ある,雪の舞い落ちる冬の日....
俺は駅前のベンチで,いとこの少女,
水瀬名雪と7年ぶりに再会した。
今いる場所。
そこは,昨日まで暮らしていた俺が
育った街ではなかった。
急な引っ越しの決まった俺を,快く迎えてくれた
名雪とその母親の住む街。
そして,俺にとっては,
子どもの頃の微かな記憶の中にある,
思い出の街..
..

 『ONE〜輝く季節へ』を制作したスタッフがタクティクスを離れて作った新会社KEYの第1作となるこの作品は,1999年に最も売れた恋愛(美少女)ゲームとなり,俗に「鍵っ子」と呼ばれる熱狂的なファンを生み出しました。

 とはいえ,私はこのゲームをリアルタイムでやったわけではありません(^^;)。『ONE〜輝く季節へ』の時と同様に,『To Heart』関連のネタを探しにインターネットの海を漂っているときに,このゲームの存在を知ったのです。
 『ONE〜輝く季節へ』も面白かったし,また,インターネット上にUPされていたDNMLの作品に『Kanon』を題材としたものが多かったこともあって,それでは買ってみようかな....と決意したわけです。

 ところが,いざ買おうと思ったら,近所のShopではなかなか見つけることができず,結局買うことができたのは,翌2000年に発売された『全年齢版』だったのです。もっとも,特にHシーンが見たくなるようなゲームではないため,『全年齢版』でも全然OKだったのですけれどね。
 そういうわけで,私は今だにオリジナルの『Kanon』をやったことがありません(別に買ってまでやろうとは思いませんが.....それよりも声付きのDC版かPS2版の方が欲しいですよね)。

 さて,肝心のゲームの方ですが,オープニングの祐一と名雪の再会のシーンから『Last Regrets』が流れるところで「こいつは凄いゲームかもしれない!」と思っちゃいました
 そして,謎を含んだ夢の話から一転して『ONE〜輝く季節へ』にも通じるギャグ満載の学生生活へと移る辺りで,私はすっかり『Kanon』の世界に入り込んでいたのです。

 ことギャグのキレに関しては『ONE〜輝く季節へ』の方が上ですが,キャラクターの魅力からいえば,間違いなく『Kanon』の方が上ですね。良くゲーム(特に恋愛(美少女)関係)のキャラクターを指して,「そんな奴は現実にいるわけがない」と批判する人がいますが,それはあまりにも馬鹿げた批判としか言いようがありません。ゲーム(特に恋愛(美少女)関係)のキャラクターのような人は現実にいるわけがないし,逆に現実にいるわけがないからこそ魅力的なんですよ。
 大切なのは,そのいるわけのないキャラが,ゲームという架空の世界の中でどれだけ魅力的に動いているか,ってことなんです。そういう意味では『Kanon』のキャラクターは皆個性的でなおかつ魅力的存在であることは間違いありません。

 そして,最初に攻略したのが,よりにもよってあゆだったのです。まさか,あんなクライマックスが待っているとは夢にも思わなかったので,彼女の最後のお願いのシーンは強烈なカウンター・パンチとして私の涙腺を襲ってきたのです。これには撃沈しました。
 それ故,他のキャラクターの攻略をやっているときに彼女が出てくると,もう辛くて辛くて....思わず某『下級生』のティナを思い出してしまいました(^^;)。
 もし,まだ『Kanon』をやっていないという方がいらっしゃったら,絶対にあゆは最後に廻すことをお薦めしちゃいます。

 あと泣けたのが真琴シナリオのラストです。もちろん,プリクラのシーンも泣けましたが....
 また,この頃はあまり気が付かなかったのですが,実は『Kanon』においても家族』が大きなテーマのひとつであったことが,真琴シナリオを振り返ると良くわかりますね。

 もっとも,キャラ的に一番のお気に入りは佐由理さんのコンビなんですよ....お弁当のシーンはなんとも言えず良いですよね(^_^)。といいながらシナリオのラストは良く理解できなかったんですが....(^^;)

 音楽はもちろん折戸伸治氏が担当していますから,他のゲームの比ではない素晴らしさです。個人的には『朝影』『少女の檻』『Last Regrets』『風を待った日』といった曲が好きですね。
 

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