星ぷら日記

 あの日,目映い閃光の中に僕の夢は消え....。
 空白の歳月を経て,僕は今,あの時と同じ場所にいる。

それぞれが別々の時間を過ごしていた仲間達は,
再会しても以前のようには付き合えなくなっていた。

固まった時間と....そして,動き出す時間。

最後の仲間を加えたとき,僕たちの時間は再び動き始める。
そう,僕の夢も....。

【ケース裏解説文より】

 『星空☆ぷらねっと』はD.O.から2000年に発売となったゲームですが,この『夢箱』は『星空☆ぷらねっと』にVoiceを加えCGをリニューアルしたものに,オリジナルドラマCDと主題歌牧志シングルCDをセットにして2003年に発売されたものです。『加奈』や『家族計画』の山田一氏がシナリオを担当しているというので以前から気にはなっていたのですが,今回お手頃価格で落ちていたので拾ってきたというわけです。
 そして,これはそのリアルタイムなゲーム記であり,当然ながらネタばれ全開ですので,これからやってみようとする方はそのつもりで読んでくださいね(^^;)。
7月11日

 我が家の新恋愛ゲーム専用機,Sony Vaio PCV-J12にインストール。が,HDが満杯に近いので,その前にやらないゲームをデリートしなけりゃならんのです....う〜む,困った....悩みながらもなんとか容量を確保。インストールは無事に終了しました。

 みんなで集合写真を撮るオープニング。これは子供の頃の写真のようですね。

 数年ぶりに天美市に戻ってきた主人公正樹慎太郎以外のかつての仲間達(何故か皆女の子(^^;)との間に距離を感じています。
 その仲間達とは
 
相馬蘭子。陸上部の特待生。慎太郎曰く前のあいつと違う。
 
真田恭子。剣道部主将。かつて姉のようだった人。
 
藤原佳多奈。自閉症の少女。理数系は凄いけれど文系はまったくダメ。正樹は彼女には謝罪しなければならないことがあると思っている。
 
山本ゆかり。学内のリストランテでバイトをしている。正樹のことを「まーくん」と気軽に話しかけてくれる唯一の女の子。
 そして,もう一人の仲間であった
星見瞳は,転校した後どこにいるかわからない状態。

 オープニング・テーマ。なんと作曲者は野村義男(ヨッチャン)なんですね...こりゃ吃驚!

 天文部の部室の上から落ちてきた少女。この謎の転校生こそ行方がわからなかった星見瞳です。7年前は無口で無愛想だった彼女が,何故か今は良く笑う(そしてかなりドジっ娘属性)少女に変わってたのです。

 相馬蘭子とは小学生時代の同級生。その頃の彼女はクラス委員で,責任感は強いけれど意地っ張りで口うるさい女の子でした。なのに,何故か今は避けられている様子。

 天文部部長二ノ宮天子は苛烈,豪快,熱血の三拍子揃った人物。彼女は攻略対象じゃないのかな?それにしても,実践フルコンタクト天文観測って何だ?

 正樹が幼い頃怪我をしたときに助けてくれたのが真田恭子
 昔から超然とした感じだったみたいですが,しかし,「お姉さまと呼べ」とか「私がひろってきたから私のおとうと」ってのは凄いな(^^;)。
 その日から
恭子の『おとうと』になった正樹。しかし,今では遠く離れた先輩と後輩の間柄。

 佳多奈は,小さい頃正樹のことを「まー兄」と呼んで慕っていたのに,今ではすっかり笑顔を忘れてしまっている。そして,佳多奈を変えてしまったのは自分ではないかと思う正樹

 朝,正樹が駅の立ち食いそばを食べている時に現れた謎の外人少女はティーナことサーシャ。しかし,外国人留学生でティーナって,某下級生なゲームですか?(^^;)。

 サブ・キャラにも個性的な人物がいます。
 天文部部長
二ノ宮天子は苛烈,豪快,熱血の三拍子揃った人物。彼女は攻略対象じゃないのかな?
 保健室の主
朝末先生もまた強力なキャラです。その格好は学校にあるまじきものでは?しかも酒まで飲んじゃうし....だからといって生徒に酒を勧めるのはいかがなものかと(^^;)。
 その
朝末先生から『対佳多奈方面軍総司令官』に任命されてしまう正樹君。

 とりあえずメイン・ヒロインであろう星見瞳狙いで進めていたのですが....え?なんだか全然イベントらしいイベントがないぞ....と思っているうちにいつの間にか冬になり,帰省する正樹。なんと実家には妹(朝子)もいたんですね。
 そして,母親の墓参りの場面で終了。
 これは....う〜む,いわゆるバッドエンドのひとつなんだろうか?

