鬼橋日誌(おにはしにっし)
鬼界事務所の構成員、鬼界と橋本が書く日誌です
。                    

・2000年の鬼橋日誌は、こちらから
・2001年1月〜5月の日誌は、こちら
・2001.6.1〜10.21の日誌(中途半端な区切り方!)



3月30日(土よう日) 日直・鬼界
(昨日のつづき・・かな?)
“白いご飯・おかず・汁物”が揃ってこそ、「お食事」だ。
誰がなんと言おうと、これだけは譲れない。
なぜか?
‘鬼界イーティングセオリー’をご披露しよう。
たとえば、カレーライスを食べるとする。その場合、食べる動作は
1.スプーンをカレーライスに突っ込む。
2.スプーンを口に運ぶ。
わずか2アクションで完了してしまう。
うどん・そは・ラーメンなどの麺類も同様だ。(1.すくい上げる。2.食べる。)
ハンバーガーなどという下劣なものにいたっては、
1.ハンバーガーを口へねじ込む
と、たった1アクション。なんて野蛮なんだ!
こんなのイヤだあー!!
せっかくのお食事なんだから、手間ひまかけて食べたい。
そうなると、“白いご飯・おかず・汁物”が、どうしても必要になるのだ。
おもむろに汁物で口を湿らせ、モチベーションを高める。
おかずの最も美味しそうな部分を少しだけ箸で取り、充分に味わう。
その時点で、その日の戦術が決定する。
満足いくおかずならば、おかずの味わいを生かすために
“おかず・おかず・少しのごはん・おかず・おかず・少しのご飯・お新香・大量のご飯”
という食べ方になるし、
不幸にして、おかずがイマイチなら
“おかず・大量のご飯・おかず・大量のご飯・汁物・おかず・汁物・おかず”
というローテーションになる。
そして、おかずとご飯を食べ終え、一口分だけ残しておいた汁物でフィニッシュ。
僕はこういう食べ方をしたいから、
“白飯・おか・汁”の3点セットがお食事の最低条件になるのです。


3月29日(金よう日) 日直・橋本
(昨日のつづき)

 鬼界さんは、“外食組”の典型だ。
徹底している。
稽古期間中も含め、劇場入りしてからも、
鬼界さんが弁当を食べているのを見たことが無い。
鬼界さんにとって、弁当は“邪道”らしい。
『白いご飯・汁物・おかず』
これが揃って、初めて「お食事」と言えるのだそうだ。
「テイクアウトのファーストフードなんて、人間の食うものじゃない。
そんなもの食うんだったら、1食抜いたほうがマシだ」と言い切る。
じゃ、幕の内弁当だったら、いいんじゃないですか?
「ごはんとおかずが、それぞれ、ちゃんとお皿にのっかってなければダメだ」
 鬼界事務所が、
いつも公演を行なっている『下北沢 駅前劇場』のそばに、
『マック』というハンバーグのお店がある。
(店のおやじさんがマックィーンのファン。で、『マック』)
鬼界さんの、公演期間中の行きつけの店だ。
もう、十数年、通っているそうだ。
夜公演だけの日は、マックで食事してから劇場入りする。
昼公演のある日は、昼の回と夜の回の間にマックに食べに行く。
オーダーするのは、
決まって『ハンバーグ&カニクリームコロッケのセット ライス&味噌汁付き』。
他にも『ハンバーグ&焼肉』やら『ハンバーグ&チキンソテー』やら、
数種類のセットがあるのだが、
鬼界さんは、『ハンバーグ&カニクリームコロッケ』一本やりらしい。
 何年か前の公演初日。
本番は夜の回だけだが、
その前にゲネプロ(本番どおりに行なう‘通し稽古’)をやって、
極端に夕食休憩の時間が短くなってしまったことがあった。
皆、弁当を買いに走った。
(私は、ケンタッキーに走り、例のセットを。)
鬼界さん、ピンチ!
どうするのか?!
なんと『マック』に電話して、出前を依頼。
「うちは、出前はしないんですよ」
「そこをなんとか」
「そう言われてもねぇ」
「僕は『ハンバーグ&カニクリームコロッケ』を食べないと、ダメなんです。
僕の精神に乱れが生じて、お客さんに迷惑をかけても、
あなたは、いいんですかっ?!」
なんだ、この理論は?!
こんな理論がまかり通るのか?
まかり通りました。
出前されるはずの無い『ハンバーグ&カニクリームコロッケのセット』が、
駅前劇場楽屋宛てに届いたのだった。
でも。
時間的なことを考えると、マックに食べに行ったほうが早かったのでは?


3月28日(木よう日) 日直・橋本
 以前、掲示板で
「同じ物を、どれぐらい連続で食えるか?」ってことで盛り上がったことがあったが、
公演の本番中(初日から最終日まで)、
この“連続食い”を遂行している人が、結構いることに気づいた。
タイトな時間割の中での食事選びなので、
どうしても、
劇場近辺のお店で賄うという事が条件になってくるのだが、
それにしても、
「毎日、同じもん食わなくてもいいだろ。」と思う。
 まず、“弁当組”。
昼公演がある日は、昼の回と夜の回の間の時間が短いので、
夕食を買いに走り、楽屋で食べる人が多い。
でも、弁当組は、夜公演だけの日も弁当を買って劇場入りする。
どっかの店で食事してくる時間があってもだ。
弁当が好きなのか?
むさくるしいところで食べるのが好きなのか?
下山さんは、『たまご丼と蕎麦セット弁当』を毎日食っていた。
河野さんは、『松屋の牛丼』を毎日。
いや、毎食。(1度だけ『松屋の豚キムチ丼』)
現役高校生の出演者であった吉田君は、
デパ地下巡りが、よほど楽しいとみえ、
毎食、伊勢丹の地下へ。
で、買ってくるのは決まって『マーボー丼』。
(ちなみに、牛丼とマーボー丼の匂いは強烈だ。楽屋が臭い。)
本丸さんは、『ドトールのジャーマンドック』を、毎日かかさず。
橋本は、
『ケンタッキーのチキンフィレサンドセット コールスロー付き ホットコーヒー』(733円也)
を2セットづつ食いました、毎日。
 次に、“外食組”。
時間があろうが無かろうが、寸暇を惜しんで外に食べに行く。
テツタ君は、立ち食いうどんの『かのや』。
劇場からチャリンコをとばし、毎日通っていた。
舞台美術の赤羽さんは、『桂花ラーメン』に、毎日。
(ターロー麺?とんこつの、こってりを通り越したドロドロのラーメン。) 
 そういえば、
鬼界さんは、この“外食組”の代表だ。
             (つづく)


3月27日(水よう日) 日直・橋本
 今回、お芝居の舞台が“新宿区役所”だったこともあり、
婚姻届、死亡届、離婚届などの用紙が、
小道具として複数枚、必要だった。
数人で手分けして区役所に貰いに行った。
(1人が同時に何枚も貰いに行ったら怪しまれるモンね。
ちなみに、
婚姻届用紙を貰いに行った時、役所の職員のかたはニコヤカに渡してくれた。
2日後、
離婚届用紙を貰いに行ったら、その職員のかたは、
こちらと眼をあわさないようにしていた。)
劇中で用紙のやり取りがあるので、
あらかじめ必要事項の記入をしておく必要があった。
別に、御客席から詳細が見えるわけでもなく、
読み上げるわけでもないので、
適当に書きゃよさそうなもんだが、
複数枚の死亡届を出す‘葬儀屋’役の下山 栄(しもやまさかえ)さんにとっては、
そうじゃないらしい。
死亡届数枚を作成する為に、
彼は1週間を要した。
縁起悪いので、友人知人の苗字・名は一字として使いたくない。
○○子の“子”も、××夫の“夫”も、
“郎”もダメとなると、
下山さんの頭には、いっこも名前が浮かんでこない。
だからと言って、外人名はイヤ。
歴史上の人物名もイヤ。
電話帳から名前を拝借するのも気がひける。
1週間悩みに悩んだ下山さんが記入してきた数枚の死亡届の名前欄には、
全て『下山 栄』と書いてあった。
死因欄は、
『悩んだ末の自殺』だった。
 テツタ君と私は、最後に結婚する役。
テツタ君に聞かれた。
「2人の婚姻届の名前欄、きよみちゃんは何にする?」
2人の役名は、苗字は作家の指定。
テツタ君は「吉井(よしい)」。
私は「万田(まんだ)」。
名は登場しないので、適当な名を記入すればいい。
「テツタ君は?」と、私は問い返した。
テツタ君が答えた。
「吉井 吉男(よしい よしお)」
そして、私はつられて言ってしまった。
「じゃ、私は、万田 万子」
どうします?このあと。みなさんだったら?
これ、わなだよ。


3月26日(火よう日) 日直・橋本
 実は、出演者の一人、古郡(ふるごおり)さんが、
本番2週間前くらいに転んでヒザを負傷。
1週間ほど稽古に来れなかった。
その間、成形外科医院でヒザにボルトのようなものを入れる手術をしたそうだ。
手術の前の日、古郡さんは、
「手術前日の注意事項」と書かれた用紙を渡された。
いくつかある項目の最後に、
「剃毛を済ませておくこと」とあった。
“剃毛”という字が眼に飛び込んできた瞬間、
“アソコの毛を剃る”ということ以外発想しなかった古郡さん。
“剃毛”イコール“アソコの毛を剃る”。
なんとなく、気持ちは解かる。
でも、すぐ間違いに気づくだろ。
一体、どこを手術するのか?
ヒザの手術で、何ゆえにアソコの毛を剃る必要があるのか?と。
気づかなかった古郡さんは、
いそいそとお風呂場で剃毛を執り行い、
こざっぱりした自分に満足しつつも、
一抹の寂しさを感じながら、
翌日の手術に備えて、早めに床に着いた。
そして、眠りに落ちていく寸前で、彼は気づいた。
「もしかして、ヒザの毛?!」
彼が、
剃るべき所を慌てて剃毛したのは、言うまでも無い。
危ねぇ、危ねぇ。


3月25日(月よう日) 日直・橋本
 『ナイト・シフト』を観に来てくださった皆様、
どうもありがとうございました。
アンケートに、
「まさか、あのお尻の穴をかいてるのが、橋本さん?とビックリしましたが、
あとから可愛くなって出てきたので、安心しました。」
と書いてくださったお客様、
ご心配をお掛けしました。
不思議なことに、
2日目の本番中、おケツの穴が本当に痒くなり、
掻いてみたところ、あまりに気持ち良かったので、
それから‘ケツ穴掻き’は、‘決め’にしました。
「可愛くなって出てきた」シーンの衣裳は、
いかがでした?
実は、“見せパン”をはいてたんです。
女子高生がはいてるやつさっ。
初め、
ショッキングピンクに赤のハートが散りばめてあるパンツ買ったんだけど、
スカートが白だからスケちゃって。
取替えに行きました。
「妹に頼まれて買ったんですけど、
妹が、派手だからイヤだって。
白いのと取り替えて頂けます?」って。
いもしない“妹”を登場させちゃうところが悲しいね。
別に“私がはく”って言ったって、いいのにね。


3月24日(日よう日) 日直・鬼界
スラックスにブルゾンという、休日のオヤジスタイルのおじさんが
両手にいっぱい荷物を持って電車に乗り込んできた。
スーパーのレジ袋(特大サイズ)にギューギューに詰まってるのは
ククレカレーだった。
100個は軽く越えている。
マニアだな。ククレフェチ。
「おせちもいいけど、カレーもね」のCMしか印象にないので、
ククレカレーは年末年始の季節商品のような気がしていたが、
こーゆー人のためにオールシーズン売ってんですね。
何にすんだろ?
食うの?やっぱり?それしかないもんね・・・・
朝ククレ、昼ククレ、夜ククレ、目が覚めたら、朝ククレ、昼ククレ、夜ククレ、
そして、たまには、おやつククレ、夜食ククレ、弁当ククレ。
イヤだ、そんな生活・・・。


3月23日(土よう日) 日直・鬼界
駅前にまた美容院ができた。
美容院って、なんでこんなに多いのだろう?
どこもかしこも流行ってるとは思えない。
現に、駅前と商店街の入り口では、
いろんな美容室がビラまき合戦をやっている。
割引券やシャンプーのミニボトルまで配っている。大激戦だ。
その中でも、憐れなのが、‘床雅’という散髪屋だ。
美容院の乱立に対抗して、去年の秋に大改装した。
ログキャビン風にウッディーな外装にし、
出窓にはコカコーラの緑のビンをならべた。
赤と青のラインがグルグル回る、昔ながらの散髪屋看板の代わりに
マリリン・モンローの等身大ポスターを貼った。
アメリカンなバーバーというわけだ。
マスターの雅さんは、
(名前は知らないけど、‘床雅’っていうくらいだから、当然、雅さんなんでしょ)
オーバーオールにワークシャツがユニフォームだ。
が、不幸なことに、雅さんは、なぎら健一にそっくりなのだ。
想像してください、あの‘なぎら’がオーバーオール姿であなたの髪を切るところ。
行きたくないでしょ?
だから、‘床雅’にはいつも客がいない。
雅さんは、いつも一人でスポーツ新聞を読んでいる。
日本一、スポーツに詳しい散髪屋さんなんだろうな。


3月22日(金よう日) 日直・鬼界
スーパーでマーガリンの大箱が135円だった。
これは安い!むっちゃお得!!と大喜びで買って帰ったが、
家でよく見ると、
くっそーっ!俺はなんてことをしてしまったんだ・・・と大後悔した。

わかります?
 →これでわかったら、あなたは僕と一心同体だ。メールください。
  明日の鬼橋日誌を書いてもらいます。

♪パンには、やっぱり、ネオソフト〜のネオソフトだったんです。
わかったでしょ?
雪印の製品を買ってしまったのです。
うーん、ショック!

すごいですよねえ、当たり前のように、こう思うんだから。
なくした信用を取り戻すのが、いかに大変か。
ていうか、なくした信用は取り戻せないんですね。
鬼界浩巳事務所も気をつけよっと。
鬼界浩巳が出演!とチラシには表示してあるのに、
実際に舞台に立ってるのは、僕にそっくりのオーストラリア人だった・・・
そんな偽装工作は決してやるまい。 (ちょっとわかりにくい例えかも・・)


3月21日(木よう日) 日直・鬼界
この時期、本屋に行くと、NHKのテキストがずらっと並んでいる。
“さあ、春から始めよう!NHKの語学講座”
僕は人生において、この言葉に何度だまされたことか!
「1日15分か20分だろ?楽勝じゃん。毎日録音して、毎日聞こうっと。
1年たったら、けっこう英語がしゃべれたりして。」などと安易に考えて
4月号のテキストを買ってしまう。
4月はなんとか乗り切ったとして、
つまづくのがゴールデンウィークだ。
遊びに行ったりして、何日か分、ためてしまったら、もうおしまい。
1回15分でも、2回ためると30分、3回だと45分、4回なら1時間だ。
1時間も英語講座を聞き続けられるもんじゃない。
「よし、今週分はあきらめ、区切りよく、来週から聞こう」と
巻き返しを図ったりするが、無駄なあがきだ。
ずるずる、なしくずし。
6月号のテキストは買ってみたものの、1ページも開かなかったりする。
あーあ、続けてたら今ごろは僕もアメリカ人になってたのに・・・。
NHKの語学テキストにとって、4月は、
チョコレート業界のバレンタインみたいなものだな、きっと。


3月20日(水よう日) 日直・鬼界
昨日、あんなことを書いたと思ったら、今朝は
キュィィィィィーーーン
という電気ノコギリの爆音でたたき起こされた。
すぐ隣のアパートでリフォームが始まったのだ。
本当に、文字通り、飛び起きた。
北朝鮮が攻めてきたのかと思ったぜ。
こういうのって、いいの?
「明日から工事を始めます。騒音でご迷惑をおかけします。」と
一言あって、当然なんじゃないの?
日本の法律はどうなってんだ!
僕が総理大臣だったら、罰金5億円くらいの刑にしてやるのに。
と、書きながらも、ずっーーとキュィィィーンとやってます。うるさいよ〜。


3月19日(火よう日) 日直・鬼界
今朝、私の眠りをやぶったのは、ウグイスの声だった・・・。

うーん、文学的だ、詩的だ、風流だ!
本当に、最近、僕はウグイスの声に起こされてるのです。
ウグイス嬢じゃないですぜ、小鳥のウグイス、ホーホケキョです。
近所の公園の木立にやってきてるんです。
でもね、シーズン始めのウグイスって、上手く鳴けないんですよ。
ホーホケキョと鳴くのは、10回に1回くらい。
ホーホケ、ホーホケと鳴いたり、
ひどい時には、ホーホー、ホーホーと鳴くんです。
おまえは声の高いハトか!
日々、練習して上手になっていくんでしょう。


3月18日(月よう日) 日直・鬼界
しっしんが腕にできて薬を塗っている。
ほんの小さなしっしんなので、
チューブから軟膏をちょっとだけ出して塗る。
そして、チューブのふたをしめようとすると、
ニョロ〜と軟膏が飛び出ている。
なんで?
そんなに強くチューブを押してないよ。なのに、なんでこんなに出てるの?
しかも、いつの間に出たの?
僕が薬を塗ってて、油断してる隙を狙ってんの?
チューブの軟膏って、いつもこれだ。
だから、飛び出してるぶんを引っ込めなきゃならない。
チューブのいろんなところをそっと押してみると
ニョロっと出てたのが、スッと引っ込む。
押し場所を間違うと、さらにニョロっと出てくるから注意が必要だ。
ふと気がつくと、真剣な眼差しでチューブに集中している自分がいる。
バカみたいだ・・・。
絶対、人には見られたくない。


3月17日(日よう日) 日直・鬼界
福島へ行った。
地方へ行く楽しみは、美味いものを食うことと地元の新聞を見ることだ。
早速、福島民報を読む。
番組欄に、やたら「立」と書いてある。
「文」は文字放送だし、「二」は二ヶ国語放送だ。
「立」って、なに?
福島グランドホテルのフロントのおねえさんに聞いてみた。
「あんりゃあ、おっきゃくさー(お客様)、知らねえっぺかぁ?
‘立’は、立体放送の略だっぺ。
二つのすんぴーかー(スピーカー)からぁ、ブンブン音が飛び出してぇ、
ヴァーちゃる、つうの?しゃっとけっぺよ(意味不明)
東京の人さでも、もの知らんね。グハハハ」
と笑われた。
なるほど、「立」は、いわゆる、ステレオ放送の「ス」だったんですね・・・。

文中、福島県人の描写に行き過ぎがあったことをお詫びします。
福島がいくら田舎といえども、ここまでヒドくありません。


3月16日(土よう日) 日直・鬼界
ハウススタジオへ初めて行った。
いろんな撮影で、セットを作るほど予算はないけれど、
普通の家庭の室内シーンが必要なとき、利用されるのがハウススタジオだ。
リビング、キッチン、和室、子供部屋に風呂もトイレもベランダも庭もある。
スタジオといえばスタジオなのだが、
ただの一軒家といえば、ただの家なのだ。
まさにハウススタジオ。文字通りだ。命名者は天才かもしれない。
僕の行ったハウススタジオの隣にはボロい平屋の建物があった。
オーナーのご自宅だ。
広大な土地を所有してた、ドン百姓が銭もうけのために
庭をつぶして、ハウススタジオを作ったのだ。
そして、そのハウススタジオ内、あらゆるところに張り紙がしてある。
玄関の壁に「禁煙」、廊下に「禁煙」、台所に「禁煙」、階段に「禁煙」
子供部屋に「禁煙」、そしてトイレには「ここも禁煙」
よほどタバコが嫌いなのだろう。
あまりに張り紙が多いので、カメラをどのアングルに向けても
「禁煙」の文字が入ってしまう。
スタッフは張り紙はがしという余計な仕事
(さらには、はがした張り紙を撮影終了後、元に戻さなければならない)
が増え、さんざん文句を言っていた。
よくこれでスタジオとして営業できてるなぁ・・・


3月15日(金よう日) 日直・鬼界
三鷹の改札を出ると、「ヘイ・ジュード」のメロディーが聞こえてきた。
コンコースに人だかりがしている。
見ると、オカリナ売りがビートルズメドレーを吹いていた。
オ、オカリナ売り?そんな商売、初めて見た・・・
が、オカリナ売りの存在に驚いてる場合じゃない。
集まった老若男女はオカリナプレイを熱心に聞き、首を振ってリズムをとっている。
不思議な街だ・・・
バスロータリーへ向かうと、
中国人カップルが胡弓を弾いていた。
バイオリンと三味線のあいのこみたいな中国の楽器で、「川の流れのように」を演奏している。
当然、人だかりだ。
しかも、自主制作CDの販売までやっている。
そして、歩道橋のたもとでは若い男の子がギターを弾いて歌ってる。
「ゆず」ほど味はないが、「くず」よりはかなり上手い。
もちろん、若い男女が集まり聞き入っている。
どうやら、三鷹は音楽の都らしい。
ウィーンに行ったら、こんな感じなのだろうか・・・


3月14日(木よう日) 日直・鬼界
今度の仕事の集合時間が4:30なんです。
午前4:30です。
笑っちゃいました。どうしろっていうの?
専属運転手もいなけりゃ、マイカーさえ持ってない僕は
タクシーで来いってことなんでしょうが、
もし僕が埼玉のへき地とか千葉のはずれに住んでたらどうなるの?
前泊しなきゃならないの?
さらに、終了予定時間が23:00なんです。
これも笑っちゃいました。
予定通りにすすんでも、18時間30分の労働なのに
予定時間に終わるなんてことは、絶対ありえません。
一体、何時間働くの?
労働基準法に違反してんじゃないの?


3月13日(水よう日) 日直・鬼界
エスカレーターで上っていくと、突然、
上の階へ行く、つづきのエスカレーターがなくなることがある。
30メートル前方にあったり、後ろに回りこんだところにあったりするのだが、
初めて行ったデパートで、これに出くわすと
ちょっとドギマギしてしまう。
「さあ、ここから上へはどうやっていけばいいでしょう?わっかるかなぁ?」と
デパートに試されてる気がするんです、僕は。かと言って、素直に
「ありゃ?エスカレーターがなくなっちゃったよぉ!
この上へはどっから行けばいいの・・?」なんてキョロキョロすることは、
田舎モン丸出しで、こっぱずかしくてできません。だから、
さりげなく、そこにある婦人服をながめるふりをしながら
目だけ必死に動かしてエスカレーターのありかを探したりする。
また、
1F入り口のすぐ近くに上りエスカレーターがあり、
各階に行きやすいが、、
いざ降りようとすると、下りエスカレーターのないことがある。
「ようこそ、いらっしゃいませ。どうぞエスカレーターをお使いあそばせ。」と
暖かく迎えておきながら、
「帰んのかい?じゃあ、隅っこに階段があるから、自分の足で勝手に帰んな。」と
冷たくされた気がするんです、僕は。
エスカレーターごときに、こんなゴチャゴチャ感想をもつ僕は人間が小さいのかもしれない。


3月12日(火よう日) 日直・鬼界
渋谷駅の真正面にある、スターバックスに行った。
1階でコーヒーを買い、2階の客席へ行くと、大混みで
カウンターに2席あいてるだけだった。
連れと2人だったので、迷わずそこへ座ろうとした。
すると、ぬっと現れた店員が僕の前に立ちはだかり
「お待ちください、お客様。ご案内しますから。
何名様ですか?」と聞くのです。
見てわかりませんか?カップルで来てんだよ。
「2名様、カウンターのお席へどうぞ」
だからぁ、そこへ座ろうとしてたじゃん。
この店員が
「ホント、ごめんなさいね。でも一応、規則だから、お聞きしますね。
2名様ですよね?では、狭いですけど、カウンターのお席でお願いします」
という態度だったら、僕もわざわざ日誌に書きません。
が、なんだか知んないけど、エラそうで、態度デカいんですよ。
流行りのスターバックスだからカッコいいと思ってて、
しかも、渋谷の一番いい場所だから優越感持ってんです。
そんな感じでした。
あんたはただのバイトでしょ?偉くもなんともないんだよ。
なんで、そんなこともわかんないかなあ?
偉いのはそこに店を出した、スターバックスの社長さんなの。
世の中には結構います、こういうバカ。


3月11日(月よう日) 日直・鬼界
友達から、こんな話を聞いた。
昨日、世田谷の、とある場所でお芝居の稽古をしていると
窓から一人の老人がのぞくんだそうだ。
が、稽古の様子を見物しているのではない。
何時間も窓辺にたたずみ、ただ、じっとしている。
不審に思い、何をしているのか尋ねると
「3月10日には毎年、ここに来るのじゃよ」と答えた。
3月10日?と聞くと
「知らんのか?東京大空襲の日じゃ。
ここはその当時、軍馬を育てる馬場で、わしは馬の世話をする馬丁だった。
わしのような下っ端軍人でも、日本が戦争に負けそうだと薄々感じていたので、
昭和20年3月10日に空襲警報が鳴ったとき、馬と一緒に死ぬ覚悟で
わしはここに駆けつけたんじゃ。
夜空をB29の大編隊が南からやって来た。
わしは馬の首を抱いて、じっと待っておったんじゃ。
しかし、一発の焼夷弾も落ちてこん。
外に出てみると、東の空が真っ赤に燃えておった。
B29は帝都を灰にした・・・
神田にあった、わしの家も、わしの家族も、わしの友達もみんなその時
灰になってしもうた・・・
・・・3月10日になると、わしはここへ来てしまうんじゃ。
いや、お邪魔をして、申し訳なかった。」
と老人は去って行ったそうだ。
・・・・・・・・


3月10日(日よう日) 日直・鬼界
3月7日の日誌に関して、メールをいただきました。

「電卓の5にも突起ありますヨ。
盲人用ともとれますが、ブラインドタッチをするのに基本位置、となります。
手元を見ず、画面や入力データ(紙)を目で追いながらやるのに必要、なんですねぇ」

え?そうなんでかぁ?
慌てて、確認しました。そしたら、
僕の電卓はCASIOじゃなくて、なんと、CASUOだった・・・・
うっそー!!
マ、マジっすかぁー?
おいらの大事な電卓は、バッタもんなのかよ・・・

なんてことはありませんでした。
正真正銘、CASIO。れっきとしたブランドもの(?)です。
電卓の「5」の突起は、あったりなかったりするのかなあ?
謎は深まるばかりなりぃ〜・・・
ちなみに僕のビデオのリモコンには、「5」に突起あり、です。


3月9日(土よう日) 日直・鬼界
さる声優さんから、こんな話を聞いた。
さる有名監督の、さる有名作品の吹き替えをすることになった時のことだ。
(さるばっかり・・・だって実名を書くと問題あるからね、ウッキッキー)
さる有名監督は吹き替えにとても厳しい方だそうで、
愛弟子の、なんとか女史(この方は本当に名前を忘れました・・)がわざわざ来日して
手取り足取り指導するんだって。
普通の吹き替えは、原語の感じに合わせればOK、
つまり、アメリカ人がすっごくオーバーにしゃべってたら、
日本語としては変でも、オーバーにしゃべらなきゃならないんだって。
が、なんとか女史は
「原語は無視してください。
あなたが映画に出てるつもりになって、
その時のあなたの気持ちをあなたの言葉で話してください」って言って
映画の登場人物がやってるのと同じ動作をさせるんだそうだ。
登場人物がいすに座ってたら、いすに座りながら吹き替える。
動き回ってたら、動き回って吹き替える。
ベッドシーンは、
なんとか女史の命令でスタジオにベッドを用意させて
ベッドの上で乳繰り合いながら吹き替えするんだ。
でもね、吹き替えマイクは基本的に固定されてるわけよ。
ベッドの中で男性の下になって吹き替えても
マイクは声を拾えません。
なんとか女史が「エクセレントッ!」とOKを出しても
音声さんが「今のは録音できてませーん」てNG出すんだって。
そりゃそうだ。
そして、通常の吹き替えの10倍くらいの時間がかかってやっと日本語版が完成しました。
「そんな手間ひまかけたんだから、
他の吹き替えとは全然ちがう出来なんでしょうね?」と、その声優さんに聞くと
「ぜんぜん同じです」と言ってました。
バッカじゃねえの、なんとか女史。


