできたシナリオであることもさることながら,何よりも他のシナリオでは友達らしい友達のいないに友達ができるシナリオなので,『風子シナリオ』に続くメイン・シナリオにもってきたのは良い選択だと思います。

 ゲーム本編では,ふとしたきっかけからことみと4時間目の図書室で一緒に昼食を食べるようになる朋也ですが,アニメでは演劇部に加入させるという明確な目的を持ってことみと接しています。つまり,あくまでもメインはであることを基本にシナリオを進めているというわけです。

 ことみという天然素材100%同士のファースト・コンタクトは,見事な不思議空間を作りだしていましたが,『だんご大家族』をきっかけに二人は意気投合します。これってアニメのオリジナル展開ですよね。

 しかしながら,人付き合いが極端に下手なことみを見るに見かねた朋也は,彼女を自分の知り合いに紹介していくわけですが,それがみんな女の子で,しかも,自分に好意を持っている女性だというのは,いかんともしがたい朴念仁ぶりで......いやはや,さすがはギャルゲー主人公です(^^;)。
 そのうえ,そのことみ本人は朋也の後ろに隠れて「いじめる?」なんて言ってるんですから,彼女達にしてみれば良い印象ありませんよね。それでも友達になってくれるんですから,ほんと良い娘たちばかりです。

 それにしても,ことみボケボケトリオの作り出すまったり空間が実になんとも......いや確かにこの3人なら気が合うはずです。このボケボケトライアングルにツッコミを入れることができるのがだけなんですが,彼女もが楽しそうにしているこの空間が嫌いではない様子......つ〜か,朋也も一緒にいることを彼女自身楽しんでいるんでしょうね。
 そのが,ことみに抱きついていた姿を見て,『涼宮ハルヒの憂鬱』でみくるちゃんに抱きついて耳を囓っていたハルヒを思い出してしまったのは私だけではないはずです。また,可愛い女の子好きキャラで姉御肌ということでは『リトバス』の来ヶ谷さんとも共通点がありますね....あ,あとひとつ攻撃力という点でも共通点が...(^^;)。

 攻撃力といえば,ことみの最大の武器であるバイオリンによる『謎の超音波怪獣』(^^;)攻撃も見ることができました......が,あれは破壊力あり過ぎでしょう(^^;)。
 そういえば,この場面で,ゲーム本編のあるシナリオにおいて重要なキャラクターでありながら立ち絵の一枚もなかった不遇な少女,仁科さんの姿を見ることができました。いやぁ,これはなかなか感慨深いものがりますね。

 さて,今回はことみを初めとした天然素材100%娘達の活躍が目立ってた回ですが,実はさりげなく伏線が仕込まれているんですよね。たとえば,とのファーストコンタクトの際に「泣くのは嫌」ということみの言葉や,両親の話が出てきたときのことみの表情とか...
 でも,一番やられたな〜,と思ったのは,あえて智代をクマの着ぐるみ姿で登場させたことです。
 

第11話『放課後の狂想曲』 2007/12/14放送

 今回のアバンは『幻想世界』はなし。その代わり,2分間もことみの殺人バイオリン・ネタで引っ張ってくれます。そうか,ことみのバイオリンは武器だったのか(^^;)。
 しかし,「この娘,どこの娘だ?」って,天才少女としてその名前は知られていても,ことみの姿を知っている人って少ないのかもしれませんね。まぁ,普段は授業に出ずに図書室で暮らしているのだから仕方ないのかもしれませんが......でも,それだけに,ことみがこうして自らの意志で図書室以外の場所に現れるってのは,大きな変化なのです。
 こんなに人見知りの少女が,何故朋也にだけは,最初からあれほどまでに気を許していたのか,それには実は理由があるのですが,それは次回もしくはその次くらいに明らかになるでしょう。

 「朋也くんじゃあ〜りませんか」って,今となっては古典的なネタですよね...つ〜か,誰のネタだったか忘れてる人も多いんじゃないでしょうか......ええ,実は私がそうなんです(^^;)。
 からギャグの特訓を受けることみ。先週の予告の「なんでやねん」は,実は『素振り』だったんですね。
 そこにが現れボケボケトリオが復活。今回は魔法少女ネタですか......(^^;)。ところでことみが唱えていた呪文には何か元ネタがあるんでしょうか?
 魔法少女姿のも,あれはアリだと思うんですが...