 どうやら何事も自分自身の力でやる気にならなければダメみたいですね。
 あと相馬さんとの関係もある程度良好に保つ必要があるみたいです。

 これらの点を考えてもう一度やり直してみましょう。

7月12日

 『星見瞳シナリオ』終了。
 選択肢に気を付けて最初からやり直してみたら,前回にはなかったイベントが多数発生。
 まず,8月1週には定番の海水浴。溺れるを助けようとして逆に溺れてしまう情けない正樹
 8月2週には天文部の夏合宿。ここでがかつていっしょに宇宙に行くことを約束した少女であることがわかります。
 10月,京都奈良へ修学旅行。ホテルの屋上流星雨を見る二人。
 体育祭では,体調の悪いが障害物競走途中で倒れてしまいます。そして,保健室で偶然のキッス。
 文化祭。プラネタリウムの中で手を繋ぐ二人。
 それにしても,がフィナーレ・タイムに火の中に入れた隆道君人形って....(^^;)。

 主人公正樹はかつて宇宙飛行士になることを夢見ていましたが,母親が務めていた三陸技研航空開発事業部・天美工場の爆発事故に巻き込まれ,母親を失ってしまいます。この事故で夢に裏切られた正樹は夢を持つことをすっかりやめてしまったのです。
 ジョンと
からもう一度宇宙飛行士の夢を持つように激励を受けた正樹は,夢からそしての想いから逃げ出してしまい,そして正樹を遠ざけるようになってしまいます。

 そんな状態が続いたある日,大学説明会でジョンがSASの話をしている最中,が倒れてしまいます。
 
ジョンから「は先天性心疾患であり,そのため決して宇宙飛行士になれないが,しかし,彼女は夢をあきらめようとはしなかった。」という話を聞かされた正樹は,昔の自分を思い出すために帰省し,そこでもう一度夢に向かおうと決意します。

 1年後SASに合格した正樹は星空の下でと再会。
 「まーくんがいられたからわたしはわたしでいられたから....だから,まーくんにも笑って欲しかった....夢を諦めないで欲しかった」という
の言葉が良いですね。
 互いの思いを打ち明けた二人は,
正樹の部屋で初H。

 そして,二人分の夢を抱きながら旅立っていく正樹
 山のようにお土産を買って持ってきた
の乙女心がなんとも切ないです。

 エピローグでは,宇宙飛行士として正樹が宇宙に飛び立っていきます。も管制官として参加。二人でちゃんと夢を叶えたというHappy Endで幕を閉じます。

 って,頭の良い日和(^^;)って印象を受けたのですが,何故小学生の頃あんなに暗かった少女が反転しちゃったのではないか....と思うくらいに性格が変わってしまったのは何故か....その理由が良くわからないんですよね。本編中において自分自身の意志で自分自身を変えたみたいなことも書いてありましたが,どうもベクトルを間違えてしまったのではないかって思うくらいに常人とずれているんですよ(^^;)。
 う〜む,それともイケナイきのこでも食べちゃったのでしょうか?(^^;)

 ところで,リニューアルされたCGですが,私の場合最初からこちらを見ているので何の違和感も無いのですが,元ゲームをやった人からすれば違和感ありまくりでしょうね。だってこれじゃあまったく別のゲームですよ(^^;)。リニューアルする際,同じ原画家が新たに書き換えるということは良くありますが,しかし,原画家そのものを変えてしまうってのは珍しいケースですよね。う〜む,何かトラブルでもあったんでしょうか?(^^;)。

7月15日

 前回『って,頭の良い日和(^^;)って印象を受けた』と書きましたが,訂正します。って頭の良い(^^;)せりなって感じですね。特に自分の夢(目標)を見失ってしまった主人公を時には強引に引っ張って行く姿は良く似ていると思います。

 ところで,このゲームには主人公が天文部ということもあって天文学関係の話題(望遠鏡とか星座とか星雲とか)が良く出てくるのですが,かつて天文ガイドを愛読していた天文少年であった私にとっては,それが実に懐かしいというか心地良いんですよね。