3月8日(金よう日) 日直・鬼界
友人が一戸建てを購入したので、遊びに行った。
トイレをやたらと自慢する。ハイテクトイレらしい。
あまりに自慢するので、使わせてもらった。
せっかくだから、ウンコをすることにした。
便器の前に立つと、ピピッと音がして自動的にフタがあく。
さすがハイテクトイレ!!でも無意味だ・・・。
用を済ませ、お尻を拭こうと腰を上げた瞬間、自動的に水が流れる。
さすがハイテク!と感心してたら、自動的にフタがしまってきて
僕の背中に体当たりだ。
な、なんだよ、まだ終わってないよぉ。
僕は中腰のまま手を後ろに回し、無理な体勢でフタを戻す。
そして、もう1回、お尻を拭こうとすると
また、ジャーッと水が流れ、フタが背中にゴツン。
最後の仕上げの尻拭きをしようとすると、またジャーッでゴツンだ。
だって、普通3回くらい拭くでしょ?
そのたんびにジャーッでゴツンってのは、
水がもったいなーい!!フタがめんどくさーい!!
水を大切に。電気も大切に。ハイテクトイレ反対!
ちなみに僕はシャワーは使いません。あくまでも紙派です。


3月7日(木よう日) 日直・鬼界
あなたのお手元にある電話をご覧下さい。
「5」のボタンに、ポチッとおできのような突起がありますね。
こんなの知ってた?
ケータイにも、普通の電話にも、子機にも、公衆電話にもあるんですって。
日本国中ありとあらゆる電話に突起があるというのに、
僕はぜんぜん知りませんでした。どっっひゃぁー、ビックリだあ。
目の不自由な方のためなんですって。ふーむ、なるほど。
でも、電卓の「5」に突起はありません。いいのかなあ・・・?
紙幣の左下にも、ポチッとあります。
パソコンのキーボードの「F」と「J」にも、ポチッとあります。
3つともご存知だった方は、大したもんです。
が、3つとも知らなかった人は、これまでの人生を見つめなおしたほうがいいかも・・・

って、思ったんですけど、
結構、知られてないことなのかな?
それとも、みんな知ってて当たり前のことなのかな?その辺がよくわかりません。


3月6日(水よう日) 日直・鬼界
‘クロンボ’という名のハンバーグ屋へ久しぶりに行った。
老夫婦が2人でやってる家庭的な店だが、
ジューシーな美味いハンバーグを食べさせてくれるので、
学生時代、毎日のように通った思い出の店だ。
昔と変わらない、懐かしい扉を開けた。
「イラシャイマセー」と僕を迎えたのは、本物のクロンボだった!
あの老夫婦はいない。
真っ黒な顔に白い歯を見せて笑ってる黒人がいるだけだ。
マジ?
とにかく、ハンバーグを注文した。
出てきたのは、焼きすぎてカスカスになった肉塊だった。
こら、クロンボ、お前はインドのクロンボか?
ナンを焼いてんじゃねえんだよ。焼きすぎだよ。マズくて食えるかよ。
店内に客は僕一人。
なんか知んないけど、クロンボは僕のほうを見つめてる。
こら、クロンボ、お前はアフリカのクロンボか?
人が食ってるもんが欲しいのか?飢餓状態みたいな目でジロジロ見るんじゃねえよ。
そして、店内の有線は、なぜか、社交ダンスの練習曲チャンネルにセットされている。
タンゴ、マンボ、ルンバ、ワルツ、チャチャが次々に流れてくる。
こら、クロンボ、お前は
・・・もうウンザリです。二度と行きません。でも、最後に一言。
こら、クロンボ、僕の思い出を返せ!!


3月5日(火よう日) 日直・鬼界
先日、電車で、女性誌の中吊り広告を見て、OLが話をしていた。
どうやら会社の先輩後輩らしい。
先輩OL 「うわぁ、スゴイ映画が来るのねっ」
中吊り広告には
映画で体験 男と女の素敵な関係
ジュリア・ロバーツ、ニコール・キッドマン、メグ・ライアン 他”
と、書いてある。
先輩OL 「『男と女の素敵な関係』って、題名がダサいけど、出演者がスゴイねっ!
ジュリア・ロバーツは『オーシャンズ11』のヒロインだし、
ニコール・キッドマンは、トム・クルーズの元の奥さんでしょ。
メグ・ライアンは、『ニューヨークの恋人』に出てるよねっ。」
雑誌かなんかで得た浅はかな知識を、さも自慢そうに得意げに語る先輩OLは、
ちっちゃく書かれた“映画で体験”を見落として興奮しているのだが、
かわいそうなのは後輩OLだ。
「せんぱ〜い、ちっちゃく書いてあるのも読まないと。映画じゃなくて記事ですよぉ。
もしかして、老眼?アハハハハ・・・」
などと言えない関係らしく、引きつった顔で愛想笑いをしている。
こういう人のこういう勘違いほど、はた迷惑なものはない。
後輩OLは、こう思ったに違いない。
「思い切って『先輩、間違ってます』って、言ってやろうかしら?
でも、高慢ちきな先輩が素直に聞くはずがない。
きっと、イヤ〜な雰囲気になるわ。
やめとこっ。でも、
先輩もいつかは、自分の勘違いに気づくはず。その時は、どうする?
『えっ?あれは映画じゃなかったんですか?私もぜ〜んぜん気づかなかったぁ』
なんて言うのは白々しいし・・・。
『なんで、あの時、勘違いしてますって教えてくれなかったのよ。陰険ね』
なんて、言われたら、すっごいムカついて、すっごいイヤ〜な雰囲気になるわ。
え?どうしたって、イヤ〜な雰囲気になるの?
ったく、バカ先輩のせいで、もう・・・ヤだヤだ」
ホント、はた迷惑です。


3月4日(月よう日) 日直・橋本
 出演者の「アーチス キャンベル」さんは、謎の人物だ。
年齢不詳・国籍不明。
ただ、
どう見ても、皆の中で1番年食ってるし、
どう見ても、日本人にしか見えない。
しかし、
「結構、年食ってる?」とか「日本人のくせに、なぜ、そんなチョケタ名前を?」
などとは誰も聞けず、
皆、従順に「アーチスさん」とお呼びしている。
‘どこから見ても日本人’のオッサンに、
大マジで「アーチスさん」と呼びかけるのは、なんかこっぱずかしいが、
でも、まっ、
沢田研二は「ジュリー」だし、
赤木圭一郎は「トニー」だったし、岸部四郎は「サリー」だったし。
 アーチスさんは、過去も不詳だ。
私が耳にしたのは「大映のニューフェース」だったということぐらい。
(大映つぶれて、ウンと経つよ。一体、いくつなんだろ。)
「ニュ、ニューフェース!すごい!
何の映画に出演なさったんですか?!」
思わず尋ねた。
「映画には出てない。」
(・・・なにがなんだか。)
今日、1つ、アーチスさんの過去を知った。
なんでも、高校3年生の時、成人式を迎えたそうだ。
高校1年生を3回やったから。
野球部で甲子園出場を目指し、
3年生になって、やっとレギュラーになれるぞっと喜んでいたら、
年齢制限で、地区予選にも出れなかったという悲しい過去だ。
かわいそう。
「落第したのは、ワルだったから?アホだったから?」
とは、聞けなかったが。


3月3日(日よう日) 日直・鬼界
パソコンの調子がすっごく悪いんです。
マウスを動かしても、画面上のポインタが反応しないんです。
机の端から端まで90センチくらいマウスを動かしても、
ポインタは5ミリくらいしか動きません。
仕方がないのでリカバリすることにしました。
いわゆる‘ふりだしにもどす’という、
買ったときの状態にするわけです。
データをフロッピーに保存し、説明書を熟読し、リカバリ開始。
と、簡単に書いてますが、
パソコン素人の僕にとっては大事件!
もし元に戻んなかったら、どうしよう・・・メールが使えなくなったらどうしよう・・・
心細くて、ドキドキもんです。
水も持たないでサハラ砂漠横断に乗り出すような気持ちです。
CD−ROMをいれ、画面の案内に従い、作業をすすめてると、
突然、画面が真っ黒になり
‘INVALID SYSTEM DISC’と表示されました。
ど、どうしたの?
INVALIDって、なあに?
慌てて辞書で調べると、
  INVALID(形容詞)  病弱な、病人向きの
はあ?
‘病弱なシステムディスク’?
それとも‘病人向きの、組織的円盤’?
なんじゃそりゃ?僕にどうしろと?
恐れていた事態です。何度やっても、同じところでINVALIDです。
メーカーに電話しても、
「ただいま電話が大変混雑しております。しばらくたってからお掛け直しください」
というメッセージばかりで、全然、繋がりません。
どうすればいいんだろ・・・・・
気が付くとパソコンに向かって語りかけてました。
「ホンマ頼むわ。どうしたん?いっつも大事に扱ってきたやんか。怒ってんの?
俺がなんか悪いことしたんやったら、謝るし。ごめん、ホンマにごめん。
なあ、頼むわ。」
いったい僕はなにしてんだろ?
パソコンは僕の彼女?
でも、パソコンはウンともスンとも言いません。頭にきました。
「こらっ!ええ加減にせえよ。
こっちが下手に出てたら、つけ上がりやがって。
お前なんか、捨てたる。絶対、捨てる。廃品回収に出す。ボケっ!死にさらせっ!」
パソコンを殴りつけました。
そしたら、ウィ〜ンて音がして、動き出したんです。
ウソみたいな本当の話です。


3月2日(土よう日) 日直・鬼界
〜緊急リポート!!吉田テツタ、警察に捕まる オマケ編〜
テツタ君が事件のことを延々としゃべったあと、
僕はひとしきり彼を励まし、
「大丈夫だよ、テツタ君。
また何かあったら電話して。それじゃ。」
と、電話を切ろうとしました。
すると、テツタ君が
「あっ、ちょっと待って!」と叫ぶんです。
「何?まだ、なんかあんの?」
「あの、あの・・・鬼橋日誌に書いてもらえませんか?」
は?
なんだよ、それ?
深夜に電話してきたのは、そのためだったの?
だったら橋本に言えよ。
毎日、稽古場で顔あわしてるじゃねえかよ。
「もちろん、きよみちゃんにも事件の話をしました。
でも、知り合いに高級バーに連れて行ってもらうとかで、
『へー』とか『ふーん』とか適当にあいづち打つだけなんです。
人の話なんか聞いてやしない。
うわのそら。
きよみちゃんの頭の中は、バーでいっぱいなんですよ。」
深夜に電話してくるテツタ君もテツタ君だが、
橋本も橋本だ・・・・・
というわけで、
な〜んの関係もない僕が日誌に事件のことを書く羽目になったのでした。


3月1日(金よう日) 日直・鬼界
〜緊急リポート!!吉田テツタ、警察に捕まる その4〜
(きのうのつづき)
「鬼界さん、
僕はこういう風にして、前科一犯になっちゃったんです。
っていうか、計画的に前科一犯にされちゃったと思うんです。
だって、僕が1枚目のチラシをポストに入れた瞬間、
‘ガリ勉くん’が声をかけたんですよ。
きっと僕のことをつけてたんです・・・。
あ〜、僕はなんて不幸な男なんだろ。
検察庁に呼ばれて裁判になって刑務所に入れられるんだ・・・。」
と、テツタ君はすっかり落胆し、
この世の終わりを感じ、
泣きそうになってました・・・。

あのね、テツタ君、落ち込む気持ちはわかるんだけどさ、考えすぎだと思うよ。
警官も検察庁の人も、
そんなヒマじゃないのね。
テツタ君がチラシを入れたマンションの住人から
警察に苦情があったんだよ、たぶん。
「マンションのポストにチラシを入れさせないようにしてほしい」って。
全然、筋違いの苦情だけど、
しょうがないからパトロールしてたんだよ。
ほら、
「警察がもっと早く動いてくれてれば、うちの娘は殺されなかったんですっ」
みたいな事件が多いじゃない。
警察も一応やっとかないと、あとで非難されるからさ。
たまたま見かけた、
ポスティングの人を、ちょっと懲らしめただけ。
調書は、もう捨てられてると思うよ。
ていうか、
‘前田吟’のワープロ練習のために、やっただけじゃないかな。
な〜んも心配する必要ありません。
この世は終わってません。
【テツタ君の今月の目標】
小さいことにクヨクヨせず、気持ちをもっと大きく持とう!!


2月28日(木よう日) 日直・鬼界
〜緊急リポート!!吉田テツタ、警察に捕まる その3〜
(きのうのつづき)

‘前田吟’の一本指打法のため、調書をとるのに4時間近くかかった。
調書の次は、指紋採取だ。
今は指紋もコンピューター管理され、最新マシンで簡単に記録できるのだ。
そのマシンとは、
と、当然ここでマシンを説明するべきなのですが、できません・・・。
今回の緊急リポートはテツタ君の話をもとに書いてるのですが、
テツタ君の言ってることがよくわからないんです。
「指紋を採取するマシンを見て、ビックリしたんですよっ!!
『惑星ソラリス』のラストシーンで、

ナスターシャが惑星を消滅させようとする超磁力装置にそっくりなんですよ!!
えっ?鬼界さん、『惑星ソラリス』見てないの?
ダメだなあ、映画ファンなら必見ですよ。
すっごく難解で、ぜんぜん意味わかんない映画ですけど・・・。
え?指紋採取マシンですか?
そうだなあ、わかりやすく言うと、
ちっちゃい箱って感じで、スキャナーとコピーのあいのこみたいな感じで
ペダルを踏むと、ピカッと光って、指紋が画面にスッと出るんですよ。」
こんな説明でわかります?
よって、マシンの説明は省略。
指紋を取り終えると、‘ジャンプの原田’が言った。
「後日、検察庁から呼び出しがあれば、速やかに出頭するように。
それまでは、転居や長期の旅行は控えてほしい。今日は以上だ」
こうして、テツタ君はようやく署から解放された・・・ 
        (つづく)


2月27日(水よう日) 日直・鬼界
 〜緊急リポート!!吉田テツタ、警察に捕まる その2〜
(きのうのつづき)
署に連行されたテツタ君は、取調室に入れられた。
本物の取調室は、ドラマに出てくる‘取調室’とだいぶ違う。
まず、狭い。3畳あるかないかくらいの大きさだ。
全面、薄汚れた白い壁で、窓はない。時計もない。
部屋の真ん中にスチールの机がある。が、
ドラマでよく使われる、卓上小型スタンドはない。
ドアのそばに、小さいデスクがあり、ワープロが置いてある。
供述を記録するのだろう。
テツタ君を連れてきた‘ガリ勉くん’が去ると、
2人の刑事が入ってきた。
ジャンプの原田と前田吟に似ている。
‘原田’がテツタ君の前に座り、取調べが始まった。
「名前は?」
「・・吉田テツタです」
「現住所は?」と聞かれ、テツタ君が答えようとしたとき
‘前田吟’が口をはさんだ。
「“てった”か、“てつた”か、どっち?」
「“てつた”です」とテツタ君が‘前田吟’を見ると、
なんと‘前田吟’は、右手の人差し指1本でワープロを打っているのだ。
こいつ、ワープロ使ったことないんじゃないかと、テツタ君が不審に思ってると、
‘前田吟’が、また聞いてきた。
「“てつた”は、哲学の哲に、田んぼの田で、いいのか?」
哲田?
あんた、“てつだ”って、入力してんじゃないの?
吉田哲田なんて名前の人間がいる?
テツタ君は、思わず笑ってしまった。  (つづく)


2月26日(火よう日) 日直・鬼界
 〜緊急リポート!!吉田テツタ、警察に捕まる
覚えてますよね?吉田テツタを。(最近、こんな始まりばっかり・・)
昨年11月の鬼界浩巳事務所の公演に出演し、
この鬼橋日誌にも頻繁に登場した、あのテツタ君です。
彼が警察に捕まったのだ!!
昨夜遅く、テツタ君から電話がかかってきました。
「鬼界さん、僕、前科一犯になったんです・・・」と彼が語った事件を報告しよう。
2月25日午前11時頃、
テツタ君がポスティング(ポストにチラシを入れるバイト)をしていたら、突然、
「おい、お前、何をしてるんだ」と声をかけられた。
振り向くと、
銀縁のメガネをかけた、‘ガリ勉くん’みたいな二十歳そこそこの警官が睨みつけている。
「なんだよ、若造のくせに、ムカツク野郎だ」とテツタ君は頭に来たが、
貧乏な善人が一生懸命働いてるというような芝居をして
「チラシを配ってるんですけど・・・
あれっ、このマンションはチラシ入れちゃ、ダメなんでしたっけ?
僕、全然、気づかなかったぁ。すいませんでした。」となにげに去ろうとした。
が、‘ガリ勉くん’は、テツタ君の善人芝居を無視し、
「おい、待て。」とテツタ君の腕をつかんだ。
「な、なにすんですか。ちょっとチラシ入れただけじゃないですか。」
この一言が、‘ガリ勉くん’を怒らせてしまった。
「『ちょっとチラシを入れただけ』だと?立派な不法侵入の罪を犯してるんだっ!
ちょっと来てもらおう。」
テツタ君は青くなり、振り払って逃げようとするのだが、
‘ガリ勉くん’のくせに、やたら力が強く、テツタ君をつかんだまま、無線連絡を始めた。
「あー、こちら、スギ502。巡回中に不審者を拘束。Pを要請します。」
Pって、なんだ?と思ってたら、
やって来たのはパトカーだった。テツタ君はPに乗せられ、署へ連行されてしまった・・・
(つづく)


2月25日(月よう日) 日直・鬼界
覚えている人はいるだろうか?
鬼界浩巳事務所の上の階に住むクソババア・推定年齢55歳、
通称、“ババ55”のことを。
(2000年7月15日、12月27、28、29日などの日誌参照)
最近、ババ55のところへ息子が転がり込み、
連日ケンカしまくりなのだ。
昨日も、6月公演のチラシ作成のため、デザイナーと打ち合わせしてたら、
「だから、言ってるだろ、言ってるだろっ、言ってるだろっ!!」と
息子の3連発怒鳴り声が聞こえ、続いて
ババ55が「それはあんたの勝手よぉ!!!」がキーキー声で言い返した。
もう、打ち合わせなんか、してられません。
だって、打ち合わせよりおもしろいんだもん。
しばらく、ボソボソ言い争ってる声が聞こえてたかと思うと、
いきなり、息子が「出てけっ!!」と床を蹴りつけたんです。
ドシンっ!!
鬼界事務所の天井や窓がビリビリ震えます。
すごいよぉ、ここは一体どこなの?パレスチナ?アフガニスタン?
紛争地帯にいる気分を味わいながらも、笑えます。だって、
転がり込んできた息子が、元々住んでたババ55に「出てけっ」と怒鳴るのは、変じゃない?


2月24日(日よう日) 日直・鬼界
  (2月20日の日誌に関連して)
ハ〜イ、公演中に新宿駅のホームでケンカした鬼界でーす。
顔じゅう傷だらけになったので、ファンデーションとドーランを塗ったくって舞台に出ました。
それを見た友達が言いました。
「マネキンかアンドロイドだと思った・・・」
そりゃそうでしょう、普段はノーメイクなのに、突然、八代亜紀の5倍くらい塗ってんですから。
それでも最初のうちは良かったんです。
お客さんもフツーに見てました。
が、中盤から何を言ってもウケないどころか、
僕が舞台に登場すると、お客さんがヒクのです。
僕の顔に塗ったファンデーションの下から血がにじみ出していたのです。
ただの傷なら、タラっーと流れるだけなのですが、
ドーランとファンデと交じり合い、ドロドロした赤い肌色の粘液が流れもせず
顔の上で泥沼のように淀んでいるのです。
その泥沼が時間とともに増えていくのです。顔が溶けていくみたいだったそうです。
明るいコメディーのはずが、ホラー演劇です。
あの回を見たお客様、申し訳ありませんでした。
でも、普通じゃ見られないものを見たので、考えようによってはラッキーかも・・・。


2月23日(土よう日) 日直・鬼界
拝啓 JR東日本さま
笑っちゃいました。
昨日、新大阪から東京行きの新幹線に乗った時のことです。
自由席も指定席もガラガラ、グリーン車には2人しか乗客がいませんでした。
(わざわざグリーン車に行って調べました。僕はこういうこと好きなんです。)
3人掛けの座席に1人で寝そべり、極楽気分でした。
そして、名古屋に到着するとき、車掌さんのアナウンスが入りました。
「乗り換えのご案内を致します。
新幹線・のぞみ号東京行きは、降りました13番線ホームより20分の待ち合わせとなります。
のぞみ号にお乗換えのお客様、お忘れ物なきよう、おしたく下さい。」
誰が‘のぞみ’に乗り換えるのですか?
名古屋で20分待って、乗り換えたら、東京へ着くのがかえって遅くなります。
しかも、乗客全員が極楽気分でゆーゆーと座ってるんです。
JR東日本さま、あなたの頭は腐ってんのちゃう?
車掌さんも車掌さんです。言ってて、「ヘンだな?」と思わない?
あなたの頭もとろけてます。
JR東日本さま、
なんとかしたほうがいいと思います。  敬具


2月22日(金よう日) 日直・橋本
 吉田テツタさんが稽古場に着くなり
「知り合いのダンス公演を観に行ったら、
最後列にダーッとモーニング娘の面々が座ってってビックリしちゃったよ!」
と報告してきた。
花粉症用のドでかいマスクと、
訳のわからん‘森の妖精’風のデッカイ帽子で変装してたおかげで、
目立ちに目立ち、バレバレ。
意味なーいじゃん。
何故、
モー娘が来ていたかと言うと、
彼女達の踊りの振り付けを担当している女性が、
テツタさんが観に行った、そのダンス公演に出演していたからだそうだ。
 ここから本題。
今回、私が出演する「劇団気まぐれ倶楽部」、
かなり昔に『ららばい』という題名のお芝居をやった。
そのオープニングは、
私を含めた女の子4人が、
パジャマを着て派手に踊るシーン。
ブリブリのスッゴク可愛い振り付けで。
(覚えてらっしゃる方が居たら、嬉しい。涙出ちゃう。)
なんと、
その振り付けをしてくれたのが、
現在、モー娘の振り付けをなさってる方なのだ。
人に歴史あり。
ひょんなことから振り付けを依頼することとなったのだが、
(その当時は、ビッグではなかった。)
今となっては、
すんばらしい記念だわん。
自慢、自慢。
「モーニング娘と同じ振付師の振り付けで踊った私。」
もー、モー娘と一緒に踊ったも同然。
モー娘を見るたびに思うこと。
「よっ、後輩たち!」
そんで、チョッと真似て踊ってみたりして。
で、また思う。
「似合わねぇ・・・」


2月21日(木よう日) 日直・橋本
 今回の公演で共演する下山さんとは、
思えば長い付き合いだ。
実は、知り合った頃、
「この人、なんてカッコいいんだ!」
と、毎日思っていた。
稽古場では、至って無口。
他の男連中みたいにベラベラしゃべらない。
皆が、映画の話やら何やら、くだらない雑談をしている中、
ひとり黙々とウォーミングアップ。
運動神経がいいんだ、これが、また。
ジャンプして天井に手を着いたり、
机をひょいと跳び越えたり、
逆立ちして歩いたり・・・
そんなことを、さりげなく取り入れウォーミングアップ。
ホレボレ。
稽古の後も、
下山さんは皆と飲みに行かない。
連日ゾロゾロと飲み屋に繰り出す私達を後目に、
「お先に」とマウンテンバイクを飛ばしてシャーッと帰ってしまう。
ホレボレ。
公演の最終日、劇場から打ち上げ会場へ向かうのに、
「近いけど、かったりぃからタクシーに分乗して行く?」
と皆でダラダラしていた時も、
「俺は、電車で。」と、独りスタスタ駅へと歩き去った。
白いコートのすそをひるがえし・・・。
ホレボレ。
何を隠そう、私は、そういう、
孤独を好む“一匹狼”タイプにとっても弱い。
好きになっちゃうかも・・・?
 しかし、まるっきりの誤解でした。
知り合って半年くらいで知った実体は、
「映画の話がトンチンカンだったから無口だった。
毎日バイトに遅刻しそうだったから慌てて帰っていた。
お金が勿体ないから電車にした。」
そういえば、
ウォーミングアップ時の‘天井にお手着き’‘机越え’にトライする際、
必ず
「見物料、100円ね。」と皆に金を催促していたことに思い当たった。
考えてみれば、
見たら100円取られるので、皆、下山さんを見ないようにしていただけだったのだ。
 そんな、過去の“幻”の一匹狼は、
今日、稽古場で
「天井に手が着いたら100円頂戴!」
と、はしゃいでいた。
この人・・・、まるっきり進歩なし。
あの頃のお値段と変わってないし。
稽古に入って、毎日、下山さんを眺めては思う。
「この人のどこを見て、私は“一匹狼”などと思っちゃったんだろう・・・」と。


2月20日(水よう日) 日直・橋本
 今、私は3月19日から始まる公演の稽古中です。
題名は『ナイト・シフト』。
再演です。
数年前の初演の時には、鬼界さんも出演してます。
その、
初演の時のエピソードを1つ。
 本番2日目。
楽屋入りした鬼界さんの顔を見て、
みんな息を飲んだ。
顔から血を流している。
顔中、傷だらけ。
みんなで恐る恐る訳を聞いた。
 劇場のある新宿駅に着いた鬼界さんは、
ホームの公衆電話で、どこぞに電話していた。
うしろにサラリーマンのオッサンが並んだので、
気を利かした鬼界さんは、
「時間かかりますよ。」
と、そのオッサンに一声かけた。
それを聞いたオッサン、
吸っていたタバコの煙を、いきなり鬼界さんの顔面に「フーッ」と大きく吹きかけた。
「なんだとぉ、小僧」と言ってるような、ひん曲がった口で。
顔に煙を吹きかけられて、黙ってるような鬼界さんではなかった。
「なにすんだ、この野郎!」
と、持っていた受話器でオッサンの頭を殴ろうと・・・!
悲しいかな、
コードが届かず!!
「畜生!」
と受話器を投げ捨て、素手でオッサンの顔に一発食らわした。
それでも収まらない鬼界さんは、
オッサンの胸倉を掴み、
「謝れよ」と揺さぶった。
すると、そのオッサン、
ヒステリーを起こした猿のように、
鬼界さんの顔面を両手のツメで思いっきり引っかいた。
「キーッ!」って。
鬼界さんが「いってぇ!」とひるんだ隙に、オッサンは走って逃げ去った・・・。
と、こういう訳らしい。
初演の『ナイト・シフト』での鬼界さんの役は、
まじめ〜な、お堅〜い職業の役。
ヤクザの出入りの後のような傷だらけの、
ミミズ腫れだらけの顔じゃマズイんじゃないの?
ということで、
ファンデーションを塗ったくって、舞台に登場。
近くで見ると、グロテスクな顔で怖かった。
前列のお客さんには、判ってたな。
鬼界さん本人は、
「本番中のトラブルはいけないね・・・」と、かなり反省したもよう。
‘ホームでケンカ’なんて、
今だったら警察沙汰だよね。