 あくまでもバイオリンに拘ることみは「バイオリンの発表会」を提案するのですが,実はこれって自分自身をことみのバイオリン攻撃から守る手段だったんですね...いやぁ,いかにもらしい策略です。
 バイオリンの練習のために演劇部室を出ていくことみと,それに付き合って出ていく。ということは,演劇部室に残っているのは朋也の二人きり。これもの策略?
 しかし,から「二人きりになったけれど,何をする」と言われて,「寝る」と答えた朋也のヘタレっぷりにはガッカリです(^^;)。実は照れ隠しだったのかもしれませんけれどね。
 ボケボケトリオを残して朋也と二人で帰る。なんだかんだといって,実は自分が朋也と二人になりたいだけなんだけれどね。そして,ここで『杏シナリオ』の重要ワードである「あんたのこと好きで好きで仕方のない娘がいたら,あんた付き合う?」が登場。ということは,この後『杏シナリオ』に絡んだストーリー展開もあるんでしょうか?

 日曜日,自分の家に居場所を感じることのできない朋也が学校へ行くと,そこにはことみの姿が。日曜日なのに図書室にいるなんて,ことみもまた自分の家に居場所を感じることのできない一人なのでしょう。
 朋也が来るかもしれないと思って作ってきたお弁当はアップルパイ。ミートパイじゃないのね(^^;)。
 「もし,嫌じゃなかったら,二人で一緒に....」ともじもじする様は,朋也じゃなくても勘違いしちゃいますよね...でも,その続きが「ご本を読みたいの」...じゃぁ,ガッカリです(^^;)。
 それにしても,「ことみの声が好きだ」って,それ,立派な口説き文句ですよ,朋也くん。
 ことみの朗読を聞きながら眠ってしまった朋也が見た奇妙な夢(ことみの順番でヒロインズが登場)がまたやたら凝っているというか...

 バイオリン演奏会は,まさにジャイアン・オン・ステージというか,阿鼻叫喚。
 次々と倒れていく人々や獣たちを見ると,ことみが弾くバイオリンの殺傷力がいかに強いか良くわかります。それにしても,事前に耳栓を売って歩いたはさすがですが,それ以上にあの最終兵器に合わせて最後までカスタネットとトライアングルで競演していたの強靱ぶりには感心するというか呆れるというか....実はこの二人はとても強い女性なのかもしれません。

 その帰り,ことみの前に現れた謎の男......いやぁ,思いっきり怪しすぎます。あそこまで「私は不審人物です」って格好をしなくてもいいと思うんですけれどね......(^^;)。

 次回はいよいよことみの『哀』の部分が明らかになるのでしょうか?
 

第12話『かくされた世界』 2007/12/21放送

 友達ができて嬉しいと言いながらも何故か涙を流すことみ
 そんな波乱を予感させるアバンで始まった『ことみ編』第3話。

 と思ったら,いきなりことみの脱力ギャグで腰砕け。
 そ〜いや「まが〜る」って『ハルヒ』でも使われていたような...
 しかし,常人には理解不能の脱力ギャグとはいえ,の情け容赦ない口撃に対して堂々と立ち向かうとは,ことみもずいぶんと成長したものです。

 そして,『ことみシナリオ』で一番楽しいイベントでもあった集団デートも,の発案において実施されますが,集団デートというのに,男一人とは...なんて素敵なハーレム。それにしても,誘うことすら即断で却下されてしまう春原が哀れでなりません...つ〜か,今回は登場すらしてないんじゃないのか?(^^;)。
 まぁもっともは集団デートにかこつけて自分が朋也とデートがしたかっただけなのかもしれないのですが...デート時の服装もお弁当もずいぶんと力が入ってたし......そ〜いや,お弁当のシーンでが何やら落ち込んでいるのは,彼女が壊滅的な料理下手だからなんでしょうね(ゲームではそういう設定なんです)。
 それにしても,誕生日が近いということみのプレゼントにが選んだのがクレーン・ゲームのぬいぐるみとは......これじゃぁますます『らき☆すた』の某姉と重なってしまうじゃあないですか(^^;)。しかも,何回やっても取れないところまでいっしょだし......もっとも,の場合は自腹でなくて朋也が金をだしているあたりがいかにもらしいというか......あれって,自分自身が一番楽しんでいるよね。
 どうしてもぬいぐるみ(これって大アリクイ?)が取れないの前にさっそうと登場したのは.....なんとびっくり,風子じゃないですか。皆,漠然としか風子のことを憶えていないのですが,「今は思い出さないくていいです。いつか自然に再会する日が来るはずです」って...彼女は自ら伏線を張るために登場したってことですか?もちろん,風子がゲットしたのはヒトデ(実は星形の)ぬいぐるみだったというオチも付けてくれます。