 というところで
 『
相馬蘭子シナリオ』終了。
 いやぁ〜,相馬さんはいいなぁ....ゲームのケースに描かれていたイラストを見たときから良い感じだとは思っていたのですが,ここまで破壊力のある女の子だとは思いませんでした。

 再会した頃は無視するような姿勢を見せ,なおかつ「今の今村君は大嫌い」と激しい怒りをぶつけていた相馬さんですが,『勉強を見てあげたり』『海水浴に一緒に行ったり』といったイベントを経るうちに徐々に正樹に心を開くようになり,『修学旅行の自由行動で二人で出かけた』時にほんのりと顔を赤らめたり,『夜ホテルの屋上』で楽しそうな笑顔を見せたときには,それまでのギャップの大きさもあってか,とても嬉しくなってしまいました。いやぁ,これはもう山田マジックに填ってしまった証拠ですね(^^;)。
 ところが,ここからが凄いんです。
 学校の屋上で
相馬さんから「私,今村君が好き」と告白され,しかもキスまでされちゃったときには(しかし,「ちょうだい」ってのは...クル言葉だよね(^^;),完全に相馬さんにノックアウトです。しかも,正樹から返事を受けたときには「子供の頃からずっと好きだった」と電話越しに泣いちゃうんだよ....これを萌えずにいられるわけがありません。
 冷たかった女の子が一転甘えん坊になるのって非常にクルものがありますが,彼女の甘えっぷりもまた実に破壊的です。わざわざ狭い窓に二人並んで「くっつきたかった」と言ってみたり,はたまた「チューして」なんて言われちゃうと....いやもう完敗です。

 もちろんストーリーも良いんですよね。
 何故彼女が走るようになったのか....そして何故正樹に対して冷たく振る舞っていたのか....現在進行しているストーリーの中に過去(小学生時代)のストーリーをうまく織り込むことによって,徐々に明らかになっていく様は本当に上手いシナリオだなぁ〜っと思います。

 『星見瞳シナリオ』では正樹を進むべき方向へ進ませる役割を果たしましたが,この『相馬蘭子シナリオ』では正樹相馬さんを進むべき方向へ進ませる役割を受け持っています。
 もう一度
蘭子に走ってもらうためとはいえ,クリスマス・イヴの夜に別れを告げる正樹。この別れのシーンがとても切ないんですよね。
 しかし,『別れ』をエンディングにもってくるとは思いませんでしたよ。

 エピローグは特急の中で正樹からプレゼントされた陸上用の靴を胸に抱いて泣く相馬さんの姿。このときの台詞がまた泣かせるんです。

 さて,お次は誰にしようかな?

7月17日

 『山本ゆかりシナリオ』終了。
 小さい頃は兄妹同様に育ち,どちらかといえば年上の正樹の方がいじめられていたくらいに活発だったゆかりが,同じ高校の後輩として,また高校にできた新しいカフェテラス『迎賓館』のウエイトレスとして正樹の前に現れる。
 他のヒロイン達の多くが
正樹に対して微妙な距離を保っているのに対し,ゆかりは何事もなかったように昔同様の会話をしてくれる希有な存在でした。
 だからでしょうか,
正樹ゆかりに対しては何も構えることなく自然な会話ができるんですよね。
 会話の内容もまたギャグが多くて楽しめます。もし
志保が幼なじみだったらこんな感じなのかもしれないなぁ....なんてことも思ってしまいました。

 正直言ってこのシナリオは先にやった『相馬蘭子シナリオ』と比べるとストーリー的に楽しめる...というものではありません。それよりもゆかりという元気な小悪魔の魅力を楽しむシナリオと言った方が正解かもしれませんね。
 
ゆかりの魅力は何よりもまず『ポジティブ』であるということです。彼女がどんどん前に引っ張っていくので,すぐに後ろ向きの考えに陥りやすいヘタレ属性の強い正樹がこのシナリオではあまりヘタレずにすんでいるんです。
 そして思ったことをすぐに実行に移すという実行力も持ち合わせています。何しろ,修学旅行に行っている
正樹に会うために,わざわざ一人で(しかも学校を休んで)京都に行っちゃうくらいですから。初Hもどちらかというと....いや,完全にゆかりがリードしてますしね(^^;)。
 そのうえ,
ゆかりは連続で宝くじは当てたり,初めて望遠鏡を覗いたら超新星を発見しちゃうという,とてつもない強運の持ち主でもあるのです。そ〜いえば,これをきっかけにゆかりは宇宙飛行士になろうと決意するんですよね。