2月19日(火よう日) 日直・鬼界
『コナン』を見た。
『名探偵コナン』じゃなくて、『未来少年コナン』です。
『千と千尋の神隠し』を作った宮崎駿のアニメです。
1話30分で全26話、計13時間を1日で見てしまった!
「鬼界さんて、やっぱりヒマなんだ・・・」と言われそうですが、
一気に見ずにはいられないほど、おもしろい!
これを見てウキウキしなければ、心がマヒしてるんだ。
これを見てワクワクしなければ、人間じゃない。

と、書いたものの
こーゆーほめ方って、どうかと思うんですよね。
よくあるじゃないですか、
映像と音楽がちょっと凝ってるっぽくて、感性が鋭いっぽい、映画。
若い女性タレントとかが、「あれは感動しますよネー」と言う映画。
あれは卑怯です。
「今、流行ってるこの映画はすっごいセンスだ」→「この映画がわからなければセンスがない」
という方程式を先に押し付けられちゃうから、
なんとなく「おもしろかったぁ」と思っちゃったりすんですよね。

と、脱線したものの、
『未来少年コナン』はいいです。
お近くのビデオ屋さんにあるはずですから、是非!
ちなみに僕はラナがとても好きです。


2月18日(月よう日) 日直・鬼界
迷信好きの鬼界家で育てられた僕にとって
もっとも恐ろしかった迷信は
「ミミズにオシッコをかけると、ナニが腫れあがって大きくなる」
という迷信だった。
僕が幼少の頃、鬼界家の周囲は山や野原ばっかりだったので、
油断して立ちションすると、百発百中ミミズにヒットするのだ。
だから、必ず‘鬼界川’という小川にまで行って立ちションしたものだ。
が、中学生になってからは正反対。
ミミズを狙っては立ちションしてました。
性の仕組みを知ったんですね。
でも、迷信は迷信・・・・期待通りにはいきませんでした。
いえ、僕だって信じてたわけじゃないですよ、もちろん。
でも、もしかしたら、なんらかの効果があるかもって、思っちゃったりするじゃないですか。
現実は甘くないです。


2月17日(日よう日) 日直・橋本
 2次会のパーティでだったらまだしも、
結婚式の披露宴でベロベロに酔いました、私、昨日。
隣りのテーブルで、
やはりベロベロになっていた、
新郎の親戚のハゲチャビンのオジサンと仲間だ、仲間。
シャンパン・ビール・ワイン・ウィスキーのちゃんぽんもいけなかったが、
一番いけないのは、
フラメンコだな。
 フラメンコが趣味の新婦が、
その師匠?先輩?(紹介をうわのそらで聞いてたので。)の女性ダンサーに、
「お祝いに、是非、踊ってほしい」と依頼し、
承諾してくれたその師匠?先輩?が、
わざわざ踊るためだけに披露宴会場に駆けつけてくれたそうだ。
ギターを弾く男性と、手拍子を打つ男性と、
そしてその女性ダンサー、
この3人で、
数々のステージに立っているプロのフラメンコ・トリオだそうだ。
昨日も、
タイトなスケジュールの中、無理をして来てくれたらしい。
披露宴のあとも、すぐに、地方へ飛んでステージに立つそうだ。
私は、プロのフラメンコをナマで観るのは初めて。
しかも、ステージは私の目の前。
わーい、楽しみ。
と期待して損した。
なんか、悪いもん見ちゃった。
場末のキャバレーのマダムが、男に逃げられて、なんかに八つ当たりしている・・・
って感じ。
フラメンコって、そんな踊りなの?
ちがうよね。
素敵だよね?フラメンコって。
“数々のステージ”って、一体、何のステージなんだろう。
“地方のステージ”って、温泉場とかなのかな?
ドサ周り?
ウソなんじゃないか?
“タイトなスケジュール”の割には、
何曲も踊っちゃって。
みんな、ウンザリ。
新婦も心の中で思ってたよ、きっと。
「いい加減にしろよ」って。
自分達から言ったのか?!
「躍らせて!」って。
私、あのフラメンコの毒にあてられたんだと思う。
あれ見ちゃって、悪酔いしたんだ、きっと。

橋本、稽古で忙しくて、ちょっとのあいだ日誌が書けなくなるかも・・・
っていうのは、甘い?
頑張って、なるたけ書きます。
皆様、鬼界さん、よろしくお願いします。


2月16日(土よう日) 日直・橋本
 「‘バレンタインデー’なんて、いらないんじゃないの?!」
に私も同感です。
(・・・誰かも思っていると仮定して・・・です。)
何がウザイって、
稽古中のバレンタインデーがウザイ。
「今日はバレンタインデー。
なぁ〜んか貰えるんだろうなぁ♪」
と期待してるのがありありと判る男連中の顔つきがムカつく。
別にあげなくてもいいのだが、
あげなかったらあげなかったで、
「あっれー?何もくれないの?!」
と思ってるんだろうなぁ、こいつら・・・
と、その日1日、ちょっとでも気にかかりそうだし。
そういうふうに気にするのがウザイので、
「だったら、最初から、何かあげとくか・・・」
ってなことで、
女子全員で、お金出し合ってチョコレートケーキなぞ買いに行き、
「男の人達、みなさんでどーぞ。」
って、切り分けてあげたりして。
まっ、それで、その場がなごんだりもするわけだから、
それはそれでいいんだけど、
「ホワイトデーはバックレ」ってのは、どーかしら。
貰ったんだったら、ちゃんとお返ししろっての。
「バレンタインデーは稽古中だったけど、
ホワイトデーは稽古中でも何でもない時なので、
女子の皆さんに会えなかったから。」
なら、まだしも、
稽古中の時でさえ!
バレンタインデーの時チョコレートケーキをプレゼントした女の子達が、
顔を揃えてる稽古中の時でさえ!
な〜んにもお返ししようとしない奴らにムカつく。

というようなことを数年前までチラッと思ってましたが、
今は、どうでもいいや。
ところで、
私、今、かなり酔ってるや。
友人の結婚式帰りさ。
今日の、この日誌、読み返してないんだけど、
支離滅裂?
あー。
すびばせん。
明日はちゃんと書きます。


2月15日(金よう日) 日直・鬼界
ツメって、不思議だ。
そう、手の指のツメです。
ツメを切ってしばらくは全然のびないのに、
ツメの先っぽが白くなって「おや、ツメがのびてきたかな」と思ったら
日に日にグングンのびて、白い部分があっという間に拡大します。
しかも、僕はツメを切る機会が少ないので
のびたまま状態が結構つづいたりするのです。
なぜ、切る機会が少ないのか?
どうしても夜にツメを切れないからです。
子供の頃、言われませんでした?
「夜、ツメを切ると親の死に目に会えない」って。
鬼界家では朝から晩までそういう迷信が家中を飛び交っていたので、
大人になった今も、なんとなく頭のどっかにしみ付いてるのです。
迷信好きの一族なんです。
だから、僕は霊柩車を見ると反射的に親指を隠すし、
夜に蜘蛛を見ると嬉しくなります。
ありますよね、こういうの? ・・・ない?


2月14日(木よう日) 日直・鬼界
小田急デパートの地下売り場に行った。
チョコ売り場が特設されていて、すごい人だかりだ。
そして、匂いがスゴイ。
チョコのいい香りじゃなくって、ギョーザの匂い。
チョコ売り場の隣りがギョーザ屋でギョーザを焼きまくってるのだ。
いくらなんでもチョコのとなりにギョーザはどうかと・・?
昼飯時だから、おいしそうではあるが・・・。
その中に、透明のちっちゃいビニールバックを手に持った、
小田急デパートの女子社員がいた。
(デパートの女の人って、なんでみんなあのビニールバック持ってんだろ?)
「くさいハゲは、これでいいわよ」
「デブ田中も、これでいいわよ」と
一番安い300円のチョコを大量に買っていく。
くさいハゲ?デブ田中?
OLって、こんな風にして義理チョコ買ってんだ・・・。
なのに、‘くさいハゲさん’や‘デブ田中さん’は、きっと大喜びすんだろうな・・・。
「あとは500円コースの5人ね。」
500円コースって、なんだろう?と聞き耳をたてると、
どうやらホワイトデーにお返しをくれる人には、いいチョコをあげるらしい。
いいチョコで500円かい!
チョコ売り場の店員さんが試食を勧めるが、完全無視。
太るからガマンしてるのだろう。
すると、店員さんは今度は僕に試食を勧める。
男に勧めてどうすんだよ!
バレンタインのチョコを自分で買えってか?
そして、女子社員達はチョコを買い終えると、迷わずギョーザを買った。
あれだけ匂いかがされると、買っちゃうわな、ギョーザ。
ギョーザ屋もチョコ屋ももうかるバレンタイン。


2月13日(水よう日) 日直・鬼界
〜はねをたずねて三千里〜 ついに最終回!
そんな無知な僕に心優しき女性たちからメールがきました。

『○を○○ていると、自然にナプキンは○○に○○って(××て)しまうのです。
だから羽根で○○し、○○○を○○ってワケなんです。』
“羽根愛好家”さん、ありがとうございました。
送られてきたメールが○○だらけだったわけじゃありません。
それどころか、包装から羽根を解き放つ時のメーカーごとの使いやすさ、
羽根の持続力に対する考察など、
ベテラン使用者ならではの鋭い指摘にあふれておりました。
○○にしたのは、男性読者を、‘???地獄’に陥れるためです。
やーい、やーい、わかるかぁ〜?

そして、別のある方のメールにはお礼のしようもありません。
『腑に落ちないようなので羽について図で説明いたしましょう。
添付ファイルを開いてください。』
図解が送られてきたのです!しかも、色つき!!
装着方法も、使用上の注意も細かく解説していただきました。
これで僕も今日からナプキンを使えます。

また、別の方のメールには、こう書かれてました。
『羽根調査ご苦労さまです。鬼界さんはヒマなんですか?』
・・・・・・。
返す言葉がありません。

みなさん、本当にありがとうございました。


2月12日(火よう日) 日直・鬼界
〜はねをたずねて三千里〜
皆様からのメールを待ってるだけじゃいけないと思い
“羽根”調査に行ってきました!

推理小説みたいだあ。
だって、女性の方々は“羽根”について熟知してるわけでしょ。
だから、僕の調査記録は
最初に犯人を明かし、探偵がその犯人に行きつく過程を描くパターンの推理小説と同じだ。
ま、どうでもいいか、そんなこと。では、はじまり、はじまり〜。

マツキヨに行った。
生理用品売り場は店の一番奥にある。その向かいの棚はトイレ用品だ。
「トイレマジックリンはどこだっけ?」と小声でつぶやきながら潜入した。
近くで女店員が品出しをしてるので、
なにげなくチラチラ見ることしかできない。
生理用品のパッケージって、なんであんな見にくいの?
さわやかな水色の袋に水色でナプキンの絵が書いてあるのが多い。
保護色かよ?チラッと見ただけじゃ、わかんねえよ。
ナプキン探偵のことも考えてくれよ!
と、憤慨してるうちに女性客が来た。
僕はなにげなくトイレ用品を探すフリをする。
女性客が立ち去ったので、なにげなく生理用品を観察する。
女店員が近づいてきたので、なにげなくトイレ用品を物色する。
女店員が立ち去ったので、なにげなく生理用品に・・・
どこがなにげないんだっ!
明らかに不審な行動だ。
急がなくては!まだ何も手がかりをつかんではいない。
最下段に、ナプキンの図解がわかりやすく描かれた黒白の大きめの袋があった。
これだ!
エリス・ウルトラブロック・パーフェクトガード!!
スゴイ名前だ。ものすごく守ってくれそう。
そして、僕はこのエリス・ウルトラパーのおかげで根本的な誤りに気づいたのだ。
正直に言いましょう。
僕は、羽根も本体も全部、ハンペンだと思ってました...。
違うんだあー!!
みんなは、知ってた?(世界の男性に向けての質問)
僕は自分の無知にかなりショックです・・・  (つづく)


2月11日(祝日) 日直・鬼界
「こんなの、いらないんじゃないの?」に多数のメールありがとうございました。
全部、載せられなくてゴメンなさい。
そして、嬉しいかな、
“ナプキンの羽根”についてメールをいただきましたっ!
全文掲載します。

『「羽根つき」きらいです...。
かなり面倒です!   ...わたしはね...。』

「鬼界さん、こんにちは」とか「羽根についてで〜す」とか
余計な語句は一切なし!いきなり、本題。
いいっすねえ、潔くて。直球勝負だ!
が、ここからが難解なんです...。


『そして、「よこもれなし!」というけれど、わたしは常々おもっているのですが
「うしろまわりあり!?」と...。』

「うしろまわり」って、な〜に?
どういう状態?
“後方に回り込む”って意味ですよね?つまり・・・?
あれがこうなるの?それとも、そこがああなるの?


『...ないか??』

って、僕に聞かれても・・・・

『使用したことない訳ではなくて、「うしろまわり」したことがあるわけでもないのですが...。』

突然、婉曲的表現になってる・・・・
羽根を使用せざるをえない状況に追い込まれたり、
「うしろまわり」危機一髪を経験したってことですか?

『意味わかります?』

ぜんぜんわかりません。

謎は深まるばかり・・・・
結局、羽根って、なに?いるの?いらないの?
羽根愛好家のメール、募集中。っていうか、羽根に関するメールだったらなんでも嬉しいッス。
だって、女の子に面と向かって
「ねえ、ナプキンの羽根、使ってる?ちょっと見せてよ」
なんて言えないもん。
そんな男、サイテーでしょ。
よろしくお願いします。僕をはじめ、世の男性の永遠の謎を解決してください。
羽根について こちらからどうぞ。

“子供電話相談室”みたい・・・。いいぞー!!


2月10日(日よう日) 日直・橋本
「伝説になった“こんなブザマな人”」
(昨日のつづき)

一体、何の騒ぎかというと・・・
どうやら、
前日、太陽堂でドえらい事件が起こった。
前日は日曜日で学校は休みだったが、
いくつかの運動部が校庭で練習していた。
運良く、それを目撃した、
陸上部のM子が女子達に、
サッカー部のK君ら3人が男子達に、
それぞれの輪の中心になって
その事件を報告している真っ最中だった・・・
というわけだ。
早速、私も、女子の輪に仲間入りした。
M子から聞いた、その恐るべき事件とは?!
 
『太陽堂事件』
 学校が休みの昨日、日曜日の午後、
太陽堂はヒマなので、隠居したおばあちゃんが店番だった。
お父さん、お母さんは、揃って外出。
大学生の息子も出かけていた。
OLの娘は、
家族の居ないことをいいことに、彼氏を家に招いた。
2階の自分の部屋で、
しばらく話していたが、
Hすることにした。
家族が出払ってるのをいいことに。
おばあちゃんは耳が遠いし、
脚も弱いので、2階には上がって来ない。
安心してスゴイことに挑戦しまくった。
その、
スゴイことの、
まさに佳境の、その時!!
ガチャッ、といきなりドアが開き
「ちょっと電話なんだけど、おばあちゃん、聞こえなくて」
と、おばあちゃんが入ってきた。
予想だにしなかった突然のおばあちゃんの登場に、
びっくりしちゃった娘と彼氏。
(“びっくりしちゃった”は言葉足らずだよねぇ。でも、
この場合、どう言おうが言葉足らずな気がして。)
びっくりしちゃったせいで、
○○○が××なくなってしまい、
結局、おばあちゃんが救急車を呼んだ。
学校のド真ん前の太陽堂に救急車が横付けされたので、
校庭で部活していた生徒達は、何事かと走って見に行った。
いたいけな中学生達がそこで見たものは、
顔からスッポリ毛布にくるまった男女が、
一緒くたに担架で運ばれるブザマな姿だった・・・。

『太陽堂事件』は、先輩達から後輩達へと語り継がれ、
伝説となった。
10年前くらいに「太陽堂」は閉店し、
ただの「佐藤さんち」になっちゃったけど。


2月9日(土よう日) 日直・橋本
「伝説になった“こんなブザマな人”」

 私が通学していた中学校の裏門のド真ん前に、
「太陽堂」という、
いわゆる‘生徒御用達の何でも屋’さんがあった。
文房具・パン・雑誌・菓子・ジュースなど、
中学坊主が買いそうなチープな物を、
雑多に売ってる店。
売り物のジャンルは広いが、品数が極端に少ない店。
店舗面積が異常に狭い、
普通の家庭が、玄関先をちょっと改造して、片手間にやってるような店。
実際、
「太陽堂」は、真正面から見ないと‘お店’だと判らない、
普通のお家。
「佐藤」と表札も出てる。
お父さんは、普通のサラリーマン。
娘はOLで、
息子は大学生。
お母さんが、「太陽堂」を運営していた。
もともとは、
既に隠居したおばあちゃんが始めたお店らしい。
「せっかく学校のド真ん前に家があるんだから、
お店でもやらなきゃ勿体ないわ」
そう思ったんだな、きっと、おばあちゃん。
思うツボで、
私達○○中の生徒は、「太陽堂」をよく利用した。
私は、部活中、
500mlのコーラをよく買いに行ったし、
生まれて初めて食べたカップラーメンも、
「太陽堂」で、
おばさんにお湯を入れてもらって皆で食べた「ニュータッチヌードル」だ。
 中3の時の、ある月曜日の朝。
学校に行き教室に入ると、大騒ぎになっていた。
              (つづく)


2月8日(金よう日) 日直・鬼界
「こんなの、いらないんじゃないの?」も、そろそろ終わりです。
こんなメールをいただきました。

『いらないもの。ナプキンの羽根』

この13文字だけが送られてきました・・・・。
よ、よくわかんないんですけど・・・。
‘ナプキンの羽根’って、
高速道路の緊急停止スペースみたいに、
横にふくらんだ部分のことでしょ?
飯島直子がやけに明るく「夜でも安心」って、言ってる部分でしょ?
それって、いらないの?
飯島直子はウソ言ってんの?
そもそも、アレはどう使うのですか?
ビラビラと自由に動くようにしておくの?
それともパンツのどこかに接着させるの?
これらのことを詳細に熟知してる男って、いる?
な〜んも知らない僕はなんとコメントすればいいのだろう・・・。
もしかして、このメールは僕に対する挑戦?

大変、言いにくいことだとは、重々承知ですが、
もしよろしければ、‘羽根’についてメールください。
羽根はね、・・なの へ、是非。


2月7日(木よう日) 日直・橋本
「私は見た。こんな“ブザマな人”」

某事務所の主宰者である俳優のKさんは、
結構、
皆にブザマな姿をさらしている・・・といっていいだろう。
●ウンコが流れず、自力で流していた。
●自分のウンコが予想以上に臭く、
あとから入ってきた人にバレぬよう、ドアをパタパタした。
が、それが裏目に出て、階下の稽古場に臭いが流れ、
この臭さは何事かと皆で見に行くと、
まだパタパタしていた。
●Kさんのウンコ待ちで、開演時間が遅れた。
などなど、
盛りだくさんだ。
その中でも、とび抜けてブザマだった姿と言えば・・・
 数年前のクリスマスの夜。
その日は、仲間の結婚祝いのパーティだった。
盛大に1次会を終え、
皆、酔って浮かれた調子で、
近くの2次会会場へと向かって歩いていた。
と、突然、Kさんが
「僕は、ちょっと待ち合わせがあるから、ここで失礼。」
と言って、立ち止まった。
ふと見ると、その場所は待ち合わせのメッカ。
「なんだよ、なんだよ、Kさん、女と待ち合わせかよ〜」と、
皆、なぜか大笑いしながら、
そこにKさんを残し、2次会会場へ。
 2次会を終え、またまた、そこを通りがかった私達。
そこで、私達は見てしまった。
人待ち顔で座っている犬の銅像の下で、
人待ち顔で立つKさんを。
「ま〜だ待ってるよ。」
ダブルハチ公。
あの、自信たっぷりの「ここで失礼。」は、なぁ〜んだったんざんしょ。
私達は、
ハチ公君たちの前を通るに通れず、
遠回りして帰ったのだった。

あんな、
アホみたいに目立つところで待ち合わせするのも考えもんですよ。



2月6日(水よう日) 日直・鬼界
「こんなの、いらないんじゃないの?」にメールです。

『携帯のメールでJ-PHONEはJ-PHONE同士だと相手が読んだら
送信者に分かるように音楽がなるってシステムがあります。
あんなの付けられちゃたまらないよ』

へえ〜、そうなんだ。
メールを読んで、そのままバックレられないってこと?
レスしないと、相手から「なんでレスくんないの?」と怒りのメールが来たり、
ちゃんと伝わらなかったんだと誤解され、
同じ内容をクドクド書いたメールが再度来たりするのですね。
だったら、電話しろよって感じです。
メールのいいとこは、自分の都合のいい時間に読めるってとこなんですから。
なるほど、そんなシステムはいらないじゃ・・・ん?ちょっと待ってください。
レスすりゃあ、いいんじゃないの?
それで解決じゃん。
あ、そっか。レスなんかしたくない相手からビシビシ、メールが来るんだ!
う〜む、意味深というか、ちょっとストーカーティックかも・・・
どうか、刺されないでください。

そろそろ募集も終わりにしようかと思います。
どんなんでも結構です。思い切ってメールしてね。
いらないじゃん! へ、皆様カモ〜ん。


2月5日(火よう日) 日直・鬼界
「こんなの、いらないんじゃないの?」に、メールをいただきました。

『いつも利用しているバスのアナウンス。
「次は旭町三丁目、アイダ歯科前でございます。
一般歯科、小児歯科、矯正のアイダ歯科は、電話????の????です」
いつも利用している自分でさえ、電話番号は覚えられない。』

確かに!
なんで電話番号を言うんでしょ?
メモする人がいるわけないし、いつも聞いてたって覚えないし。いらないじゃん!
バス停アナウンスのたびに宣伝入りますよね。
アナウンスしてもらう為には、いくばくかのお金を支払うわけでしょ。
効果があると思って、支払ってんですかね?
バカじゃないの?

また、こんなメールもいただきました。

『とーとーXデー、来ちゃいました(泣)。
花粉の季節到来!!
ぶぇーっしょんっ×10、ツー、ぶもぉー&ぐり2。
GW明け迄続くのかと思うと…トホホ(涙)。』

募集の趣旨とは若干・・・なのですが、
花粉なんかいらない!という気持ちがマザマザと伝わってきますので
緊急掲載です。

まだ募集してますんで、宜しくお願い申し上げ致します候。
あなたの周りにないっすか?「こんなの、いらないんじゃないの?」と思うもの。
いらないじゃん!へメールくださいまし。


2月4日(月よう日) 日直・橋本
 きのう一緒に飲んだ友人の「こんなの、いらないじゃん!」
正確には「あぁ貧乏時代・・・。あんなの、いらなかった・・・」
 
 10年前、友人は、
“家賃6万円”の予算で、アパート探し。
不動産屋のお姉さんが案内するとこ、するとこ、クソボロアパート。
(仕方ない。
都心で家賃6万円じゃ。)
みじめ〜な気持ちで、6件目の物件へ。
6件目は、
1ヶ月住んだら身体悪くしそうな、それまでの5件に比べて、
ちょっとはマシ。
「お風呂も付いてますよ。」と、お姉さん。
お、お風呂付き!
が、しかし
家賃8万円。
予算を2万円もオーバー。
かなりきついなぁ・・・。
するとお姉さん、
「シャワーもあります。」
シャ、シャワー!!
それまで“風呂無し”だった友人は、
“シャワー付きお風呂”が決定打となり、
思い切って、そこに決めた。
が、しかし
住み始めて、知った。
そのシャワーは、使えないシャワーだった。
お湯が出てくると見せかけて、
何も出ない。
ホースをたどると、
ホースの先っちょは、ただ単に壁に埋め込まれていた・・・。

 「あれは、ホント、いらなかったなぁ。
水一滴出ないシャワー。
なんの役にも立たないどころか、
「お湯が出そう」な感じでシャワーヘッドがフックに引っ掛けてあるから、
よけい腹が立つ。」
と、友人。
確かに、それは要らないな・・・。


2月3日(日よう日) 日直・橋本
「こんなブザマな目に遭いましたコーナー」にも、
ちらほらメールを頂くようになりました。
わーい!

『会社の保養所に2泊3日で泊まりに行った折、
皆でテニスをしたんです。
ダブルスを組んで、総当たり戦の試合をしようということになりました。
私はお目当てのSさんとダブルスを組むことができ、
天にも昇る気持ち。
テニス初心者の私をかばうように、
テニスの上手なSさんは、コート狭しと走り回り、
2人の雰囲気絶好調。
が、楽しい時間は、そう長くは続きませんでした。
相手の打ったスマッシュボールが、
私のアソコを直撃したんです。
「アーウチッ!」
痛いの痛くないの(‘痛い’ということです)。
(私は、恥骨が普通の人より出てるせいか、
小さい頃から、ソコをよくぶつけます。
机の角とかに。
体育の授業でブルマー姿になると、明らかに人より出てて恥ずかしかった。)
当然、試合は中断。
私は、アソコを押さえウンウン唸りながら、担架で部屋に運ばれました。』

ブザマだ、ブザマ!
けど、
“普通の人のより出てる恥骨”って、
どんなふうなのか見当つかないなぁ。
そういう“抜きん出た恥骨”、
見たことないなぁ、たぶん。
なんか、とりあえず、“出っ張ってる”ってことですね?
「出る杭は打たれる」って言うもんねぇ・・・。
どうか、ソコ、大事にしてください。
これ、あれですよね、
「恥骨なんて、いらないじゃん!」ってことじゃ、ないよね?
(ちょっと弱気な私。)


2月2日(土よう日) 日直・橋本
「こんなの、いらないんじゃないの?」
への多数(?)メールにまぎれて、
「こんなブザマな目に遭いましたコーナーへ」
と記されたメールを頂きました。
“コーナー”作った覚えないよ?
出る幕の無い橋本へのお気遣いであろうか・・・?
やったー!

『うちの学校では、
身体測定のあと、
前回の測定の時に比べて、
大幅に体重が増えた人・減った人の名前を職員室の黒板に書き出すんです。
私は、59kgが53kgに減ったので、
黒板に書かれてしまいました。
私は書かれているなんて全く知らなかったので、
男のクラスメート達に「53kgもあんのかよ」といきなりからかわれ、
「なんで私の体重を知ってるの?」とびっくりしました。
痩せるのは嬉しいけど、書かれるのはイヤだ!』

・・・。
これは、
「“体重大幅減少者の発表”なんて、いらないじゃん!」っつーことですかね?
ってことは、
やはり「いらないじゃん!コーナー」?
いや、ちがうな。
全校生徒に、自分の体重がさらしものになったんですから!!
からかわれたり・・・ね!?
りっぱな「ブザマな目に遭いました」ですよ!
必死でダイエットしてるのもバレバレだ、これじゃ!
しかも、いちいち、‘何キロ減った、何キロ減った’って、
逐一報告するようなもんです、全校生徒に。
ヒドイ!
そんな、発表なんて、いらないじゃん!
・・・あれぇ?