 夕焼け空と飛行機雲。誰もが美しいと思うその光景に一人目を背けることみ。これもまた伏線のひとつなんですが,彼女がどのような思いでそれを見たのかと思うと,切なくなります。

 燃える部屋とそこにいる少女と少年。そしてそこに現れたのはあの謎の中年。主人公が夢の中で徐々に過去を思い出していくってのは,Key作品のお家芸ですね。
 夢見が悪いとぼやきながら登校する朋也(そ〜いや,アニメの朋也って,連日真面目に登校してますよね)が背中に感じたやわらかくて丸い形状のものは....なんとうらやまし...ゲフンゲフン...そ〜いや,クラナドのヒロインの中で一番の巨乳って実はことみなんですよね。ところで,『ムネガさん』ってどこの誰ですか?(^^;)。

 そんな穏やかな日常がの告げた『が乗っていたバスが事故にあったかもしれない』という一言をきっかけに崩れ去ってしまうのです。
 実際はそのバスにはは乗っておらず無事だったのですが,事故現場を見たことみは崩れ落ちるように倒れ,そして赤ん坊のように身を縮めて泣き続けます。目を見開いたまま「いい子でいるから」と譫言を言いながら泣き続けることみの様子からは何か尋常でないものを感じてしまいます。
 この場面は『AIR』で観鈴が発作を起こした場面に匹敵するくらいに衝撃的でした。

 その日早退したことみの家を訪ねた朋也(ゲームとは異なり藤林姉妹も一緒です)は,かつて自分がことみの家に来たことを思い出すのですが,ゲーム本編をやっていたとき,この場面で「なんてレミー・シナリオ?」と思ったことは内緒です。
 庭側から挨拶も無しに家に上がり込んだ朋也(こりゃ立派な家宅侵入ですね(^^;))が2階で見たものは,夕焼けのせいで火事のように真っ赤に染まった部屋の中で一人座り込むことみの姿と壁一面に張られた切り抜き。そして,朋也の足下に飛んできた新聞の切り抜きにはことみの両親が飛行機事故で亡くなったという記事が...

 いよいよ『ことみ編』も佳境に入ってきましたね。
 ゲーム本編では朋也一人でやり遂げた庭園改修ですが,アニメではやはり藤林姉妹も絡んでくるんでしょうね。つ〜か,そうじゃないと怒りますよ(^^;)。

 それにしても,アバンで笑顔のアップが映される等,ゲーム本編と比べてアニメ版の仁科さんはずいぶんと優遇されてますねぇ...もしかしたらゲーム本編ではヒロインの一人であったゆきねえよりも扱いがヒロインっぽいかもしれません(^^;)。
 

第13話『思い出の庭を』 2008/01/11放送

 年末年始を挟んだため3週間ぶりの放送です。
 一話完結でない続き物のアニメで3週間も間が空いてしまうのは興をそがれてしまいます。あんなど〜でもいいような番組を放送するぐらいなら,『Clannad』放送しろよ...と言っても仕方のないことなんですが...それでも,前回はどんな終わり方だっけ...とちょっぴり考えてしまったのは,これは私の記憶力の問題だけではないと思います...いや,そのはずです(^^;)。

 さて,今回は前半で「ことみと朋也は幼少時代友達だったこと」「ともに著名な教授であることみの両親が飛行機事故で亡くなったこと」等,ことみの過去が明らかになります。

 最初に図書館で会ったとき,ことみはすぐに朋也のことを思い出したのに,朋也の方はことみのことをすっかり忘れていた......と,これだけでは朋也がいかにも薄情な人間のように思えてしまいますが,実は朋也ことみのことを忘れてしまったのには,それなりの理由があるのです。その理由については次回明らかになるのではないでしょうか。
 しかし,子どもの頃からフラグ立てまくりとは,さすがギャルゲー主人公です(^^;)。

