鬼橋日誌(おにはしにっし)
鬼界事務所の構成員、鬼界と橋本が書く日誌です
                    

・2000.5.12〜12.31の日誌は、こちら
・2001.1.4〜5.31の日誌は、こちら
・2001.6.1〜10.21の日誌は、こちら
・2001.10.22〜2002.3.30の日誌は、こちら
・2002.3.31〜8.31の日誌は、こちら

・2002.9.1〜12.31の日誌は、こちら
・2003.1.5〜5.5の日誌は、こちら


9月2日(火よう日) 日直・橋本
(きのうのつづき)

 「じゃ、
あとから他の人が入札してきても、
戦えば(セリあえば)イイんじゃない?」
と、お思いでしょう。
が、
またまたそれも、面倒クサイんですよねぇ。
最初の入札をする時に、
「‘最高入札額’(この値段までだったら出す!という値段)」
というのを設定しておくのですが、
私の場合、
その値段は、
「マジで、この値段までしか出さないのさー。」
という値段にするので、
「あのー、
橋本さんの最高入札額より、もっとお高い額をつけた人が登場したんだけど、
どーする、どーする?
橋本さんも、入札額、上げちゃう?」
と問われると、
「ちぇ、も、いーや。
じゃ、その人が買えばいいじゃんか。」
と、サッサと降りてしまうのだ。
なんか、
再度「いくらにしよーか」考えるの、面倒くさくて。
で、
次々と好きなブランドの洋服7品に入札してみるも、
どれもこれも落札出来ず・・・とゆー結果。
こうなったら、
意地だ。
絶対に、なんか買うぞ。
なんでもいいから、なんか買うぞ。
そして、
見つけた。
今度こそ、誰も入札してこなさそうな物を。
「2年前にイギリスで購入。
店員さんの話によると、日本円で定価36万円の品物。
2回ほど着用してますので、
7万円でお譲りします。」
そう説明されたソレは、
幼稚園児が、
24色クレヨンをすべて使って描いたような図柄の、
マント。
キチガイっぽい。
定価36万円(らしい)のイギリス製マント、7万円。
入札しました、アタシ。
どーだ、これで、どーだ。
誰も、入札してこなかった。
勝った。
ついに「‘ネットオークション’でお買い物」ができたぞ。
わーい!
・・・・・楽しいか?オレ。
くそ!今年の冬は、マントだ、マント!


9月1日(月よう日) 日直・橋本
(おとといのつづき)
 
既に入札者がいる品物に入札するのは、
なんとな〜く気が引ける。
な〜んか、
「悪いかなぁ・・・」
という感じ。
他人が先に「あ、これイイな」と目をつけ、
「買ーおうっと!」
と、ウキウキとレジに並んでいるのに、
あとからノコノコやってきて、
「アタシも、これが欲し〜い!
だめ〜!アタシが買うの〜っ!
じゃ、アタシ、あんたより高いお金、出すわ!
だから、これは私の物!」
と、理不尽なワガママを言っているような気が、
どーしてもしてしまう。
でも、
理不尽でもなんでもないんだよねぇ、
他者と‘競り合う’のが、‘オークション’なんだもんねぇ。
出品者にしてみても、
より多くの入札者が競り合ってくれれば、
価格も上がるわけだしねぇ。
わかっちゃいるけど、
どーも、
他人が入札していない物をいない物をと、探してしまう。
既に入札者がいる物は、却下。
無条件に、あきらめちゃう。
まだ、だーれも入札してない物に、こっそり入札。
で、
「頼むよ〜。
誰も気づかないうちに、終了してくれよ〜。」
と、祈るような気持ちで、その品物のオークション終了時間を待つ。
が、しかし!
甘くないのねぇ、オークション。
入札した途端、
必ず誰かが、ハイエナみたいに飛びついてくんのね。
その品物が出品されてから5日間、
だーれも見向きもしなかったくせに。
「よーし、終了までの残り時間も少ないし、
もう私以外に入札する人は居るまい」
そうフンで私が入札した、
その途端、
きまって誰かが入札してくるのだ。
おとといの冬物セーターに続き、
冬物カーディガンの時もそう。
その後、
意地になってヤった7品、すべて、そのパターン。
ソレって、なんででしょ?
私が、‘さくら’になっちゃってるのかしら?
それとも、
終了まぎわに入札したほうが、落札する可能性がデカイとか?
みんな、
「見向きもしなかった」んじゃなく、
「様子をうかがってた」の?
‘競り合わないで、安価で落札する’入札のタイミングとか、
値段のつけ方とか、
そーゆー「これぞ、良い入札の仕方」ってのがあって、
みなさん、それをご存知で、それに従ってるのかしら?
          (つづく)


8月31日(日よう日) 日直・鬼界
心の中のモヤモヤが晴れません。
阪神タイガースのことです。
現在、阪神は4連勝中で絶好調です。
もちろん嬉しいです。嬉しくないことはないのですが・・・・。

つい1週間前まで阪神は地獄の底であえいでました。
いわゆる、“死のロード”です。
高校野球に甲子園を貸す間、
阪神は各地を転戦するのです。
その“死のロード”の最初の2試合(対ヤクルト戦)を僕は見に行き、
鬼橋日誌に書いたように、
阪神は惨敗、完敗、けちょんけちょんにやられました。
結局、“死のロード”は4勝11敗。
その情けなさに甲子園で首吊り自殺する人が11人も出ました。(ウソ)
ところが、
甲子園に帰ったとたん、絶好調!
巨人に連勝!!
ヤクルトにも楽々連勝!!!
すっごぉーいっ!!!!

けど、ちょっと待ったれやっ!!!!!
オレが行ったヤクルト戦は、なんやってん?
ヤクルトの、ホッジスっちゅう、鼻をほじくりそうな名前のピッチャーを
オレが行ったときは、ぜーんぜん打てへんかったやんけ。
そやのに、昨日はおんなじホッジスをぼかすか打ってKOしたぞ。
どういうこっちゃ?
オレが見てたから、阪神の連中は手ぇ抜いてたんか?

それから、阪神のピッチャーの下柳!
オレが行った日は、ヘロヘロのヨレヨレで打たれまくって泣いてたくせに、
なんで一昨日は完封勝利やねん!
しかも、3年ぶりの完封やて。
やったらできんねやないけぇ!
なんでオレが行ったときに、やらへんねん!
オレに恨みでもあんのか?
オレにはええとこ見せたないんか!

ついでに、アリアス!
こいつは、阪神の5番バッターで「♪メシア フロム USA〜」って歌われてんねんけど、
オレが行ったときは、
オカマみたいなクネクネした腰つきで、かたわのようなスイングで三振して泣いてたくせに、
ここ3試合は12打数9安打って、なんやそれ!
打ちすぎやんけ!
なんでオレが行ったときに、打たへんねん!
オマエもオレに恨みあんのか?

関東地方の阪神ファンは、みーんな怒ってんぞ。
オレらの前でも、スカーッと気持ちよー勝ってくれや!!


8月30日(土よう日) 日直・橋本
 ここ5日間、
‘ネットオークション’に、かかりきりだった。
ひょんなことから、
初めてオークションのページを見てしまった5日前以来、
ヒマさえありゃ見てた。
見るのは、
私の好きなブランドのページだけなんだけどね。
‘だけ’といっても、
全出品物を、1つも漏らさず見たもんね。
おそらく、6千点余り。
好きなブランドの服・小物を、
「へぇ〜、これ可愛いじゃん。」
などと、次々に画面ページを繰って見ていくのは、
意外に楽しい。
順番に見ていくと、
たまにビックリするようなお買い得品も有り、
見る楽しさ倍増。
1つ残らず見ないと気が済まなくなり、
結局、
全部の品物を見てしまった・・・というワケ。
 で、
好きなブランドの洋服をココまで見せられると、
1つや2つ、3つや4つ、欲しい物も出てきます。
それに、
‘オークション’で1度は買ってみたかった。
早速、登録し、参加。
「定価4万8千円の新品タグ付き冬物セーター。
開始価格1万円。」
入札した。
入札しているのは、私だけ。
ライバルなし。
このセーターの‘オークション終了日時’は、
その日の「23時34分」となっている。
残り3時間足らず。
「なんだ、楽勝じゃんけ。」
もう買ったつもりで、
「どう着よう、ああ着よう」とコーディネートなぞ考えつつお風呂に入り、
ビールを飲み、
スポーツニュースを観、
23時50分頃、落札手続きをすべく、「終了したオークション」のページを開けた。
すると・・・・、
ゲロゲローー!どうしたことだ!
まったく知らない人(当たり前だ)が、
1万5百円で、私のセーターを落札しちゃっているではないか!
入札履歴を見ると、
この人が初登場したのは、「23時29分」。
終了時間直前だ。
あぁ、アナタは、なんて人だ。
「ライバルなし!」と、私に油断させといて。
風呂上りのビールなぞノンビリ飲ませといて。
終了間際の、最後の最後で、
ササッと現われ、
ササッとセーター取ってっちゃった。
ガックリ・・・。
マジ、ガックリ。
と共に、俄然、やる気。
こうなったら、絶対に買うぞ。
なんでもいいから、なんか買うぞ。
本気で欲しい物なら、
「‘最高入札額’(この値段までだったら出す!という値段)を高めに入れておく」
ということを‘セーター’で学習した私の次なる標的は、
‘冬物カーディガン’。
(・・・このクソ暑い時に。)
                   つづく


8月29日(金よう日) 日直・鬼界
鬼界事務所が使ってる光ファイバーの業者、エフビット
(あの、例の、エフビットです!!5/8の鬼橋日誌参照)
からメールが来た。


下記地域でインターネットサービス停止しておりました。
日時:8月28日 14:00〜15:10
エリア:西日本及び東日本の一部でのインターネットサービスの停止
原因:上位回線の機器不具合
大変ご迷惑をおかけしました。深くお詫び申し上げます。


まただよ。
5月にもサービス停止してたじゃん!
ひっでえなぁ。
しかも、「エリア:西日本及び東日本の一部」って、なんだよ!
日本じゅう停止してたってことじゃん!
ひっでえなぁ。
そのうえ、「原因:上位回線の機器不具合」って、なに?
意味不明じゃん!
ひっでえなぁ。
「深くお詫び申し上げ」りゃあ、いいのかい?
不祥事を起こした会社の社長が記者会見で頭さげんのと同じじゃん!
ひっでえなぁ。

と、怒ってみたものの、
停止してたことなんて、ぜーんぜん知らなかったんだよね。
こんなお詫びメールを送らなかったら、
エフビットも悪口を言われずにすんだのに・・・。
バッカだなぁ。

でも、送らないわけにはいかないか・・・。
ミスを隠してて、もしバレたら
「危機管理体制がなってない!」とかって、すごくたたかれて、
社長が記者会見で頭さげなきゃなんないもんね。
つらいとこだな。
てゆうか、頭さげりゃあ済むから、いいんだけどね・・・。


8月28日(木よう日) 日直・鬼界
おとといの日誌に続き、
また、セミです。

べつに、セミ好きってわけじゃないんだけど・・・・・。
冬には書けない話題だから、ま、いいか・・。

木のそばを通ると、突然、セミが飛び立って、驚かされることがあるが、
セミの飛び方って、なんであんなにブザマなのだろう?

あれは、「飛んでる」とは言えない。
一応、空中を移動してはいるが、
めくらめっぽうすぎる。
てゆうか、セミはめくらなんじゃないの?
自分でもどこへ向かってるのか、わかってない。
“危険を察知!→羽を動かせ!!”という脳の命令に従ってるだけ。
羽を動かしてはみたものの、
そのあとのことは運まかせ、なりゆき、って感じだ。
ある意味、すっごい勇気があるのかも。
めくらのくせに平気で飛行機を運転するパイロットだ。
そういえば、壁にぶち当たって墜落するセミをよく見る。
でも、死なない。
それどころか、ケガひとつせず、すぐさま、めくらめっぽう離陸する。
ヤツらは強いです。

が、最近、東京のセミにとって、大きな敵はカラスだ。

オレはセミ博士?
ま、いいか・・。

木にとまって、ミンミン鳴いているセミを、
カラスが少し離れた電線からジッと見てたかと思うと、
いきなりセミに飛びかかり、パクッ。
ビィービビッビィーと必死で鳴くセミを口にくわえ、
そのまま、バリバリと食っちゃうのだ。
セミには暮らしにくい世の中になりました。

カラスは距離とか間合いを計って一撃で仕留めるんですね、頭いい。

けど、セミなんか食ってウマイのかね?
なんか、すっごく苦そうな感じがするんだけど・・・。
アタマはいいけど、味覚はゼロか。
カラスには舌ないしね。


8月27日(水よう日) 日直・橋本
 おとといの日誌に続き、
『日常の、思わぬ場所で聞くオタケビ』の巻です。

ホームセンターに猫のエサを買いに行った。
ペットグッズの隣は、
水着売り場だ。
大量に売れ残っているのは冷夏の影響・・・
とばかりは言えないね、これは。
ダサダサ。
ハギレで作ったような、チープな柄。
これ、なに?ハイビスカス?
水につかったら、色落ちすんじゃないの?
3800円?
スクール水着の方が、まだマシだぜ。
誰がこんなとこで水着買うかよ。
と、そこへ、
5歳くらいの男児を連れた30代前半くらいの太ったお母さんが・・・。
例のハイビスカス柄のを手にとり、吟味。
(注:このハイビスカス柄は、サイズ違いも含め何着も売っている。)
かなり気に入ったようだ。
そして、
とうとう言った。
「しょう君、ママ、ちょっとこれ着てみるから、待っててくれる?」
一緒に入りたがる子供をつっぱね、
ひとりイソイソと試着室へ。
ゴソゴソ、ゴソゴソ。
試着室のカーテン越しに聞く、衣類を着脱する音というのは、
なぜか妙にナマめかしいものだ。
5歳児のしょう君も、たまりかねて、
カーテンの中をのぞこうとした、その時、
あっ!!
試着室の中から、お母さんの叫び声。
しょう君、びっくりしてカーテンにかけた手を引っ込めてしまった。
バカ!開けろ!開けるんだ!
と、殴りつけてやりたかったが、それもできない。
ちきしょー。
中を見てぇー。
しばしの静寂ののちの、
再びゴソゴソという音のあと、
お母さんは、試着室から出てきた。
ハイビスカスの水着を、元の場所に戻し、
おびえるしょう君の手を引いて、
あわてた様子で去って行った。

あぁ、知りたい。
一体、試着室の中で何が起こったのだろう・・・。


8月26日(火よう日) 日直・鬼界
セミがうるさくて寝られない。
うちの近所のセミは真夜中にものすごく鳴くのだ。
なんで?
セミって、そうゆうもの?