2月1日(金よう日) 日直・鬼界
「こんなの、いらないんじゃないの?」に、メールをいただきました。

『鬼界さんへ
では、私も「こんなものいらないじゃん」に投稿します。

以下、1月31日の鬼橋日記より抜粋
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
あなたの周りにありませんか?
‘こんなの、いらないんじゃないの?’、まだまだ募集中!
いらないじゃん!へ、どしどしメールくださいね。アハン。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
この中の「アハン」がいらないと思います♪』

も、盲点でした。
確かにいらない!全然いらない!!
敬意を払い、全文掲載させて頂きました。

あなたの周りにありませんか?
‘こんなの、いらないんじゃないの?’、まだまだ募集中!
いらないじゃん!へ、どしどしメールくださいね。アハン。


1月31日(木よう日) 日直・鬼界
「こんなの、いらないんじゃないの?」に、メールをいただきました。

『小泉首相。に、
迷惑メール!!』

NTTに勤める知人が言ってました。
「これは絶対に秘密なんだけど、
実は、NTTの中に迷惑メールを開発する部署があるんだ。
有名なハッカーとかが参加してる超強力チームなんだ。
だから、永久に迷惑メールはなくならないよ。秘密だぞ。絶対言うなよ。」
・・・・書いちゃった。
まっ、いいか。

別の方からもメールをいただきました。

『ニュース・ネタ パート2
狂牛病関連のニュースで必ず「BSE、いわゆる狂牛病」と言うが、
「BSE、いわゆる」の部分はいらないと思う。
単に「狂牛病」と言えばいい。』

これですよ!これ!!その通り!
チョット前まで、「狂牛病」としか言ってなかったじゃん。
それがいつの間にか「BSE、いわゆる狂牛病」になってる。
狂牛病という呼び方は、牛さんに対して失礼で、牛権問題だから、
BSEという呼び方に変更しましょう!
ってことじゃないんでしょ?わざわざ「いわゆる狂牛病」と強調してんだから。
どういうこと?「狂牛病」だけでいいじゃん。わかりやすいし。
ホント、これは、いらないんじゃないの?

あなたの周りにありませんか?
‘こんなの、いらないんじゃないの?’、まだまだ募集中!
いらないじゃん!へ、どしどしメールくださいね。アハン。


1月30日(水よう日) 日直・鬼界
「こんなの、いらないんじゃないの?」に、今日もメールをいただきました。

ティッシュボックスの横についている、箱をつぶすための穴
  あの穴を活用してる人っているの?

という、1月27日の鬼橋日誌に対して、

『あ〜あのですね〜!あれは重要です!
僕は必ずあそこから箱を潰します!
あの穴を活用しているのは僕です!』

という反論です。
ま、まさかそんな人がこの世にいるなんて!
しょうがねえなあ、実験しなきゃ。

・エリエールの場合
「こんな穴なんて便利なわけないじゃん」とバカにしながら、指を突っ込んでみる。
すると、どうだろう!
ちょっと力を加えただけで、指が吸い込まれるようにボックスに穴ができ、
軽く指を動かしただけで、ボックスは見事に折りたたまれた。
この間、わずかに3秒!
す、すごいっ!こんな便利な機能だったのか!!

・ネピアの場合
興奮を押さえきれず、ワクワクしながら、穴に指を入れた。
が、そこからどうにもならない。
ボックスの側面が、ベリっとはがれないのだ。
力を入れると、ボックス自体がひしゃげて、しまいにゃ破けてしまった。
なんじゃこりゃあ〜!

・スコッティの場合
ぜ〜んぜん、ダメ。
穴に指は入らないし、無理して入れたら指の皮がむけた。
ここがアメリカだったら、損害賠償で5億円くらい請求してやるのにぃ〜!

結論:やっぱ、ティッシュボックスの穴は、いらないんじゃないの?

メールくださったYさん、いかがでしょう?

けど、なんで僕の家にはティッシュペーパーが3種類もあったんだろ・・・?

‘こんなの、いらないんじゃないの?’、まだまだ募集中!
いらないじゃん!へ、どしどしメールくださいね。エヘ。


1月29日(火よう日) 日直・鬼界
「こんなの、いらないんじゃないの?」に、またまたメールをいただきました。

『混雑している券売機の前でお金を入れてから確認しているおじ様おば様!
なぜそこに来てから確認?いやがらせっ!!』

び、微妙にズレてませんか?
「いらないじゃん!」というより「いらつくじゃん!」なのでは・・・・?
でも大丈夫!どんな話題にもついていきましょう。

確かに!
長蛇の列に並んでるとき、いらつくおじ様おば様はたくさんいる!
先日、スーパーのレジで並んでると
僕の前のおば様が457円の代金を50円玉と10円玉と5円、1円で払おうとしているのだ。
サイフからジャラジャラ小銭を数えながら出している。
相当並んで待っていたので、僕はいらつきまくり。
そしたら、そのおば様が「あらぁ、454円しかないわぁ。惜しいわあ。」と言って
1000円札で支払ったのだ!
なにしてんねん、ボケっ!最初から札を出さんかい!
いらつきはMAXぅ〜!!刃物があったら刺してたね。
銀行が混んでる25日に何冊も通帳を使って、
何口も何口も振込み、ディスペンサーをず〜っと占領してるヤツにもいらつく。

‘こんなの、いらないんじゃないの?’、まだまだ募集中!
いらないじゃん!へ、どしどしメールくださいね。オホ。
いらつくじゃん!でも可です。


1月28日(月よう日) 日直・鬼界
「こんなの、いらないんじゃないの?」に早速メールをいただきました。

院内感染で7人の死亡者を出した、伊藤脳神経外科医院のニュース。
セラチア菌がどんどん増える映像が写るのですが、
気持ち悪すぎます!

確かに!
ベンザカプセルをつなげたようなセラチア菌が
どんどん伸びていく映像が必ず写ります。
あれは写す必要あるのでしょうか?誰が見たがってるの?
気持ち悪いだけです。
先日も“新築マンションに越してきたらゼンソクになった”という特集をやってたのですが、
「この部屋の空気を調べてみました」というナレーションとともに
ダニがモゾモゾ動いている顕微鏡写真の超アップ!
チャンネル変えるヒマもありゃしない。
メシ食ってるときに、なんでダニのアップを見せられなきゃなんないの?
「非常に多くの微生物が発見されました」というナレーションでいいじゃん。
ホントいらないものが多すぎます。

‘こんなの、いらないんじゃないの?’、まだまだ募集中!
いらないじゃん!へ、どしどしメールくださいね。ウフ。


1月27日(日よう日) 日直・鬼界
今日初めて気がついたのですが、
僕の留守電は、外出先から部屋の様子を聞くことができます。
“ルームモニター機能”というそうです。
実験しました。
NHKのニュースをつけっぱなしにして、
近所の公衆電話からルームモニターしてみると、
無人の僕の部屋で
NHKのアナウンサーが雪印の事件を伝えているのを聞くことができました。
こんなの、いらないんじゃないの?
強いていうなら、家が火事になってないかが確かめられる。
ルームモニターしてみて、「メラメラ〜」という炎の燃えさかる音が聞こえたら、
すぐに家に帰りましょう。ってことなんでしょう。
世の中には「こんなの、いらないんじゃないの?」と思われるモノが多いです。
・ティッシュボックスの横についている、箱をつぶすための穴
  あの穴を活用してる人っているの?
・レンタルビデオで、映画のあとに入ってる予告編
  映画が始まる前の予告編は見るが、映画のあとのは無意味だと思う
・JRの券売機で一瞬、画面に表示される、おねえさん
  切符を買うとペコっとお辞儀するおねえさんが画面に出るでしょ。
  あれって、いろんなタイプのおねえさんがいるの知ってました?
  僕は3人確認しました。

「こんなの、いらないんじゃないの?」を募集中!
“いらない”へどしどし、メールください。待ってまーす。


1月26日(土よう日) 日直・橋本
 日誌に書いた
「ブザマな目に遭い慣れていない人々」に関して、
佳代子さん(仮名)から、メールを頂いた。
「私、ブザマな目に遭い慣れてます。」
というものだ。
佳代子さんが仰るには、
「美男美女がブザマな目に遭う機会は、
普通の人より少ないはずです。」

 佳代子さんのメールを要約すると・・・
『美男美女にも、
ドジでドンクサイ人はいるわけだから、
自分のミスで
‘反町クン’のようにブザマにすっころんだりすることもある。
でも、
少なくとも、“他人から辱められる”ことは少ないはず。
 私が中学3年の時。
その日の体育の授業は、走り高跳び。
背面跳びを習った。
先生が、
「よーし、○○(私の苗字)、やってみろ。」といきなり指名。
私は「え〜?」とか言いながら、
結構自信があったので、いそいそスタート位置へ。
で、先生は大声でこう言った。
「さて、デブにも出来るかな?」
皆、大笑い。
好きな○○君も笑ってた。
私は、
ぽっちゃりはしてるけど、そんなにデブだとは自分で思ってなかったので、
‘私って、やっぱりデブなのーー?!’と愕然。
プラス、好きな○○君に大笑いされたショックで、
目の前真っ暗。
ヒザ、ガクガク。
走り高跳びなんぞ出来る精神状態ではなくなった。
フラフラとバーに走り寄り、
そのまま、バーもろとも倒れ込むような形でマットに突っ伏してしまった私。
で、また先生の明るい声。
「やっぱりデブには無理かぁ?」
 美男美女は、
好きな人の前で‘顔や身体のこと’をからかわれたりしないぶん、
ブザマな目に遭う機会は少ない・・ってわけです。』

なるほど。
好きな人の前で恥をかいたとき、
なんか自分がブザマな感じ・・・にはなりますよね。
いいとこ見せようとして、どっか無理するから、
よけい‘落とし穴’が多いのかしら。
それにしても。
その先生、ぶっ殺してやりたいわね。


1月25日(金よう日) 日直・鬼界
丸井の4Fに行くと、遠くに白い物体が浮いている。
な、なんだ?と近づいてみると、
人の顔だ。
あるブランドのマヌカンが白っぽいファンデーションを塗りたくっているのだ。
いや、正直に書こう。
「白っぽい」ではない。真っ白も真っ白。ウサギを100万回、漂白したくらいにピュア・ホワイト!
その白顔にゴージャス系のヘアスタイルなのだ。
『恋のから騒ぎ』の山下彩佳みたいな、(わかりにくい?)
ファラ・フォーセット・メジャースみたいな、(古い?)
とにかく、今どき流行らないウェーブばりばりのヘアスタイル。
のつもりが、セットに失敗したらしく、髪の毛、乱れまくり。(ゴージャスとボサバサは紙一重だ)
白顔にくずれゴージャスヘア。
まるで、レイプされた博多人形みたいだ。
そんな女に「いらっしゃいませぇ」とニカッと笑われたんですよ。
ブハッッと爆笑しそうになりながら、なぜか背筋にはゾクっと悪寒!
奇怪な体験に、一気に体調を崩しそうです...。


1月24日(木よう日) 日直・鬼界
丸井に行った。
なんで、丸井の店員は、いつも何か書いてんの?
在庫表か仕入表か、なんか知らないけど、
いっつもカウンターで書いてる。
NICOLE CLUBに行っても、書いてる。
SCOOPに行っても、書いてる。
ATSUKI ONISHIに行っても、miss ALICEに行っても書いてる。
ヒステリック・グラマーでもピンキー&ダイアンでもピンキーとキラーズでも書いてる。
(そんなブランドあるかいっ!)
あれは何?
午前中でも午後でも閉店間際でも書いてる。
なんか原始的すぎない?もっと効率よくできないの?オンラインとかで。
などと考えながら、4Fに行きました。
そしたらさぁ、そしたらさあ、
ひえぇぇ〜とビックリしたのだあー!
と、いいところで、明日につづくなのだあー! (つづく)


1月23日(水よう日) 日直・橋本
(昨日のつづき)

 美男美女は、ブザマな目に遭うと異常なショックを受ける。
以前、日誌に登場した、
小学校の同級生・久美子チャン(超美少女)は、
クラスメート達の前で“検便の再検査”を宣告され、
あまりの恥ずかしさに泣き出した。
翌日から3日間、欠席。
あとから聞いた話だが、
久美子チャンは「転校させて」と泣き喚き、親を困らせたらしい。
よっぽどショックだったのだ。
“再検査”の理由は、
どうやら“ウンコを容器に詰めすぎた”ということだ。
チョット笑えるはずの話だったが、
美少女・久美子チャンに、
「ウンコ入れすぎたんだって?アハハ」
と、面と向かってからかう者は誰もいなかった。
「ズ〜ンと深刻に落ち込まれたりしたら、面倒だ」
と、みんな、子供心に察していたのかもしれない。
何かで読んだが、
中山美穂チャンは、デビュー当時、
バラエティ番組のコントの衣裳にジャージのズボンを指定された時、
「そんなみっともない恰好するのは、絶対イヤ」と、
泣いて駄々をこねたそうだ。
 「超美人女優で、面白いことのできる人(正真正銘のコメディエンヌ)って居ないよな」
と言ってた知り合い(男)がいたっけ。
美少女・久美子チャンが、
「ウンコ入れすぎちゃった!まいっちゃうな〜」
と、おどけてみせる・・・ってことは、絶対ありえない?
でも、子供だから。
久美子チャンみたいに、ショックをストレートに出しちゃうのも仕方ないか。
でも。
昨日の‘反町クン’の美人彼女は、大人だよ?
「なんだよ、なんだよ。笑かすなよ。」
あるいは
「アハハ、倒れちゃってんの、おっかし〜。」
せめて
「大丈夫?怪我な〜い?」
ぐらいは・・・。
どんなもんかしら・・・?

以上、
「‘人格形成に与える、美醜の影響’を、ふと考える」の巻。


1月22日(火よう日) 日直・橋本
 昨日の嵐のピーク時。
横なぐりの雨のため、
ホームで電車を待つのもままならず、
階段で待機。
階段、混み混み。
私の1段上に居たカップル、美男美女。
彼氏は、反町隆史似。
2人とも背が高く、カッチョ良くロングコートを着こなしている。
コートのポケットに両手を突っ込んで。
(↑伏線。)
下から物欲しげに見ている私に見せびらかすように、
たまに髪の毛をなであったりしている。
 電車がホームに入って来て停まるやいなや、
皆、一斉に階段を駆け上がり、
車内に走り込んだ。
やっと嵐から逃れられた安堵感でホッと一息ついた、
その時!!
「フギャ!」
という意味不明な叫び声を聞くと同時に、
私の背中に、大きな衝撃が!
反射的に前方によけつつ振り返ると、
そこには、
徐々に下方に沈みゆく、男の顔面が!
「助けてぇ〜」
って、目が言ってる顔。
あの‘反町似’の彼だった。
反町は、ドターンと床にうつぶせに倒れ、
運悪く、後から走り乗って来たオッサンに踏みつけに。
車内は結構混んでいた為、
反町は、倒れる際、皆さんにぶつかったりしてご迷惑をかけ、
「痛ーい!」「キャッ!」「なんなのぉー?」とヒンシュクを買った。
反町の、世にもブザマな‘倒れ姿’は、笑いも誘った。
どうやら、
電車の敷居(って言う?)に、けつまずいたらしい。
カッコつけて、
ポケットに両手を突っ込んだまま走り乗ろうとしたんだ、きっと。
 かわいそうに。
カッコ良く生れついた彼は、こんなブザマな目に遭い慣れていないのだろう。
助け起こされた後、
茫然とつり革につかまり、
「これは違う!僕じゃない!何かの間違いだ!」と、
心の中で激しく葛藤している様子。
髪も乱れたまま、
ドロドロに汚れたコートのボタンの数を、何度も数え直している姿に、
彼の精神的打撃の大きさがうかがえる。
彼女もヒドイ。
そんな彼を置き去りにして、逃げるように車両を移っちゃった、無言で。
美人の彼女も、
ブザマな目に遭ったことがないので、耐えられなかったのかな?
「美男子の反町クン、大災難」の巻。
美男美女って、‘打たれ弱い’のね。
              (つづく)


1月21日(月よう日) 日直・鬼界
メールや掲示板で「おめでとう」のお言葉を多数いただき、
皆さん、本当にありがとうございました。
親兄弟からは当然、電話1本ありませんでした。
やっぱ、変わってんのかなあ、鬼界家って。
思い返せば、家族でクリスマスっぽいことをやったのは、たった1度きりでした。
僕が小学校低学年の時に無理に頼んだので
父がケーキを買ってきたのです。
でも、普通に晩御飯を食べて、その後ついでにケーキを食っただけ。
「メリークリスマス!」なんて誰も言いやしない。
プレゼントもなし。
そうだ、親からクリスマスプレゼントをもらったことは1度もないぞ!
その代わり(?)、
七段飾りのひな人形と七段飾りの五月人形は毎年、飾ってたなあ。
お彼岸にはおはぎを神社に奉納し、
お盆には仏壇の仏具を磨き粉で磨かされました。
う〜む、やっぱ変わってんのかなあ、鬼界家って。
なんて言ってる場合じゃないね。
冷静に考えたら、すっごく変わってるな。むちゃくちゃ変だ。理解不能かも。
平安時代の香りのする家族、それが鬼界家だ!


1月20日(日よう日) 日直・鬼界
小学2年生の時、友達から「お誕生会をやるから来てね」と言われ
大変驚いたことがある。
僕はそれまでの人生において
お誕生会はもちろん、誕生日プレゼントさえもらったことがなかった。
‘誕生日は無視せよ’というのが鬼界家の掟なのかもしれない。
僕は兄弟の誕生日を知らないし、親の誕生日さえ知らない。
以前、兄に尋ねた。
「お母ちゃんの誕生日って、いつや?」
「知らん」
ミもフタもない答えが返ってきた。息子達は誰も親の誕生日を知らないのだ。
(さすがに親は息子たちの誕生日を知っていると思うが..)
これほど誕生日を祝わない家庭も珍しいだろう。
鬼界家の先祖が誕生日に惨殺されたとか、
なにか因縁があるに違いない。

なんでこんなことを書いたかというと、
今日は僕の誕生日なんですよー。♪ハッピバースデー・トゥー・ミー!おめでとう、僕!!


1月19日(土よう日) 日直・鬼界
近所のビデオ屋が、6泊7日全品100円レンタル(最新作を除く)を実施中だ。
しかも2月10日まで毎日実施中だ。
当然、連日大混みしている。
僕も睡眠時間を削ってビデオを見ている。
見る気もなかったブラジル映画、たいして見たくもない山口百恵のライブビデオまで見ている。
だって、なんでもいいから見なきゃ損っ!て感じがするから。
もちろんアダルトも100円。
アダルトコーナーは満員電車なみの混雑だ。
そのせいだったのか、近所の若い男子が最近みんなゲッソリやつれているのは。
とにかく、ご町内のみんなが死ぬほどビデオを見られて、大喜びしている。
ふと考えた。
2月10日まではビデオ屋も大もうけできるだろう。
が、2月11日以降は誰もあのビデオ屋に行かなくなるんじゃないの?
だって、もう見るもんがないもん。
どういうことなんだろ?自殺行為だ。
閉店するのかもしれない・・・・。
だったら、なおさらビデオ借りなきゃ。日誌を書いてる場合じゃないな。


1月18日(金よう日) 日直・鬼界
僕も言わせてもらおう。
ふざけんなよ、NHK!ボケナス、NHK!死ね、NHK!
この前、
大好きな小野文恵アナウンサーを鑑賞するために
『ためしてガッテン』を見てました。
「あのおでこがキュートだなあ」と幸せいっぱいでした。
すると、突然ピロンピロンと音が鳴って、「ニュース速報」の字幕がインサート。
「さきほど地震がありました。徳之島、震度3」
おい、字幕が邪魔だよ!
小野アナのデカいおでこにかぶってるじゃねえか!
だいたい、徳之島って、どこにあんだよ?
すると、またピロンピロンと音が鳴って、「ニュース速報」の文字。
「さきほど地震がありました。徳之島、震度3。沖永良部島、震度2。
この地震による津波の心配はありません。」
津波情報は、島民に知らせればいいんじゃないの?
なんで全国ネットで速報しなきゃなんないの?
「そっか、徳之島に津波の危機はないのか。よかった!神に感謝!」
そんなことを思う視聴者がどこにいんだよ!
NHKに言いたい。
震度5以下の地震でニュース速報を出すのは大迷惑だ。即刻中止せよ!


1月17日(木よう日) 日直・橋本
 昨夜のこと。
NHK・BS2で放映された映画を録画したビデオが、
溜まってしまったので、
まとめて2本観ることに。
 1本めは、
『少年が知っている』。
1956年のイギリス映画。
宝石泥棒が盗んだ宝石を、偶然手に入れてしまった少年が、
その泥棒に命を狙われる。
果たして少年は、執拗に追う犯人から逃れられるのか?!
ってな内容のサスペンス映画。
終盤。
廃屋に追い込まれ、必死で逃げ惑う少年と、
鬼気迫る犯人との
“追っかけ”シーン。
いよいよ犯人が追い詰めた。
少年の脚に、犯人の手が伸びる!
少年の恐怖に引きつる顔がアップになったその時!
ブチッ!
と、映画が終わってしまった・・・。
 2本め。
『荒木又右衛門 決闘鍵屋の辻』。
1952年の三船チン(三船敏郎を私はこう呼ぶ)主演の大チャンバラ時代劇。
長年、追い続けてきた仇(かたき)。
苦労の果てに、
やっと探し出した、その仇を見事討ち取ることが出来るのか?!
終盤。
大詰め。
いよいよ決闘シーン。
仇討ちの場面。
詰め寄られた仇の顔面に、
刃の切っ先がピタッと当てられる!
恐怖に引きつる顔がアップになったその時!
ブチッ!
と、映画が終わってしまった・・・。

なんだよ。
いい加減にしろよ、NHK。
“番組表の開始時間・終了時間”どおりにタイマー録画してんのに。
勝手に時間変更しやがって。
そのおかげで、
どれもこれも、
ひとが録る映画録る映画、ラスト10分前でブチ切れてる。
死刑執行前の‘最後の晩餐’に中華丼を注文し、
最後の楽しみに取っておいたウズラの卵を口に入れようとした瞬間、
ツルっと落とし、
運悪くそれを踏まれてしまった時の死刑囚の口惜しさ。
は、こんな口惜しさか?
ここで、
マジなお願いです。
どなたか、録画してませんか?
私の周りでは、誰もいないのです。
「観ました」というメールでも結構です。
ご一報下さい。
よろしくお願いします!


1月16日(水よう日) 日直・鬼界
(昨日のつづき...かな?)
ブチ切れケンちゃんは、よく握りこぶしを見せてくれました。
「見てくれや、この皮膚。岩みたいやろ。」
ケンちゃんはムカつくとなんでもかんでも殴るから、
皮膚がカチカチに硬化してるのです。
バスケ部の部室の壁は穴だらけでした。
コンクリートを殴って骨折したこともあるそうです。
一番ビックリしたのは、
休み時間に突然、なんの前触れもなく、
「ちくしょー」と叫びながら、ケンちゃんが教室の後ろの黒板を
(先生が授業で使う、前にある黒板の3分の2くらいの大きさ)
殴りつけたら、
ガタンと黒板が壁からはずれてしまったことです。
ケンちゃんが何にムカついてたのかは、誰にも全くわかりませんが、
すっごくムカついてたことだけは、よくわかりました。


1月15日(火よう日) 日直・鬼界
ついでなんで、僕も痴漢エピソードをひとつ。
高校の時、ケンちゃんという友達がいました。
身長183センチで、バスケをやってて(インターハイ・ベスト16)、松田優作似。
カッコよくていいヤツなんだけど、キレやすいのが欠点。
ある朝、市バスで通学中、ケンちゃんの手が
後ろにいた女子高生に触れました。
すると、その女子高生は
「このバス、痴漢いるでぇ。かなんなぁ。」と言ったんです。
ケンちゃんに直接言わず、
わざとケンちゃんに聞こえるように、これ見よがしに隣りの友達に言ったんです。陰険っ!
ケンちゃん、ブチギレ!
「お前みたいなブス、誰が触るか!痴漢も人を選ぶんじゃ、このブス!
ちょっと手が当たっただけやないか、ブス!
ケツ触られたんか、ブス!お前のケツなんか触りたないわ、ブス!
お前みたいなブスがいるから、朝から気分悪いんじゃ、このブスが!!
ブスはバス降りろ!降りんかいっ!ブス!!」
ケンちゃんは、女子高生をワーワー泣かし、次のバス停で降りさせました。
ケンちゃんにあんなこと言ったら、これくらいのことは仕方ないです。自業自得。
1時間目が終わった後、
ケンちゃんは校長室に呼ばれました。
女子校から猛抗議が来たそうです。
放課後、ケンちゃんは女子校に謝罪に行かされました。
「悪いのはあのブスやんけ。」ケンちゃんはしばらく、そう言ってました。反省の色なし。


1月14日(月よう日) 日直・橋本
(昨日のつづき)
 
 初詣の後、新年会。
3時間ほど、みんなでワイワイ飲み食い話し、
あとは、例によって、
自然と2,3人づつの小分けグループになって、
チビチビ飲みながらの‘込み入ったお話タイム’となった。
私たち女4人は、
密談の態勢で
『見た!聞いた!読んだ!ヤラれた!‘こんなこと・あんなこと’する痴漢たち』
の話題に没頭。
そんな、
耳をおおいたくなる様な(うそ。もらさず聞きたい。)数々のスゴイ話の後、
「自分の彼氏が、過去に、実はヤッタことがあるとしたら、
次のどれが1番イヤか?」
 ●痴漢
 ●スリ
 ●かつあげ
なんつって、ちょっとカワイイ話に。
当然「痴漢が1番イヤだ。」で、4人の意見が一致。
(ちなみに‘万引き’は、
「誰でも1度はヤッテいる。そう、私だって。」で4人の意見が一致し、
候補除外。))
次に、
「ほんじゃ、この3つだったら?」
 ●レイプ
 ●強盗
 ●放火
「レイプは許せない。」が3人。
「放火がイヤだ」が1人。
 そろそろ乾杯してお開きにしましょうという段になって、
ためしに聞いてみた。
「痴漢したこと、あります?」
男の人たちは、
全員、間髪いれず、一斉に「ないっ!」
Aさんは、さらに首を横にブンブン振ってコレデモカと否定している。
Kさん(鬼界浩巳事務所主宰者)は、
目をそらしたらオシマイダ・・・とばかりに、
私たち女子をにらみすえている。
怪しいな〜、みんな。