 ことみが父親に誕生日プレゼントとしてねだったのはクマのぬいぐるみ。第10話で,ことみがクマの着ぐるみ姿の智代に抱きついたのも,実はこれの伏線であり,そしてことみシナリオのクライマックスの伏線でもあります。
 そして,突然の学会参加のために誕生日をともにできなくなった両親に対して,ことみが最後に告げた言葉が「大嫌い」という哀しい言葉だったことが,ことみにとっては大きなトラウマとなっており,また,それ故に,大好きな人が自分から去ってしまうことに対する恐れも人一倍強いのです。これが前回「椋が事故にあったかもしれない」と聞いたことみが突然倒れ,「いい子でいるから」と譫言を言いながら泣き続けていた理由なんですね。そして,第10話で「泣くのは嫌」といっていたのもこれの伏線だったのです。
 ことみが新聞や本から鋏で切り取っていたのは,両親のことが書かれていた部分であり,そして,それが父親の論文を燃やしてしまったことに対する『罪滅ぼし』であると考えていたからなのですが,実はことみが父親の論文を燃やしてしまったシーンには続きがあるんですよね。それは朋也も関わっていたことなのですが,彼の記憶からは消えてしまっているのです。

 「今は帰って」と朋也を拒絶することみ。しかし,彼女が拒絶したのは朋也だけでなく,自分が親しくなった人達全員であり,それはもう二度と哀しい想いをしたくないという理由からなのです。

 閉じこもってしまったことみのためにと,ことみの家の荒れ果てた庭のガーディニングを始める朋也
 う〜む,これって,ことみ朋也にとっての庭の存在意義が明らかになっていない現状においては,ゲーム本編をやってない人にとってはずいぶんと唐突な行為だと思われるんじゃないかな?
 もちろん,これにはきちんとした理由があるんですが,これも次回で明らかになることでしょう。

 一方,藤林姉妹も,あのバイオリンを元の持ち主から譲ってもらい,ことみにプレゼントしようとするのですが,思わぬ事故からバイオリンを壊してしまいます。いやぁ,見事にネックがまっぷたつですね。これじゃぁ白石店員が「新しいの買った方が安いですよ」と言ってしまうのも当然かもしれません。
 それにしても,妹の恋敵である(実は自分自身の?)ことみのためにあれだけ熱くなれるって,ほんと〜に良い娘です。いや,もちろんことみのことをきちんと考えているのですが,楽器屋での言動やバスの中での言動から,どうしてもの可愛らしさというか魅力が目立ってしまうんですよね。
 朋也から「夜遅くなると家族が心配するから」と先に帰るように言われたときに,まっさきに帰ろうとしたのも,決して薄情なわけではなく,自分が先に帰ろうとしなければ,もなかなか帰ろうとしないことをわかっていたからであり,実はああ見えては思いやりの人なんです...って,ことみのシナリオなのに,のことばかり書いているような気が...(^^;)。

 結局,藤林姉妹朋也のガーディニングを手伝うことになるのですが.....え〜っと,これはアニメ・オリジナルですよね。確かゲーム本編では最後まで朋也一人でやり遂げたと記憶するんですが...
 一緒になってガーディニングをする藤林姉妹を見て「俺は一人じゃないんだ」と朋也が思うシーンもゲーム本編では無かったんじゃないかな?この部分だけでも,アニメ版はゲーム本編以上に人と人の関わりに重点を置いているような気がします。
 それにしても,藤林姉妹,そしてことみを結びつけたのが他ならぬ自分自身だということをこの男は理解してないようで...いやぁ,さすがはギャルゲー主人公的朴念仁ぶりを見せてくれますね。

 さて,いよいよ次回でことみ編も終了かな?
 

第14話『Theory Of Everything』 2008/01/18放送

 『ことみ編』クライマックスの回。

 今日も今日とてガーディニングに励む朋也君。
 ゲーム本編と異なるのは藤林姉妹が手伝ってくれてるってことです。
 ゲーム本編の『ことみシナリオ』もヒロイン同士の交友が目立つシナリオでしたが(特ににとって友達らしい友達ができるのはこのシナリオだけという哀しさ(^^;),アニメ版ではさらに『友情』をメインに押し出した構成になっているようです。もっともそうでもしないと,これは朋也ことみが付き合わなければおかしい展開になってしまいますからね。