朝も鳴く、昼も鳴く、夕方も鳴いて夜も鳴く。
真夜中鳴いて、明け方も鳴いている。

ヤツらは寝ないの?

地中で10年過ごし、
やっと地表に出てきても、3日しか生きられない。
セミとは、はかないものだ。

だからといって、あんなに鳴くことないんじゃない?

そもそも、セミはなんのために鳴くの?

鳥のように、オスがメスに求愛してるのだろうか?

でも、あんなに一斉にジャンジャン鳴いてたら、意味ないのでは?
どの鳴き声が、どのオスか、さっぱりわかんないし。
でも、
セミしぐれの中にいるメスはけっこう嬉しかったりして?

「どうしたらいいの・・・こんな多くの殿方に求愛されて・・わたし、困るわ・・・」
と言いながら内心はとても嬉しい純情系のメスもいれば、
「うっふ〜ん、あんたたち、そんなに私がほしいのォ〜?」
と、男を持て遊ぶ経験豊富なメスもいるだろう。

ああ見えて、セミの世界もいろいろあるのかも・・・。


8月25日(月よう日) 日直・橋本
 ファミレスのトイレに入った。
いざ、
用を足そうと座った私。

あーーーーっ!!

(注:今日は、
文体を、鬼界さんの日誌のソレに似せてみました。)

なんと、
便座が上がっていたのでした。
誰だよ、
女便所の便器の便座を上げる奴ぁ。
女便所において、
まさか便座が上がってるなんて、誰が思う?
安心しきってお座りしたら、便座が無かった!!
この時の衝撃は、
経験者ならお解かりでしょう。
「地獄の穴にでも落ちるってか、オマエは?!」
と、自分にツッコミたくなるほど大げさな“恐怖の雄叫び”を必ず発します。
自分の家だったらマダしも、
公衆トイレでのオタケビは恥ずかしいもんです。
今回は、
たまたま人が居なかったから良かったが。

くやしいので、
出る時、私も便座を上げておいた。
手を洗っていると、
20代後半ぐらいの女性がやって来て、
私が便座を上げておいた個室にイソイソと入っていった。

ああっ!!

ねー?
絶対、声出ちゃうんだよねー。
日常の、思わぬところに落とし穴があります。
気を抜いてはイケマセン。


8月24日(日よう日) 日直・鬼界
暑い。
とにかく暑い。死ぬほど暑い。
すっかり夏になってしまった。
あの冷夏が懐かしい。
カムバック、冷夏っ!!

クーラーなしでは生きられない。

クーラーが普及したのは、ここ3,40年のことだ。
その前はどうしてたのだろう?
古い映画を見てると、
座敷の真ん中に、3歳児くらいの大きさの巨大な氷を立てて涼んでいたりするが、
ヤクザの家とか料亭とか
特殊な場所に限られる。
一般家庭はどうしてたのだろう?

暑くて暑くて、朝起きるのもイヤになる。
てゆうか、暑くて暑くて眠れないわね。
そして、冷房のきいた電車も、冷房のきいたオフィスもないのだ。
昼メシを食いに行くソバ屋は、ムンムンした暑さだし、
「帰りに一杯」ったって、飲み屋は熱気でムシムシした暑さだ。
今みたいに、ビールもキンキンには冷えてない。
ぬる〜いビールに、生温か〜い枝豆と冷たくない冷奴。。
ほろ酔い気分で帰ってくると、我が家は蒸し風呂のようだ。
出迎えるのは、シミーズ一枚で汗をダラダラかいた菅井きんみたいな奥さんなのだ。
起きてても暑いだけなので、横になるが、
暑くて暑くて寝られやしない。
そんなとき、菅井きんが「ねぇ、あなたぁ〜ン」とこっちのフトンに入ってきたらどうする?

舌を噛み切って死んだほうがマシだな・・・

21世紀に生きててよかった。


8月23日(土よう日) 日直・鬼界
  まさか、まさかの3日間  その14

阪神ファンが球場に足を運ぶのは、
「ジェット風船を飛ばしたいから」と書いたが、
もうひとつ大事な目的がある。

“試合終了後、六甲おろしを3番まで大合唱し、うまいビールを飲む”

ただ、これを実行するためには、阪神に勝ってもらわなきゃならない。

7月までの阪神は勝率7割を超えていた。
「10回やっても2、3回しか負けない」ってことだ。
ほとんど勝つ。
負け試合を見るほうが珍しい。

だから、当然、僕が見に行った8月6日7日も勝つと信じ込んでいた。

そしたら、どうでしょう!
連敗してやんの。
六甲おろし、歌えへんやんかぁ!!

まさか、まさか、である。

しかも、不甲斐ない負け方。
なんか、やる気のない、ダラダラ〜っとした負け方。
こんな試合を見せられたら、イヤ〜な疲れがドっと出る。
僕はグッタリして家に帰った。

そして、気がついた。

カバンを忘れてきたぁーッッ!!

そういえば、カバンを網棚に置いたのだ。

まさか、まさか、である。

こうして、阪神観戦の3日間はふんだりけったりで幕を閉じた。


PS
翌日、カバンは無事戻ってきました。
メガホンとか風船とか帽子とか応援グッズだけで、金めのモノは入ってなかったしね。

PS2 (って書くとゲームみたい・・・)
僕が見に行った日から阪神タイガースは泥沼に入り、
8月の勝率は3割1分3厘。
10回やっても3回勝つのがやっと。
ほとんど負ける。
勝ち試合なんかめったに見られない。

あの快進撃のチームが、わずか数週間で、ウンコたれのチームになるなんて・・・。

まさか、まさか、である。


8月22日(金よう日) 日直・鬼界
  まさか、まさかの3日間  その13

7回表の阪神の攻撃でジェット風船を飛ばすために、
6回裏になると、みんなが風船をふくらませ始める。
だーれも試合なんか見ちゃいない。

失礼な話しだ。
ヤクルトの選手が一生懸命打ってんのに、
そこらじゅうで、ピーピー、音がしている。
ジェット風船がふくらむときに、「ピーピー」、鳴るのだ。

1個だと、大して気にならない音も、
何万個も集まると、大音量だ。

これだけピーピー鳴りゃあ、
「ちっ、誰も試合見てねえじゃん」と選手もやる気をなくすだろう。
が、
阪神ファンはおかまいなし。
野球よりも風船が大事さ。

「ぜーんぜん、ふくらまなぁーい」と叫んでる女の子が、かならず、あちこちにいるし、
「京子ちゃんがこの風船持つと、ヒワイやー!!」と
お決まりの冗談を飛ばしてる男も、かならず、あちこちにいる。

  解説1:ジェット風船をふくらませるためには、かなりの肺活量が必要なのです。
  解説2:ふくらんだジェット風船は、ちょっと、アレに似てるのです。
  解説3:「アレってなに?」ですか?アレは・・その・・・ナニですよ。

とにかく、だーれも試合なんぞ見てやしない。
それってどうよ?  (最終回へつづく)


8月21日(木よう日) 日直・鬼界
  まさか、まさかの3日間  その12

ジェット風船を飛ばして応援するのは、
もともと、広島市民球場で1広島ファンが始めたそうだ。

この人は偉大だ。
7回の攻撃になったら、いきなり、たったひとりで風船をふくらまし始めたんですよ。
周りの人、てゆうか球場じゅうの人が
「アイツ、なにやってんだじゃけん?バカだじゃけん!」
って、白い目で見たですよ、きっと。
(広島弁がようわからん・・・)
うぅーん、パイオニアはエライなぁ・・・。

が、今や阪神の7回の攻撃の代名詞だ。

横取りしちゃったんですね・・・。

ま、始まりはどうあれ、
とにかく、このジェット風船、一見の価値あり、どころか、
生きてる間に絶対一度は見るべきです。
阪神ファンが球場に行くのは、これがやりたいから、と言っても過言じゃない。

神宮球場ならば、7回表、阪神の攻撃が始まる前に
「阪神タイガース、ラッキー7の攻撃です。しっかり応援しましょう。」
というアナウンスが流れたあと、
全員で「六甲おろし」を合唱し、
ジェット風船を飛ばすのだ。

まさに、夢の世界、天国だ。
たとえて言うなら、
‘ジェット風船が乱舞するのを眺めるみたい’

って、たとえてへんやんけ!

そうなんです、たとえようがないのだ。
世界にただひとつの光景だから。

何万ものジェット風船が、

多くの人がジェット風船を2個飛ばすから、
誇張じゃなく、本当に、何万という数なんです。

何万ものジェット風船が一斉に舞い上がる。
グングン上がるのもあれば、横へ飛んでいくのもあり、
クルクルまわったり、ストンと落ちてしまうのもある。
速いのもあれば、遅いのもある。
大きいのも、小さいのも、長いのも、短いのもある。
赤も青も緑も黄色もある。
夜空を背景に無数の風船が乱舞するのだ。
誰もが、初めて花火を見る子供のような顔をしている。
誰もが、手を叩いている。
誰もが、幸せそうだ。
まさに夢の世界だ。

この経験をしたことのないあなた、
絶対絶対、見るべきです。

見るべきは見るべきなんだけどぉ・・・・いいことばっかじゃないんだよねぇ・・・  (つづく)


8月20日(水よう日) 日直・鬼界
  まさか、まさかの3日間  その11

外野席の応援にいちばん迷惑してるのは、
ヤクルトのレフト、アレックス・ラミレスだ。

1回から9回まで、守備をしてる間じゅう、
ずーっと、絶え間なく、
自分のすぐ後ろのレフトスタンドで
阪神ファンが応援歌を大合唱しているのだ。

イヤでも覚えてしまうぞ。

いくら、ラミレスがベネズエラ出身のクロンボで
日本語もろくろく話せないとはいえ、

(一説によると、話せる日本語は
「ヘイ、審判。今のはボール」
「ヘイ、監督。休みたい」
「ヘイ、ネーチャン。いくら?」の3つだけらしい)

あれだけ聞かされ続ければ、バカでもクロでも覚えてしまう。
風呂に入ってる時とか運転してる時に、
気がつくと歌ってたりするのだ。
が、
きっと間違って覚えているに違いない。

レッツゴーレッツゴー オリララァ イロリヲ ラレロォ〜
(正しくは、「レッツゴーレッツゴー 沖原 命をかけろ」)
とか
うなーれ 今岡ぁ マグロを九千 食う〜 
(正しくは、「うなれ今岡 誠の救世主」)
とか
女給がぁ ライトスタンドでぇ 大股びらきぃ〜
(正しくは、「打球が ライトスタンドを ひとまたぎ」
   ・・・・ありえない。「女給」のほうがむつかしいし・・。)

どーせニグロだ、こんな風に歌っているのだろう。

そして、阪神の応援で忘れちゃならないのが、
あの“ジェット風船”だ。  (つづく)


8月19日(火よう日) 日直・鬼界
  まさか、まさかの3日間  その10

牛みたいな女が応援の指示をし始めた途端、
僕のまわりは
誰もその指示に従わなくなった。

そりゃそうだ、
相楽晴子に「一緒にオフロ入ろッ」と言われたら喜んで入るが、
牛に「一緒にオフロ入ろッ」なんて言われたら、
牛のアタマをバスタブに突っ込んで溺死させたくなるもんね。
それと同じさ。

僕のまわりだけ応援がバラバラになったのだ。
そして、気づいた。
今までやってた‘全員で同じ応援をする’ってのは、ヘンじゃない?

昨日書いた、赤星の応援だって、ヘンだ。

へっピリ腰で空振りしてんのに、
ホームラン、ホームラン、あっかほしっ!
っていうのはどうだろう?

ど真ん中のいい球を思いっきり見逃してんのに、
ホームラン、ホームラン、あっかほしっ!
っていうのはどうだろう?

そもそも、プロ入りしてから1本しかホームランを打ってない赤星に
ホームラン、ホームラン、あっかほしっ!
っていうのはどうだろう?
牛に「キレイだね、キレイだね、セクシーだよ」と言うようなもんじゃない?

  専門的注:この日の第二打席で、なんと、赤星はプロ入り2本目のホームランを打ちました・・・。

空振りしてんだから、
ボケッ!赤星っ!!なに、空振りしてんじゃ!お前は扇風機かぁ!!
とか
おらおら、なんや、そのヘナヘナ腰は!!美人の女房をもらうからやぁ!!
と言うべきだし、
見逃してんだから、
めくら!ドめくら!お前は義眼かぁ!!目ぇイガんでんのかぁ!
と言うべきだ。

試合の流れや状況に関係なく、
ただただ大声で応援するのは、
牛が、塗り絵みたいなとんでもない化粧してきたときに
「かっわいい!美人はやっぱ化粧栄えするなぁ!!」と誉めるようなもんだ。

さらに、  (差別的発言は、つづく)


8月18日(月よう日) 日直・おなかピッピー鬼界
  まさか、まさかの3日間  その9

8月6日午後6時、
西日がまだギラギラと照りつけるなか、
ヤクルト・阪神の試合がついに始まった。
試合開始前から大盛り上がりの外野スタンドは
さらにヒートアップだ。
阪神の攻撃中は、座ることはおろか、休むこともできない。
ずーっと立ちっぱなしで、
ずーっと大声出しっぱなし。
なにしろ、目の前で応援の指示をするのは、
相楽晴子に似たカワイイ子なのだ。

  注:「相楽晴子がカワイイの?」という質問は受け付けません。
  注:もちろん「相楽晴子って誰?」との質問は処置なしです。


阪神の黒シャツ1枚で、首筋や二の腕に汗が光っている。
くぅぅーっ、僕はキミの指示に全面服従だぁーっ!!

僕は周りの阪神ファンと一緒に大声で声援し、
周りの阪神ファンと一緒に大声で歌った。
外野スタンドがうねっているようだ。
この一体感!
この盛り上がり!
なにかに打ち込んでる快感!
気持ちいいぞぉーっ!!