 『星見瞳シナリオ』が正樹に夢を取り戻させる物語,『相馬蘭子シナリオ』が正樹相馬さんに夢を取り戻させる物語であったのに対して,この『山本ゆかりシナリオ』は,ゆかり正樹が共に同じ夢を追いかける物語なのです。

 エピローグ。SASで再会する二人。
 もしかしたら,
ゆかり正樹にとってのベスト・パートナーなのかもしれませんね。 

7月20日

 サーシャ・ノーブルグ・シナリオ』終了。
 貿易商の娘(ということになっている)で金髪で怪しげな日本語使う女の子....これで諺が好きだったりしたら,某レミイ嬢だよな(^^;)....もちろん,まったく意識してないわけではないんでしょうね....なにしろ,基本ですから(^^;)。ちなみに謎の留学生ということでは『下級生』ネタもしっかり入ってます。

 このシナリオは...やっぱり『ローマの休日』なんでしょうね。
 お忍びで日本にやってきた某国の王女と日本の一般市民の学生との恋。まぁよくあるパターンといえばパターンですが,シナリオが良くできているので,たとえネタはありふれていても,十分に楽しめるものでした。

 初めの頃は日本及び日本語に慣れないサーシャの可愛らしさを中心にほのぼのとしたムードで話が進むのですが(もちろん,隠し味として彼女の背後にある哀しさも語られていますが),それが文化祭で一転ハードな世界に突入します。
 特に屋上でのイワンとの死闘はなかなかスリリングでしたが,まさか恭子先輩が助けに来てくれるとは思いませんでしたね。今までやってきたシナリオではほとんど関係してこなかったので,何だかとても新鮮な感じがしました。
 このことで自分が王女であることを正樹に知られたサーシャが涙ながらに語る「友達やめられないでほしいんですけど」という言葉が何とも切ないですね。

 一難去って幸せになるかと思ったら,突然サーシャが帰国しなければならなくなるというアクシデントが...
 そこで正樹がとった行動とは....実家へ駆け落ち?....いや,学生らしいといえば学生らしいんですけれどね(^^;)。しかし,結局国のために帰国するサーシャ

 ここで終わったら,これまでのシナリオとの関連がまったくなくなってしまうところですが,なるほど,SAS開校に多額の出費をしたのは彼女の母国フスクスだったんですね。ということは,サーシャの手紙に同封されていた王女公認チケット(優待券)とは....ここで正樹の夢につながるわけだ....
 しかも,王女としてインタビューに答えるサーシャは「心に決めた人がいる」と爆弾発言しちゃうし....

 エピローグ。
 数年後,宇宙飛行士になった正樹があの立ち食い蕎麦屋(サーシャと出会った場所)で蕎麦を食べていると,フスクスが民主制になったとのニュースが流れ,そこにサーシャが現れてハッピー・エンド。でも,もうちょっと余韻が欲しかったかな....。

 ところで,サーシャも良いけれど,彼女の付き人(兼ボディガード)のディネイさんがまた良い味出しているんですよね。彼女の個別シナリオがあっても良いくらいに魅力的な女性です。う〜む,どうしてもこういう強くて優しくてそれでいて可愛らしい面のある女性って好きなんですよねぇ(^^;)。

 その他のイベントでは,黒服やディネイさんを交えての廊下掃除のイベントがありますが,どうせなら「とりゃ〜」とか「うりゃ〜」とか気合いを入れるという由緒正しい廊下のモップ掛けをやっていただきたかった....と思うのは葉の国の民だからなんでしょうか?(^^;)。

7月26日

 真田恭子シナリオ』終了。
 先輩で武道関係のクラブの主将...というと,『とらいあんぐるハート』の千堂瞳嬢が思い出されますが,恋仲になったとたんに主人公に対して大甘になるという点も共通しているかもしれませんね(^^;)。
 とはいえ,恭子さんのGoing My Wayな天然ぶりは恭子さん以外の誰でもありえませんが....