 ところで,朋也ことみの家の庭の再生に取り組んでいる理由ですが,これは残念ながらアニメではきちんと表現されていないような気がしてなりません。
 ことみにとって『庭』とは,そこには両親がいて,ただ一人の友達であった朋也が遊びに来てくれた,そんな「かつてあった『幸せ』の象徴する場所」なのです。荒れ果てた庭を再生させることができれば,ことみも絶望の淵から立ち直ることが出来る,そう信じたからこそ,朋也は学校をサボってまで(これはいつものことか(^^;)ガーディニングに励んだわけであり,そんな朋也の姿を見ていたからこそ(アニメの場合はヒロインズも一緒ですが),そして日一日と庭が再生されていく様子を見ていたからこそ,ことみは再生をとげることができたのです。

 徹夜でガーディニングを終了させた後,居眠りをした朋也が見たのは,初めてことみと出会った頃の夢。
 そして,夢から覚めた朋也の前には『初めて出会ったときと同じ服装をしている』ことみの姿が...
 ここもねぇ,何故ことみが『初めて出会ったときと同じ服装』をして朋也の前に現れたのか,アニメしか知らない人にはわかりづらいんじゃないでしょうか?
 それにしても,この場面でのことみの台詞って,愛の告白にしか聞こえないんですが...
 しかし,それに対する朋也の返事が「みんな待ってるぞ」って......そんな酷なことはないでしょう(^^;)。
 もっとも,ここでことみとデキちゃったら,今日が『CLANNAD』最終回になってしまいますが......

 翌日,登校してくることみを笑顔で出迎える藤林姉妹,そして朋也
 正直,今回はこのシーンが一番ぐっときちゃいましたね。

 そして,『ことみ編』のクライマックスである,天国から届いたぬいぐるみのシーンを迎えます。
 墜落しようとする飛行機の中,世界的に重要な論文を捨ててまでジュラルミンのケースの中にしまわれたクマのぬいぐるみと両親からの手紙は,長い年月と多くの人々の手を経てことみの元に,しかも彼女の誕生日に届けられたのです。
 このシーンで乱舞する光の球は,まるであの『別の世界』でのようです。
 光の球が人の想いだとすれば,それだけ多くの想いがあのジュラルミンのケースに込められていたということですね。
 そして,両親からの想いがこめられたぬいぐるみと手紙を手にしたことで,
ことみは長きにわたる呪縛から解き放されたのです。

 ラストはバイオリンの贈呈式の直前,ことみ藤林姉妹,そして朋也を家の前で出迎えるほのぼのムードで終わりますが,ちょっと気になったのが,朋也ことみに対して「また(お菓子を)作りすぎたのか」と話すシーンです。確かアニメではことみがお菓子を作りすぎたなんてエピソードは無かったような気が......
 ということは,朋也はあの後何度もことみの家に遊びに行っており,その中でことみがお菓子を作りすぎたなんてエピソードがあったってことなんでしょうか?......なんて邪推をしたくなるくらいに,なんだか朋也ことみの間にはデキてるっぽいムードが漂ってました。まぁ,ゲーム本編では実際にデキちゃった後なんですけれどね(^^;)。

 それにしても,『ことみ編』はちょっと急ぎ過ぎちゃったなぁ...って印象がぬぐえません。
 ゲーム本編の『ことみ・シナリオ』は,ことみの奇矯な言動のほとんどが実は伏線であったということがわかったときの驚きと感動が大きかったので,それが足りないテレビ・アニメ版にはちょっと物足りなさを感じてしまいました。

 いや,もちろん,つまらなかったわけではありませんよ。凡庸のアニメと比べたら,そもそものレベルが違い過ぎます。ただ,京アニ制作アニメとしては物足りなかったというだけの話です。

 
 予告からではどんな展開になるのかまったくわからなかったのですが,さてさて,次回からはどんな展開になるんでしょう?
 

第15話『困った問題』 2008/01/25放送

 『ことみ編』が終了したということで、また『別の世界』が登場。相変わらず不思議で美しい映像を見せてくれます。

 それにしても,『困った問題』というタイトルは実にわかりやすいというか,まさに今回のテーマそのものですね。
 には,藤林姉妹ことみが名前だけとはいえ入部してくれたおかげで演劇部発足の目処がたったというのに,顧問のことで合唱部と板挟みになるという『困った問題』が発生しますが,これは逆に,仁科さん達合唱部にとっても,これは部ができなくなるかもしれないという『困った問題』でもあるのです。
 久しぶりに登場した智代の前には柔道部のしつこい勧誘という『困った問題』が発生し,そして朋也にもバスケットボールのことで春原にしくこくつきまとわれるという『困った問題』が発生。
 その春原にも実は田舎から妹がやってくるという(春原にとっては)『困った問題』が発生しているのです。もっとも,春原の存在そのものが『困った問題』でもあるんですけどね(^^;)。