ホームラン、ホームラン、あっかほしっ!
うわぁ〜、ホームベースまで遠いなぁ。
顔なんか全然見えへんけど、ヒット打ってくれぇー。
ホームラン、ホームラン、あっかほしっ!
あっ、空振りしたっ。
だいじょーぶ、オッケーオッケー!
ホームラン、ホームラン、あっかほしっ!
あっ、あんないい球見逃した。
よっしゃよっしゃ、オッケーオッケー。
ホームラン、ホームラン、あっかほしっ!
あっ、三球三振・・・・。
さ、すぐさま次の応援や。
藤本チャチャチャ藤本チャチャチャ藤本チャチャチャ

こんな調子で、僕は応援に没頭した。
完全燃焼!
これぞ、野球の醍醐味!応援の楽しさ!!
まさに、“野球を見るなら、外野席”だ!!!

が、
3回から、相楽晴子はいなくなり、
牛みたいな女が僕の目の前に立った・・・・。

僕はひいた、へこんだ、なえちまった。
応援する気がなくなった。
そして、
気がついた。

“野球を見るなら、外野席”というのは間違っている。  (つづく)


8月17日(日よう日) 日直・鬼界

あのですね・・・実はですね・・・・
ここんとこの涼しさ、てゆうか寒さで寝冷えしちゃったんです。
おなかピッピーなんです。
おまけに、夏風邪もひいたらしく、
からだダルダルで、のどイタイタなんです・・・・。
だからね、
連載は今日、お休みさせてもらってもいい?
「ダメッ!」と言われても、
ちょっと書けないの・・・・・あぁ、ツライ・・・


8月16日(土よう日) 日直・鬼界
  まさか、まさかの3日間  その9

一言でいうと、キチガイですよ。

1回表、阪神の攻撃、
先頭バッターの赤星がバッターボックスへ向かった途端、
全員総立ち。

おいおい、まだなんも始まってへんやんけ。
今から立ってどうすんねん!

などと言ってる場合じゃない。
相手ピッチャーがまだ一球も投げてないのに応援は最高潮なのだ。

ホームラン、ホームラン、あっかほしっ!
ホームラン、ホームラン、あっかほしっ!

と2回繰り返したあと、
赤星チャチャチャ赤星チャチャチャ赤星チャチャチャ
と声援をおくったら
フィールドぉ駆け抜けるぅ セ界一のスプリンタ〜
と赤星の応援歌を大声で歌い始める。
外野スタンドが一体となっての大声援だ。

外野スタンド通路の真ん中あたりに
私設応援団のエライ人が、家庭用脚立の上に立って応援を仕切っている。
その人の指示で、
「ホームラン、ホームラン、あっかほしっ!」の声援になったり、
応援歌を歌ったりするのだ。
が、外野スタンドは広い。
エライ人の指示をスタンドの隅々にまで伝達するために
20メートルおきに通路に応援団の下っ端さんが立っている。

僕のすぐ前に立っていた下っ端さんは、
「え、なんで、こんな子が?」というくらい、カワイイ女の子だった・・・ (つづく)


8月15日(金よう日) 日直・鬼界
  まさか、まさかの3日間  その8

試合開始直前、
場内アナウンスで先発投手とキャッチャーが発表される。

「阪神タイガースは、ピッチャ〜下柳ぃ、キャッチャ〜野口ぃ」

その途端、
外野スタンドが一体となり、オオォォッー とどよめくのだ。

それがまた、
「ま、まさか、あの伝説の大投手・下柳サマが今日、登板なの?
やったぁー!すっげえー!絶対勝てるぞ!!神に感謝ぁーっっ!!」
という感じの歓喜のどよめきなのだ。

下柳ですぜ。
頼りになるときは頼りになるけど、頼りにならんときはさっぱり頼りにならん下柳ですぜ。
あの、やる気あるんだか、ないんだか、わからない下柳ですぜ。
その下柳に歓喜のどよめき?
一丸となって?
だって、つい3分前まで、バラバラだったじゃん!
好き勝手に選手に声をかけたりしてたじゃん!
なんで、外野スタンド全体が一瞬にして一丸になれるわけ?

そんな疑問をさしはさむ間もなく、
次々にスターティングメンバーが発表になる。

すると、それに合わせて、メガホンが打ち鳴らされる。

「1番、センタぁ〜、赤星ぃ〜」
ボコン
「2番、ショートぉ〜、藤本ぉ〜」
ボコン
「3番、セカンドぉ〜、今岡ぁ〜」
ボコン

スターティングメンバー発表のときは、メガホンの音しか聞こえない。
勝手に「赤星、がんばれぇー」などと声を出す人はいない。
全員が一糸乱れず、メガホンをたたく。
そもそも、外野に来てる人の99.9%はメガホン持参だしね。
メガホンを持ってないと、死刑になりそうな雰囲気だしね。

そして、メンバーのアナウンスが終わるやいなや、
1番の赤星から順番に、選手それぞれの応援歌がメドレーで大合唱され、
シメはもちろん、六甲おろし!

すごいっすよ・・・
ここまでが一連の流れとなっているのです。
その一体感というか、グルーブ感というか、
とにかく、大盛り上がりの絶好調の元気ハツラツのお祭り騒ぎ。
一言でいうと、 (つづく)


8月14日(木よう日) 日直・鬼界
  まさか、まさかの3日間  その7

僕が行ったのは、
弁当やらカレーやらラーメンやらグッズなんかを売ってる通路なのだが、
外野スタンドの真下のせいか、天井がやけに低い。
コンクリートがむき出しのうえ、やたら配管が走っている。
コンクリートは腐敗し、ひび割れ、欠け落ち、
配管はしみだらけ、カビだらけ、サビだらけ。
床はそこらじゅうに、にごった水がたまり、壁はドス黒く汚れている。
空気はよどみ、汗が腐ったようなすえた匂いがする。

こ、こんなところで食いもんが売れるのぉぉぉぉーー??

と、思われるかもしれませんが、
めっちゃくちゃ売れまくりなのです。

背もたれの壊れた、コカコーラの赤いベンチに、
押し合うように人が座り、みんな背中を丸めて、ラーメンをすすっているし、
座る場所のない人々は
壁際にぎっしり立ったまま、カレーをがっついている。
壁際を確保できた人は幸せだ。
ゴミ箱の横でカレー食ってる人もいる。
ゴミ箱には次から次にゴミが捨てられるが、
その人は動じることなく、一心不乱にカレーを食っている。
便所の真ん前にしか場所を見つけられなかった人もいる。
便所の番人かよ!
と言いたくなるような位置で、
便所を背にして、通行人をにらみつけるようにおでんを食っている。
それもそのはず、
便所を向くと、ションベンしてるのが丸見えなのだ。
見ず知らずのオッサンの放尿を見ながら、おでんは食えん。
はたまた、
ジュースの自販機の前で
大股を開いた直立不動体勢、
つまり、「Y」がひっくり返った体勢で、から揚げを食っているオヤジがいる。
‘逆Yの字’体勢でモノを食うって不自然じゃない?
しかも、から揚げだけ?飲みもんなしで?
で、なんで自販機の前なの?ジュース買えないじゃん!
さらに、
床にうずくまってる人もあちこちにいる。
死んだように横たわっているのもいる。
ホントに死んでんじゃないの?
と心配になるくらい、ピクリとも動かない。
朝早くから並んでいたので、よほど疲れてしまったのだろう。

そんな食ったり死んだりしてる人の間を縫いながら
押し合いへし合い、ゾロゾロと人が歩いていく。
人口密度が異様に高い。
風は抜けない。
みんな汗を流し、見るからに肌がニチャニチャしている。

ここは、
戦後の闇市、もしくは、
シャブ中がたむろするドヤ街、もしくは
ジャンキーが犯罪しまくりのNYのハーレム。
そういう雰囲気なのだ。

前日の内野指定席にいた人々とは明らかに違う。
階段から降ってきた純白のワンピースを着てるような人はいない。
スーツ姿のOLとサラリーマンのカップルもいない。
内野席が一般市民なら、外野にいるのは貧民。
内野がホワイトカラーなら、外野は日雇い労働者。
内野が長谷川京子なら、外野は長谷川町子。
それくらいの差がある。

  《注》あくまでもイメージです。
 
「が、しかし!」なのである。

“野球を見るなら、外野席”なのである。

なぜか?
その理由がいよいよ明かされる。

さあ、試合開始だ!  (つづく)


8月13日(水よう日) 日直・鬼界
  まさか、まさかの3日間  その6

そこにいたのは巨大なデブだった。
1人分の席ではおさまりきらず、3人分の座席にデブっと座っている。
阪神のタオルを頭に巻き、阪神のタオルと阪神のメガホンを首にかけ、
背番号53「赤星」のユニフォームを着て、
阪神リストバンドをし、阪神半ズボンに阪神サンダルをはいている。
インド人が見ても阪神ファンだとわかるくらい、
全身タイガースのデブだ。
このデブがビールを飲みながら、ビーフジャーキーにかぶりついている。
ビールをガブガブ、ジャーキーをムシャムシャ。
そして、鼻息をフガーッ、フガーッ。
異様な音はデブの鼻息だったのだ。
ビーフジャーキーを2口で食い終わったデブはカバンに手を突っ込んだ。
つかみ出したのは、チクワだ。
2本入りのチクワの袋をバリバリ破り、
2本まとめてガツガツ食い出した。
ビールをガブガブ、チクワをガツガツ、フガーッフガーッ、ビールをガブガブ、チクワをガ
うげっ!もう、チクワを食い終わっちまったぜ!
そして、カバンに手を突っ込む。
またまたチクワだ。
バリバリ破り、2本まとめでガツガツ食いながら、ゴクゴクっとビールを飲み干した。
「にいちゃん、ビール一個!フガーッフガーッ」
通りがかったビール売りから、荒い鼻息まじりでビールを買っている。

このデブ、なにもの?
「下品」
この一言に尽きる。
バリバリ破ったチクワの袋は足元に散らかしてるし。
「こいつ、サイテー。こんな人間にはなりたくないっ!」と軽蔑した。
が、
軽蔑はしても、食ってんのを見てると、腹が減ってくる。
あぁ、人間なんてそんなもんだ。哀しい生き物だ・・・。

売店のある下の通路へ行った。

「すっげぇ・・・」

僕は思わず声を出していた。
そこは、さっきのデブが上品に思えるくらいの有り様だったのだ・・・  (つづく)


8月12日(火よう日) 日直・鬼界
  まさか、まさかの3日間  その5

■文中の※マークでハサまれた部分は、
 野球のことを知らない人のための解説文(?)です。
 野球通の人は、飛ばしてね。
 ちなみに、“野球に詳しいダーリンと、野球に無知なハニーの会話”という設定です■


すっごいです、長蛇の列です。
8月6日、僕が到着した午後2時の時点で
2000人が並んでいたそうです。
平日の真っ昼間です。
なんでこんなにヒマな人が多いの?
会社行けよ、おっさん!!と言いたくなる人も並んでます。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
ハニー、どないしてん?ポカンと口あけて。チューしてほしいんか?
え?わからんことがある?
「第一戦の時はすっごく並んだとか言うてなかったやん」てか。
それはやな、第一戦は内野指定席をとってたんや。
指定席やから、試合開始のギリギリに行ってもかまへんねん。
けど、第二戦は、外野自由席やったんや。
そもそもやね、
野球っちゅうのは、どっちのチームを応援するかによって座る席が決まってくるんや。
ホームチームは1塁側、ビジター(サッカーでいう、アウェーチームやね)は3塁側。
神宮球場はヤクルトのホームグラウンドやから、
阪神を応援する場合は、3塁側になるわけや。
つまり、外野やったらレフトスタンドに座わんねん。
しかーし!
今年は阪神を応援に来る人がものすごーく多いから、
早く行かないと、レフトスタンドのいっちばん隅っこになってしまったり、
ヘタしたら、レフトスタンドに入れへんかったりするねん。
ええ場所で思いっきり応援したいと思う人々が早朝から長蛇の列を作るわけや。
そして、そして、日本では
“野球を見るなら、外野席”って言われてるんや。
内野席のほうが試合を見やすいのに、
外野席のほうがだんぜん人気あるんや。
「なんで?」てか。
ふふふ、あとのお楽しみやね。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


そして、開門が2時39分。
3時すぎに、ようやく僕がレフトスタンドに入ると、すでにぎっしり満員状態。
すっごいなぁ、阪神大人気。
が、
試合開始まで3時間近くある。
前日とうってかわって、ギラギラと太陽が照りつける。
当然、席を確保したら全員、日陰に避難!
なんてことはしない。
すでに応援は始まっているのだ。

しばらくすると、阪神の選手達がグラウンドに姿を現わし、
ウォーミングアップやランニングやバッティング練習を始める。
それにいちいち声をかけるのだ。
「今岡ぁーっっ!!」とか「赤星さぁーんっっ!!」とか
一生懸命、声を振り絞り、高性能双眼鏡でその動きを追っている。
これは純粋なファンだ。
もう少し慣れた、というか、慣れてるところをアピールしたいファンは
「アニキィーっつ!!」とか「ハチキィーっ!」とか、
名前でなく、選手の愛称を叫ぶ。
このあたりまではファンと言える。
が、外野スタンドには他におかしなヤツがいっぱいいるのだ。

選手の練習を見守っている佐藤コーチにむかって
「さとうっ!さとうっ!」と叫び続けているヤツがいた。
選手でもないのに声援された佐藤コーチは照れくさそうにちょこっと手を上げて
その声援に応えた。
それでも、そのバカは、「さとうっ!さとうっ!」と叫び続けている。
佐藤コーチは無視。
それでも、そのバカは、「さとうっ!さとうっ!」と叫び続けている。
しかも、全然トーンが変わらないのだ。
佐藤コーチをおちょくっているのなら、少し冗談っぽい叫びになるし、
もしも、佐藤コーチの真のファンなら、それなりの必死な叫びになるだろう。
が、そいつはぜーんぜん変わらない。
佐藤コーチがベンチに消えてしまうまで、
一貫して、「さとうっ!さとうっ!」と叫び続けていた。
おまえはエンドレステープか!キチガイやね。

ダッシュを繰り返す、藪投手に怒鳴ってるヤツもいた。
まさにこれからスタート!という瞬間、藪に
「やぶーっ!やぶーっ!」と怒鳴り、
ダッシュ中は静かなくせに、
ダッシュが終わった途端、
「やぶーっ!やぶーっ!」と再び怒鳴り、
スタート位置にゆっくりと戻る藪に
「こらっ!やぶっ!走れーっ!」と怒鳴っていた。

おまえはダッシュやったことないんか!
邪魔してるだけやんけ!