1月13日(日よう日) 日直・橋本
 昨日は定例ミーティング。
ミーティングといっても、
「おめでとう。今年もよろしく。」と言い合い、
事務所近くの神社へ初詣。
「公演成功祈願」を済ませた後、
「新年会」と称し、
ダラダラ飲んだだけなのだが。
 事務所恒例、初詣。
きれいに掃き清められた参道を歩いていく。
自然と敬虔な気持ちに。
そんな厳粛な気持になる頃を見計らうように、
例によって、
鬼界さんの決めゼリフ。
「本来、自分は初詣とかお参りには無縁の人間だ。
なぜなら、
京都の宇治上神社で産湯をつかい、平等院のお庭が遊び場だった僕は、
常日頃から神仏に守られていると言っても過言ではないからだ。」
と、いつも通りに、
なぜか前方を凝視して、のたまう鬼界さん。
「それに、僕の小学校の同級生は、婿を取って平等院を継いでいるんだ。
正月に、テレビで平等院が映った時、
その婿がヘンな恰好して神妙に拝んでやがんの。
笑っちゃうね」
などと、
鬼界さんの‘神仏と僕との親密さ’を、ひとしきり聞かされたあと、
やっと参拝。
「あっ!‘2重の御縁’の25円が無いや!
じゃ、僕、お賽銭はいいかな?(と、神様に話しかけている様子)」
(ちなみに、50円玉・100円玉は、鬼界さん、明らかに持っていた。)
そして鬼界さんは、
お賽銭の額が一番多いT子ちゃんの横にピッタリくっついて立ち、
「T子ちゃんがお賽銭を投げる時、僕、横に居ようっと。
一緒に拝んでいい?」
自分は一銭も出さず
他人のお賽銭に便乗。
なのに、
「お参りの仕方」と書かれた図解説明表通りに、
二礼二拍手一礼を3度繰り返し、「祓いたまえー、清めたまえー」と
祝詞までも説明書き通りに読みあげる鬼界さん。
「金を使うな、身体を使え」を見事に実践。
さすが商売人のせがれ。
でも神様、
こういう人、あり?
神にすがってないのか、すがっているのか。
どっちつかず。
中途半端な信者。
こんなんで大丈夫なのかなぁ。
聞いてくれるのかなぁ、神様は。
「公演成功のお願い」を・・・。
          (つづく)        


1月12日(土よう日) 日直・鬼界
大阪の駅名は必ず、
日本語・ローマ字・中国語・ハングル文字の4ヶ国語で書いてある。
大阪には朝鮮系の人が多いからだ。
大阪駅のトイレに張り紙がしてあった。
「人の心を傷つける差別落書きはなくしましょう」
こんなところにまで!さすが、大阪!
でも、ちょっと、待って。日本語がヘンじゃない?
「差別落書きはなくしましょう」ってことは、‘落書きを消してまわれ’という意味?
差別落書きを書くことは許されるんだ。
だって、「差別落書きはやめましょう」じゃないんだから。
大阪はヘンな日本語が多い。
‘性感マッサージ’とか‘ファッションマッサージ’の看板が
‘性感マッサー’とか‘ファッションマッサー’になっている。
初めて見たときは、「どんなサービスしてくれるんだろう」とドキドキしました。
‘ジ’を略すことに意味あんの?
「1文字分のペンキ代がもうかりまっせ」という浪花の商人根性?
大阪は街を歩いてるだけで楽しい。


1月11日(金よう日) 日直・鬼界
  お正月は京都で・・・ その5
1月3日。昨日のお腹ピッピーゲロッピーでげっそりやつれたまま、
新年会に出席するため大阪に向かった。
(ちなみに体重3キロ減。やはりフグの食いすぎだったらしい。もうフグなんて見たくもない。)
有名な食い倒れ人形の前で待ち合わせ。
高校時代の旧友が揃う。
幹事の‘ボケ’(これ、あだ名です)が
「ええとこ予約してあんねん。ほな、行こ、行こ。」と案内したのは
フグ屋だった。
ジーザス!!
しかも、高級フグ料亭。
1万8千円の会費を払って、僕は、おしんことお茶だけ、いただきました。

僕の年末年始を振り返ると、
12月31日 東京→京都へ新幹線で移動(自由席で座れず)
1月1日   京都→山代温泉へ特急・雷鳥で移動
1月2日   魔のフグday
1月3日   山代温泉→大阪へ特急・サンダーバードで移動
1月4日   大阪→東京へ新幹線で移動(自由席でまたも座れず)
たいへん疲れました。グッタリ・・・。


1月10日(木よう日) 日直・鬼界
  お正月は京都で・・・ その4
フグで満腹になったのに、デザートのフルーツ盛り合わせまで食った。
最後のミカンを完食し、僕は「あー、おいしかった」とつぶやいた。
その瞬間だ。お腹がキリキリ痛み出した。
からだの中に侵入した異種生命体が、そのシッポで僕の胃を締めつけてるような痛みだ。
(異種生命体に侵入されたことないけど、イメージ的にそんな感じ)
「ま、まずいかも・・・」
僕は動けなくなった。不用意に動くと、異種生命体を刺激してしまう。
じっとしていた。
痛みが和らいできた。
ホッと一息ついた。と思ったら、
突然、胃の底から熱いものが突き上げてきた。
トイレに駆け込んだ。
それから5時間、僕は洋式トイレを抱き続けた。
皆さんご存知のように、胃から噴出する土石流には波があります。
噴出時には、涙やら鼻水やら、あらゆる体液が溢れ出し、もがき苦しむのですが、
小康状態の時には、ひたすら原因を究明します。
「みんな同じものを食べたのに、僕だけこんなことになって・・・何が悪かったんだろう?」
「僕だけフグの毒に当たったの?それとも
白銀屋の板前さんのことを僕が一番けなしたから、バチが当たったの?」
「フグ雑炊を5杯食べたから?ただの食べすぎ?」
山代温泉のトイレでお正月から僕は一体なにをしてんだろ?
そう思うとホントに情けなかった。 (つづく)


1月9日(水よう日) 日直・鬼界
  お正月は京都で・・・ その3(1/6からのつづき)
元旦。鬼界家恒例の温泉旅行に出発した。
目指すは、山代温泉。
‘北陸最大の、男の歓楽地’と呼ばれたところだ。ワクワクする。
が、行ってみると、な〜んにもない。
飲み屋もバーもスナックもソープもなにもない。
唯一のそれっぽい施設、“山代OS劇場”(ストリップですね)には
張り紙がしてある。
「新年の営業は、1月20日より。」
1月20日は新年じゃねえよ。
も、もちろん、僕は家族旅行なんですから、
いかがわしいところに行こうなんて、これっぽっちも思っちゃあいません!
でも、温泉場のそんな雰囲気を味わいたいじゃないですか。
山代温泉はさびれていました・・・・。
泊まったのは、1642年創業開始の白銀屋。
関が原の戦いの頃からやってんだ、この旅館。すっげえー。
1月1日の夜は、豪華なおせち料理。
さすが料理自慢の宿だけのことはある。
が、1月2日の夜は、いきなり、てっちり(フグ鍋ですね)になった。
確かに食材としては高価だが、鍋って料理じゃないじゃん。
白銀屋の板前さん、あなたのやったことはフグと野菜をぶつ切りにしただけでしょ。
400年の老舗料理旅館がそれでいいわけ?
などと家族全員でさんざん文句を言いながら、
家族全員でガツガツ食った。だって、おいしかったんだもん。
フグ雑炊も食べ、お腹パンパンになった。
が、悲劇はその後にやって来た・・・。 (つづく)


1月8日(火よう日) 日直・橋本
 昨日の「氷川神社」「痴漢」で思い出した。
うそ。
ず〜っと覚えている。
(前にもあったね、このパターン。)
高校1年生の時の
お正月三が日、
その氷川神社で‘巫女さん’をやりました。
アルバイトで。
「アルバイトは大反対!」の両親に
「お願い!1度だけ!」と頼み込んで。
白い着物着て、赤い袴はいてみたかった。
主な仕事は、御札売りアンドおみくじ売り。
(「1500円でーす。ありがとうございましたー。」と言ってはいけません。
「1500円お納めください。ご苦労様でした。」と厳かに言わねばいけません。)
 元旦。
お昼ごはんを食べに社務所に向かっていた私。
「絶対に走ってはいけません。
小走りもいけません。
あくまでも、ゆっくり静かに歩かなければいけません。」
と言われていたので、
砂利に足をとられぬよう気をつけながら、
静々と、うつむき加減に歩いていた・・・。
そう!
私の、痴漢初体験(注・‘チカンした’ではなく‘チカンされた’)は、
次の瞬間だった。
いきなり、私のカワイイ右胸を、
デッカイ手がムンズと掴み・・・
・・・ウソをつきました。
ペタっと、あてがわれました。
すれ違いざまに‘タッチボイン’・・・
・・・ウソをつきました。
‘タッチナイン’されたのだ!
ということに気がついたのは、
あまりの衝撃で茫然自失となった一瞬後、ハッと我にかえったあとのことなのだが。
我にかえって、キッと後ろを振り返ると、
オッサンが、ニヤニヤしながら、やはりこちらを振り返って見ていた。
そのヤロウは
「よっ!ごめんねー!」
と、酒に酔った口調で言い捨て、行ってしまった。
私は震える胸をギュッと抱きしめ、
ジャリジャリジャリジャリと、砂利道をダッシュで走りぬけた。周りも見ずに・・・。
そして、
社務所のお手洗いで、お昼も食べず、泣いた。
きよみ16才の冬・・・。

ね〜?!
可哀想でしょ〜?!
チカンしちゃいけないよ。


1月7日(月よう日) 日直・橋本
 元旦。
恒例行事の初詣。
エライね〜、私。
“2001年、私たち失恋しちゃった!あはっ”の同士諸君。
お約束どおり、ちゃんと、祈っておきましたので。
賽銭175円也で。
 お祈りをし、おみくじを引き(ちなみに“吉”)、お守りを買い、
などの、やることをサッサと済ませ、
食い物の露店をあれこれ物色。
物色ったって、食べるものは、毎年、決まってんだけどね。
「たこやき」と「広島焼き(焼きそば入りのお好み焼き)」と「やきそば」さっ。
(かなり同系列。)
‘焼き置き’をしている店がほとんどの中、
「今、焼いてますよー。だから焼きたてを食べられますよー。」状態の
たこやき屋を根気よく探し出し、屋台の前で忍耐強く待つこと10分。
その甲斐あって、アツアツのたこやきだ。
日当たりの良い場所となっている石垣に腰かけ、
缶ビール片手に、友人2人とつつきはじめた。
そんな、
ささやかな幸せに浸っている私たちから、
1メートルほど離れて座っていた若いカップル。
よく見ると、女の子はシクシク泣いている。
彼氏が、一生懸命慰めているみたいだ。
何事でしょう?
‘お正月・元旦・初詣・
大賑わいのたこやきの屋台の横’。
この、絵に描いたような平和な光景をバックに、
カップルは、何を悲しんでいるのでしょう?
耳のいい私が、
カップル寄りの位置に移動し、聞き耳を立てることに。
他友人2名は、カモフラージュの為に世間話をさりげなく。
結果。
どうやら、彼女は痴漢にあったらしい。
お賽銭を投げ、手を合わせている隙に。
ミニスカートにブーツ姿の彼女。
運の悪いことに、
今日はガードルをはいてないと言う。
パンツの上にストッキングだけだ。
もろ、さわられちゃった。
ダメだよ〜。
この氷川神社、
「全国初詣参拝者数ベスト10」に毎年入るほどの混みようなんだから。
気をつけなくっちゃ。
・・・かわいそうだなぁ。
オシャレしてきたのが、あだになった・・・。
お正月早々、悲しいだろうなぁ。
くやしいだろうなぁ。
神様の目前で、痴漢する男・・・。
そんな奴も「幸せになれますように」と手を合わせて祈るのか?!
か、
「今、さわれました。神様ありがとう」って?
ひでぇ〜。


1月6日(日よう日) 日直・鬼界
  お正月は京都で・・・ その2
その陰謀の電気屋を仮に‘S電気’と呼ぼう。
と思ったけど、腹立つから実名を出してやる!
沢田電気です。
僕の父親はあらゆる電化製品を沢田電気で買っている。
注文はすごく簡単。
電話を買うなら、「もしもし、沢田はん。電話、持ってきて。」と言うだけ。
‘シンプルで使いやすい電話’とか‘落ち着いたデザインの電話’とかの
指定は一切ない。ただ「電話持ってきて」だけ。
そういう場合、電気屋は
「年配の夫婦が使う電話だから、Eメールなんか必要ないし、
数字が大きく見やすい機種をお届けしよう」と思うのが普通じゃない?
それが商売人の良心じゃなくって?
なのに、沢田電気は最新の高価なメタリック調の電話を持ってくる。
純日本風の居間にピカピカした銀色の電話がマッチするか?
「なんか派手な電話やなあ」と父親が言うと
「今はこういう電話しかないんですよ」と答えたそうだ。
そんなわけねえだろっ!
何も知らない両親をだましやがって!
と、ここまでだったら沢田電気が一方的な悪者なのですが、
実はそうでもないらしいんです。
電化製品に異常に弱い、僕の父親は使い方がよくわからない。
それをいちいち沢田電気に電話して店主の沢田はんを呼びつけるのだ。
ビデオのトラブルの場合
「もしもし、沢田はん。ビデオが録画できへんで。ちょっと来て」
 →リモコンの電池が切れていた。
「もしもし、沢田はん。ビデオがまた録画できへんで。ちょっと来て」
 →父が誤ってコンセントを抜いたのでタイマーがリセットされていた
「もしもし、沢田はん。ビデオが全然録画できへんで。ちょっと来て」
 →ビデオのツメが折ってあった
沢田はんは週に一度は必ずこんなバカバカしい修理(?)をさせられるそうだ。
朝も夜も休日もお盆もお正月もお構いなし。
たまらんなあ。そりゃ、最新機種も売りつけるわ。
沢田はんと僕の父親は持ちつ持たれつの関係だったのです。
こんな話を母親から聞いているうち、僕は知らぬ間に2002年を迎えていた。 (つづく)


1月5日(土よう日) 日直・鬼界
新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
年明け早々、いきなり連載です。

  お正月は京都で・・・ その1
大晦日に帰省すると、また家電製品が増えていた。
思い返すと、昨年の秋に帰省した時(鬼界家大法要ですね)には
大型ステレオコンポが実家の居間に突如、出現していた。
スピーカーは墓石くらいに大きく、カセット・CD・MDが高音質で楽しめる。
「これで何を聞くの?」と父親に尋ねると
「夜寝る前に民謡のテープを聞くんや」と得意げに答えた。
だったら、ラジカセでええやんけ!
墓石スピーカーはもちろん、CDもMDもいらんやんけ!
念のため、「MDは使うの?」と父親に尋ねると
「MDて、なんや?」と答えた。・・・・・・・・・。
そして、大晦日に、なにが増えていたかと言いますと、電話です。
パナソニックの新製品。
留守電・FAX・コピー・ハンドスキャナにEメールまでできます。
そもそも、そんな多機能な電話を使いこなしてる人が日本にどれだけいるだろう?
「Eメールやってるの?」と父親に尋ねはしませんでした。
答えはわかってるから。
だから、「FAXは使ったことあるの?」と尋ねてみました。
すると、父親は「当たり前やろ。クリスマスにさやか(孫です)から送ってきたわ」と大自慢。
が、FAXを使ったのは、電話購入後93日間でその1回だけ。
しかも、使ったというか、自動的に受信しただけだし・・・・。
なぜ、僕の父親は使いもしない電化製品を買いまくるのか?
すべては近所の電器屋の陰謀なんです。 (つづく)


1月1日〜1月4日は、
お正月休みでごさいます。


12月31日(月よう日) 日直・鬼界
2001年を締めくくる大晦日。心静かに年の瀬を迎え
と、思ってたら、カラスがウルサイ、ウルサイ。
ベランダの手すりに止まって、
「カアア、カアア、ガァガァガァ、カアア、ガァガァガァ」と
変な鳴き方をしている。
カラスってやつは、腹の底から鳴くから、異常にうるさい。
シッシッと追い払っても、しばらくすると舞い戻り、「ガァガァ」鳴いている。
嫌がらせ?
大晦日なのに他にすることないのかよ?
って、カラスに大晦日は関係ないか・・・。
すると、今度は遠くから何かが近づいてきた。
「この1年ありがとうございました。日本共産党の畑山ひとしでございます。
皆様のご声援に支えられ、力いっぱい活動してまいりました。
来年も変わらぬご声援をお願いします。
2002年が皆様にとって」
とノロノロ車を走らせ、スピーカーから大音量で、延々とお礼を述べている。
「年末なのにエライわねえ」なんて誰が思う?
「うっせえよ!早くどっか行けよ!!」とご近所全員が怒ってるに決まってんじゃん。
バカじゃねえの。
政治家のくせに常識ねえのかよ?
政治家だから常識ないのか・・・。

と、大晦日まで書いてまいりました鬼橋日誌は1月4日までお休みです。
1年間本当にありがとうございました。
2002年も鬼界浩巳事務所をよろしくお願いします。

ちょっと早いけど、賀正


12月30日(日よう日) 日直・橋本
(昨日のつづき)

 そう・・・。
きっと、ヤケ食いだ。
この、暮れも押しつまった時に、
こんな話で、なんなんですが。
このヤケ食いは、
失恋による自暴自棄的行為かと思われます。
 「‘好きだ’と言えるのは、‘好きである今’この時だけ。
告白はリアルタイムでしよう。
‘過去の人’へとなる前に。」
という、G君の件で得た教訓をもとに、
計画され、実行された『七夕告白大作戦』が、
今となっては懐かしい。
6月15日から7月15日までの日誌を読み返してみた。
W君、Y美、そして太郎(呼び捨て)と私の4人で飲んだ、
あの7月7日の夜は、ハッピーだったわ。
何がいけなかったのか?
物静かで、感情をオモテに出さないタイプの太郎に対する
私の態度を振り返ってみよう。
『七夕作戦』以降、4回電話。
その際、必ず景気づけに酒をあおり、電話。
アル中と思われたか?
静かなる太郎と、ハイな私の、あまりにもズレたテンションが悪印象を与えたか?
私が太郎を「顔に出さない、何を考えてるのかわからんタイプ」と思うように、
太郎も私に「この人、一体、何を考えているのでしょう・・・」
と、あきれているようなふしも感じられたし。
 「‘好きだ’と言えるのは、‘好きである今’この時だけ。」
それはそうだが、
「告白」は、
“「あの人、好きだ〜♪」と、
ツライながらもウカレてる1番楽しい時期に終止符を打つ”という
リスクも負わねばならぬのね。
 今年、失恋した同士よ!
R子、奈美、お手伝いのT子ちゃん、え○○さん、美○さん、弘美(←離婚)!
(ありゃ、結構いるね?)
あさっての初詣、
私は君たちのことも、ついでに祈っておきますぜ。
「また好きな人が出来ますように!」と。
賽銭、175円(25円×7人分)也だ。


12月29日(土よう日) 日直・橋本
 太ったり痩せたりを繰り返した末、
その副産物で“巨乳”になったタレントもいる・・・
という情報を掲示板上で、お教えいただいた私。
「まず、太って、バストあたりの肉付きを良くする。
次に、体重を元に戻す。
バストの肉だけは落ちず、
結果、デカパイになれる。」
こういうことですね?
現在、
通常の体重より、3.6kg増。
結構、増えたね。
でも、
バストサイズ変わらずさ。
顔は明らかに膨らんだが。
もともと“デカパイになれる素質”が無いようなので、
4kg増までいってみて、引き返すつもりだ。
 ところで。
「太ってもいい」となると、みさかいなく食いますね、私は。
12チャンの『大食い選手権』や
6チャンの『フードバトルクラブ』を、欠かさず観ちゃうのも良くないのかもしれない。
“焼き鳥、20分で68本完食”
“卵焼き、3分で29切れ完食”
“ソーセージ、10分で80本完食”
“チーズケーキ、10分で20個完食”
“イチゴ、5分で146個完食”
などの、食いっぷりを見慣れちゃってて、
「ある食品を、ず〜っとガツガツ食べ続ける」ことを、
「非日常的で異常なこと」と思う感覚が鈍ってしまったのかも。
見てると、無性にやってみたくなっちゃう。
「あれだけの‘量’を食べてみたい」とは、まったく思わないが、
「ああいう‘食べ方’をしてみたい」と思ってしまう。
一昨日の夜、
“パンケーキ、14分で34枚完食”というのをテレビで見ちゃったら、
どうしても、今、パンケーキが食べたくなった。
すぐコンビニに走り、ホットケーキの粉を買ってきて、
その粉を全部使って、パンケーキを焼いた。
タイマーを5分にセットし、
テレビの“大食いの人”と同じようにスゴイ勢いで、
5分間パンケーキを食べ続ける。
というのを、やっちゃった。
 今、ふと思い当たった。
私の、ここ最近の食いっぷり。
「太って、痩せて、胸を大きくしよう」の目的もあるにはあるが、
それよりも、
これ、きっと「ヤケ食い」だ・・・!
              (つづく)


12月28日(金よう日) 日直・鬼界
コンビニの店員は客の手になるたけ触れないようにつり銭を渡す。
指先で硬貨をつまんでコワゴワ渡す店員もいる。
「手ぐらい洗ってるぞっ!おめえのほうがフケツだろ!」とムカつく。
これがここ数年の傾向です。
が、ファミリーマート東長沼店はスゴイのだ!
レジの女の子が左手で僕の手をささえ、
お釣を持った彼女の右手を僕の手のひらに押し付けるのだ。
つまり、彼女が両手で僕の手を暖かく包み込むのだ。
なんじゃこりゃ?
陰りの見え始めたコンビニ業界が始めた新サービスか?
窮地に立たされたファミリーマートがヤケになってるのか?
とにかく新鮮な驚きがある。
試す価値あり。レッツゴー・ファミマ東長沼店!!(どこにあんだよ?)(探してね)


12月27日(木よう日) 日直・鬼界
クリスマスイブの夜、午後10時過ぎ、ある駅の改札。
若いカップルがやって来た。
男の子は部屋着だが、女の子は真っ赤なコートに皮のミニをはいている。
事情は明らかだ。
男の子のアパートで官能的な1日を過ごしたが、女の子には門限があるのだ。
改札のドまん前で見つめ合った彼らは、どちらからともなくキスを交わした。
そして、男がささやいた。
「メリークリスマス」
女の子は笑顔でうなづくと、改札を抜け、手を振りながら階段を上って行った・・・。
皆様、ご存知のように、僕は文句言いマンで、ヒネクレ者のムカツキ君です。
その僕がこの二人のイチャイチャを、文章で書くと殺したくなるようなイチャイチャを、
「なんか、いいなぁ〜」と思いながら見てたんです。
それくらいサマになってたんです。自然だったんです。
なんでだろ?
美男美女では、ありません。
男の子はフツーの学生っぽい子で、
女の子は光浦靖子と常盤貴子を足して2で割ったような、ビミョーな顔です。
「これが新人類かもしれない・・」と死語で感心してたら、
女の子が見えなくなった途端、
男の子が「フーッ」と大きく溜息をつき、公衆電話に走って行ったんです。

「フーッ」という溜息に込められた気持ちは、
1.「ああ、一人ぼっちであの部屋へ帰るのか・・・淋しいな・・・」
2.「やれやれ、やっと帰りやがったぜ。まいった、まいった。」
どっち?
そして、公衆電話に向かったのは
1.「たった今別れたというのに彼女の声が聞きたい!あっ、ケータイは家だ。じゃあ、公衆電話だ。」
2.「別の女に電話しよっと。でも今の女からケータイにかかってくるかも。じゃあ、公衆電話だ。」
どっち?
答えは当然、


12月26日(水よう日) 日直・橋本
 イブの日、
クリパーが開催された(って言ったって、女6人だけどね)目白の友人宅。
目白駅にほど近い、ちょっと小洒落たマンション。
住人は、全員、女。
「男性お断り」マンション。
彼氏をこっそり泊まらせるぐらいは、出来ないこともないらしい。
っちゅうぐらい、なんか‘お堅い’マンション。
目白と言えば、
学習院をはじめ、いわゆる“お嬢様学校”が目白押し(地名が目白だけに?)。
友人M美の隣室も、
○○短大の学生だそうだ。
(ちなみにM美、出はお嬢様だが、今はそれとは無縁の、やたら働くOL。)
 クリパーの翌日(すなわち昨日)の夕方、
M美は、郵便物を取り出そうと自室玄関ドア脇のポストを開けた。
すると、そこには!
割られた生卵が3個。
郵便物、ドロドロ。
どうやら、隣室の女子大生の仕業らしい。
前にもあったそうだ。
初めて、M美が彼氏を泊まらせた翌日、
ポストの中の郵便物は、全部、糊でピッタリと貼り付けられていた。
いきなりの仕打ち。
「昨夜は、ちょっとウルサカッタんですけど。」
とかの口頭での苦情は一切なしで、いきなり。
お隣の彼女は、
こちらがどんなに静かにしていても、
“誰かを泊まらせている”こと自体が許せないみたいだ。
試しに、夜、M美が大きな音でテレビを見てみたことがあったが、
何事もなかったそうだ。
“お泊り禁止”マンションの、
ちょっとでも風紀を乱すヤツへの戒めなのか?
M美によると、
彼女は、
静かでおとなしそうなお嬢さん。
中味は、過激なのね・・・。


12月25日(火よう日) 日直・橋本
 午前10時30分。
新宿の、とある喫茶店。
目白駅にほど近い友人宅での
クリパー(クリスマスパーティの略)明け。
約30分前、
みんなと目白駅で別れ、
帰る方向が一緒の友人J子と2人、
「茶でもして帰ろうか」ということになり、
乗換駅の新宿駅でモーニングコーヒーを飲んでいた私。
 カップルが入ってきて、
私とJ子のテーブルの斜め向かいのテーブルに座った。
女、推定年齢50代後半。
清川虹子そっくり。
唇のブ厚さが、うりふたつ。
化粧がやたら濃く、
品の良い感じは、あまりしない。
男、後姿から推定したところ、だいたい35歳くらいか。
コートの下は、濃いグレーのスーツ姿。
席に座るなり、虹子は男に向かって喋り出した。
「あんた、こないだ買ってあげたマフラー、どうしたのさ。」
「うん・・・。」
「売っぱらってんじゃないの?どれもこれも。」
「・・・。」
「まったく、あんたはキリないわね。」
「・・・。」
「お金、持ってんの?」
「うん・・・。」
「ほら。」
(と言って、男に4、5万手渡した。)
「あたしゃ、いらないから、あんた、お食べよ。」
(古い戦争映画で、これと同じセリフを聞いたことがある。:余談)
男、サンドイッチをオーダー。
むさぼり食う。
コーヒーをすすりながら、それを見ている女。
 なんでしょう、この2人。
ツバメ?
一夜の情事のあと、
ホテルを10時にチェックアウトし、ここに来た。
女は男にお手当てのお金を渡す。
そのお金を、
男は、
今日の夜の、自分の彼女との‘クリスマスデート’代にまわすのだ。
とか?
イブの夜。
みんな、いろんな過ごし方をしてるのね。