 初めは正樹に対してそっけないというか冷淡に思えた恭子さんですが,実はそれには哀しい理由があったことが後になってわかります。
 しかし,正樹が剣道部の助っ人部員となったことから徐々に離れていた距離が近くなっていくのです。
 その初期のイベントとしては『正樹料理人イベント』『夏合宿イベント』等がありますが,やはりメインは『夏合宿イベント』ですね。このイベントで実はパーフェクト超人と思われた恭子さんがカナヅチであること,そして怖いものが嫌いだということが明らかになります。
 また,肝試しイベントのアクシデントの際に正樹恭子さんから守られていた幼い頃を思い出すのですが(しかし,小さい頃の慎太郎は本当に嫌なガキだったんだな(^^;),なんと二人の混浴シーンまであります....もっとも停電のため画面は真っ暗なんですが(^^;)。そして,恭子さんが剣道を始めたのも実は正樹を守るためだったのです。

 このシナリオには他のシナリオに登場しない重要キャラが二人登場しますが,その内の一人がかつて恭子の家に一緒に暮らしていた三剣大介です。小さい頃は内気で暗い少年だった大介ですが,何故か現在は典型的な嫌な男と成り果てていました。

 正樹が助っ人をしている男子剣道部は何故か予選を突破してしまうのですが,本戦当日,正樹は以前佳多奈を助けようとしたときにやりあった男達に見つかりボコされてしまいます。正樹を助けたのは恭子さんですが(大介の野郎はただ見ているだけだった),彼女は男達に怪我をさせてしまった暴力事件の責任をとるために剣道部を辞めさせられるだけでなく,無期停学にまでなってしまいました。
 ところが,そんなことは全然気にしないのが恭子さんらしいというか,停学中の身であるにもかかわらず学校まで正樹を迎えに行ってしまいます。

 さすがに修学旅行には恭子さんは来ませんでしたが,正樹はホテルの屋上で流星雨を見ながら恭子さんから『拉致監禁』された過去を思い出します。とはいえ,それはあの事故の後ふさぎこんでいた正樹が田舎に強制送還されないためにやったことなのですが....
 恭子さんに電話をかける正樹。「あのときのことは恨んでいない」という正樹の言葉に「正樹が許してくれた」と喜ぶ恭子さん。「早く帰ってこい」「お前に会いたくなった」とはなかなかの殺し文句ですが,しかし,これって立場が逆だよね(^^;)。

 デートの途中(いつのまにか昔のように「正樹」「恭子ちゃん」と呼び合うようになっている二人)突然「気分が悪くなった」といって倒れてしまった恭子をアパートに連れていくと,「婚約させられてしまった」と衝撃の告白が...。断る勇気が欲しいと言って正樹を抱きしめる恭子

 文化祭。停学のとけた恭子ちゃんといっしょに文化祭巡り。
 剣道部の倉庫前で言い争う大介恭子ちゃん。なるほど,恭子ちゃんの婚約者は予想通り大介なんですね。

 「正樹の顔が見たかったから」という理由で公園に呼び出され,そしてキスされてしまいますが,これではキスの味を覚えてしまったのか,恭子ちゃん学校でも正樹にキスをしちゃいます。「なんだかムラムラして」って...そりゃ立場が逆でしょう(^^;)。

 恭子ちゃんの兄である真田3兄弟は親の決めた婚約者である大介ではなく,正樹の味方ですが,しかし『小悪党』扱いされるとは,大介はよっぽど真田3兄弟から嫌われているみたいですね(^^;)。
 
兄から「恭子の下に生まれた末っ子。生まれてすぐに破傷風で死んでしまった)の代わりかもしれないがそれでも良いのか」と訊かれて,「かまわない」と答える正樹

 クリスマスイヴ。恭子ちゃんとデートの約束。
 
兄から電話があって恭子ちゃんの暴走(^^;)により婚約はお流れになったらしい...
 しかし名状しがたい服装とは...これはやっぱり
兄のアイデアか?
 