そんなおかしなヤツらを見ていると、
すぐ後ろから
「フガーッ・・・フガーッ」
と異様な音が聞こえてきた。
なにげを装って、振り返ってみると、そこには・・・・ まさか、まさか  (つづく)


8月11日(月よう日) 日直・鬼界
  まさか、まさかの3日間  その4

「きゃぁー」という悲鳴とともに、
その白い球体は僕の目の前に降ってきた。
巨大な餅かと思ったら、
若い女の子だった。
ノースリーブの純白のワンピースを着ているのだが、
体型がまんまるなのだ。
あんな立派なお体にあんなヒールを履いてたら転ぶわね。
それでなくとも、球場の階段は雨が降ると滑りやすい。
10段くらい滑り落ちたもんだから、
純白のワンピがゼブラになってしまった。

このほかにも、野球を見に行って、雨天中止になると、エラい目にあいます。

通常、試合が終了すると、
負けたチームのファンはすぐ帰りますが、
勝ったチームのファンは球場に残り、歌を歌ったりします。
帰路につく時間差ができるわけです。
が、雨天中止の場合は全員一斉に帰ります。
何万人もの人が同時に駅に向かいます。
狭い歩道です。
5分で行けるはずのところが3,40分かかります。
試合中止になるくらいですから、どしゃ降りです。
傘をさしていても、隣りの傘から雨が容赦なく背中や肩へ流れ込みます。
しかも、しょっちゅう「気ぃつけぇ!傘がささるやんけっ!」と関西弁で怒鳴られます。
カッパを着てる人、レジャーシートをかぶってる人、
ゴミ袋を巻きつけてる人、なにもしてない人。
いろんな人がぞろぞろ歩いてます。みんな、ずぶ濡れ。
まるで難民の群れです。
そんな人々が大挙して電車に乗りますから、
車内は雨くさく汗くさい!
しかも、「せっかく見に行ったのに・・・」というムカつきや落胆が全員にありますから、
な〜んとなくイヤ〜な空気が充満してます。
プラスイオンたっぷりです。
サイテー!!
雨天中止になると、ホントつらいです。


うちに帰って、スポーツニュースを見た。
案の定、「今日のヤクルト阪神戦は雨のため中止となりました」の一言で片づけられた。

それだけかい!と、つい思ってしまう。
「雨で中止となったため、見に行った方々は大変苦労してお帰りになりました」
とか
「阪神ファンの皆さん、雨のなか、お疲れさま。風邪引かないでね。チュッ。」
とか、
ねぎらいの言葉があってもいいんじゃない?
有働さんも小倉弘子もウッチーも気がきかないなぁ・・。
って、僕がスポーツニュースをハシゴしてんのバレバレだあ。

そして、あくる8月6日、ヤクルト阪神第二戦を見るため、
再び神宮球場へ向かった。

うっわ、なんじゃこりゃ!
阪神阪神阪神阪神阪神阪神阪神阪神阪神阪神阪神阪神の行列が・・・・ (つづく)


8月10日(日よう日) 日直・鬼界
  まさか、まさかの3日間  その3

女は腰をくねらせ、谷間もあらわなタンクトップの胸を男の胸に押し付けた。
男の指が女の耳をまさぐると、
女は、その胸をグラインドさせ、「あぁ」と熱い息を吐いた。
男の左手が、女のストラップにかかる。
その手はゆっくりと、流行りの透明のストラップをずらしていく。
女が男の耳元でささやいた。
「・・・だめ・・こんなところでだめ・・・・」

こっらぁー!こんなとこでなにしとんじゃー!!
思いっきり、
愛撫やんけぇ!うち帰ってやれっ!

と叫びそうになる僕の心の中では天使と悪魔が闘っていた。

悪魔「誰の迷惑にもならへんでぇ。かまへん、かまへん、Hまでやってしまいまひょ!」
天使「公衆の面前でなんたること!恥を知れッ! でも、とりあえずナマ胸だけは出してほしいな・・」

は? これじゃあ、両方、悪魔じゃん!
僕の心の中には悪魔しかいないのか・・・ま、それでもいいか。正直でよろしい。

と、僕の心が悪魔になったとき、
男が体をずらし、初めて、女の顔が見えた。

うげぇー

僕は吐きそうになった。

キレイな子がこんなところでネチョネチョするわけないもんな・・・、
カワイイ子はデロデロしてるところを他人に見せる必要もないもんな・・・
そりゃそうだよな・・・
「私にはカレシがいて、こんなこともしてもらえるんですぅー」と
他人に宣伝する必要がある顔の女性だから、
こんなとこでこんなことしてんだよな・・・

阪神ファンのエロカップルにすっかり興味をなくし、周囲を見ると、
サラリーマンが上着を脱いでカバンに押し込んでいる。
応援態勢が整ったのか、
「よしっ」
と声を出している。
次にネクタイをはずし、「よしっ」と声を出している。
いちいち声かけなきゃなんないの?あんたは車掌か?
そして、Yシャツをズボンから引っ張り出した。
息を吸い込んで、「よ」と言いかけて止まった。
Yシャツのすそを見ている。
「ちょっと、だらしなさすぎるかな・・・」と考えているのが、まるわかり。
そして、決断した。
せっかく引っ張り出したYシャツをズボンの中に戻し始めた。
戻し終わって、また、腰のあたりを見ている。
「ちょっと、きっちりしすぎてるかな・・・」と考えてるのが、まるわかり。
そして、またまた、Yシャツをズボンから引っ張り出した。

どっちでもええやんけ!

こんなチョットおかしな阪神ファンたちを見ている間に、
雨脚はどんどん強くなり、すっかりどしゃ降りだ。

そして、アナウンス。
「本日のヤクルト対阪神の試合は、雨のため中止いたします」
球場中から
ええ  という溜息。
まさか、まさかだ・・・
今シーズン、神宮球場では雨天中止になったことがなかったのに・・・

こうして、8月5日の第一戦は中止になってしまった。
しょうがない、また明日だ・・
僕は傘をさし、球場を出ようとした。が、
突然、目の前に人が降ってきた。まさか、まさか・・・  (つづく)


8月9日(土よう日) 日直・鬼界
  まさか、まさかの3日間  その2
8月5日16:30、新宿駅のホームは、
ベッカムのユニフォームと阪神のユニフォームでごった返していた。
阪神戦が行なわれる神宮球場の隣りでは、
ベッカムが試合をするのだ。
同じ電車に乗って応援に行くのだ。

すんげえなぁ、日本はスポーツ大国かい?
てゆうか、にわかファンの天国だな・・・。

ベッカムファンにもみくちゃにされ、ようやく神宮球場にたどりついた。
ゲートを抜け、スタンドに出る。
あいにくの曇り空ながら、心地良い風が吹き抜ける。

あぁ、久し振りだ。
気持ちいい・・・。

野球場に行ったことのない人は知らないだろうが、
球場の風は特別なのだ。
「風が大きい」
僕はそう思う。
風力が強いということでなく、風が雄大なのだ。
広々とした空間を、翔けるように、躍るように、風が吹きぬける。
都会に押し込められ悲鳴をあげている、‘ビル風’や‘地下鉄の風’とは全く違う。
これこそ、‘風’本来の姿だ。
モンゴルの平原やスイスのアルプスを吹く風はこんな風なのだろう。

風に吹かれながら、僕は弁当を食い始めた。
“洋風幕の内弁当” 1000円也。
エビフライが、ちゃんとしてるのだ。
駅弁なんかに入ってるエビフライは、
衣ばっかで、エビ本体はエンピツくらいの太さしかなかったりする。
が、神宮のエビフライは親指くらいの太さのエビなのだ!
やってくれるじゃん!
その代わり、衣はヘロヘロのグチュグチュで超マズい。
違う意味で、やってくれるじゃん!
ま、世の中、いいことばっかりじゃないっすからね、それくらいのことはガマンガマン。

その時だ、

ポツ ポツ ポツ

まさか!雨?
いやいや、気のせい、気のせい、オレが見に来たのに雨なんぞ降るはずがない!
僕は無視して、洋風幕の内を食べ続ける。
が、
ますます
ポツポツポツポツポツポツポツ
傘をさす人も出てきた。
まさか、まさか、雨?
ううん、気のせい、気のせい、これはセミのオシッコさ。
僕は平然と洋風幕の内を食べ続ける。
が、スタンド下の通路に避難する人が増え、
洋風幕の内の弁当箱がグジュグジュに濡れてきて、
着てるTシャツも肌に張り付いてきた。
・・・・・ダ、ダメだ、さすがの僕も、これ以上、‘晴れてるつもり’モードを維持できん・・・

な、なんでだよぉー、せっかく見に来たのにぃっっ!!!

食べかけの洋風幕の内を持って、僕もスタンド下の通路に避難した。

そこはすでに大勢の人であふれかえり、
みんな、恨めしそうに雨雲を見つめている。

洋風幕の内のつづきを食べようと僕が箸を握ったとき、
僕の目の前で抱き合ってたカップルが妙な動きを始めた。
男の中指が女の背中の窪みで妖しく上下に動き出したのだ。
すると、女が腰をくねらせ始め、胸を男に押し付ける。
やがて、男の指が女の耳をまさぐりだすと、女は・・・   (つづく)


8月8日(金よう日) 日直・鬼界
  まさか、まさかの3日間  その1

8月5日、ついにその日がやってきた!
今シーズン初めて、阪神の試合を観戦するのだ!ヤッホー!!

まずは観戦のための必須グッズ、“ジェット風船”を買うため、
新宿京王デパート7Fのタイガースショップへ行った。
エレベーターの扉が開いた瞬間、
ものすごい人だかりがしている。
なんと、タイガースショップに人、人、人が押し寄せているのだ。
まさか、まさかの光景だ。
杖をついた婆さんがいる、農協の団体みたいなサラリーマングループもいる、
明らかににわかファンのカップルもいれば、
若い女の子の3人連れも、家族連れも、ショルダーをさげたオタクくんもいる。
その人々が争うようにグッズを買いあさっているのだ。

すっげえ!これぞ経済効果!!

しかも、あらゆるものが売っている。
ユニフォーム、Tシャツ、ハッピ、、帽子、フェイスシール、メガホン、
洗面器、、ちょうちん、スリッパ、弁当箱、クッション、
星野監督ケータイストラップ、星野監督ライターケース、星野監督首振りマスコット
書ききれませーん。
さらに、今年は関西弁のキャッチフレーズシリーズがある。
「勝ちたいんやっ!」とデカデカと書かれたタオル。
「聞きたいんやっ!」とステッカーが貼られた、携帯ラジオ。
「録りたいんやっ!」とステッカーが貼られた、マイクロレコーダー。
ん?
ちょっと待ってんか。
ラジオとレコーダーって、ステッカー貼ってあるだけやんか。
ステッカーはがしたら、ただのSONYの商品や。
サクラヤで買ったほうが、安いやんけ!

さらに、
「やりたいんやっ!」と書かれたコンドーム。
キャッチコピーは「その時、オトコは虎になる・・・」。
そんなのが売ってればいいなぁと思ったんですが、
さすがにコンドームは売ってませんでした・・・・
作れば売れると思うんだけど・・・。少なくとも僕は買う。

とにかく、売り場は大賑わいしている。
が、レジにいるのは、
窓際というか、半リストラみたいな、中年のオッサン社員ばっかり。
なんで?
去年まで、阪神グッズショップは、役立たず社員の掃き溜めだったのだろうか?
それがたまたま今年、阪神快進撃のおかげで、大人気になったのだろうか?
まるで、プロジェクトXの世界だ。

 「追いやられた男たちの逆転劇
 誰も見向きもしなかった虎グッズ
 奇跡の2003年 土壇場からのホームラン
 勝て!阪神!! 売れろ!グッズ!! 男たちの壮絶な願い」

そんなタイガースショップをあとにして、
新宿駅へ行ってみると、
ホームが大変なことになっているじゃあ〜りませんかぁ!!まさか、まさか・・  (つづく)


8月7日(木よう日) 日直・鬼界
  (きのうのつづき)
小ちゃんの死因は、‘餓死’ではないようだ。
茶碗の水がすっかり汚れてしまっている。
エサで与えたカツオ節が溶け出したのだ。
カツオ節だから、ダシが出たのかな・・・?

とにかく、小ちゃんを弔うためにも、
なんとしても、残った大ちゃんと中ちゃんを守らなければならない。
よしっ!真剣に金魚を飼おう!!
僕はペットショップへ走った。

つもりだったのだが、
まずは、100円ショップへ行った。
だって、100円ショップって、なんでもあるんだもーん。

ありました、ありました。
金魚鉢、金魚のエサ、金魚用水草、金魚用石。
季節柄、金魚グッズは充実してます。

一晩、くみ置きした水を金魚鉢に入れ、
大ちゃんと中ちゃんを移し変えてやった。
四畳半の下宿からスイートルールへ移ったようなものだ。
よかったね、大ちゃん、中ちゃん!
が、
金魚たちは、なーんも感じてないようだ。
相変わらず、パクパク、エラ呼吸してるだけ。
ちっとは感謝しろよ!
気持ち良さそうにスィースィーと泳いでみせるとか、
広い金魚鉢の中で追いかけっこをするとか、
飼い主さまへ少しは気を使ってもいいんじゃないか?
金魚って、ホント、バカだ。

しばらくたって、エサをやった。
「おいしくて、金魚、大喜び!ビタミン強化!しかも、水を汚しません!!」
と書かれている。
たしかに、袋をあけると、プゥ〜ンといい匂いがする。
やっぱ、カツオ節じゃあダメなんだ。
金魚には金魚のエサが一番だ。
さあ、おあがり、たんとお食べ。

が、食いやしない。
エサは水面にプカプカ浮いているのに、金魚たちは気づかないのだ。
なんじゃそりゃ?
この金魚のエサは水面に浮くようにできてんでしょ?
で、ふつーの金魚はそのエサをおいしくいただくんでしょ?
つまり、自分たちの頭の上に浮かんでるエサに、みーんな気づくんでしょ?
ってことは、うちの大と中はよっぽどバカ?
僕は悲しくなった。

エサを細かく砕いて粉状にしてみた。
粉エサは浮かばずそのまま沈んでいく。
すると、目の前を沈んでいくエサを大が食べたじゃありませんか!