12月24日(月よう日) 日直・鬼界
この時期、女性用の下着屋さんほど僕をヤキモキさせるものはない。
店頭にはクリスマスカラーの真っ赤なブラが並んでいる。
マシュマロブラのレッド、天使のブラのレッドはもちろん、
おとなしいデザイン、ゴージャスなデザイン、
3/4カップ、ハーフカップ、ノンワイヤー、チューブトップと
赤いバラが咲き誇ったようだ。
僕は意味もなく店の前を何度も往復し、至福の喜びを味わう。
が、しかし、問題はブラの後方にあるショーツだ。
子供の握りこぶしくらいに折りたたまれたショーツが
ジャンル別に箱にギッシリ並んでいるのだ。
‘ノーマル’、‘ヒップハンガー’、‘一分丈’はいいとしよう。
が、‘タンガー’、‘ビキニ’は、とってもとっても気になるし、
さらには、‘セクシー’、‘シースルー’というジャンルがあるのだ!
‘タンガー’、‘ビキニ’よりもセクシーってことは、よっぽど・・・・。
シースルーって、どの部分がシースルってんの・・・?
ひとつひとつ手に取って、じっくり観察したいっ。
でも、男の僕がそんなことをしたら、あからさまな変態だ。通報されるだろう。
ああ、1時間だけ女になれればいいのに!クソッ、チクショー!!
聖なる日に、こんなことで僕はヤキモキしている。


12月23日(日よう日) 日直・橋本
こんなメールもいただきました。

『橋本きよみさんへ。
ホームページ、初めて拝見しました!
鬼橋日誌の、数々のきよみさんの“お友達エピソード”。
私のことも書いてあったりして♪と、最初から全部読んじゃいました。
・・・ありませんでした。がっくりです。        H川S子より。』

このメールを送ってくれたS子さんは、
私の友人の妹さんである。
このホームページのことを、
最近、姉から聞き、
早速、読んで下さったらしい。
妹さんと私とは、
私が、その友人の家に遊びに行った折に、
1度だけ顔を合わせたことがある。
そう。
たった1度だけ。
交わした言葉も一言だけ。
「こんにちは。」
そんなあなたの何を書けというのだろう、あなたは。
S子さん、あなた、オカシイです。


12月22日(土よう日) 日直・鬼界
こんなメールをいただきました。

お医者さんに行ってきました。
先生には『おー、9ヶ月ぶり!』なんて言われてしまいました。
風邪でもひかなきゃ行かないもんね、病院なんて。
で、世間話して、先生の愚痴を聞いてあげて帰ってきました。
お大事に、じゃなくて、『また来てねー』って言うんですよ、そこの先生は。

そこのお医者さんには、このメールを下さった方以外に
お客さん、いえ、患者さんはいなかったそうです。
風邪が流行し、お医者さんの稼ぎ時なのに!
11月27日の日誌に書いた、僕の行ったお医者さんも患者は僕だけでした。
そう言えば、つい先日、目医者の娘から電話がかかってきて
「知り合いに目の病気の人がいたら、紹介してくれない?」と言ってました。
お医者さんも不況なの?
確かに、そこらじゅうに町医者はあるもんね。
“安い!早い!うまい!がモットーの鬼界医院。毎月14日(イシの日)は20%OFF!”
なんてビラを駅前で配るわけにもいかないし・・・。大変だなあ。


12月21日(金よう日) 日直・鬼界
近所のスーパーに牛乳を買いに行った。
階段を下り、酒売り場を通り抜けるとき、
エプロン姿のバイトの女の子が「小泉孝太郎でおなじみのダイエット生、いかがですかぁ」と
満面の笑みで僕に声をかけた。
なんだか、やる気マンマン。笑顔にも迫力がある。声もちょっとデカすぎる。
ただの試飲のバイトなのに偉いなあ、と感心しながらも
気さくに明るく断った。
ビールの棚を通り過ぎて、フロア全体を見渡し、僕は愕然とした。
客が誰もいないのだ。
しまった!ここは恐怖の大丸ピーコックだった!!
(大丸ピーコックはたいてい客がゼロなのです。なぜつぶれないのか不思議なくらいに。)
だから、バイトの女の子は必死になってたんだ。
僕が久し振りの客だったんだ。
と、気付いた時は既に遅かった。
もう一度、酒売り場を通らないと僕は一生、家に帰れないのだ。
振り返ると、バイトの女の子が僕を見つめている。
マン・ツー・マンで僕を攻め、今度こそ試飲させようと目に炎が見える。
ああ、僕は、ハイエナに追い詰められたバンビだ。
くもの巣にかかったウスバカゲロウだ。
・・・・当然僕は彼女の押しに負け、
なみなみと注がれたダイエット生を飲む羽目になりました。
おかげでお腹がグルグルし、すっかり軟便状態です。


12月20日(木よう日) 日直・鬼界
免許の更新に行った。
検眼やら写真撮影を済ませると、係りのオッチャンが
「講習室へお入りください」と言った。
講習室へ行くと、ドアに‘講習中は入室禁止’と張り紙がしてある。
講習が始まって5分しか経ってないから、
まだ入室が許されるんだ。ラッキー!と思い、ノブに手をかけた瞬間、
「こらっ!張り紙が読めないのか!入っちゃダメだっ!」と怒鳴られた。
振り返ると、カマキリみたいにガリガリのジジイが立っている。
「向こうの係りの方が『講習室に入れ』って、言ったんです」
「それはなにかの間違いだ。入っちゃダメだ」
「でも、まだ始まったばっかだから、入ってもいいん」
「ダメなものはダメだ。張り紙に書いてあるだろ」
ものすごく威張りくさって、異常に態度がデカく、人の話なんか聞こうとしない。
むかつくー!!
何様だよ、テメエは。警察官のくせに免許更新なんかをやらされてる能無しだろ。
犯人を取り逃がして免許更新課に左遷されたんじゃねえのか。
そもそも、国民の税金でメシ食わしてもらってる公務員なんだから、
感謝の気持ちで国民に奉仕しろよ。威張りやがって。

こんなことに大激怒する僕はホント人間が小さいと思う・・・・


12月19日(水よう日) 日直・橋本
(17日のつづき)

 A子の新居は、
交通至便の場所にあった。
最寄り駅まで、徒歩7分。
その駅からは、どこに行くにも便利だ。
バス便も多い。
駅前は栄え、買い物にも便利そう。
A子の部屋自体も
日当たり・風通し、どちらも申し分ない。
が、しかし。
これら好条件を、全て払拭するような悪条件が・・・。
“騒音”。
A子の新居は、線路っぱただった。
すぐそこを電車が通る。
電車の窓から外を眺めていると、よくあるでしょ?
線路のすぐ横に建ってるアパート。
閉めきられたホコリだらけの窓の外の、
ヒラヒラ舞う洗濯物が丸見え・・・
の線路っぱたのアパート。
「よくこんなとこに住めるよなぁ」と見るたびに思うアパート。
そんなとこにA子は住み始めたのです。
いや〜、うるさい、うるさい。
ホントうるさい。
最寄り駅がデカイ駅なので、電車の数も多い。
ひっきりなし。
3分おきくらい。
うるさい、うるさい。
電車が通るたびに、声を大きくしなければならない。
いや、ちがう。
そんなウマクいかない。
最初は、確かに
“電車が通らない時は普通の声で喋り、
電車が通ってる間だけ大声で話す”方式を実行していた。
しかし、だんだん、
“声を大きくしたり小さくしたりを、こまかく繰り返す”
“電車がいつ来るか、いつ来るか”
“また来ちゃう、また来ちゃう”
これらがストレスとなってくる。
「来るぞ、来るぞ」と電車にばかり意識がいって、
気がつくと、
耳をすませて、
電車の来るのを待ち構えることに全神経を集中させていたりする。
これじゃ、
話もできないし、気が狂いそうなので、
私は、ずっ〜と大声で話すことにした。
その方が、身体も気もラクなのだ。
 ほんと、マイッタ。
A子は、私ほど気にならないらしい。
“声を小さく大きく”をナニゲにこなしていた。
でなければ、このアパートに決めるわきゃないか。
私は、騒音は我慢できない。
“日当たりが良い”
“駅から近い”
“静か”
このうち、1つしか選べないんだったら、
何の迷いもなく“静か”を選ぶよ。
絶対に。


12月18日(火よう日) 日直・鬼界
商店街の歳末セール福引に行った。
生まれてこのかた、こういう抽選で当たったことがない。
賞品は上から順番に
「伊豆下田・高級旅館1泊2日の旅」「5千円商品券」「3千円商品券」・・・
そして、残念賞が「ホカロン1個」だ。(ちょっとショボすぎ。)
僕の前に並んでたオバサンは、
なんと27回も抽選機(ガラガラと回してポロっと玉が出てくるアレ)を回して
なんと全部残念賞の赤い玉。ホカロン27個だ・・・。
そして、僕。
ガラガラっと回すと、ポロっと真珠色の玉が出た。カランカランと派手に鐘が鳴り、
「お、おめでとうございますっ!1等賞ですー!!」と係りの女の子が叫んだ。
えっ!ま、マジ?1等賞?
りょ、旅行だあーー!!やったああーーー!!
飛び上がって喜んだ!生まれて初めての快感!か・い・か・ん〜
係りの女の子もニコニコしながら手渡してくれた。
「おめでとうございます。1等賞の5千円の商品券です」
え?
‘旅行’は特等賞なんだって・・・。ややこしい書き方するなよ・・・・・。
5千円の商品券が当たったのに、
嬉しいよりも、な〜んかガッカリしちゃった、複雑な気持ちの福引でした・・。


12月17日(月よう日) 日直・橋本
(昨日のつづき)

『A子の夜逃げのような引越しの理由・その2』
 A子は、男好きだ。
 正確に言えば“恋愛好き”。
 常に、誰かと恋愛していたいらしい。
 その“誰か”は、
 自分だけのものでなくてもいいらしい。
 どっちかというと、
 自分だけのものじゃない方がいいらしい。
 ハッキリ言うと、
 他人の彼氏が好きらしい。
 A子によると、
 「“会いたいのに会えない”という、
 お互いの切ない気持ちが積もりに積もって
 “会いたい!どうしても会いたい!”
 となった時にだけ会うわけだから、
 会ってる時は、お互い、純粋に“好きだ”という気持ちだけでいられる。
 あっちの彼女より私に傾き始めた頃が、快感。」
 だそうだ。
 その快感をピークに、A子の気持ちは冷めていく。
 そうなると、2人の仲も急速に冷めていき、
 あとは別れるだけ。
 そして、
 また誰かを好きになる。
 なるほど。
 旅がらす方式。
 自分の家を持たず、自由で気楽だけど、淋しい旅がらす・・・
 って感じ?
 横道にそれました。
 そういうわけで、
 A子は、今の彼にトコトン冷めてしまっていたので、 
 家に来られてもウザイだけ。
 引越しを機にキッパリ別れてしまおう、と考えたわけである。
          (つづく)


12月16日(日よう日) 日直・橋本
 友人の引越しを手伝った。
ちっ。
こんな年末の忙しい時に。
寒いし。
手伝う人の身にならなきゃダメだ。
ところで、
なぜ急に引越し?
1ヶ月前に会った時は、
引越しのヒの字も言ってなかったのに。
それどころか、
かなり気に入ってて、もうかれこれ9年も住んでたアパートなのに。
A子から私に、引越しの手伝いを依頼する電話があったのも、
引越しの前日だ。
 夜逃げのようなA子の引越しの理由は、こうだ。
『理由その1』
 アパート内で、空き巣事件が起きた。
 同じ日に3件やられた。
 警察官が来て、アパートの全住人が戸別に事情聴取された。
 「その日は、1日何をしていましたか?」
 「へ、へぇ。た、確か、一歩も外へは出てません・・・。
 ずっと部屋に、い、居ましたです。」
 運の悪いことに、事件の起きた日、
 A子は外出せず、終日アパート内に居た。
 二日酔いで寝ていたのだ。
 さらに運の悪いことに、
 A子は警官を見ると異常に緊張する習性がある。
 街で警官とすれ違う時は、
 サッと顔色が変わり、目を合わさないように下を向いて歩く。
 交番の前は、当然、走り抜ける。
 そんなA子が、警官とサシでマトモに話せるわけがない。
 ドモリながら絶対に目を合わさないようにして話す、
 怪しさ満点のA子は、
 重ねていろいろ警官に詰問された。
 極め付けで運が悪いのは、
 A子が、演劇をやっていて、
 しかも、なんだか貧乏そうに見えることだ。
 その後すぐに疑いは晴れたが、
 A子の心の傷は深かった。
 「こんなところ、すぐにでも引っ越すぞ!」と即、決意した。
            (つづく)


12月15日(土よう日) 日直・鬼界
部屋の整理をしていたら、こんなものが出てきた。
     
中学2年生の鬼界浩巳です。かっわいい〜!
“ぼん”って、感じでしょ。ウフ。


12月14日(金よう日) 日直・鬼界
ピピーッ、ピピーッ、ピピーッ
トラックを誘導する笛の音で起こされた。
かなり遠くだ。
ピピーッ、ピピーッ、ピピーッ
ずーっと鳴り続けているが、なかなか近づいてこない。
ピピーッ、ピピーッ、ピピーッ
1時間以上鳴りっぱなしだ。あったまにきて、文句を言いに外へ出た。
目の前に巨大なコンクリートの棒が横たわっていた。
電柱を運搬してきたのだ。
電柱の植え替え(差し替え?)工事を初めて見ました。
この路地にどうやって、あの長い電柱を運び入れたのだろう?
大通りからここまで来るには何度も右折左折を繰り返すのに。
不思議だ。
そう言えば、昔、4畳半に住んでた友達が
キングサイズのダブルベッドを購入したことがあった。
部屋のドアを開けると、即ベッド。壁から壁までベッド。
どうやって部屋に運び込んだのか、謎だった。
ちなみにその友達はベッド購入後、すぐ彼女にフラれた。
露骨すぎたんでしょうね・・・。


12月13日(木よう日) 日直・鬼界
駅前にあった洋品店がつぶれた。
大改装の末、何になるのかと楽しみにしてたら、
くず餅屋になった。
お菓子屋ではなく、くず餅屋。和菓子屋でもなく、くず餅屋。
早速、店内に潜入し、探索した。
売ってるのは、
‘くず餅’と‘くず餅入りあんみつ’と‘くず餅入りみつ豆’と‘くず餅入りフルーツあんみつ’のみ。
くず餅にこだわった、くず餅専門店。
ニ〜三名様用の‘くず餅(小)’が、650円。
が、その大きさはわずかに10センチ四方しかない。
パクっと食べたら、それっきり。あっという間に終わっちゃう。それで650円。
これじゃあ、買わねえよ。
当然、店内の客は僕だけ。
残念ながら、くず餅屋がつぶれるのは時間の問題だ。新装開店の花輪がむなしかった・・・。
けど、なんでくず餅屋をやろうと思ったんだろう?
売れると思ったの?その根拠はなに?店長とじっくり話してみたい。


12月12日(水よう日) 日直・鬼界
トイレの芳香剤を取り替えた。
取り替えたばかりって、なんであんなに香りが強烈なの?
トイレはおろか、家じゅうが安っぽいハーブミントの香りで、
キャバクラのトイレで暮らしているみたいだ。
なのに3日もすると、なんの香りもしなくなる。
最初だけスゴクって、どんどん尻すぼみ。
14歳で金メダルを取ったけど、その後、サッパリ活躍しない競泳の岩崎恭子に似てる。

余談ですが、岩崎恭子ちゃんに誰か注意してあげた方がいいと思います。
世界水泳とかで解説してる時、
カッチリ化粧して、ステキなワンピースを着てるのに
大股びらきで座ってるんです。
平泳ぎの習性で足が自然とおっぴろがってしまうのでしょうが、
ちょっとお下品かも・・・。


12月11日(火よう日) 日直・橋本
(昨日のつづき)
 正確に言えば、
「昨日の話が、今日の話のつづき」だ。
Y美の家に遊びに行って、
何故そんなパンツの話になったかというと・・・。
 Y美の部屋で話していると、 
いきなり玄関のドアノブを乱暴に回す音が。
ガチャ、ガチャ!
間髪いれず、
ドンドン!ドンドン!
とドアを乱暴に叩く音。 
続いて、
ピンポン、ピンポン、ピンポーン!
さらに、
ガチャ、ガチャ、ガチャ!
ドンドン、ドンドン、ドンドン!
ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン!!
隣の部屋の人が、強盗から必死で逃れ、助けを求めにきた!?
とマジで私は思い、身構えたほどの激しさで、
“ガチャガチャ!ドンドン!ピンポン!”は、繰り返されたのだ。
「な、なに?!
借金取り?」と怖がる私に、
Y美は、
「パンツ、パンツ。パンツを配達するオヤジ。」
と、平然と答えた。
「出ないの?」
「出ない。」
ドアを叩きまくっていた配達のオヤジは、諦めたらしい。
こちらの居留守を知ってか知らずか、
「ちっ。」と、舌打ちして帰って行った。
 ドアを開けなかったY美の言いぶん。
「いきなり乱暴にドアノブを回すって、どういうこと?
ビックリして心臓に悪いよ。
開くわけないじゃない。
呼び鈴は何のため?
‘ピンポーン’
‘どなた?’
‘お荷物でーす’
‘はーい。今、開けまーす。’
これが普通でしょ?
イケイケの開けっ放しの田舎じゃないんだから、ここは。
たくさんの荷物を限られた時間でこなす苦労もわかるけど、
あの乱暴さと態度の悪さには、ムカツク。
開けるもんか!って思っちゃう。」
 パンツ配達人は、もう1人いるそうだ。
やはり年配の人で、
そのオジサンは、今日の乱暴オヤジと全く違い、
丁寧な柔和なオジサン。
まず、
‘ピンポーン’して、ちょっと待って応答がなかったら、
‘コンコン’と軽くドアをノックし「お荷物です」と述べる。
このオジサンには、
「ご苦労様です」
と、Y美はいつも心から言うそうだ。
 『北風と太陽』の話どおりだな、これは。
“ある男の上着を脱がせる競争”をした北風と太陽。
「上着を吹き飛ばしてやるぜ」とばかりに、
ピューピューと暴風を吹かせた北風クンは、失敗。
「力ずくでは、ダメさ」と、
暖かく穏やかな陽射しで、上着を脱がせることに成功した太陽クン。
なるほど。
そういうことかな?


12月10日(月よう日) 日直・橋本
 友人のY美は、通信販売でパンツを購入している。
毎月1枚、送られてくる。
エンドフリーシステム。
“ご購入は、あなたのお好きな時まで”というもの。
「もう、いらない」と思ったら契約を解除すればいい。
解除しない限り、
一生、毎月1枚パンツが送られてくるシステムだ。
Y美は、3年目に突入した。
バリエーション豊かで、
ハイレグタイプ、セミビキニ、脇ひもタイプ、
黒のスケスケ、ピンクに黒のレースが施してある、アニマル柄、
など、形も色も毎月さまざま。
カタログを見せてもらった。
“気分はアクトレス・・・ヒロインも監督もワ・タ・シ。
ジャングルの女王、無邪気な妖精にもなれる。
今まで知らなかった別の自分・・・
脇のひもが心まで解放的にして、
想像力にもまるで翼がはえたよう・・・。”
楽しそうだ。
カタログ写真の外人モデルたちは、
ブラとパンティ姿で、
読書をしたり、お茶を飲んだり、ピアノを弾いたり、チェスをしたりしている。
貴婦人になった自分を空想してるのか?
パンティ姿で帽子をかぶってベランダで鉢植えに水をあげているモデルは、
一体、どういうつもりなんだろう。
 Y美も、
毎月パンツが届いた日には、
空想の世界で、別の自分に出会ってるらしい。
“清楚な淑女が、
ひとたびドレスを脱ぎ捨てると、
妖しくもセクシーな女へと変貌していった”自分が、
1番のお気に入りだそうだ。
楽しそうだ。
“野に遊ぶ可憐な少女が、
ひとたび洋服を脱ぎ捨てると、
男を手玉に取るタフでワイルドな女へと変貌する”自分と
出会ってみたい私に、
Y美は、ヒョウ柄のパンツをプレゼントしてくれた。
ありがとう、Y美。
やってみるわっ。


12月9日(日よう日) 日直・鬼界
今月の初め、近所のアパートに人が越して来た。
引越の現場を見たわけではないが、
突然、雨戸が閉めっぱなしになったのだ。
昼も閉めっぱなし、夜も閉めっぱなし。
倉庫代わりに使ってて、人は住んでないと思っていた。
が、本日、洗濯物が干してあるじゃありませんか!
洗濯干し(洗濯バサミがいっぱい吊り下がったアレです)に
黒靴下だけがビッシリ干してある。
しかも種類は1種類だけ。4足1000円のオーソドックスかつチープな黒靴下だ。
数えてみた。
18足(すなわち36個)あった。
その横の洗濯干しには、バスタオルだけが11枚干してある。
洗濯物はそれだけ。
パンツとかTシャツとかズボンは、一切なし。
どういうライフスタイルの人なんだろう?
黒靴下をはき、腰にバスタオルを巻いただけの姿で暮らしているのだろうか?


12月8日(土よう日) 日直・鬼界
「この冬、一番の寒さです」で思い出したことがある。
去年の冬、ある撮影で、ある俳優さんと(仮にHさんと呼ぼう)
一緒に仕事をした時のことだ。
控え室に戻ってきても、Hさんは座ろうとしない。
両足を開き、“人”の字のかたちで突っ立ったままなのだ。
「Hさん、お座りにならないんですか」と僕が声をかけると
「心配は無用だよ、鬼界くん。僕は痔なんだ。
この冬、一番の寒さが来ると痛くて座れないのだ。痔というものはね・・・」と
立ったまま、痔の話をしてくれた。
痔の診察は大変だそうだ。
ビニールの手袋をはめたお医者さんが肛門に人差し指を突っ込むそうだ。
成人男性の人差し指だ。10センチ近くある。
そんなものが直腸の中でうごめくのだ。
「ウヘッ!」と思ったが、慣れると全然平気らしい。
それよりも恥ずかしいのが、その準備だそうだ。
Hさんがパンツを下ろし、ベッドの上で“く”の字のかたちになると
看護婦さんがクッションのようなものをHさんの股間にねじ込み
尻の割れ目をグイッと広げ、
先生の人差し指が挿入しやすいように肛門を開陳するのだそうだ。
そして、Hさんが通っていた病院には
年配の看護婦さんと若い看護婦さんがいた。
「えっ!若い看護婦さんにやってもらった時は死ぬほど恥ずかしいですね!」と言うと
「それは逆だよ、鬼界くん。若い女性に肛門を見せる機会なんか、
そうそうあるもんじゃないから、ある種の快感なんだ。しかし、
多くの肛門を経験している年配の看護婦さんの目に、
俺の肛門はどんな評価をされてるんだろうと考えたら、非常に恥ずかしくなるんだ」と
Hさんはおっしゃった。
そういうもんなのかな・・・・?


12月7日(金よう日) 日直・鬼界
しもやけがカユ〜い!!
僕は極度のしもやけ性なのだ。
天気予報で「この冬、一番の寒さです」といわれるたびに
指が一本づつプックリ腫れ上がり、カユくなる。
現在、両足の親指と左足の薬指が真っ赤かだ。
真冬になると、両手両足の20本の指がしもやけになり、
親指がカユいのか人差し指がカユいのか、わからなくなる。
さらに、カカトから手の甲、関節にいたるまで
一般人には想像もつかないところまでが、しもやけになる。
いわば、しもやけのプロなのだ。
なにか、いい治療法はないかしら?
しもやけマニアの方、情報を交換しましょう。


12月6日(木よう日) 日直・橋本
 今、銀座のフィルムセンターで、
『イタリア映画大回顧・
‘懐かしの名作から日本未公開の忘れられた傑作まで55本でたどるイタリア映画史’』
という企画をやっている。
マルチェロ・マストロヤンニ主演の映画をプログラムでチェックして、
公演の稽古中から、楽しみにしていた私。
ビデオでは観られない作品だ。
 11月28日水曜日。
ウキウキと、フィルムセンターへ。
しかし、
私を待っていたのは「当日券はございません」の立て札。
が〜ん!
うそっ!
入り口に張られた「2月末までの上映作品前売り状況」の一覧表によると、
どの映画も「完売」か、あっても「空席わずか」。
甘かった・・・。
まさか、当日券がないとは・・・。
イタリア映画が、こんなに人気とは・・・。
受付で聞いたら、
この日、私が観ようとしていた『こんなに悪い女とは(1954年)』は、
前売り開始後、とっとと完売したらしい。
一体、誰が観るの?
誰が、こんな映画観るの?
いるんだなぁ、イタリア映画ファン・・・。
当たり前だよね。
いるんだなぁ、マストロヤンニのファン・・・。
ちょっと嬉しい。
 その足で、1番近いチケットぴあに走って、
12月7日上映の同作品チケットを、どうにか購入できた。
ひとまず安心。
ついでに、
日比谷スカラ座1で『千と千尋の神隠し』を観ることに。
公演の打ち上げで
「観てよ!」とテツタ君に言われたし。
‘水曜日・レディースデー’だから、1000円で観られるし。
 映画が終わってロビーに出ると、
スカラ座2の入り口に、若い女性の列。
80人くらい。
男の人は、見事に1人もいない。
なんの映画?
『ブリジット・ジョーンズの日記』。
「2日酔いで目覚めた朝、
ベッドの上の私の隣には上司が・・・!
この映画は、15歳未満お断りのR−15指定映画です。」
不倫もの?
こうしてる間にも、
並んでる列は、どんどん伸びていってる。
おもしろいの?
思わず、窓口へ。
「当日券は売り切れです。」
ゾクゾクと女性軍団が映画館へ吸い込まれていく。
 私、なにを書きたかったかというと、
「『ブリジット・ジョーンズの日記』、
どなたか観ましたか?」
ってことです。


12月5日(水よう日) 日直・鬼界
ロケで八王子に行った。
待ち時間に周囲をウロウロしていると、昔ながらのラーメン屋があった。
看板に電話番号が書いてある。
‘42−5250’
そして、語呂合わせのフリガナがふってある。
‘ラーメン オイシイワ’
なんじゃこりゃ?
‘42’が、なぜ、‘ラーメン’になるの?
‘5’を‘イ’と読み、‘0’を‘ワ’と読むとして、
‘オイシイワ’の‘オ’は、どっから来てるの?
‘2’が、‘オイシイワ’の‘シ’になるの?‘シ’は、どう考えたって‘4’じゃない?
こんな強引な語呂合わせで電話番号を覚える人がいるのだろうか?
ありゃ?こうやって僕は覚えてしまってるじゃないか・・・。
し、しまった、まんまと罠に引っかかってしまった。


12月4日(火よう日) 日直・鬼界
今、明かされる、・稽古場日誌’
   11月18日
稽古最終日、擬似本番リハーサルをやった。
照明以外は全て本番と同じ。
どんなトラブルが起ころうと途中でやめることはできないのだ。
が、2本目の劇中劇の学校モノを始める前に
トラブル発生!
キッカケのセリフを言っても、橋本が登場しないのだ。
着替えの段取りを間違えて、間に合わないのだろう。
よくあることだ。
場をつなぐために、僕が学生時代の笑い話をいくつか披露すると、
テツタ君もアドリブで、
大学時代におねしょをした友人のことなど、いろいろな話をした。
その数々のエピソードに僕は爆笑しながら、そろそろ橋本は来ていいはずだと思った。
と、その時、更衣室で「あっ!ファスナーが!!」という橋本の叫び声がした。
イヤ〜な予感・・・。
橋本は全然、出てこない。
仕方ないから、「そうそう、大学時代と言えば、僕は落語が好きなんだ」と
なんの脈絡もなく、強引に、無理を承知で、僕が落語をやった。
橋本が登場しない限り、お芝居は続行できないのだ。
落語が終わっても、橋本は出てこない。
僕とテツタ君は焦った。
もう話すこともない・・・
ヤケになったテツタ君が「今日の朝はなに食べた?」と言い出した。
僕は朝食メニューを報告した。次にテツタ君が朝食メニューを報告。
そして、僕が昼食メニューを報告し、テツタ君も昼食メニューを報告。
橋本がまだ出てこないので、
僕とテツタ君は昨日の夕食メニューを報告し合い、
引き続いて昨日の昼食、昨日の朝食、一昨日の夕食・・・と
思い出せる限り、食ったものをお互いに報告した。
そして、やっと橋本が登場した。「ごめ〜ん。ファスナーが壊れたの」
もし本番中にファスナーが壊れてしまったら、
僕とテツタ君は食事メニューをお客様に延々とお聞かせすることになるのだろうか・・・・
そんな不安を抱いて、僕たちは初日を迎えた。


12月3日(月よう日) 日直・鬼界
今、明かされる、・稽古場日誌’
   11月17日
本番前に恒例の焼き肉会が催された。
牛の肉をたらふく食い、脳がスポンジ状にならないように鍛えるのだ。
わきあいあいと始まった焼き肉会だが、
いつの間にか険悪なムードになってしまった。
お互いの演技に対して批評が始まったのだ。
今回のスペシャル公演では
劇中劇の刑事モノで役を交換するため、
(つまりAパターンは、“鬼界=刑事、テツタ君=犯人”だが、
Bパターンでは、“鬼界=犯人、テツタ君=刑事”となるのだ)
こんなことになってしまったのだろう。
テツタ君が最初に言い出した。
「鬼界が演じる刑事は、なんだかアレだな」
僕はムカッときて思わず叫んでしまった。
「はっきり言えよ!なにがアレなんだよっ!!」
テツタ「カッコいいんだよっ」
鬼界「なに言ってんだ。カッコイイのはテツタの刑事じゃないか。」
テツタ「違うっ!鬼界のほうが絶対カッコよくて、素晴らしいっ!」
鬼界「テツタは演劇がわかってない!テツタがカッコイイ!俺が女だったらテツタに惚れる!」
テツタ「わかってないのは鬼界だ。絶対、鬼界がカッコイイ!」
鬼界「いいや、テツタだ」
テツタ「いいや、鬼界だ」
と真剣にケンカした僕たちは、世界で一番オメデタイ2人かもしれない。


12月2日(日よう日) 日直・橋本
今、明かされる、・稽古場日誌’
   〜橋本のプレゼントについて〜

 私の秘蔵の(正確には母が取っておいた)品を
当てて下さった4人様、
本当に本当にありがとうございました。
涙が出るほど嬉しかったです。
大切にして下さる方々に貰っていただき、
感激です。
 お芝居の最中、
“火消しクン”の首がもげ、持ち棒から“火消しクン”の身体ごとスッコ抜けた時は、
この世の終わりかと思いました。
私には、
「大切にするあまり、いじくりまわして、壊す」
という習性があるようです。
火消しクンと出会った当初、
火消しクンに異常に執着した結果が、
あの‘バラバラな身体’です。
幼少の頃のお気に入りの“こけし”には、
なにかトガッタもので顔をガリガリされた跡があります。
“ぬいぐるみ”は、
一様に、耳が食いちぎられています。
特別、
私に大切にされていた“おひな様”は、
悪代官に手ゴメにされた大店の一人娘のような風情となっております。
三人官女も連続レイプされたて。
お内裏様は1番大切にされていたとみえ、
もう、一人では座ってられない状態です。
卸問屋の番頭が女将さんとデキちゃって、
姦通罪で火あぶりにされる前の百叩き直後です。
どれもこれも、
「可愛さあまって」なのでしょう、きっと。

火消しクン、バンビちゃん、いちりん子サン(‘一輪ざし’だから)、
そして、
私が作った、ソ連入り地球儀“私の地球”よ、
皆さんに可愛がってもらうんだよ!