 仁科さんも自分のことよりも相手のことを考えてしまうタイプなのですが,部の中心である二人がそんな状態だと,周りの方が焦ってしまうということも良くあることで,合唱部の杉坂という女の子がに脅迫状を送るという問題を起こしてしまいます。
 それでも決して相手を責めないのがであり,逆に杉坂から仁科さんと合唱部の思いを聞かされてしまうと,「演劇部はあきらめます」と言ってしまうんですよね。
 しかし,これに我慢が出来ない男が一人。
 「そんなふうに人の同情を買おうとする奴は卑怯者だ」
 なんて,春原が本気で怒る姿を初めて見たような気がします。

 もちろん,もすんなりと諦めた訳ではなく,朋也から「本当にこれで良かったのか」と聞かれ,「演劇部は再建できませんでしたけれど、もっと大切なものを見つけることができました」と答えながらも,やっぱり泣いてしまいます。あんな風に後ろ姿で泣いてる姿を見せられたら,思わず抱きしめたくなってしまうのが当然であり,朋也の肩に手を置いて良いムードに......と思ったところに,おさんが乱入。
 おさんはが合唱部に顧問を譲ったことに対して激しくご立腹の様子。なのに,何故朋也の首を締め上げているんでしょう?(^^;)。
 「人に遠慮ばっかりしてたら、夢なんて叶えられないわよ」というの台詞は,ある意味自分自身に向けた言葉でもあるんですよね。

 朋也が「どっか遊びに行こうぜ」という春原を連れていったのは『喫茶ゆき姉ぇ』。
 ここで,ゆき姉ぇの占いが初登場します。それにしても,占いの本が,実はあんなに怪しげな本だったとは....(^^;)。
 ゆき姉ぇの占いを聞いて,バスケットボール部とバスケットボールで試合をしようと決意する春原
 不可能を可能にする姿を見せつければ,合唱部も諦めるだろう....って,春原はどういう思考回路してるんでしょうか?

 しかし,そんな春原のストーカーさながらのしつこい誘いに,朋也は徹底的に無視を決め込みます。
 そんなとき,同じように柔道部からしつこく勧誘を受けている智代の姿を発見した朋也は,その場から智代を連れ去って行くのですが,何故かこの場面で風子が参上しちゃってくれます。ほんとにこの娘は唐突に現れては,何お役にも立たずに唐突に去っていきますね(^^;)。
 「お前けっこういい奴だったんだな」...って,朋也くん,今度は智代にフラグ立てちゃいましたよ。
 さすがはギャルゲー主人公,無自覚にフラグ立てまくってくれやがります。

 さて,第4話では×の百合ネタがありましたが,今回はなんと朋也×春原のボーイズ・ラヴねたが登場。「春原は俺のことが好きなんだ」という朋也の言葉をすっかり信じてしまったは,(渚視点では)しつこく朋也に迫る春原の姿を見て,思わず「岡崎さんは私の恋人ですから」と言ってしまいます。
 これは朋也春原の魔の手から助けるための言葉ではあったのですが,実は本心でもあると言っても間違いではないでしょうね......つ〜か,普通の高校生だったら,とっくにこの二人付き合っているよね。

 なんとなく照れてしまった二人の前に,春原の妹とは信じがたい少女,春原芽衣が登場したところで,今回は終了。

 珍しくシリアスになった時もあったけれど,やっぱり春原君が登場すると『笑』の破壊力が違いますね。
 今回も大いに笑わせていただきました。
 

第16話『3 on 3』 2008/02/01放送

 春原の部屋のあまりの惨状ぶりを嘆きながらも,完璧に掃除しちゃう芽衣は,とても春原の妹とは思えないしっかりとした娘さんです。いや,春原がアレだから,必然的に妹がしっかりしなくちゃならなかったんでしょうね...某団子屋の看板娘のように...。
 それにしても,あの春原のことを「だめなところもあるけれど,本当は優しいお兄ちゃんなんです」と言うなんて,なんて健気な娘さんでしょう。これじゃぁ朋也ならずとも「俺の妹になってくれ」と言いたくなっちゃいますよ。
 でもまぁ,本当に土器をお土産に買ってきちゃうあたりは,やっぱり春原の妹なんだなぁ...と思ってしまうのですが...しかし,遮光式土器とはずいぶんとマニアックですねぇ。
 そんな芽衣ちゃんから期待されたら,朋也もバスケの試合に出場せざるをえません。