エライぞ!大ちゃん!!

てゆうか、そこまでしてやらないと食えないバカなのだ・・・
そんなバカ大に再び「ちゃん」づけしてる僕って親バカ・・?

中ちゃんも同じようにパクパク食べている。
ホッと一安心。よかっつ!

翌朝、目を覚ますと、大ちゃんと中ちゃんは死んでいた。
金魚鉢の水は白く濁っていた。
エサを細かく砕いたため、水を汚してしまったのだ。

小ちゃんのお墓の隣りに大ちゃんと中ちゃんのお墓をつくった。
僕は思った、
生き物はもうこりごりだ・・・。


8月6日〔水よう日) 日直・鬼界
  (きのうのつづき)
金魚たちが‘新居’の茶碗にも慣れた頃を見計らい、エサをやった。
が、ぜんぜん食べないのだ。
あの小料理屋のおかみさんに言われたとおり、
カツオ節を細かくもみほぐし、パラパラと入れたのだが
見向きもしない。

え?なんで?

ニンベンのカツオ節パックだぜ、カツオ節界のブランドものだ。
なのに、知らんぷり。
中ちゃんなんぞは、ウンコのしすぎでお腹ペコペコのはずなのに・・・。

エサに気づかないのかと思い、
茶碗の上で手を叩いてみた。
カンペキ無視。
金魚は鯉よりバカなのだろう。
茶碗のふちをコツコツ叩いてみた。
ビックリして泳ぎ回るばかり。
金魚はグッピーよりもバカってこと?
とにかく、水面へ浮上してこないのだ。

そのくせ、水中ではパクパクやりまくり。
大口をあけて水を飲み込んでいる。
酸素の補給?いわゆる、エラ呼吸ですか?
そんななか、小ちゃんがエサを求める動きを始めた。
水中に浮かぶ固体を探しては、飲み込むのだ。
が、しかし、
水中に浮かんでいるのは、ウンコだけなのだ。
大ちゃんのウンコ、中ちゃんのウンコ、さらには、自分のしたウンコ。
そのウンコをガボッとすごい勢いで飲み込むのだ。

ダメだよっ、小ちゃんっ!!それ、ウンコだよっ!

僕の叫びもカンペキ無視し、小ちゃんはぜんぜん平気な顔でウンコを飲む。
でも、
一瞬後には、これまたスゴい勢いでゲボッと吐き出すのだ。
きっと、まずかったのだろう。

だったら、食うなよ!

でも、次の瞬間には、別のウンコをガボッと飲み込み、ゲボッと吐き出している。

おまえは、‘学習’という言葉を知らんのか?
何回か、やりゃあ、わかるだろ?「ウンコはおいしくない」って。
そもそも、ウンコとエサを見分けられないの?
金魚って、ホント、バカだ。

と、あきれながらも、
エサを食べないので、すごく心配だ。
僕は枕もとに金魚の茶碗を置き、
「エサはこっちだよ」「ほら、早く上がってこい」と、ずっと話しかけていた。

・・・いつの間にか、寝てしまったらしい。
夜中にふと、目を覚ますと、
小ちゃんが、お腹を上にしてポッカリ浮いていた。

八月四日未明、小ちゃん死す。  (つづく)


8月5日(火よう日) 日直・鬼界
  (きのうのつづき)
夜店の金魚すくいのビニール袋に入れて、
金魚を3匹持って帰ってきた。
小さな袋の中でウロウロ泳ぎ回っている。けっこうカワユイじゃん。

そうだ!名前をつけよう!

が、
酪農家が「牛には決して名前を付けない」と言ってたのを思い出した。
「食肉にしたり、よそへ売ったりするときに、悲しすぎますから・・・」
♪ドナドナ ドーナ ドォ〜ナ の世界だ。
金魚なぞは、牛よりもはかない命にちがいない。別れは意外に近いかも・・・。
僕は名前をつけることをあきらめた。
3匹の大きさによって、
‘大ちゃん’‘中ちゃん’‘小ちゃん’と呼ぶことにした。

って、これがしっかり名前になってる?ま、いいか。

まずは、袋から出してやらなければならない。
おわんに移してやった。
その途端だ。
大ちゃんと小ちゃんが狂ったように泳ぎだした。
おわんに激突しては方向転換し、また、激突するまで全速力で直泳する。
この繰り返し。

ど、どうしたんだぁ??

どうやら、おわんの内側の朱色が問題らしい。
3匹の金魚たちと全く同色なので、
きっと、金魚たちは生まれて初めての大パニックなのだ。

「うっわ!どこを見ても金魚色!
ものすごーく大きーい金魚が襲ってきたんだっ!ひえ〜、助けてー!!」
とか
「ん?目の前に広がる朱色はオレのウロコの色じゃないか。
ってことは、オレは今、幽体離脱してんの?ひえ〜、助けてー!!」
と、大慌てなのだ。

狂泳する大ちゃん、小ちゃんを尻目にゆーゆーと泳ぐ中ちゃんをよく見ると、
こいつも大パニックだ。
なんと、ウンコをしっぱなし。
限りなくウンコを垂れ流している。
“金魚のフン”とはよく言ったもので、
ヒョロヒョロと長い緑のウンコが、中ちゃんの肛門にくっついたまんま、ゆーらゆーら揺れている。
それがウンコの重みで切れると、
芽を出すように、次のウンコがニョキニョキと現れる。
精神的な悩みが胃や腸にきたわけだ。
どうやら、中ちゃんはナイーブな金魚らしい。

いかん!感心してる場合じゃない!
このままだと、3匹とも狂い死んでしまう。

茶碗に移しかえると、ようやく3匹は落ち着いた。

が、次なる問題が・・・・ (つづく)


8月4日〔月よう日) 日直・鬼界
きのうの日曜日、なじみの小料理屋へ行った。

と書くと、いかにも‘酒飲み’みたいですが、
その小料理屋は、「半・飲み屋、半・定食屋」なので、
僕は、ちょくちょく、晩御飯を食べに行くのです。

ちょうど、町内会の夏祭りをやっていて、
地元の人たちが、屋台を出して、
生ビールやら、イカ焼きやらを売っている。
わぁーい、お祭りだぁ!
僕がキョロキョロしていると、
「ちょっと、おにいさ〜ん。おひとつ、いかが〜ン。あっは〜ん。」と突然、ヘンな声をかけられた。
な、なんだ?色キチガイか?
見ると、僕が行こうとしている小料理屋のおかみさんが笑っている。
焼き鳥の屋台を担当しているのだ。
「あれっ?お店はお休みですか?」と聞くと
「もう、やってるよ。私もすぐ行くから、先に行ってて。
おみやげ持っていくからねぇ。あっは〜ん。」と言われた。

「あっは〜ん」は、なんなんだろう?
水商売の女を演じているってこと?どう見たって、色キチガイだ・・・・。

そんなことを考えながら、小料理屋のカウンターに座っていると、
おかみさんが
「はいっ、おみやげ」と手渡してくれた、
ラムネと金魚とヨーヨーを。

僕はお子様かい?
イカ焼きとか焼き鳥でも、いいんでない?

と思いながらも、ラムネをイッキしちゃいました。おいしかったぁ。

そして、金魚である。
金魚なんか飼ったことない。どうすればいいんだろう?

「金魚はいちばん手のかからないペットよ。
エサは、カツオ節とご飯つぶを細かくして、ちょっとづつあげて。
水は汚れる前に替えること。半日くらい置いた水道水でね。
やることはそれだけ。簡単でしょ?」
おかみさんにそう言われ、僕は金魚を飼うことにした。

でも、そんなにうまくいくものだろうか・・・・  (つづく)


8月3日(日よう日) 日直・橋本
『‘鬼界塾’は、こうして作られた 〜その7〜』

 鬼界塾の生徒10人中、
名門「洛星中学」に受かったのは、
結局、
ぼんだけ。
塾の紅一点で、
ぼんより秀才の郁ちゃんは、
男子校である「洛星」は、当然、受験せず、
私立「同志社女子中学」に合格し、
進学した。
‘郁ちゃん’というのは、
以前、
日誌にも登場した、
ぼんの幼なじみの女の子。
「幼稚園一カワイコチャンの郁ちゃんが、
クリスマス会の劇でマリア様役に選ばれた。
ダンナのヨセフ役(せりふは1個だけ。)をあてがわれたぼんは、
喜びのあまり、ウンコをもらした」
という、あのエピソードの、
あの、
カワイイ郁ちゃんだ。
ぼんは男子校志望、
郁ちゃんは女子校志望。
幼稚園からズッ〜と一緒だった郁ちゃんと、
中学に行ったら、
いよいよサヨナラだ・・・
ぼんは、
「大好きな郁ちゃんと共に勉強できるのも、
もう最後。
塾での時間を大事に過ごそう。」
と思った。
が、
そんなぼんに、思わぬジャマが入った。
斉藤先生だ。
斉藤隆志先生は、
京大を首席で卒業した京大大学院生。
「10年に1人の逸材」
と、当時、言われていた。
26歳。
斉藤先生は、
頭が良くてカワイイ郁ちゃんを、
どうやら、好きになったらしく、
なにかにつけて、
「キミは、京大にいらっしゃい。
ボクと同じ京大にいらっしゃい。」
と誘った。
26歳男子、
12歳女子を、塾でナンパ。
このロリコン野郎。
斉藤と呼んでやる。
斉藤!
てめぇは、
郁ちゃんが入学する頃、助教授にでもなって、
「ボクの研究を手伝ってほしい」
とかナントカ言って、
助教授室に郁ちゃんを引っ張り込み、
てごめにでもするつもりだな?
・・・先の長い話だ。
 斉藤は、
指導時間を終えると、
児玉先生と一緒に、鬼界家の茶の間で夕飯を食べる。
夜9時過ぎだ。
(鬼界家の人々は、
塾がある日は、塾が始まる前に、夕飯を済ませてしまう。)
ある晩の塾終了後、
「郁ちゃんのことで文句を言ってやろう」
と、茶の間に向かったぼん。
すると、
茶の間から、大きな犬がエサを食べる音が聞こえてきた。
ぼんは、
「お母ちゃん、どこの犬が来てんの?」
と、茶の間に入りザマ、尋ねた。
・・・犬は居なかった。
・・・斉藤がメシを食う音だった。
斉藤の「驚異の犬喰い」に、
毎回、耐えに耐えていた、
児玉先生とぼんのお母さんは、
その、ぼんの「どこの犬?」の言葉でトドメを刺され、
耐え切れず笑い出してしまった。
一方、
キョトンとしていた斉藤も、
「なんや、斉藤先生が食べたはったんか。」
というぼんの言葉で、
やっと自分の‘お口の汚さ’に、お気づきに。
その晩以来、
斉藤は、内気になり、
ムダ口をきいたり、郁ちゃんを誘ったりは、まったくしなくなった。
ザマーミロ。
斉藤の、その後は・・・?
栃木県で‘益子焼き’を作っているらしい。


8月2日(土よう日) 日直・鬼界
  ○この世の中で、実行している人がいるとは思えないこと。

シャンプーとか台所洗剤のボトルの隅っこに
必ず、矢印に囲まれて「プラ」というリサイクルマークが書いてあるけど、
リサイクルに出してる人っているの?
だって、
同じマークがついたプラスチック製品だけをいちいち分別しなきゃなんないし、
その前にいちいちよく洗わなければならない。
あなたは使い終わったシャンプーのボトルをジャブジャブ洗ってます?
あんなもん、いくら洗ったって無限に泡立つぜ。キリないぜ。
しかも、地球環境のためにだぜ。
地球環境って、なによ?
このシャンプーのボトルを洗ったからって、自分ちのまわりの空気がキレイになるわけないんでしょ?
だったら、燃えないゴミで捨てたほうが、すっげえ楽。でしょ?
シャンプーのボトルをリサイクルに出してる人はこの世の中にいないと思う。

さらに、

シャンプーとかボディソープの詰め替え用パックの隅っこに
「この詰め替えパックの製造番号をメモしておいてください。
お問い合わせの時に便利です」って、書いてあるけど、
あれをメモしてる人っているの?
てゆうか、そんな注意書きが書いてあることさえ、知らない人が多いんじゃない?
じつは、書いてあるんです、そーゆーことが。
そんなことするわけないじゃん。
花王の社員だって、絶対やってないと思う。

実行してる人が皆無と思われることが世の中にはいっぱいある。


あん?なんか、最後をきれいにまとめた日誌だけど、
今日の話なら、鬼界塾物語に割り込まなくても、いいのでは・・・?
しかも、書くんだったら、一虎会の話じゃないの?・・・しり切れっすか、鬼界さん?