恭子ちゃんのクリスマスプレゼントを買った正樹は誰かに監視されているような気が....襲ってきたのは予想通り大介。婚約を破棄された逆恨みですな。
 6時半,ボロボロになってやってきた
正樹恭子ちゃんは優しく抱きしめる。
 つつがなくデートは進みますが,しかし,
兄が朝やってきたのは正樹に盗聴器を仕掛けるためだったとは!
 帰り際
恭子をアパートに誘うが断られ,傷心の正樹君。彼がアパートに着くとそこに何故か恭子ちゃんの姿が。さっきは自分がもう処女でないことに負い目を感じていたために断ったとのこと。う〜む,切ない女心ですねぇ。
 そして初H。もちろん
恭子ちゃんのリードの元で。

 真田家に婚約を許してもらうために行くが,頑固親父は許してくれない....そりゃそうだよな(^^;)。
 というわけで同棲生活の始まり(高校生なのに良い身分だこと)。
 SASに行くことを決意する
正樹,そしてそれを笑って許す恭子

 エピローグは正樹が大学に入ってから二年後。

 そ〜いえば,このゲームでライバル(恋敵)が出てくるのは『恭子シナリオ』だけなんですよね。そういう意味では一番恋愛要素が強いシナリオなのかもしれません。しかも他のゲームでは完全に文化部体質の正樹君が,このシナリオでは運動部しちゃってるんですよね。これもまた他のシナリオとの大きな相違点です。
 とはいえ,現在と過去のクロスがシナリオ構成の要となっている点では『
瞳シナリオ』や『蘭子シナリオ』と共通点があります。そういえば,『ゆかりシナリオ』や『サーシャ・シナリオ』では過去はあまり大きな要素ではないんですよね。

 キャラクター的には恭子ちゃんは好きなキャラですね。今のところ蘭子に続いてお気に入りです。なんといっても後半の大甘ぶりが良いんですよ。そういえば,それまで歩んできた道を捨てるという点では恭子ちゃんと蘭子は共通点がありますが(始めたきっかけが正樹というのも共通点だな(^^;),蘭子にとっての陸上がある意味人生の目的であるのに対して,恭子にとっての剣道はあくまでも手段であって,目的は正樹自身であるという大きな違いがあります。だからこそ対照的なエンディングになっているんでしょうね。

7月29日

 『藤原佳多奈シナリオ』終了。
 自閉症の少女佳多奈は,幼い頃正樹を『まー兄』と呼んで慕っていたが,例の事故で両親を亡くし,自身も怪我をして以後,学校には通いながらもほとんど心を閉ざしたままの日々を過ごしています。しかしながら,数学と美術に対しては恐ろしい程までの天才ぶりを見せているのです。
 久しぶりに会った
正樹に対してもほとんど無関心な状態でしたが,朝末先生から『対佳多奈方面軍総司令官』に任命されたことを機に正樹佳多奈の話し相手及び帰宅の際の送り係を務め始めます。
 初めの内はほとんど反応のなかった
佳多奈ですが,6月に入ってから「ハジメマシテ」と挨拶をしたり,授業中に教室に入ってきて正樹に抱きついて泣き出したり等徐々に反応を見せ始め,そして,7月にはそれまで送迎をしてくれていた恭子よりも正樹と帰る方を選ぶようになります。

 ところが,9月に入ると突然何かの計算に没頭し始め,学校に来なくなってしまいます。
 放課後,毎日のように
佳多奈の部屋に通う正樹
 計算をやり終えた
佳多奈は今度は眠り続けてしまいます。佳多奈がもう目覚めないのではないかと恐れる恭子

 体育祭の日,フェンスの向こうから笑顔を浮かべながら正樹を見つめる佳多奈の姿が。
 「いっとうしょう」が見たいという
佳多奈の声にはりきる正樹
 そして,
佳多奈はまた学校に通うようになります。
 ところが,文化祭の夕方,花火の音と閃光にあの日の事故を思い出してしまった
佳多奈は事故直後と同じように言葉を失ってしまいます。
 それを見た
恭子は「もう降りる」と言って去っていきますが,正樹は贖罪と思い佳多奈と一緒に生きていく決意を固めます。正樹佳多奈が自閉症になったのは,自分が事故の現場に彼女を連れていったからだと思っているのです。

 11月,ジョンから渡された佳多奈の両親の手記から佳多奈が元々自閉症であったことがわかりますが,手記の最後に書かれた「正樹少年は,佳多奈のルーツとなるかもしれない」という言葉に,正樹は決意を新たにします。
 病院で会ったアイン博士から「
佳多奈は限りなく電波に近い電磁波を,目視,または感知できたのではないか」という話を聞きます....ということは,彼女が学校の屋上で見ていたのはそれなんですね。