 翌朝,遅刻寸前の朋也が目にしたのは,桜並木で佇む智代の姿。このあたりは智代編の伏線ですね。
 「私と一緒にいて遅刻は許さん」と朋也の手を取って駆け出す智代
 その様子を後ろから見ていてため息を付く女性が一人。
 「また別の女が出てきた
 って......本当にも心労の種が尽きませんね。しかも,朋也自身がそれに対してまったく無自覚だというのがまた困りものです。

 バスケの試合参加に二つ返事で了承する
 そりゃぁ,朋也が一緒にやるんですから『嫌』と言うはずがありません。
 それに比べて春原に対する扱いがまったく違うのが笑えます。
 「主従関係」「命令をちゃんと聞く手下」って....やっぱりちゃんは天性のいじめっこだ(^^;)。

 昼休み,堂々上級生の教室に入ってきて,遅刻常習犯である朋也に説教をする智代はさすが大物といいますか...
 ここでも春原の扱いは酷くて,智代からは「私は春原なんかに興味はないぞ」と,「なんか」よばわりされちゃってます。
 そして,「私が会いに来たのは春原ではなく岡崎だ」という絶妙のタイミングで,
 「ちょっと,あなた,よその教室で何してるのよ」とおさん乱入。でもね,よその教室という点ではあなたも同じなんですが(^^;)。
 そんなに対して「何故,そんなに怒る。もしや,あなたは岡崎のことが好きなのか?」と的確すぎるツッコミを入れる智代
 この攻撃にはさすがのも絶句です。
 いやもう,このときの「なっ」と一瞬で真っ赤になり「そ,そんなわけないでしょうバカバカしい」とあわてふためくの姿が可愛すぎです。思わず何度もリピートして見ちゃいました。
 しかしながら,洞察力に優れていても,恋愛に関しては朴念仁な部分のある智代は,
 「お前は今付き合っている相手がいるのか?」と朋也に訊ね,朴念仁ではさらに上をいく朋也がいない旨を答えると「(今付き合っている相手がいないのなら)お前とこうしていても不快に思う女子はいないわけだ」とさらにきつ〜いツッコミを入れてしまうわけですが......あの〜,思いっきり不快感丸出しの女子が目の前にいるんですが(^^;)。
 「こいつは私と先約があるの」と朋也を拉致していくですが,こりゃもう戦略的撤退といっても良いでしょう(^^;)。
 それにしても,春原から「おまえ,まさか岡崎に気があるんじゃないだろうね」と聞かれたときの「そうか,もしかしたらこれがそういう気持ちなのかもしれないな」という智代の言葉が気になります。ついに智代にもフラグが立ったってことなんでしょうか。

 バスケの試合当日,バスケ部から「あんな底辺組の連中と組むなんて,お前も落ちたもんだな」と言われて怒り狂う。でも,これは「お前も落ちたもんだな」と言われたことよりも,朋也のことを「底辺組」と言われたことの方を怒ってるんでしょうね。

 さて,試合の方ですが,前半の1年生相手のときは,の辞書投げシュート(^^;)や思いがけない春原の華麗なプレーもあって,圧勝状態です。
 『杏さま応援団』って......確かにおさまは下級生の女の子から人気がありそうだよなぁ。
 しかし,メンバーがレギュラーに替わったらさすがに相手にならず,ラスト20秒前で1点差に逆転されてしまいます。
 「なんで俺,こんなに頑張っているんだろう。くだらない,こんな試合するんじゃなかった」と一度は諦めた朋也ですが,「岡崎さんシュートです」というの一言により「そんな俺にだって辿り着きたい場所ができたんだ」と渾身の力を込めたラスト・シュートで逆転勝利。
 ところで,バスケ部の主将が何気に良い人で,ゲーム本編のサッカー・イベント時のサッカー部のような陰湿さが無かったのが良いですね。

 芽衣ちゃんの登場は今回1回だけみたいだけれど,それでもまだ半ばモブキャラ状態になっているゲーム本編ヒロインよりは良い扱いだよなぁ(^^;)。

 さて,予告を見ると,次回からはまた状況が動きそうな感じですね。

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