12月1日(土よう日) 日直・鬼界
今、明かされる、・稽古場日誌
   11月13日
ガラガラとスーツケースを引っ張って、橋本が稽古場に登場した。
プレゼントコーナーで使う、“橋本きよみ、ゆかりの品”を
持って来たのだ。
プレゼントコーナーの場面は、もともとの台本にはなかった。
「今では決して手に入らないステキなアンティークがあるから、
それをお客様にプレゼントして、喜んで欲しい」と橋本が真剣に主張するので、
急遽、あの場面を追加したのだ。
どんなものが出てくるのだろう?
テツタ君と僕はワクワクした。だって、ステキなアンティークでしょ。
最初に取り出したのは、‘火消し人形’だった。
正確に言うと、‘以前は火消し人形だった、バラバラ殺人の死体’だった。
胴体についているのは、右手と右足だけ。
しかも、手はキリモミ状態にネジくれ、足はわき腹にくっつくように曲がっている。
他のパーツを橋本が取り出した。
左手、左足は見るも無残な状態で現れ、
頭はチョンマゲがザンバラになり、打ち首になった落武者だ。
「こ、これは、なに・・・?」と尋ねると、
小学3年のときに受賞した、「火災予防ポスターコンクール・金賞」の副賞だそうだ。
「なんで、こんなにバラバラなの?」
「この人形は悲惨な火災現場を乗り越えてきた」とわけのわからん答えだ。
橋本があまりにも懐かしがっているので、
「コレをもらったら、誰が喜ぶの?」とは聞けなかった。
その他に橋本が持って来たプレゼント候補品は
‘アソコが飛び出る、南の島の土人人形’
‘橋本が小学6年の時に作った、お手製の地球儀’
‘アフリカ名物、石の花瓶’(と橋本は言った。なにが名物なの?)
‘「努力」と書かれた樹に、小鹿のバンビが飛びかかっている貯金箱’などなど
どれもこれも・・・・。
結局、本番では‘火消し人形’‘地球儀’‘花瓶’‘貯金箱’を各ステージ、プレゼントした。
ちなみに‘火消し人形’は大手術の末、
五体満足の姿でお客様に貰っていただいた。


11月30日(金よう日) 日直・橋本
今、明かされる、・稽古場日誌
   11月9日(昨日のつづき)

 候補曲の上限は、ひとり3曲まで。
しかも、
『愛するファンへおくる愛のバラード』というコンセプトに基づく選曲に限られる。
鬼界さんの1曲目、私の1曲目、鬼界さんの2曲目、私の2曲目・・・
の順番で唄った後、
テツタ君を加えた3人で検討し、
最終的に「鬼界のレコーディング曲」「橋本のレコーディング曲」が決定される。
マジで“上手に唄える曲”を選ぶのだ。
 まず、鬼界さんの1曲目。
オフコースの『さよなら』。
出だし「もお〜♪」で、早くも、大きく音をはずす。
サビの「さよなら〜、さよなら〜、さよならぁ、あ、あ〜♪」・・・
言葉を覚えたての幼児の言語訓練のようだ。
ヒドイ。
これじゃ、ファンも「さよなら〜」だ。
次、橋本の1曲目。
陽水の『新しいラプソディ』。
でた。
“七夕告白大作戦”で、太郎さまに捧げた愛の歌。
あの時、キチガイみたいに練習したもんね。自信あるもんね。
が、
太郎さまの顔がちらつき、結果、ブルーになり、イマイチのりきれず・・・。
次、鬼界さんの2曲目。
ユーミンの『卒業写真』。
なにかの呪文か?と聞き紛う、出だし部分。
ヒドイ。
1番でやめてもらった。
次、橋本の2曲目。
松山千春の『恋』。
次、鬼界さんの3曲目。
桑田佳祐の『白い恋人達』。
サビしか知らず、いつまでたっても唄い出せず。
アホだ、こいつ。
次、橋本の3曲目。
越路吹雪の『サン・トワ・マミー』。
「いいなぁ、これ。好きだなぁ。僕も唄う。」
と、鬼界さんが言い出した。
・・・意外にも、鬼界さんにしては、結構マトモに唄いきった。
だけならまだしも、
気をよくした鬼界さん、
「僕のレコーディング曲は、これに決めた!」と言い出した。
やだ、やだ、やだー!
私が選んだんだ、私の曲だ、私が唄うんだー!
「いやです。わたしのですっ。」
と、キッパリ断った。
見かねたテツタ君が言った。
「きよみちゃんには他の曲があるけど、鬼界さんにはコレしかないんだよ。
マトモに唄える曲が見つかったのは奇跡なんだよ。」
・・・仕方ないなぁ・・・。
『サン・トワ・マミー』は、鬼界さんに千円で譲った。
そういうわけで、録音曲は 
鬼界ソロ『サン・トワ・マミー』&橋本ソロ『恋』&デュエット『ア・ホールニューワールド』
この3曲に決まった。
 『ア・ホールニューワールド』、テイク8。
8回、録音し直し。
受付のオッサン、
また小窓をノゾキに来やがった。

“愛のバラード”を当てて下さった4人様。
ありがとうございました。
嬉しかったです。


11月29日(木よう日) 日直・橋本
今、明かされる、・稽古場日誌
   11月9日

 今日の稽古は、夕方で終了予定。
なぜか。
夜は、いよいよ『マニアなファンに贈る“愛のバラード”』を録音するからだ。
キンチョーするなぁ。
昨日の夜は、たっぷり睡眠をとって、今日に備えた。
なのに、今、ヘタに大声だして、
ノドをつぶしたりしたら一大事だ。
コントの突っ込みは、適当にやっておこう。
本当は声をはるアソコもココも、今日は小声でいいや。
なにせ、レコーディングが控えているのだ。
『愛のカセットテープ』を贈られたファンのかたは、
おそらく、そのテープを一生の宝物になさるはずだ。
嬉しいにつけ、悲しいにつけ、テープを聞くだろう。
いや、毎日聞くと考えてもいい。
そのかたたちの“心の癒し”となるに違いないのだ。
こちらも、気合を入れてベストで臨まなければ。
 どうやら、鬼界さんも同じ心境らしい。
首にタオルを巻き、保温に努めている。
必要最小限のことしか喋らない。
ウガイも頻繁。
そして、やはりセリフは小声だ。
静か〜な、お芝居。
テツタ君、耐え切れず、
「これじゃ稽古になんねーよ。」
そーね、そーね。
じゃ、いっそ稽古を早めに切り上げて、とっととレコーディングしに行きましょう。
ということで、
あっという間に稽古を終了し、レコーディングしにカラオケルームへ向かった。
 録音係のテツタ君の準備が整っても、
私たちの“ソロで歌う曲”は、いっこうに決まらず。
それぞれ、歌本と首っぴき。
図書館の閲覧室状態。
いつになっても楽しい歌声が聞こえてこないのを不審に思った受付のオッサンが、
何度も何度もドアの小窓からノゾキに来る。
ウザイので、
テツタ君に“間もたせ”で唄っててもらうことにした。
失敗だった。
浜崎あゆみの歌を、狂ったように唄いだした。
うるさくて、曲選びに集中できない。
バカの一つ覚えのように浜崎の歌を唄い続けたテツタ君は、
鬼界さんと私の「曲、決まった!」で、
「決まっちゃったの?」と残念そうに、
それでも満足そうに、やっとマイクをおいたのだった。
           (つづく)


11月28日(水よう日) 日直・鬼界
今、明かされる、・稽古場日誌
   11月5日
衣裳合わせをやった。
本番で着る予定の衣裳を実際に着てみて、
役柄に合っているか、、共演者とのバランスはいいか、などをチェックするのだ。
刑事モノの衣裳、学校モノの衣裳、すべて問題なし。
テツタ君と僕はパンツの下にサポーターを着用しないことに決定。
衣裳合わせがスムーズに終わろうとした時、
橋本が、あのドレス姿で現れた!(近日、写真公開)
「お、おい、橋本。そ、そのドレスはなに?」と恐る恐る聞くと
「オープニングの前説で着る衣裳」と彼女はシャーシャーと答えた。
「前説はジャージでやろうって決めたじゃないか」と言うと
「だって、今回の公演はホントは10月19日からだったじゃない。
それを聞いた瞬間、『あっ、衣裳はハロウィーン!』とひらめいたから
今年の夏にあちこち探し回ったの。で、やっとやっと見つけたのがこのドレス。
だから、たとえ公演が11月になろうと、私には着る権利があるの。」と
ドレス姿で彼女は主張した。
そこまで苦労して探したなら仕方ないということになり、
前説の橋本の衣裳はドレスになった。
が、
今、考えるとオカシイのだ。
公演日を間違えて劇場を予約したのは橋本だから、
彼女に着る権利があるわけないし、
そもそも、今年の春に橋本が劇場を予約した時点で、
彼女はすっかり11月公演と思い込んでいるのに、
‘夏にハロウィーンの衣裳をあちこち探し回った’というのはムジュンしている。
そうです、僕たちは橋本にまんまとだまされたのです。
きっと、どっかであのドレスを見かけ、衝動買いしたに違いないんです。
まっ、なんか豪華な感じになったからいいけど。
でも、あんなドレス、どこで見かけ、いくらで購入したのだろう?


11月27日(火よう日) 日直・鬼界
今、明かされる、・稽古場日誌
   またまた緊急報告
ついに完治!
実は、僕は外耳炎だったのです。
公演も間近い、11月12日、
ずっーと、むずがゆかった左耳が突然、痛み出した。
耳鼻咽喉科に行くと、初老の女医さんが
「あっら、あーた(‘あなた’を女医さんはこう発音した)外耳炎だわ。
耳がかゆくてガリガリやっちゃったのね。
子供はよくなるんだけど、大人の外耳炎は珍しいわ。
心が若いのね、あーた。ウフフ」と
笑われてしまったのだ。
診察を受けに行って、なんで子供扱いされなきゃなんないんだ
と、ちょっとカチンと来たけど、
2日に1度、ずっと通院してたのです。
本番中も左耳に極小の綿を詰めていたのです。
だから、左側からセリフを言われると、
まるで2階の窓からささやかれているような感じだったんです。
そんな苦労を乗り越え、今日、女医さんのところへ行くと
「キレイに治ったわ。通院は今日でおしまい。
淋しくなるわね。またいらっしゃい。ウフフ」と言われました。
用もないのに、医者なんか行かねえよ!
橋本も僕も重い障害を負って、舞台をやっていたのです。


11月26日(月よう日) 日直・橋本
今、明かされる、・稽古場日誌
  11月1日

 鬼界さんとテツタ君が、ウキウキとパンツを見せ合っている。
今回、舞台上で‘衣裳換え’があるため、
人に見られてもOKの‘衣裳パンツ’を、
早々と購入し、早速、見せ合っているのだ。
「ブリーフはやめようね。
ラインが出ちゃうと、お互い、ヤだもんね」
(この場合、『お互い』とは?
‘鬼界さん‘と‘テツタ君’?
‘鬼界さん&テツタ君’と‘お客様’?)
と、前日約束していた彼らが買ってきたパンツは、
トランクス型のかわいいガラパンだ。
2人、「かわいいねー、かわいいねー」と誉めあっている。
なんだ、こいつら。
 次に、彼らは思案しだした。
「パンツの下に、サポーターをはくか否か」で。
前回の5月公演では、
山口さんの「よこチン・はみたま事件」があった。
「インド象のはりつけ状態」の快感を、
敢えて拒み、ノーサポーターで舞台に立った山口さん。
「タマ目撃後のお客さんの‘反応’‘心理状態’を、
舞台で演じながら観察する」
という、稀な体験をした山口さん。
(「よこたま事件」関連は、5月19・20・21・26日の日誌参照)
「サポーター装着の快感」をとるか、
「‘演技をしながら、特定のお客さんを観察する’という、
役者としての‘余裕’を体感するチャンス」をとるか。
たれパンダ柄のパンツと、
イチゴ柄のパンツを眺めながら、
じ〜っと考える男2人・・・。
そんなに大事なことなのか?


11月25日(日よう日) 日直・橋本
今、明かされる、・稽古場日誌
   緊急報告

 昨日、整形外科医院へ行った。
公演のたびに、整形外科へ行ってる私・・・。
5月公演の時は、
●「卓球シーンの為の卓球練習のやりすぎ」で、腰を痛くした
●「セットの革張りのイスの背を、グーでバーンって殴って」右手薬指骨折
だった。(7月16日付け日誌参照)
今回は、
右ひざを痛くした。
公演2日目、本番中。
「忙しいよぉ〜!」とダンボールを抱え、
あっちからこっち、こっちからあっちへと走り抜けるシーン。
ソデに駆け込んだ、その時、ダンボールもろとも壁に激突。
「がつっ!」というスゴイ音がした。
翌日になっても、かなりの痛みはあったが、
演技にはまるで支障は無かったので、骨折ではない。
しかし、
ヒビとか入ってたら、後々厄介だ。
なので、昨日、医者へ行った。
と、こういうわけだ。
 医院へ向かう道々、
医者の「原因は?」の質問への答えを、いろいろ思案した。
5月の時は「卓球の全国大会へ向けての練習で」と答えた。
今回は、ひざだ。
3つ考えた。
●全国柔道選手権・関東予選における負傷。
 大技「大外狩り」で見事「1本!」を取るも、右ひざを強打。
●趣味の乗馬で、落馬。
 愛馬エリザベス(愛称ベス)が調整中で、
 初顔合わせのアルマンゾ(愛称アンニ)にまたがりギャロップ中、
 アンニが、なぜか突然興奮して暴走。
 振り落とされた時、右ひざを強打。
●サッカーの試合中、
 シュート態勢に入ったペナルティエリアで、
 チャージをかけられ転倒。右ひざを強打。
この3つのうちのどれかにしよう。
 医者は案の定「原因は?」と聞いてきた。
「落馬」と答えた。
「ヒビが入ってる可能性もあるので、念のためレントゲンを撮りましょう」
私の思うツボだ。
結果は、打撲。骨に異常なし。
医者いわく「1週間、運動はしないで。乗馬もダメです。」
乗馬ねぇ・・・。
1度やってみたい。


11月24日(土よう日) 日直・鬼界
今、明かされる、・稽古場日誌
  10月24日
Bパターンの養成所入学コントの稽古をやった。
テツタ君がいつになく真剣な顔をしている。
そりゃそうだ、このコントではテツタ君も橋本にメガホンで殴られるのだ。
「きよみちゃんの立つ場所はどこ?・・・なるほどそこか。
そこから絶対に動かないでね。絶対に!
メガホンで殴るスイングをしてみて。・・・なるほど、メガホンの軌道はそうなるか。
絶対、その殴り方をしてね。絶対だよ!!」
実際に殴られる前に、殴られ方を入念に検討している。
昨日の僕を見て、人間凶器・橋本によっぽど恐れをなしているのだろう。
「よし、わかった!!じゃあ、やろう!」
秘策を思いついたに違いない。
やってみた。
橋本と身長差の大きいテツタ君は殴られポイントに入る前に
前屈みになり、橋本に向かって頭を突き出した。
まるで‘闘牛の牛’だ。
こうなると橋本がどんな殴り方をしようと頭頂部にジャストヒットして
昨日の僕のようにはならない。さすがだ。
それ以来、僕たちはBパターンのコントを‘牛コント’と呼ぶようになった。


11月23日(金よう日) 日直・鬼界
今、明かされる、・稽古場日誌
  10月23日
Aパターンの刑事コントの稽古をやった。
バカ刑事の鬼界がボケまくるのを、橋本がツッコミ、メガホンで殴るのだ。
橋本のツッコミのセリフは完璧だ。
さすが鬼界事務所で鍛えられただけのことはある。
が、メガホンで殴るのがメチャクチャ下手なのだ。
メガホンのはしっこのザクザクした部分で目を直撃するわ、
鼻を思いっきり叩いたりする。
さらには、耳をもぎ取るようにメガホンが僕の側頭部をえぐっていく。
涙がダラダラ流れ、鼻はジンジンし、耳はキーンとなった。
これ以上続けたら、殺されるかもしれない。思わず僕は叫んだ
「ちょっと、待ってくれ!」
すると橋本が「えっー!せっかく調子に乗ってきたのにーっ!!」
止めてよかった。
マジで、僕は一命を取り留めたのかもしれない・・・。


11月22日(木よう日) 日直・鬼界
現在、午後9時6分。
今、起きました。
ガーン、僕の11月22日は3時間しかない!
仕方ないですね。
打ち上げで明け方まで飲み騒ぎ、
その後、恒例のカラオケ大会で、
「ア・ホール・ニュー・ワールド」‘誰が一番、みんなを笑わせられるか’コンテスト
をやり、(結果は、鬼界・橋本のデュエットが圧勝!)
その後、事務所の近くのデニーズでモーニングを食べ、
バカ話をしているうちに、昼になったので、
ランチを食べて解散しました。
昼と夜の2ステージをやった後だというのに、
なんて元気なんだ!恐るべし、鬼界浩巳事務所の面々!!
そんなわけで、
無事、今回のスペシャル公演も終了いたしました。
ご来場の皆様、本当にありがとうございました。
そして、今日の午後と夕方にこの日誌をご覧になった方、
更新が遅れすいませんでした・・・。
明日からは、ネタばれするので書けなかった、
今、明かされる、裏・稽古場日誌’を連載します。お楽しみに。


11月21日(水よう日) 日直・鬼界
あっという間に、千秋楽の日となってしまった。
3日間のスペシャル公演はやっぱ短いな・・。
ニューヨークへ2泊3日で旅行に行くようなものだ。
ドキドキ感も似てると思う。
(A,Bどちらをやるかわからないのが、
どこに炭そ菌があるかわからないのに似ているのだ)
今日までです。
まだ迷ってるなら、さあ、思い切って僕の胸に飛び込んでおいで!
(見に来てね、ということです。本当に飛び込まないでください)


11月20日(火よう日) 日直・鬼界
現在、公演をしている銀座小劇場は楽屋が非常に狭い。
電車の運転席くらいのスペースしかないのだ。
もっとわかりやすく言えば、トイレの個室2個ぶんの広さ。
ここに出演者3人がいるのです。
椅子を3つ置いて座ると、
ジグソーパズルが完成したみたいに足と足が交錯し、動くことは出来ない。
誰かが立とうとすると、全員が立たなければならない。
ティッシュは橋本のそばに置いてあるので、
テツタ君がティッシュを必要とすると、
バケツリレーの要領でティッシュの箱が手渡される。
楽屋というのは、くつろげるところのはず・・・。
なのに、楽屋にいるときが一番、疲れるのです。
そんな裏事情を知ってご覧になると、楽しさ倍増かも。
どうぞいらしてくださいね。今日は夜の7時30分からです。


11月19日(月よう日) 日直・鬼界
いよいよ初日だ。
週間天気予報では、雨マークがついていたのに、快晴だ。
てるてる坊主のおかげだ。
晴れてほしい時には、必ず‘てるクン’を僕は作るのだ。
現在、午前7時17分、
こんなに早く日誌を書いたのは初めてだ。
では、いってきま〜す。


11月18日(日よう日) 日直・鬼界
AパターンかBパターン、どちらを上演するかは
本番はお客様に決めてもらうのだが、
稽古ではコイントスをしている。
100円玉を放り投げて、表だったらA、裏だったらBをやるのだ。
それが決まったところで、橋本があるスタンバイをする。が、
なぜか、たいてい逆のスタンバイを彼女はしてしまう。
Aに決まったらBのスタンバイをするし、Bに決まったらAのスタンバイをする。
3回に2回は間違える。
失敗率6割6部7厘。マリナーズの勝率といい勝負だ。
「AとかBとかって、数学みたいで覚えにくいよぉー」と
橋本が苦情を言うので、
‘ゾウさんパターン’と‘キリンさんパターン’と呼ぶことにしてみた。
コイントスで表が出たので、‘ゾウさんパターン’に決定。
でも、橋本がスタンバイしたのは、‘キリンさんパターン’だった...。
「呼び方を変えても、ダメじゃないか」と言うと
「表が出たら、“長〜い動物”って覚えたんだけど、
なにが長いのか忘れちゃったの・・・。」
こうして本番前日、橋本はスタンバイ係をおろされた。


11月17日(土よう日) 日直・鬼界
稽古が終了した途端、
「シュッー」という噴霧音と共に、人口的な甘い安っぽい香りが立ち込めた。
橋本が香水をかけまくってるんだと、僕は思った。
スタッフが殺虫剤を撒き散らしてるんだと、橋本は思った。
次の瞬間、稽古場にいる全員が「ゴホ、ゴホッ」とむせ返った。
一体、なんなんだあー?
なんと、テツタ君がカツラにヘアスプレーを吹きつけ、手入れしていたのだ。
本人だけが全然平気で、鼻歌まじりでカツラをブラッシングしている。
吉田さん、密閉された室内での大量のスプレーはご遠慮願います。
ん?カツラ?
そうです、今回はカツラも登場するのです。
(テツタ君が若ハゲで普段からヅラを愛用してるというわけじゃありません。)


11月16日(金よう日) 日直・鬼界
なんだか橋本の演技が重い。動きも鈍い。
「はあー」と何度も何度も溜息をついている。
ややっ、橋本嬢のプライベートにトラブル発生か?
こういうのが一番困るのだ。
よくいるんです、
本番直前に一緒に住んでた彼女の家から追い出されてしまう男優とか
本番直前に共演者と恋におちてトチ狂っちゃう女優とか。
おそるおそる、が、なにげなく聞いてみた
「橋本〜、もーしかして、なんかあったりしたのかなぁ?」
「うん、ちょっと・・・」
マズい展開だ!
「なに?重大なこと?」とさらに尋ねると
「実は、うちにあったそうめんの賞味期限が切れそうだったので全部食べたの。
ほとんど一箱食ったから、
今にもそうめんが口からあふれそうなの。話しかけないで。」
もう冬なのに、そうめん・・・。
さすが、きよみ親分!やることがふつーの人と違いますぜ。いえ、違いすぎますぜ。


11月15日(木よう日) 日直・鬼界
ご要望にお応えし、稽古風景をご紹介しましょう。
Aパターンの17ページから稽古を始める。
なかなか橋本がクリアできない難所だ。
演出家の鬼界安一さんが声をかける。
「じゃあ、昨日の指示を思い出して、やってみて。よーい、はい。」
橋本がやってみる。
「ダメダメ、全然違う!それじゃ吉永小百合だよ。もう一回!」
橋本がやってみる。
「そうじゃないんだよ!それじゃ黒木瞳だ。」
橋本がやってみる。
「それは萬田久子じゃないか!!違うよ!」
橋本がやってみる。が、
ついに演出家を怒らせてしまった。
「いい加減にしろっ!!高島礼子なんかいらないんだっっ!!
今日の稽古は中止だっ。橋本は残って自主トレしろ!」
・・・・稽古場にきまづい空気が流れた・・。
僕たちの稽古はこんな感じです。
鬼演出家と熟女美人女優見本市ごっこを、ウォーミングアップにやったりします。


11月14日(水よう日) 日直・鬼界
初めて使う稽古場だった。
レンタル料がやけに安いと思ったら、防音設備がされてないのだ。
壁の薄い会議室が並んでるだけ、と考えてもらえば、わかりやすいかも。
午後1時、隣りの部屋にゾロゾロゾロゾロ人が集まってくる。
劇団だ。まったく聞いたことのない劇団なのに30人以上はいる。
ワイワイガヤガヤ、とてもうるさい。
午後1時30分、ピタッと静かになった。
よかったーと思う間もなく
「ぐえぇぇぇ」「あ゛〜あ゛〜」「レロデドレロ・・・」「んがあんがあ」と
奇声が発せられた。
30人以上の大声の奇声だ。ここは気違い病院か!
耳をふさいでいると、またピタッと静かになった。
そして発声練習が始まった。
どうやらあの奇声は発声練習を始める前のウォーミングアップだったらしい。
あんなやり方じゃノドをつぶすだろうに・・・。
1時間が過ぎても発声練習が終わらない。なんだよ、この劇団。
うるさくて僕たちは稽古が出来ない。
そして、午後3時、またまたピタッと静かになった。
やっと稽古ができる!と喜ぶ間もなく
こんどは早口言葉を始めやがった。
「ブスバスガイド、バスガス爆発」。これを3回早口で繰り返すのだ。
30人の劇団員がひとりづつやるのだが、誰一人としてできない。
失敗したら次の人と交替。これが延々と続く。全員が成功するまで終わらないようだ。
僕たちは稽古をあきらめ、飲みに行った。行くしかないっす・・・。


11月13日(火よう日) 日直・鬼界
「こんどは‘おかん’から電話がかかってきたよ」
稽古場に来るなりテツタ君が報告してくれた。
テツタ君は、お父上のことを‘オヤジ’と呼び、
お母上のことを‘おかん’と呼んでいるのだ。いかにも大阪人!
『もしもしテっちゃん。元気か?』
お父上と違って、お母上は常識的な切り出し方をする。
そしてテツタ君は‘テっちゃん’と呼ばれている。かわいいっ!
『お父さんがマイラインのことで、わけのわからん電話しはったやろ。
チャリ屋のフジタはんに聞かはったんや、‘NTTは大損や’って。』
(ちなみに‘チャリ屋’とは、自転車屋のことだ。)
テツタ君は言った。
『どうせ、そんなことやろと思たわ。
けど、マイラインはどこにしたら、ええのかな?』
『そんなこともわからんのかいな。
さんまちゃんが好きか、松坂慶子が好きかで選ぶに決まってるやんか。
テっちゃんは、アホやな。』
あの‘オヤジ’にして、この‘おかん’あり!
どうやらお似合いの夫婦らしい。
吉田家のみなさん、
盛り上がってるところ悪いんですが、
マイラインの申し込みは先月で終わってるんですよ。


11月12日(月よう日) 日直・鬼界
僕がテツタ君にバカ話を聞かせるシーンの稽古をしていた。
笑いながら聞いていたテツタ君の目に突然、涙があふれてきた。
顔は完璧に笑っているのに、目だけが何かに耐え、泣いているのだ。
非常に複雑な演技だ。仲代達矢先生にもデニーロにもできないだろう。
映画だったらアカデミー賞間違いなし!すごい!
が、そんな演技をするシーンじゃない。
バカ話を聞いているだけなのに、どういうことだろう?
僕には想像もつかない内面の苦悩を表現しているのか?
稽古が終わってテツタ君に尋ねてみると、
「あの時、急にノドがイガイガってなっちゃって、セキしそうになったんだ。
でも、鬼界が一生懸命バカ話をしてるから、必死になって我慢してたんだ。」
テツタ君を買いかぶった僕がバカでした・・・。


11月11日(日よう日) 日直・鬼界
テツタ君のお父上のことを日誌に書いたせいか、
ものすごい久し振りにお父上から電話がかかってきたそうだ。
虫の知らせというか、こういうことってよくあるんですよね。
テツタ君が「はい吉田です」と電話に出ると
「マイラインはどこにした?」といきなり言われたそうだ。
‘もしもし、俺やけど。’とか‘おおテツタか。元気か?’とか
常識的な切り出し方は一切なし。
いつも一方的に用件を話し出すらしい。
テツタ君が「決めてないけど・・・」と答えると
「アホっ!そんなことやと思て、電話したんや。NTTは絶対ダメやぞ。」
「だったら、どこがいいの?」
「知らん。言いたいのはそれだけや。」ガチャッと電話は切られた。
お父上はなんのために電話してきたのだろう?
マイラインはどこを選べばいいのだろう・・・?