8月1日(金よう日) 日直・橋本 
『‘鬼界塾’は、こうして作られた 〜その6〜』

 堀君も、
「名門私立 洛星中学」を受験したが、
失敗し、
やはり「宇治バカ中学」に入学。
ただし、堀君は、
中村君のようにイジメにあうこともなく、
充実した中学校生活を送ることができた。
なぜか?
野球部で活躍したから。
中学に入ってから始めた野球だったが、
堀君、メキメキ上達。
高校は、スカウトされて、「東宇治高校」に進学。
‘スカウト’なんて、
バカ学校である宇治中始まって以来の快挙だ。
 高校の野球部でも、
堀投手、大活躍。
1年生で、早くも頭角を現し、先発を任される。
3年生の夏、
エース堀ひきいる東宇治高校野球部は、
とうとう、
「悲願の‘甲子園出場’も確実」
と目されるまでに。
監督は、
エース堀を、
地区予選準決勝戦あたりまで温存する作戦を立てた。
「ま、堀を出さんでも、
京都府代表には、なれるはずや。
地区予選なんぞでエース堀を疲れさせてはあかん。
照準は、
あくまでも‘甲子園’や。
堀には、甲子園で思う存分、暴れてもらう。」
という作戦。
  監督「よーし、堀!おまえは甲子園で羽ばたけ!いいな!」
  堀君「おっーす!」
地区予選、開幕。
堀君、監督の作戦通り、ベンチで観戦。
で、
東宇治高校、2回戦敗退。
・・・なんじゃ、そりゃ!
1回しか勝ってないやんけ。
しかも地区予選で。
エース堀を欠いたチーム、ボロ負け。
監督、采配力、ゼロ。
堀君、羽ばたけずじまい。
 傷心の堀君は、
高校を卒業すると、
父親のあとを継ぎ、ペンキ屋に。
野球部でつちかった根性で、
日々、ペンキまみれになって働いた。
その後、
堀君は、どうなったでしょう?
今年、
「宇治市議会議員」に立候補し、見事、当選。
バカ学校である宇治中始まって以来のスーパー快挙。
出世頭。
ちなみに、
公約は、
   『クサった市政の塗り替えは、ペンキ屋・堀洋一におまかせを』
これで当選。
・・・宇治市民って、バカ?
では、
「名門私立校 洛星中学」に、
‘鬼界塾’の生徒中、ただ一人合格を果たした、
その人の将来は、どうなったか?
堀君以上に出世したか?
ぼんよ、
キミのことだ。
         (つづく)


7月31日(木よう日) 日直・橋本
『‘鬼界塾’は、こうして作られた 〜その5〜』

 中村君は、宇治の山奥にある‘白川村’の住人だ。
白川村は、
宇治川にそそぐ小さい川(白川)に沿った、
山と山の間の、
谷底の村。
部落。
村民は、皆、百姓。
さもなくば、
木こり。
「宇治だから、お茶を栽培しているのでは?」って?
甘い。
お茶は、南向きの陽当たりの良い、一等地でなければダメだ。
白川村は、‘谷底’だからね、陽なんか当たりゃしない。
「じゃ、なに作ってんの?」って?
なっぱ、なっぱ。
なんか、ほうれん草みたいな、なっぱ。
「そんなクサレ村出身の子でも、
頑張ればエライ人になれるんや!」
という、全村民の期待を一身に背負っていた中村君。
「名門私立校 洛星中学」合格をめざし、
懸命に勉強していたというのに・・・。
 バカしか行かない「市立 宇治中学校」に入学した中村君は、
その中でも「ぐんをぬいている」ということで、
案の定、
イジメられた。
休み時間になると、
クラスの番長が、
「おい、中村。
いつもの買って来い。当たってそうなヤツを選んで来いや。
ほら、金や。」
と、中村君に命令する。
番長に手渡された紙幣は、
番長の‘お手製’。
ノートのキレッぱしに、
ヘタックソな字で、こう書いてある。      
       「1000円」
中村君は、
「はーい。」
と、先生に見つからぬよう、校門の向かいの駄菓子屋へ走る。
そして、
番長に「買って来い」と命令された‘アイスキャンデー’を買う。
それは、
食べ終わると、棒がクジになってるアイスキャンデーだ。
棒に「当たり」と書いてあれば、
買ったお店で、同じアイスキャンデーが、もう1本、タダでもらえる。
中村君は、
買ってきたアイスを番長に渡す。おつりと一緒に。
アイスは20円なので、980円を・・・。
番長から手渡された千円札はノートのキレッぱしだ。
だが、
おつりの980円は、本物だ。
・・・ということは?
中村君が、自分のサイフから千円を出してアイスを買い、
そのおつりである980円を、
「おつりです」と、番長に渡すのだ。
そして、
番長がアイスを食べ終わるのを待つ。
番長は、
食べ終わると、
アイスの棒に、鉛筆で、なにやら書く。
(この時、中村君はソッポを向いてなければいけない。)
そして、番長は、
「これや。」
と、その棒を中村君に渡す。
その棒には、
ヘタックソな字で、こう書いてあるのだ。
     「あたり」
中村君は、
その棒を受け取り、
駄菓子屋まで再び走り、
アイスキャンデーを自分の金で買い、
また教室に走って帰り、
「もらってきました」
と、番長にアイスを渡すのだ。
来る日も、来る日も、
中村君は、ウソ千円札で、アイスを買いに走らされた。
・・・ひっでぇー。
あぁ、中村君は、その後、どうなったのでしょう?
鬼界さんが、風の噂に聞いたところによると、
白川村で木こりをしているそうな・・・。
 ‘田村塾’から‘鬼界塾’を経て、
「宇治バカ中学」へ入学した子は、
中村君だけではなかった。
           (つづく) 


7月30日(水よう日) 日直・橋本
『‘鬼界塾’は、こうして作られた 〜その4〜』

 フツー、解くのに1年間はかかる、
受験参考書「自由自在」の全問題(3000問題)を、
「1週間で解け。」
と命令され、
ひとり、バカ正直に取り組み、
結果、
「出来ない、出来ない」と寝ゴトを言うようにまでなった揚げ句、
1週間目に気が狂った・・・
そんな、おマジメ君の中村君は、
狂う前は、
ぼんが憧れるほどの秀才君だった。
小学5年生の‘田村塾’時代、
授業中、
こんな難問が、ぼんたち生徒7人に出題されたことがある。
  
   質問『ツルとカメが、全部で10匹います。
      足の数は、合計で32本です。
      さて、
      ツルは何羽?カメは何匹?』

連立一次方程式で解けば簡単だ。
ツルの数をx(エックス)、カメの数をy(ワイ)とすると、
x+y=10
2x+4y=32
これを、ドンドコ解いていけばイイ。
が、しかし!
「小学生は、方程式を使ってはいけない」という規則がある。
方程式で解いたら、
答えが合っててもバツにされる。
じゃ、どうやって解く?
いわゆる「つるかめ算」を使うのだ!!
えー、「つるかめ算」とは、
・・・すんません、忘れちゃったので、はぶきます。
とにかく、
中村君は、
この問題を、ものの5秒で解いた。
どんな難問も、数秒で解いては、
先生からはもちろん、ぼんたち生徒からも賞賛された。
 狂ったあとの中村君は、
鬼界塾では、特別扱い。
他の9人の生徒とは、別のカリキュラムでお勉強。
中村君だけに、こんな質問が出題された。
  
    質問『公園の池にツルが4羽、カメが6匹います。
        中村君が来て、
        ツルを4羽つかまえて行ってしまいました。
        さて、
        池に残っているツルは何羽?カメは何匹?』

あぁ、無常。あぁ、無情。
あわれ中村君は、
自分だけにアテがわれた、このアホ問題を、1日かけて解くのだ。
しかも、
解けない。
「残ったツルの数がワカラナイよぉーーー」
と、泣き出す始末。
ぼんは、
そんな中村君を見て、
1つの“学術的事実”を、発見した。
『キチガイに、0(ゼロ)の概念、無し。』
これだ。
あぁ、中村君・・。
名門私立中に受かったの・・・?
「まさか。
宇治中に行った。」
えぇー?!
あの、イジメと校内暴力が吹き荒れる宇治中学へ?!
そう、
あわれ、
中村君は宇治中で、とんでもないイジメにあうのだった・・・。               
                (つづく)


7月29日(火よう日) 日直・橋本
『‘鬼界塾’は、こうして作られた 〜その3〜』

 鬼界家が経営する‘鬼界塾’に、
ぼんも月謝を払ってたのか?
答えは、
「払ったよ。」
誰が?
「お父さんが。」
どこに?
「鬼界塾に。」
鬼界塾の経営者は、だーれ?
「お父さん。」
ふむふむ、なるほど・・・。
お父さんが、お父さんに払う。
ってことは、
実際は、「ぼんの月謝はチャラ」ということだ。
もし、
児玉くんを、ぼんの家庭教師として雇っていたならば、
当然、
児玉くんに月謝を払わねばならない。
それが、鬼界塾を開いたおかげで、タダになったのだ。 
他の生徒も、
月謝は鬼界塾に払う。
鬼界塾は、集まったソノ月謝の中から、
児玉先生と斉藤先生(新しく雇った)に給料を払う・・・というシステム。
【「生徒から集めた月謝」−「先生の給料」=お父さんのもうけ】
じゃ、鬼界さんのお父さん、ボロもうけじゃん?
「いや。
お父さんが言うには、
“塾を運営するには、いろいろ必要経費がかかるんや”と。」
必要経費って?
「チョーク代。」
チョ、チョ、チョーク?!それだけかい!
・・・ひでぇ。
ピンハネだ。
詐欺だ、悪徳塾だ。 
 鬼界さんのお父さんは、
「株式会社 鬼界商店」という燃料卸問屋(ねんりょうおろしどんや)の経営者だ。
(煉炭(れんたん)・炭に始まり、
LPガス・灯油などを扱っているそうだ。)
このうえ、
まだ、塾でモウケる気か?
田村塾の生徒だった7人(ぼんも含む)は全員、鬼界塾の生徒になったが、
おとーさんは、
さらに生徒を増やそうと、募集チラシを作ることにした。
鬼界商店の社長室で、ボケ〜ッと、
チラシのキャッチコピーを考えていると、
ふと、
壁に貼ってある宣伝ポスターが目に入った。
   『小さく燃えて、温かさ2倍
    あなたの強い味方
    煉炭を使いましょう
          日本煉炭組合』
おとーさんは、ヒラめいた。
   『小さな塾で、成績2倍
    あなたの強い味方
    鬼界塾へ行きましょう
          鬼界塾』
パクリ。
まんま
こんなキャッチコピーで、生徒が来るのかよ。
来ました。
3人も。
不思議。
宇治の人って、バカ?
 お教室は、鬼界家の8畳の座敷。
仏壇のド真ん前にお机(ちゃぶ台)を置いたので、
やたら線香クサイ。
おまけに、
おとーさんが、
「チョークの粉が、畳の目に入るとアカンから。」
と、
黒板の下にダンボールを敷きに来たりと、
時々、授業をジャマしに来た。
ちなみに、
‘キャスター付きで、
グルンと裏返すと、裏も黒板’
という、この黒板が、
鬼界塾唯一の‘設備投資’だ。
 例の「田村さんの奥さんにキチガイにされた中村君」も、
鬼界塾の生徒となっていた。
もはや、
「田村塾随一の秀才 中村君」は見る影も無かったが、
ぼんは、気が狂った中村君から、
ある1つの事実を教わることとなる・・・。
           (つづく)


7月28日(月よう日) 日直・橋本
『‘鬼界塾’は、こうして作られた 〜その2〜』

 ある日、突然、
‘田村塾’は、閉鎖。
理由は、
「一戸建て購入」による転居。
奥さん、
その目標のために塾をヤってたのねぇ、一生懸命に。
目標を達成した田村家は、
とっとと宇治から去って行った。
ひっでぇー。
いや、
仕方ない。
「他人の子より自分の子」だーね、やっぱ。
ぼんたち生徒7人が、
小学6年に進級する直前のことだった。
生徒たちは、途方に暮れた。
塾の「中学受験のためのお勉強」は、
「小学5年と6年」という‘「2年間」を通して’のカリキュラム・・・となっている。
その「2年目」である6年生を目前に控えながら、
なんと、
田村塾は閉鎖してしまったのだ。
ってことは、
ぼんたちが、
田村塾で教わったのは、
‘前半ぶん’だけ・・・ということになる。
いよいよ、最も大事な‘受験直前の追い込み’を含む‘後半ぶん’は・・・
どうしろって?
一体、誰に教われって?
だからって、
今さら、
他の塾に入るのは、得策ではない。
勉強の仕方、進行具合、指導方法・・・
もろもろのチガイで、
ぼんたちが、ツイていけないのは明々白々だ。
あーあ、
ぼんたち、奥さんに見捨てられちゃった・・・。
 ここで、
ぼんの父、登場。
「‘鬼界塾’を作りまひょ。」
でたよ。
お父さん、はりきっちゃって、
ドンドン、ことを進めた。
「鬼界塾の先生」に迎えたのは、
田村塾で奥さんの補佐として、
ぼんたちに教えていた京大大学院生の児玉くん。
この児玉くんも、
中途半端な時期の‘田村塾の閉鎖’で、
おっぽり出されちゃって、
ぼんたち生徒と同じように、ちょーど「宙に浮いた存在」だったのだ。
捨てる神ありゃ、拾う神あり。
児玉くん、大喜び。
待てよ?
じゃ、児玉くんをぼんの家庭教師に雇えば済んだことじゃん?
他の生徒には悪いが、
さっさと児玉くんを独り占めして、個人授業してもらえばヨカッタのでは?
で、
またまた、おとーたまの言葉。
「それやったら、損するばっかりやがな。」
・・・損?
損はしてないのでは?
ぼんは、児玉くんに勉強を教わる。
しかも、一流の指導だ。
で、
その報酬として、児玉くんに家庭教師料を払う。
フィフティ・フィフティ。
ギヴ・アンド・テイク。
どこが、損?
「“教わるモノ”は、目に見えへん。
そやのに、
お金(児玉くんに払う家庭教師代)は、目の前で減っていく。
損や、損や。
けど、‘塾’を開けば、生徒から月謝が入る。
もうかる。
お金が入ってくるのが、目に見える。
そやから、‘鬼界塾’をヤるんや!」
・・・あんたって人は。
じゃ、
ぼんの月謝は?
ぼんも鬼界塾に月謝を払っていたの?
            (つづく)