 何の進展もないまま12月を迎えますが,正樹は諦めることなく佳多奈に対して自閉症用のカードの訓練を繰り返します。
 そして,疲れ果て眠ってしまった
正樹が目を覚ますと,佳多奈が頭をなでながら「まー兄」と名前を呼びます。佳多奈の覚醒です。
 覚醒した
佳多奈は日々会話ができるようになっていきます。
 そのことを
恭子に電話するが,「私は脱落してしまったから会う資格がない」とのお答え。本当に頑なな人だこと(^^;)。

 「退院の時に,何が欲しい?」という正樹の問いに「あのときの飴がほしいな」と答える佳多奈。あのときの飴とは,正樹が初めて佳多奈にあげた飴のことですね。
 そして,1月3日に佳多奈が退院したときに
正樹が持ってきたおみやげは,もちろんあの飴(×30)。それを食べないでとっておくという佳多奈

 新学期から佳多奈は普通の教室に通うようになるのですが,心配性で過保護な正樹は,なんと窓の外から佳多奈を見守ろうとします。
 そして
正樹の次の目標は佳多奈に喜怒哀楽の感情を身につけさせること。
 図らずもそれに協力したのが
ゆかりちゃん。彼女のほっぺ攻撃に佳多奈は初めて怒りの気持ちを(ささやかだけれど)表します。

 卒業式の日,
佳多奈恭子に恭子の肖像画を手渡し「ありがとう」と言います。
 泣きながら
佳多奈を抱きしめる恭子

 なるほど,彼女が以前長時間かけて計算した答え「十二万五千七百四十二日十九時間三十五分後」とは,あの事故の日に正樹佳多奈に訊いた「宇宙人といつ会えるか」という質問に対する答えだったんですね。

 佳多奈の「ずっといっしょにいて」というお願いでエンディング。
 なんだかずいぶんあっさりしたエンディングだなぁ.....と思ったら,実はエピローグが長かったんですね。

 エピローグ
 SASに行くことを決めた
正樹慎太郎宮本(彼女もSAS希望)と図書室で勉強会を実施。あの,ちゃんが怖いんですけれど(^^;)。正樹君も少しは女心をわかってやれよな(^^;)。
 
佳多奈の天才ぶりは変わらぬままで,正樹佳多奈から教えられる立場に(^^;)

 SAS-宇宙エキスパートコース候補生になった佳多奈との間に距離を感じてしまう正樹は,どんどん先に行ってしまう佳多奈にコンプレックスとジレンマを感じてしまいます。
 自分を避ける
正樹に「何か悪いことした?」「嫌われるようなことした?」「一緒に帰って」と言う佳多奈が切なくて....「しっかりしろよ!」とへたれな正樹君に言ってやりたい気持ちです。
 なのに「自分とは釣り合わないからもういっしょにはいられない」と言ってしまうなんともヘタレな
正樹君。
 それを聞いて,「こんな力はいらない」と言ってまた心を閉ざそうとする
佳多奈。彼女を止めるために正樹がやったのは...キス。ここにきて初めてキスだなんて....コンシューマーのゲーム以上に遅い展開だよね(^^;)。

 文化祭。
 ジョンと一緒に
佳多奈達が体育館でやっている催し物『星の里』を見に行きます。
 司会はなんと
佳多奈。ずいぶんと成長したものです。
 ところが,
佳多奈は終了後貧血で倒れてしまいます。
 
ジョンの「燃焼力の強いものは,すぐに燃え尽きる」という言葉が意味深長です。つまりこれは佳多奈は長生きできないってことなんでしょうか?

 そして初Hは保健室のベッドの上。まったく神聖な学舎でナニを....と思ったら,朝末先生から催眠術をかけられたときに襲われたのも保健室のベッドの上でしたね(^^;)。

 最後も佳多奈の「ずっといっしょにいて」のお願い。

 『恭子シナリオ』では守られる立場だった正樹が,この『佳多奈シナリオ』では逆に守る立場になっています。このあたり対照的で面白いですよね。

 というわけで,全シナリオ終了しましたが,特に「泣ける」というシナリオはなかったものの,全般的にはとても楽しめるものでした。さすがは山田一って感じですね。
 特に過去と現在が交差する『蘭子シナリオ』『恭子シナリオ』『佳多奈シナリオ』はとても良くできたシナリオだと思います。
 キャラクター的にはやっぱり
相馬蘭子が一番かな....次は....真田恭子ですかね....

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