11月10日(土よう日) 日直・鬼界
‘おせち料理のほかにお正月に何を食べるか’が
話題になった。
僕の家では1月2日に、ぶりの照り焼きを食べるのが毎年の恒例だ。
橋本家は、トロを大皿いっぱいに盛って死ぬほど食うらしい。
テツタ君のとこでは、フグ鍋をするそうだ。
「えっ〜、フグ!すっげえリッチ〜!!」と賞賛すると
「正月のフグ鍋は僕の生まれる前から延々と続いている行事で、
オヤジの大好物なんだ。
でもフグって、味もないし食べにくいし、僕はあんまり好きじゃないんだよ。
今年のお正月にフグ鍋を食べながら
『フグって、そんなにうまいもんじゃないよね』とポロっと言っちゃったんだ。
そしたらオヤジが急に立ち上がって
『テツタはフグ食わんといて!そんなバチ当たりに食わすフグはない!
お前は一生、フグ食うな!フグがかわいそうやっ!!』と
激怒したんだ。
あんなに怒ったオヤジを見たのは初めてだよ。
よっぽどフグが好きなんだな。
だから来年のお正月がコワイんだ・・・」
2002年の吉田家のフグ鍋大会は、どうなるんだろ?
テツタ君だけ別メニューになるのだろうか?そうなるとやっぱり、カレーかな?


11月9日(金よう日) 日直・鬼界
3人で‘ステーキのくいしんぼ’に晩御飯を食べに行った。
「牛の目玉ステーキ、牛の脳髄スープ、牛の小腸の突端部焼きは
食べるのやめようね」などと笑っていると
女店員が水を持ってきて言った。
「イラッセマセ!」
名札を見ると、“李”と書いてある。
なるほど、中国の人ね。「いらっしゃいませ」と言いたかったのね。
‘ステーキのくいしんぼ’は、オーダーを復唱するので
僕たちはややこしい名前の料理を注文することにした。
鬼界「僕は200グラムのガーリックハンバーグでデミグラスソース」
吉田「リブステーキの一番ちっちゃいやつで塩コショウは少なめで、よく焼いて」
橋本「私は森の贈りものキノコのホワイトソースがけキングサーモンのグリル焼き」
李さんの復唱を待った。
「ゴチュモンをくりかえまー。(ご注文を繰り返します)
にひゃー、にひゃーグラムのガリ、ガリ・・・お待ちくっさい」
李さんは復唱をあきらめた。
お会計を済ませ帰ろうとすると、
李さんが「チャーシューめんをどうぞ」と僕たちを呼び止めた。
李さんの手にはサービス券が握られていた。
「サービス券をどうぞ」と言ったのね...。


11月8日(木よう日) 日直・鬼界
稽古中、ドアノブを回す‘ガチャッ’という音がした。
スタッフの誰かが来たのだと思い
「あいてますよー。」と声をかけた。
するとテツタ君が「おい鬼界、突然どうしたんだよ?」と驚いている。
「え?今‘ガチャッ’って音がしただろ?」と僕が尋ねると
テツタ君は「なんの音もしてないよ。ついに幻聴だ〜」と笑っている。
おかしいな・・・空耳か・・
稽古を再開して、しばらくすると、ドアがガタガタッと揺れた。
「今日は風が強いんだぁ」と橋本が言った。
ん?このスタジオはビルの中だ。外の風は関係ないはず・・・。
走って行ってドアをあけた。
廊下には誰もいない。風はそよとも吹いてない。
・・・・・・・。
即刻、稽古をやめて僕たちは帰った。
あのスタジオは二度と借りません。


11月7日(水よう日) 日直・鬼界
こんなメールを頂きました。
 「近頃、ステキなテッタくんフリークになりかけてます♪」
共演者が好感をもたれることは、とても嬉しいです。
ありがとうございます。
が、その反面、「・・・・・」って気持ちもあります。
だって、テツタ君は
B級グルメさんで、Hなうえに、オッチョコチョイのバカなパンツ博士なんですよ。
それなのにフリークになるの?
僕が以前この日誌で、
ほんの少し、ちょっとだけ、軽〜く、ほんのりソフトに、Hなことを書いたら
 「鬼界さんは欲求不満なんですね」
というメールが来たんです。
なんだか不公平じゃないっすか・・・・?


11月6日(火よう日) 日直・鬼界
ストレッチをしていた橋本に注意した
「おい橋本、パンツが見えそうだぞ」
その途端、テツタ君が大声で発言した。
「‘見せパン’って、どう思う?」
どう思うって突然言われても・・・・と答えに困っていると
「見せパンは落とし穴だと僕は思うんだ」と
テツタ君はひとりでしゃべり出した。
「普通のパンツが見えていたら女の人は恥ずかしいと思うのに
‘見せパン’は平気。
見せてもいいものだと思っているからだ。
が、それは女の人が勝手に思い込んでるだけで、
男にとっては、‘ふつうパン’も‘見せパン’もパンツに変わりがない。
女の人の下着を見られる幸せは同じなんだ。
男がどういう気持ちでパンツを見つめているか
女性は気付いてないところが、‘見せパン’の落とし穴なんだ」
橋本と僕は絶句した。
何を言い出すのかと思いきや
『テツタ博士の見せパン理論』が始まったのだ。しかも疑問の多い理論だ。
僕たちの沈黙を、テツタ博士は賛同と誤解したようだ。
理論はさらに続いた。
「ラジカセに欲情する人って、いるじゃない?」
テツタ博士、勘弁してください。
ラジカセに欲情する人なんて聞いたこともありません。
あなたの知識量と経験には、ついていけません。
そんな僕たちを無視するかのように、テツタ博士のパンツ講義は延々と続いた。
が、かなり問題があるのでここには紹介できません。あしからず。


11月5日(月よう日) 日直・鬼界
ショボンとした顔でテツタ君が稽古場に現れた。
ケータイ事件で稽古を中止にしたくせに、あの結末だったのだから、当然だ。
橋本はかなり立腹している。
が、お詫びのしるしにテツタ君がシュークリームを差し出した途端
ニコニコ顔になった。
テツタ君も橋本の扱いがわかってきたようだ。
シュークリームをパクつきながら橋本がテツタ君を慰めている。
「連日の稽古で疲れてたんだよ。
そういう時って人間はおかしなことをしちゃうのよね。
私もこの前、メガネがなくなって家中探したの。
どこにもなくて諦めかけてたら冷蔵庫に入ってたの。
冷蔵庫に入ってるはずの‘ハウスおろし生しょうが’が
ペン立てにささってることもあったわ。
そんなことって、しょっちゅうよ。」
しょっ、しょっちゅうなんですか、橋本さん?
ボケ老人のお仲間になりかけてるのでは・・・・?


11月4日(日よう日) 日直・鬼界
(きのうのつづき)
「僕のケータイの留守電メッセージが勝手に変えられてるっ!」
留守電のメッセージを自分の声で録音したものの
テツタ君はそれを使ってないというのだ。
つまり、テツタ君のケータイに電話したら
ケータイに内蔵されている、あの事務的な女の人の声で
留守電になるはずなのに、
聞こえてきたのはテツタ君本人の
「はい、吉田です。ただいま電話に出られません」の声だった。
誰かがテツタ君のケータイを操作したのだ!証拠は揃った。‘1’(昨日の日誌参照)だ!
テツタ君怒りバクハツ!
「ちっきしょー!僕のケータイは悪女に拾われてしまったんだ。
僕のケータイでアフガニスタンに電話されたらどうしよう?
それより連絡先のわからなくなった友達はどうすればいいだろう・・・
今日はもう帰る・・・」
この世の終わりのような顔をしたテツタ君を見送り、僕たちは解散した。
メシを食って家に帰ると、留守電がピッコピッコ光っている。再生した。
「あのぉ、吉田です・・。ケータイ見つかりました・・。
脱ぎ捨てたジャージに埋まってました・・・・
お騒がせしてすいませんでした。・・・では失礼します。」

自分のケータイに電話したら女性が出たというのは、
テツタ君の単なる間違い電話でした。
そして、ケータイが操作されてるというのもテツタ君の間違い。
自分の家の電話の留守電メッセージが
事務的な女の人の声にしてあるのを、ケータイと勘違いしていたんです。
テツタ君を説明する言葉がまた増えました。
B級グルメさんで、Hなうえに、オッチョコチョイのバカ。


11月3日(土よう日) 日直・鬼界
橋本がガックリ肩を落として稽古場にやって来た。
チャリンコに乗ろうとしたら、パンクしていたそうだ。
ガ〜ン!と第一のショックを受けた。
仕方ないから30分かけて自転車屋までチャリンコを押していったら
自転車屋がつぶれてなくなっていた。
ガ〜ンガ〜ン!と第二のショック。
元気のない橋本を励ましていると
テツタ君が悲壮な顔でトボトボ稽古場にやって来た。
「ケータイなくしちゃった・・・・」
なんだよ!お前らは揃いも揃って不幸の神様かよ!!今日はツイてないデーなの?
と言いたい気持ちをグッと抑え
テツタ君に事情を聞いてみた。
昨日酔っぱらって帰り、そのまま寝ちゃったので
今朝になってケータイがないことに気付いたそうだ。
慌てて自分のケータイに電話してみると
「もしもし・・・」と女性が出た。
ビックリしたテツタ君は思わず電話を切ってしまった。
バカじゃねえの?何のために電話したんだよ。
と言いたい気持ちをグッと抑え、テツタ君の話の続きを聞いた。
「でも切ったら意味ないことにすぐに気付いたんで
僕はすぐにもう一度電話したんだ。こんなときにも機転はきくんだよね。」
と、チョイ自慢げ。やっぱりバカだ、こいつ。
テツタ君が再度電話してみると
「電源が切られているか、電波の届かないところに・・・」というメッセージが
流れたそうだ。
どういうこと?僕たちは話し合った。可能性は3つに絞られた。
1.悪意の女性が電話を拾い、一度は電話に出たものの
マズイと気付き電源を切った。
2.善意の女性が電話を拾い、一度は電話に出たものの
その直後に何者かに誘拐され地下に監禁された。
3.テツタ君が間違い電話をした。
もう一度電話してみるしかないということになった。
今日の稽古は中止にし、テツタ君のケータイ捜査に専念だ。
電話をかけに行ったテツタ君が叫びながら稽古場に飛び込んできた。
「ひっでえよー!ひどすぎるっ!!」  (つづく)


11月2日(金よう日) 日直・鬼界
(きのうのつづき)
 ○屈辱的なバイト篇
私服刑事に遭遇した翌日、今度は制服の警官に声をかけられた。
「ちょっと、君」
テツタ君はまた職務質問だなと思い
「どうもご苦労様ですぅ。カバンを調べるんですよね。」と
愛想よく返事をした。
これが警戒を誘ったらしい。制服警官は
「近寄るなっ!」と警棒をテツタ君に突きつけた。
「そのカバンと身分証明書を地面に置き、3メートル下がれ!」
テツタ君がカバンと免許証の入ったサイフを地面に置くと
警官は危険な汚物を扱うように警棒でカバンをかき回し、
サイフは警棒だけでは開かないから
サイフの端っこを足で踏みつけ警棒でいじくり回した。
彼女からプレゼントされたレノマの大事な財布なのに・・・。
一通り調べ終わった警官は
「行っていいぞ」とテツタ君に命令した。
警棒を握り締めたままの警官が見守る前で
テツタ君は地面からカバンとサイフを拾い上げ
警官にペコリと会釈をしてその場を離れたそうだ。
ニキビ面の、どう見ても年下の若造警官にこんな扱いを受け
テツタ君のプライドはズタズタになった。
その日でポスティングのバイトはやめたそうだ。


11月1日(木よう日) 日直・鬼界
(きのうのつづき)
 ○屈辱的なバイト篇
20代のテツタ君がプライドをズタズタに引き裂かれたバイトは
‘ポスティング’だったそうだ。
ポスティングというのは、ご家庭のポストにチラシを入れて回る仕事です。
テツタ君の名誉の為に記しておくと、
H系のチラシではなく、引越屋のチラシをポスティングしたそうだ。
ある年の暮れ、ウォークマンを聴きながら快調にポスティングをしていると、
レスラーみたいなツルッパゲの大男と、角刈りのサングラスの男が
テツタ君の前に立ちはだかった。
どう見てもヤクザだ!そのヤクザが静かな口調で言った
「にいちゃん、ちょっとそこまで来てくれるか」
静かな口調のヤクザが一番コワイ!!
テツタ君は、殺されるかもしれないとマジで思ったそうだ。
人影のない路地へテツタ君を連れ込み、ヤクザはおもむろに内ポケットに手を入れた。
取り出したのは、警察手帳だった。
なんと彼らは私服の刑事だったのだ。
「年末になると物騒な事件が多発しますので、
申し訳ありませんが、そのカバンをあらためさせて頂けますでしょうか」
路地に入った途端、態度が一変した。
ドラマみたい!とテツタ君は嬉しくなったそうだ。
「本物の警察手帳を見たことある人は、世の中、あまりいないんじゃないかな。フフッ。」
これがテツタ君の自慢のひとつだ。
自慢すべきことかどうか、よくわからないが・・・。  (つづく)
★長くなってしまったので、屈辱的部分は明日、書きます。


10月31日(水よう日) 日直・鬼界
再び稽古場日誌。
20代の頃にやったバイトの自慢大会になった。
 ○楽なバイト篇
レンタルビデオの店員は、テツタ君の人生史上、最高に楽で快適なバイトだったそうだ。
時給はやや安めだが、ビデオ見放題!映画好きには、たまらない。
1年で500本の映画を見たそうだ。すっげえ〜。
橋本が「どんな映画を見たの?」と質問した。
「その年にリリースされた新作から過去の名作まで、
アメリカ映画が150本。ちなみに新作はぜんぶ見た。
フランス、イギリス、中国、タイなどアメリカ以外の外国映画が50本。
そして、日本映画が100本」
その答えに橋本はテツタ君をすっかり尊敬している。
「吉田さんは映画がお好きなんですね」
いきなり敬語になった。こういうとこが橋本だ。
「あれっ?でも吉田さん、今のだと500本にならないんじゃないですか?」
「え?あっ・・・・他にも見なきゃいけないジャンルがあるから・・」
「はあ?・・・・・・も、もしかして、ア、アダル・・・・テッタ君ってサイテー!!」
敬語は吹っ飛んだ。
そりゃ橋本も怒るよ。どの映画よりも‘アダル・・・’を一番多く見てんだもん。
ざっと計算すると、3日に2本のペースで‘アダル・・・’を1年間見続けたことになる。
若かったんだね、テツタ君。


10月30日(火よう日) 日直・鬼界
新宿2丁目へお芝居を見に行った。
噂には聞いていたが、初めて足を踏み入れる街だ。
ゲイの方がそこかしこに立っておられる。
スカウトしようとしているのか、今夜のお相手を探しておられるのか、
みんな食い入るような目つきで通る人を見ている。
が、よく観察すると年齢によって見方が違うのだ。
ジャニーズ系の若いカッコイイ、ゲイの方はチラッと見るだけ。
全体を見てすぐに自分のタイプかどうか判断するようだ。
年配のゲイの方は、まず顔をちょっと見てから、視線をゆっくり下に移動させる。
首の滑らかさ、肩幅、胸板の厚さ、腰のセクシー度、局部、足の美しさなどを
じっくり査定しているのだろう。最後にもう一度顔を見て、終了。
やはり年齢を重ねるとわがまま言ってられないのかもしれない。
どこか1ヶ所だけでも気に入るところがあれば妥協してベッドインするのかしら。
お芝居を見終わった帰り道、
来たときと同じ場所に立っている年配のゲイの方がいた。
お相手が見つからないんだ・・・・。大変だなあ、あの世界も。


10月29日(月よう日) 日直・鬼界
ペットボトルの缶コーヒー(というのもヘンな言い方ですが)
‘FIRE〜カプチーノ〜’を飲んでいたテツタ君が怒り出した。
「なんじゃこりゃ?ヒドイ味だ。ちょっと飲んでみてよ。」
恐る恐る飲んでみた。
・・・?。全然普通の味じゃん。ていうか結構おいしい。と言うと、
テツタ君は
「だって、キナコの味がするじゃん、このコーヒー。」とすごく怒っている。
あまりに君が憤慨してたので、稽古場では言えませんでした。
この場を借りてお伝えします。
テツタ君、あれはシナモンの味だよ。
さすが、B級グルメさんだ。


10月28日(日よう日) 日直・鬼界
稽古中、テツタ君が口をモグモグしている。
自分のセリフは普通に喋っているが、
相手役が喋ってる時は口が絶え間なくモグモグ動いている。
「テツタ君、なにか食いながら稽古してる?」と聞くと
「ぼ、ぼくが?け、稽古中にモノを食べてるって?まさか!!」と
強く否定した。
が、瀕死のテツタ君に愛を告白するシーンで、
橋本が怒り出した。
「あなたのためなら、世界で一番高い山にも素足で登れる。
あなたのためなら、世界で一番深い海にも素潜りできる。
だって、私は・・・ちょっと、テツタ君!なに食べてるの!」
橋本に見つかってしまっては、もう終わりだ。
橋本に無理矢理、口をこじ開けられてしまった。
テツタ君は甘納豆を食っていたのだ。
「この甘納豆すっげえうまいんだよ。甘いんだけど甘くないんだよ。
食べてみな。やめられないから。」
食ってみた。
・・・・・・・・・・・・うまい。確かにうまい。
‘甘いんだけど甘くない’としか説明のしようのない微妙な味わい。
テツタ君はグルメさんだ。ただしB級グルメさんだ。
 注)‘瀕死のテツタ君に愛を告白するシーン’は、
   昨日カットされてしまいました。残念ながら本番ではご覧いただけません。


10月27日(土よう日) 日直・鬼界
「キャーッ、女の人が扉を開けたままオシッコしてるー!!」と
橋本が叫びながら稽古場に飛び込んできた。
当然、テツタ君と僕は女子トイレへダッシュした。
が、突入する勇気がない。
“女子トイレに侵入した自称演劇人、現行犯逮捕!”
そんな記事が新聞に載ったら困るからだ。
オロオロしてると、女子トイレから、22,3の女の子が出てきた。
えーーっ、あんな普通っぽい子が丸出しでオシッコしてたのー?
突入すべきだったよー!!
と、人生最大のミスを悔しがっていたら、
そばに来ていた橋本が言った。
「あの子じゃないわよ。オシッコしてたのは多分、Aスタを使ってる人ね」
Aスタのドアを見ると、
<本日のご利用者:劇団呪縛社>と書いてあった。
なるほど。アングラの方ね。だったらオープンでオシッコくらいするわ。納得。


10月26日(金よう日) 日直・鬼界
熱心にストレッチをしてたテツタ君がつぶやいた。
「やっと、あいた」
見るとテツタ君の靴下にポッカリ穴があいている。
以下、テツタ君の言葉
「薄くなった靴下は稽古で履くようにようにしてるんです。
だって穴があかないと雑巾にできないじゃないですか。
うちにはまだ10足以上穴をあけなきゃならない靴下があるから大変なんです」
確かに靴下は雑巾にします。
自転車整備のときなんか、入り組んだ部分までふけるので便利です。
が、わからないのは
なぜ穴をあけなければ雑巾にできないかだ。
薄くなった段階で雑巾にすればいいんじゃないの?
それをテツタ君に言うと
「あっ、そうか!!気が付かなかったっっ!」
習慣って、そういうもんだよね。
ちょっと見方を変えれば、そのおかしさがわかるんだけど
自分じゃなかなか気付かないんだ。
などとテツタ君と話していると、橋本がスマした顔で言った。
「靴下って、いつの間にか必ず片方だけになってない?」
それはあなただけです。
靴下の片方だけを一体どこでなくすんだよ?しかも‘必ず’なのかよ?


10月25日(木よう日) 日直・鬼界
「すっごくおいしいんですよ」とテツタ君がお菓子を持ってきた。
お菓子大好きの橋本は早速いただいている。
表面がカリっとしてるのに中はポワポワ柔らかく、
微妙な甘味があり、確かにウマイそうだ。
「なんていうお菓子?」と橋本が聞くと
「実はお菓子じゃないんです。
パスコのスティックパンを6日間、放置するとこうなるんです。
ただ賞味期限は過ぎてしまうので、
夏場はカビに注意しなければなりません。」
橋本「・・・・・・・」
「どうしたんですか?もっと食べていいですよ。鬼界さんもどうぞ。」
僕は丁重にお断りした。


10月24日(水よう日) 日直・鬼界
幼稚園の遊戯室を稽古場に借りた。
壁中に折り紙のツルやカメやウサギやカエルが飾られ、
黒板の右上に「右(みぎ)」、左上に「左(ひだり)」と張り紙がしてある。
ぬいぐるみが山盛りになっている台をよく見ると
なんと子供用の卓球台じゃありませんか!
普通サイズの3ぶんの1くらい。ちっちゃ〜い!
これを見つけてしまったら、プレイせずにおれません。
リーグ戦形式で3時間卓球やりまくり。(ちなみに橋本が優勝。よかったね)
卓球に飽きたから、そろそろ稽古でもやるかと卓球台を片付けると
今度は幼児用のエアーホッケーを発見。
スノーボード2枚分くらいの大きさ。ちっちゃ〜い!
だから大人にはとてもやりづらい。そこがまたおもしろい。
エアーホッケーやりまくり。
気が付くと、退出時間になっていた。
結局、お芝居の稽古は1秒もしなかった・・・。


10月23日(火よう日) 日直・鬼界
知り合いの柿農家からもらったと、テツタくんが稽古場に柿を持ってきてくれた。
おいしそうな柿が30個以上もあるのを見て、橋本は大喜びだ。
「わーい、わーい!!食べよ、食べよ!!テツタくん、ナイフ持ってきた?」
と言われ、テツタくんはハッとした。
稽古場に包丁やナイフはないのだ。
泣きそうになってるテツタくんを見かね、橋本が
「皮なんかむかなくたって、食べれるよ。りんごだってそうじゃない」と
止める間もなく柿にかぶりついた。
「にが、にが、にが、苦ーーい、にっがーーーーー!!」
今度は橋本が泣いている。相変わらず橋本は向こう見ずだ。
皮をむくしかない、でも刃物はない。
爪でポリポリむきました。
おいしく柿をいただきました。
でもその後の稽古は、全員のすべての指にだいだい色のツメクソが満タン状態でした。


10月22日(月よう日) 日直・鬼界
電車の中で演劇をやってる知り合いの女の子に会った。
声をかけようとしたのだが、
眉間にシワを寄せ、思いつめた目で床をジッと見つめている。
そういえば、「演劇やめようかと思ってるんです・・・」と言ってたっけ。
そっと見守った。
床を見つめていた彼女は大きな溜息とともにガックリ首をたれてしまった。
わずかながら小刻みに首を左右に振っている。自分自身にイヤイヤをしてるようだ。
と、その瞬間、ハっとした表情で顔をあげた。表情が明るくなっている。
それもつかの間、迷い顔になり、彼女の瞳はまた曇ってしまった...。
終点の新宿駅で僕は陽気に声をかけた。
「すっげえ深刻な顔して電車に乗ってんだね。せっかくの美人が台無しだぁ!」
「あれっ、鬼界さん、見てたんですか」
「悩みでもあんの?」
「そうなんです、駅の立ち食いにするか吉野家に行くか、迷ってたんです。お金ないから。」
人は見た目じゃわかりません。つくづく実感。