7月27日(日よう日) 日直・橋本
(おとといのつづき)
『‘鬼界塾’は、こうして作られた 〜その1〜』

 鬼界ぼん(‘ぼん’は、関西弁で‘おぼっちゃま’の意。)は、
小学5年に進級すると、
当然のごとく「塾」へ通わされた。
「洛星中学校」の受験に備えてだ。
洛星(らくせい)は、
‘中・高’一貫の、名門私立校。
「京大入学者数、毎年、全国No.1」を誇る。
ぼんの1番上のアニキは、そのとおりに、
洛星から京大へ。
2番目のアニキは、
洛星から神戸大へ。
こうなると、
3男坊であるぼんだけ、公立中学っつーわけにはいかない。
っていうか、
京都の公立中学に入ったら、人生オワリ。
私の埼玉県では、まだ、そういった傾向はみえず、
逆に、
「公立」が主流で、「私立」が少数派だったが、
京都では、なぜか、
「私立」が崇め奉られ、
「公立」はウンコ扱い。
天国か地獄か・・・くらいの差があった。
加えて、
ぼんが小学5年の頃は、
京都では、校内暴力の嵐が吹き荒れていた頃で、
特に、
ぼんの学区の「宇治」は、そのヒドさで有名。
校舎の窓ガラスは、生徒に割られ、1枚も無い。
壁も燃やされ、
椅子・机も半壊。
まさに、地獄。
こんなところに入ったら、デカ頭のぼんは、
「そら豆、そら豆」とイジメられ、きっと半殺しだ。
授業なんて、やってやしない。
「公立なんかに行ったら、
すえは大工か左官屋か。・・・か、板金工か?」
とは、もっぱら京都中の人々が口にした言葉だ。
 名門校受験のためには、「塾通い」は必須だ。
独学はムリ。
ぼんの周りでも、塾に行ってないヤツは1人も居ない。
ぼんの2人のアニキは、小学5・6年の2年間、
‘田村塾’に通った。
で、
ぼんも、5年生になると、‘田村塾’へ。
田村塾は、
ぼんの家の近所の田村さんちの奥さんがヤっている塾。
「ちっ。
なんだ、主婦の片手間かよ。」
と思うなかれ。
確かに、
笑うと金歯がキラッと光る、
色黒でデブでコワもての、
田村さんちの奥さんが、
グズる1歳のガキを背負って‘お教室(田村家の茶の間)’に入ってくると、
「ここは、どこ?」
と、一瞬ぼんは自分を見失ったものだが、
ぼんはじめ7人のクソぼうずらを相手に、
授業を開始するやいなや、
奥さん、ただの‘長屋のカミさん’から‘才媛’に豹変。
同時に、
なんとな〜しに食い物の匂いがする、
クソせま〜い田村家の茶の間が、
‘宇治の、隠れた名門塾’へと変貌するのだ。
  奥さん、スパルタ教育で、
ガンガン宿題、出しまくり。
「馬〜のマークの参考書♪」
の歌でおなじみの受験参考書「自由自在」の全問題(3000問題)を、
「1週間で解け。」
と、生徒達に命令。
フツーは、1年かけて、やっと解く。
かわいそうに、気の弱い中村君は、
「出来ない、出来ない」と寝ゴトを言うようにまでなった揚げ句、
1週間目に気が狂った。
そんな、
「目標!生徒7人、全員合格!」だけを考えてくれていたような、
田村さんの奥さんは、
ある日、突然、
ぼんたちを捨てた。
奥さ〜ん。
やっぱ、家庭が大事か?
             (つづく)


7月26日(土よう日) 日直・鬼界
※文中の♪マークでハサまれた部分は、
 野球のことを知らない女子高生のための解説文(?)です。
 野球通の人は、飛ばしてね。※

 
 (おとといのつづき)
一虎会をつくるキッカケになったのは、


♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
「へ?鬼界塾の話とちゃうの?また、一虎会の話に戻ってんの?
話題があっちこっちに飛んでるから、ついていけへんわ。
どっちかの連載に統一してほしいわっ!!」って、ハニーは怒ってんの?
すまんのぉ・・・え?まだ文句あるって?
「けっきょく、どっちの連載も、鬼界はんのことばっかりや。
この日誌は鬼界はんのPR誌か!」
すまんのぉ・・・・
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪


高校時代の友達で、阪神ファンとしてそのスジでは有名な、小島だ。

1983年の春、小島から電話がかかってきた。
「阪神の試合、見に行かへんか?神宮のヤクルト戦や。」
「おう、ええなぁ、行くわ行くわ」
「ほな、神宮球場の15番ゲートで」

てっきり2人で観戦するものだと思って行ってみると、
数十人の大団体だった。
小島の所属する、明治大学の阪神応援団だ。
明治の大学生だけじゃない、お茶の水やら大妻やら女子大生もいっぱいいる。
そして、なんと、その女子大生たちから
「小島く〜ん」「小島さ〜ん」とやたら声をかけられ、小島はすっごい人気者なのだ。
僕は衝撃をうけた。

阪神を応援するだけでも楽しいのに、
応援団に所属すれば、こんな快楽まで伴なうのか・・・・
よしっ、僕も応援団に入ろっと!!
だが、待てよ、いまごろ入っても、分け前は得られない。カワイイ子は先輩がすでに・・・
それじゃ意味がないではないかっ!!
うぅーむ、どうすればいいんだ・・・・
そうだっっ、自分で応援団を作ればいいんだ!!

試合も見ないで、僕は延々と考え続け、このような結論に達した。

一橋の‘一’と、タイガースの‘虎’で、一虎会(いっこかい)。
名前も決まった。
さあ、団員募集だ。  (つづく)


7月25日(金よう日) 日直・橋本
 昨日の鬼界さんの日誌の
「二人の兄も阪神ファン。」
で、
「そーいえば、鬼界さんの二人のアニキって、
頭イイんだよなぁ。」
と、思い出した。
 4月公演の稽古中。
例によって、
ウォーミングアップしながら、ダラダラとみんなで雑談。
話題は、
『ボクの、ワタシの、‘子供時代’自慢』。
人はなぜか、
自分の子供時代を振り返って、
「優秀だった」と言う。
「子供の頃は、頭よかった」
という話は、
今まで何度も耳にした。
演出のFさんも、
「ボクは太っていたが、勉強は出来た。」
鬼界さんも、
「ボクも肥満児だったが、天才だった。」
橋本も、
「私も太っていたが、神童だった。」
なんだよ、みんなデブかよ。
ただし、私の場合、
「勉強しなくても出来た」のは小学生時代だけ。
以後は、無惨。
「中学で、塾に行くべきだったかなぁ。
私、塾に通ったことないんです。」
と私。
で、
話題は、『塾』に。
一同「やっぱり、鬼界さんは、塾、行ったんですか?」
鬼界「僕?行った。
   小学校5年の時に、近所の‘田村塾’ってところに。」
一同「へぇ〜。」
鬼界「6年生の時は、‘鬼界塾’。」
一同「鬼界塾?!」
鬼界「そう。
    うち、塾を開いたの。」
一同「なんで?!何のために?」
鬼界「え?ボクのために。お父さんが。」
・・・ふつー、
一般家庭が、セガレのために、家の茶の間で‘塾’やるか?
『鬼界塾』に、ガゼン興味を持った私たちは、
稽古そっちのけ。
そして、
鬼界さんから詳しく話を聞くうちに、
鬼界さんも気づかなかった‘鬼界塾’開設の真相が・・・!
恐るべし、鬼界塾。
          (つづく)


7月24日(木よう日) 日直・鬼界
  (22日のつづき)
いつから阪神のファンになったのだろう?
正直言って、思い出せない。
気がついたら、ファンになっていた。
たぶん、家庭環境のせいだと思う。
母が骨のズイまで阪神ファンなのだ。
ファン歴57年。
1946年にひとりで甲子園まで応援に行ってたそうだ。
昭和21年ですぜ!
戦後の混乱期の真っ只中、うら若き乙女が2時間半もかけて野球を見に行っていたのだ。
ハンパじゃない。
親がよく許したもんだ・・・・。

そんな母は、決して熱狂的なファンではない。

「熱狂する方がオカシイねん。阪神を応援すんのは、
当たり前のことっちゅうか、身体の一部っちゅうか、息するようなもんや。
息すんのに、いちいち、熱狂する人がいるか?」

シブイっ!

そんな母に育てられたわけだから、僕も自然と阪神ファンになった。

追い風になったのは、
‘近畿放送’という京都のローカル局(今はKBS京都になった)が、
甲子園の試合を試合開始から試合終了まで完全中継していたことだ。

当時の‘近畿放送’はスゴかった。
午前中はドラマばっかりやってた。
もちろん、‘近畿放送’製作のドラマなんてあるわけないから、
TBSとか日テレが数年前に作ったドラマをお借りして放送させてもらって時間をつぶしているのだ。
そして、午後は
『懐かしの洋画アワー』と銘打って、B級映画をズタズタにカットして放送し、
つづいて、『懐かしの邦画アワー』と銘打って、東映の時代劇を放送して、時間をつぶし、
6時から阪神戦の中継をやっていたのだ。
・・・こんなんで放送局の意味あんの?

‘近畿放送’のおかげで阪神戦はたっぷり見ることができた。
母は阪神ファン、僕も阪神ファン、二人の兄も阪神ファン。
一家揃って、近畿放送にかぶりつき。
かと思いきや、父が阪神ファンじゃないんです。
てゆうか、野球がよくわからないみたいなんですね。

「ピッチャーが投げてバッターが打つ。それだけやないか。なにがおもろいねん!」

父はよくこう言ってました。
・・・・そう言ってしまえばそれまでです。
「足でボール蹴って、ゴールに入れるだけやないか。なにがおもろい?なんで手を使わへんねん!」
って、ことでしょ?
そう言ってしまえば、なにごともそれまでです。
ただ、ブラジルでこんなことを言ったら射殺されますが・・。

6時から‘近畿放送’で阪神戦を見始めるのだが、
7時になると、父は無言でNHKにチャンネルを変えた。
自分以外の家族が楽しんでいるのに、
自分だけ楽しくないので、父はすねていたのだ。
父も決してニュースが見たいわけではなかった。
野球以外だったら、なんでもよかったのだ。
こうして、鬼界家では、来る日も来る日も、誰も見たくない『7時のニュース』が流れていた・・・。
(つづく)


7月23日(水よう日) 日直・橋本
 学生時代の同級生とかに、
たまに会うと、ビックリします。
 一昨日の、
大学時代からの友人の結婚披露宴。
普段から、
折々に会ってはいるので、
見慣れている(?)せいもあるのか、
集まった女の子(‘子’ってことはないだろー。)連中は、
相変わらずキレイでオシャレで、
「こいつら、変わらないよなぁ」
と、感心する。
マジで、
大学時代と顔があんまり変わってない気がする。
メイクの上手さもあるが、
フケない顔立ち・・・ってことも、あるのかも。
 で、
披露宴のあと、二次会パーティの会場へ。
やはり大学時代からの友人、Sくん登場。
Sくんのことも、
折々に目にしてるが、
見慣れるどころか、会うたびにビックリ!だ。
変化しつづけている。
数年前から、Sくんは「ジャック・ニコルソンに似てきた」と言われている。
マジ。
頭髪も含め、ソックリ。
顔も似てるんだからスゴイよ。
前回Sくんを見たときは、
‘『愛と追憶の日々』のジャック’ぽかった。
今回、
‘『恋愛小説家』。
Sくん、いくつよ。
同い年だよ、
頭に花つけて喜んでる私と。
あたし、なんだか・・・・・バカっぽい?
と、思わず反省しちゃったじゃん。
 Sくんは、 
パーティの間、
頻繁に、誰ぞとメールのやりとり。
「見せて、見せて」とせがんでも、
絶対に見せてくれない。
「誰よ、誰よ」
と執拗に問い詰めたら、
無口なSくん、とうとう一言、
「ピーちゃん。」
ピーちゃん・・・?
小鳥か?相手は。
フィリピン・パブのフィリピーナで‘ピーちゃん’か?
まったく、Sくんったら。
外見は変わっても、
中身は、学生時代のままだ。

ところで。
ジャックファンの私としては、
一昨日のSくん、
カッコ良かったわ〜〜。


7月22日(火よう日) 日直・鬼界
※文中の♪マークでハサまれた部分は、
 野球のことを知らない女子高生のための解説文です。
 野球通の人は、飛ばしてね。※


夏休みに入って、甲子園がエラいことになっている。
午後6時試合開始だというのに、午前8時に開門なのだ。
10時間前ですぜ!
アホちゃう?
午前8時といえば、選手たちは全員まだ寝ている。爆睡中だ。
なのに、阪神ファンはすでに観客席で六甲おろしを歌っているのだ。
アホちゃう?
しかも、最終的に満員札止めにはならないのです。
5万3千人収容できるのに、4万8千とか5万人の観客なんです。
つまり、午後6時に行ったって、入場できるのだ。
やっぱ、アホやね。
迷惑なのは、球場の職員だ。
8時にゲートを開けて、そのままほったらかし、ってわけにはいかない。
警備もしなきゃならないし、事務所で電話応対もしなきゃならない。
ほんとだったら、昼過ぎくらいの出勤なのに・・・。
「阪神の人気はひとえにファンのおかげですから。早朝出勤は嬉しいかぎりです。」
なんて思ってる人は少ないだろう。
チケット窓口のおねーさんなんか、どうするんだろ?
朝7時くらいに突然電話がかかってきて、
「あ、真弓ちゃん?突然なんだけど、今日、8時に開門することになったから、
悪いんだけど、8時前にチケットブースに入ってくれる?よろしく。」
と言われたって、
寝起きのまんま行くわけにはいかない。
あわててシャワーを浴び、化粧して、間にあったのだろうか?
前の晩、遅くまで飲んでたりしたら、
パンパンにむくんだ顔でチケットを売ったのだろうか?

ま、ファンはお祭り気分やからね。
徹夜でもなんでもしますわ。

そういう僕も、私設応援団‘一虎会’会長として、
1985年10月16日、神宮球場で徹夜をするはずだったのだ・・・


♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
「ええっっっっーーーー、ダーリンはそんなことやってだっちゃ?」てか?
フフフ、知らんかったやろ、そうなんや、
オレは阪神の応援団まで作った男やっ!!
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

ついに明かされる、鬼界浩巳の隠された顔!  (つづく)


7月21日(月よう日) 日直・鬼界
 (18日のつづき)
タイミングよく、昨日の阪神戦の中継は関西ローカルで、
解説が福本さんだった。

ケーブルテレビに入っているので、東京に住む僕がこの中継を見られるのですが、
不思議なのは、
番組の製作は‘サンTV’という神戸の超マイナー局なのに、
アナウンサーと解説者は‘ABC放送’(テレビ朝日系列)所属ということだ。
NHKの7時のニュースに、安倍宏行と滝川クリステルが出てるようなものです。
どーなってんの?
ま、いいか。

昨日の福本さんの発言を紹介しよう。(対戦相手は広島)

アナウンサー「あ、広島のブロック投手、ボークです」
福本さん「うん、ボークや」
アナ「悪い癖ですね」
福「悪い癖や」
アナ「ブロック投手も気をつけてるんでしょうけどね」
福「うん、気ぃつけてる」

リピートしてるだけやんけ!

かと思うと

アナ「金本、ホームランです。巧く運びましたね。今のバッティングどうですか、福本さん?」
福「よかったよ」

それだけかい!
当然、アナウンサーは福本さんの次の言葉を待っているので、
中継はしばし無言になった・・・。

かと思うと、

アナ「赤星、タッチアウトです。惜しい、今期41個目の盗塁はなりませ・・・」
福「ええタイミングでスタートしたのになぁ。まあ、ええ。まあ、ええ。
と、アナウンサーのしゃべりをぶった切って、大声で自分の感想を述べる。

福本さんは解説者でありながら、解説なんかしない。
自分の思うままに発言するだけだ。
でも、素人じゃあない。

「ああ、あかん、‘着払い’や」
とか
「あのピッチャーは、‘後家さん’やね」
とか
「‘金時豆’でダブルプレーを狙うしかないな」
とか
専門用語を駆使する。
さすがプロ!

ただ、問題なのは、誰にも意味がわからないのだ。
「専門用語」というのは、「福本さんだけが専門に使う用語」という意味だから。
だーれにもわからない。
‘着払い’って、なんだろう?
いつものことなので、アナウンサーも「着払いって、なんですか?」と尋ねたりしない。
聞かなかったふりをして、どんどん流していく。
「さわらぬ神にたたりなし」ってゆうか「キチガイだから、無視、無視」って感じ。
でも、福本さんは、ぜーんぜん気にしない。
自分の思うままに発言するだけだから。

好きな野球を特等席で見られて、好きなことを言ってれば、お金もらえるんだ。
いいなあ、こーゆー仕事。


7月20日(日よう日) 日直・橋本
(昨日のつづき)

 邦画コーナーでの、一期一会の感激を胸に、
「ヨーロッパ映画コーナー」へ。
ガラスキ。
で、
なんの気なしに、
ウソ、
意識的に、
壁側の棚へ。
「‘ヨーロッパ映画好きの人’の中にも、
果たして、
‘爽やか青年’は、存在するか?」
なんちゃって。
最上段を見上げる。
『中国女』。
・・・つまんなそうだ。
ま、いいや。
ジャンプ。
タ〜ッチ。
・・・だーれも来ない。
「ジャンプするのは、人の気配がしてからで、イイのでは?」
ということに気づき、
待つこと5分。
来やしない。
ダメだ、ヨーロッパ映画コーナーは。
 勢いづいた(?)私は、
私にとっての‘未踏の地’、‘未知の世界’、‘恐怖の館’、「アニメコーナー」へも。
イッパイあるのねぇ!アニメのビデオ。
マジでビックリ。
しかも、どれもこれも「貸し出し中」。
「こんなにアニメが人気あるんじゃ、実写なんて観ないよなぁ・・・。
これじゃ、映画は、すたれるよ・・・。
・・・観たら、けっこう、面白かったりして?
100円デーに、ごっそり借りて観てみようかしら?」
そんなことを考えつつウロウロしてたら、
どんどん、お客が増えてきた。
「この人たちって、‘おたく’なんだ・・・・・・・・・・・。
いかん、いかん!
偏見を持っちゃ、いかん!」
壁側の棚に急いで移動。
見上げる。
『小さな巨人 ミクロマン』。
これで、いいや。
つま先立ちになり、ミクロマンめがけて、限界まで右腕を伸ばす。
その状態で5秒。
どうやら、
「この女は、ミクロマンを取ろうとしている」
ということは、
周囲の人たちにも、わかったようだ。
彼らのリアクションを待つ。
・・・・・(待っている)。
むし。
カンペキ、無〜視。
お宅ら、チョット冷たくない?
もしや、
『ミクロマン』を借りるヤツなんて・・・と、軽蔑されたとか?
アニメ界では、『ミクロマン』ファンは、村八分とか?
やっぱ怖いよ、「アニメコーナー」。


7月19日(土よう日) 日直・橋本
 新宿・TSUTAYAに、ビデオを借りに行った。
まずは、目的の「邦画コーナー」へ。
だ〜れも借りないような、
パッケージもほとんど腐ったような、
例えば私が紛失したら、日本中どこのビデオ屋を探しても二度と見れないような、
そんな、
‘絶滅寸前の生き物’みたいな、
古〜い映画のビデオを3本ほどチョイス。
「さ、次は、ヨーロッパ映画コーナーへ。」
と思いつつ、
他のビデオ屋では味わえない「邦画の傑作・名作が棚にイッパイ」感が嬉しく、
ダラダラと、
あれもこれもと、棚から出しては、
パッケージを見たりしていた。
 壁側の棚の最上段の、
『乱れ雲』というタイトルが目に入った。
これは、名画座で観たことがある。
「観たんだから、別に、今、パッケージを見なくてもいいんじゃない?」
とは思うが、
手に取ってみたくなるのが人情だ。
め一杯背伸びをし、め一杯手を伸ばしてみた。
が、
壁側の最上段だけは、チビには絶対取れない位置にある。
踏み台は置いてない。
パッケージを見るためだけに店員を呼ぶのも、気が引ける。
でも、見たい。
ジャンプしてみた。
無意味。
タッチしてどーすんのさ、あたし。
ジャンプし、その1本をつかみ、棚から抜き出し、着地・・・だ?
絶対、無理。
それでも、あきらめきれず、見上げていると、
スッと、
どこからともなくやって来た長身の青年が、
ヒョイと、
『乱れ雲』を棚から取り出し、
サッと私に差し出し、
そして、こう言ったではないかっっ!
「これですか?」
キャイ〜ン!
これです、これです、これなんです〜!
青年は、爽やかな笑顔を残し、去って行った。
「古い邦画コーナー」で、あんなカッチョイイ人にお目にかかったのは初めてだ。
たいがい、気味の悪い人だ。
世の中に「映画好き」は、たくさん居るから、
その中にはカッコイイ人も、たくさん居るはずだ。
なのに、なぜか、
レンタルビデオ屋では、気持ち悪い人にしか会わない。
不思議だった。
しかし、
やはり、
居たのだ。
しかも、「古い邦画コーナー」に!
あんな爽やかな人が!
感激だ。
あの人は、なんのビデオ、借りたのかなぁ。
     (つづく)


7月18日(金よう日) 日直・鬼界
  (きのうのつづき)
※文中の♪マークでハサまれた部分は、
 野球のことを知らない女子高生のための解説文です。
 野球通の人は、飛ばしてね。※

結局、オールスター第一戦では、
福本さん、東尾、中西の3人の解説者がいたわけだ。
それぞれの紹介で各自が活躍した過去のオールスターの名場面が挿入される。

福本さんは、外野のフェンスによじ登ってホームランを捕ってしまった伝説のシーン。
東尾もそれなりのシーン。
そして、中西。
オールスターゲームとは、なーんの関係もない85年の阪神優勝のシーンが挿入される。


♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
こらっ!なに、寝てんねん!!
「東尾とか、中西とか、知らん人ばっかりやし、おもろない」てか。
説明したんがな。
ま、東尾はどーでもええ。
賭博で逮捕されたくせに、のーのーとデカい顔しとるオッサンと覚えとけば充分や。
大事なんは、中西や。
マンガの主人公にもなった男や。
けど、ぜーんぜんカッコよくないねん。
現役当時からプクっとふくれた丸顔で、唇がいっつも突き出てんねん。
そやから、常に不満そうな顔に見える。喜んどっても不満そう、笑っとっても不満そう。
いわゆる、“守護神”とか“抑えの切り札”ていう、試合を締めくくる投手で、
1985年に阪神が優勝を決めた試合で、胴上げされたピッチャーなんや。
確かに、この年は、よー働きよった。
けどな、ホンマは、中西は2番手の抑え投手やってんぞ。
いちばん信頼されてた、山本っちゅうピッチャーが8月にケガして、
シーズンの後半、試合に出られへんようになってん。
それで、中西がガンガン投げるハメになってしもたんや。
ホンマやったら、栄光の胴上げ投手は山本のはずやったのに、
山本は、中西が胴上げされてるのを、松葉杖ついて、ひとり観客席から見てたんや。
どう思う?
あん?「シクシク」って、おまえ、泣いてんのか?
さすがオレのハニーや、ええとこあるやないけぇ。そや、泣いたってくれ、カズさんのために。
一緒に泣こ・・え?なに?「カズさんて誰?」て?おまえ、泣いてんのちゃうんか?
「気になって思い切り泣けへん」てか。
カズさんていうのは、山本投手の愛称や。さ、泣こっ。ガオォ〜〜。
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪


その優勝シーンのVTRが終わった瞬間、福本さんが言った。
「やっぱり、中西ゆうたら、このシーンやねっ!」
福本さんは盛り上げるために善意から発言された、と思う。
でもね、今は、それぞれのオールスターの活躍シーンを紹介してるんです。
てことは、
「やっぱり、中西ゆうたら、オールスターで、ぜんぜん記憶にないっ」
と断言してるようなものです。
ちょっと気まずい空気が流れました。
さすがの福本さんも気づいたようで、すかさず、フォローしました。

「けど、中西は、速い球、投げたよな」

あんたのフォローは、そればっかりかい!
しかも、中西は東尾よりも遅い球投げてましたぜ。

「確かに、中西の球は速かった。オレはこの目で見たから、よーわかってる」

中西と違うリーグなのに、いつ見たの?
二人はオールスターでも対戦してないはずです。

が、こんなのは序の口なのだ。
オールスターで、全国中継だから、
福本さんも福本さんなりに、これでも、いちおー、気をつかっている。

福本さんの本領が発揮されるのは、地方ローカルの中継のときなのだ。 (つづく)


7月17日(木よう日) 日直・鬼界
  (きのうのつづき)
※文中の♪マークでハサまれた部分は、
 野球のことを知らない女子高生のための解説文です。
 野球通の人は、飛ばしてね。※

福本さんの解説は、ただの、飲み屋のオッサンのウダ話だ。


♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
福本さんてゆうのはなぁ、‘世界の盗塁王’と呼ばれてる人や。
生涯通算1000以上の盗塁は世界記録で、ギネスにも載ってるはずや。
年間100以上の盗塁(たしか106)は日本記録で、たぶん永久に破られへんと思うわ。
小柄で俊敏、走攻守そろた一流の選手やった。
あくまでも「やった」と過去形や。
今見たら、びっくりすんねん。
ただのチビのデブや。誰かわからへん。
なんであんなにブクブク太る必要があんの?
現役時代の倍くらいのふくらみようや。
野球選手て、現役やめたら太るヤツが多い、てゆうか、多すぎや。
荒木大輔てゆう、ピッチャーがおるねん。
甲子園のアイドルで、キャーキャー騒がれててん。
こいつの影響で、その年、「大輔」が赤ん坊の名前で一番多かってん。
ま、それくらいカッコよかったわけや。
でもな、今、見ると、おぞましいで。
顔はパンパンにふくれあがってるうえに、
Yシャツのエリへ首の肉がはみ出してんねん。
もう1サイズ大きいYシャツにせんと、窒息死するで。
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪


一昨日の試合開始前に、別の解説者・東尾(元西武・投手)とアナウンサーがしゃべっていた。
「やっぱりオールスターでは、ピッチャーは速球派のほうが目だっていいね」
「そんなことないですよ東尾さん。“技巧派中の技巧派”東尾は、充分、目立ってましたよ」
「でも、やっぱり、速い玉を投げたかったよ、ハハハ。」
「その代わり、球種の多さはスゴかったじゃないですか」
「そうでもないけどさ、ハハハ」

この和やかな会話の中へ、突然、福本さんが割り込んだ。

「トンビ(東尾の愛称)の球は速かったぞ。」
「そんなことないですよぉ。ハハハ。」
「いーや、速かったっ。トンビの球は速かったっ!!」
「そうですかね・・・・」
「速かった。絶対、速かったっ。オレがこの目で見たんやっ!!」
「・・・・・・・・」

この展開どうでしょう?
万人が認める、球の遅い東尾のことを、アナウンサーがうまい具合によいしょしてたのに、
福本さんがぶち壊し。
東尾の球は速かったと執拗に言い張る意図もわかんない。
も、もしかして、東尾のことをフォローするつもりだったの?善意ってこと?
それにしては、会話の流れを読めなさすぎ。子供以下だ。

さらに、福本さんは、もちろん善意から、もう一人の解説者・中西をも血祭りにあげてしまう。 (つづく)


7月16日(水よう日) 日直・鬼界
 (おとといのつづき)
※文中の♪マークでハサまれた部分は、
 野球のことを知らない女子高生のための解説文です。
 野球通の人は、飛ばしてね。※

プロ野球の前半戦が終了し、昨日はオールスターゲームが行なわれた。

テレビで観戦しました。

2度と見られない光景だ。
試合開始で守備につくセリーグ代表チームの9人のうち、7人が阪神の選手なのだ。
‘阪神vsパリーグ代表’の親善試合じゃあありません。
各ポジションごとに人気投票を行なった結果、
すべてのポジションで阪神の選手が1位を獲得したのだ。

すっげえ。

でもね、ここまできたら、9人全員、阪神の選手でもよかったんじゃない?
そのほうが盛り上がりますよぉー。
クレイジーなオールスターとして歴史に残ったのに・・・。
そういう楽しませる決断ができないんだよな。

楽しませる決断ができないといえば、もうひとつ。
7回裏に‘六甲おろしとジェット風船’が行なわれていたのを、なんで中継しないかね?
日本プロ野球全体のイベントであるオールスターにおいて、
一球団だけの応援が堂々と行なわれていたのです。
そんなことはいまだかつてありません。これからもないでしょう。
そんな偉業がなされてる時にCM流しててどうすんだよ。こら、テレビ朝日。
事の重大さがわかってないし、視聴者を楽しませるツボもわかってない!
だから、いつまでたってもテレビ東京の仲間なんだよっ!
バカだ、マヌケだ、おまえの母さん、出ぇべぇそーだ。


♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
「ちょっと、ちょっと、ちょっと、ちょっと」て、なんで止めんねん?
人がせっかくテレビ局攻撃でもりあがっとんのにぃ!
え?わけわからへん?「‘なんとかおろし’と‘なんとか風船’てなに?」て、なんとかばっかりやないけ。
人の話はちゃんと記憶せぇ。
‘六甲おろし’っちゅうのは、阪神の応援歌や。
阪神の試合を見に行ったら、とにかくこれを歌うんや。
試合開始前、阪神が点を取ったとき、相手ピッチャーが交替したとき、5回が終わったとき、
試合に勝ったときは試合終了後フルコーラス熱唱や。
歌ってばっかり?
そうや、試合見に来たんか、歌うたいに来たんか、わからへん。唄いまくりや。
そやのに、歌詞がごっつむつかしい。
“六甲颪に颯爽と 蒼天翔ける日輪の 青春の覇気麗しく ”
って、読めっか?
意味もさっぱりわからん。けど、大声で合唱するんや。気持ちええでぇ。
ちょっと唄ってみよか。え?いらん?音痴やし・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・グスン。
ジェット風船?
7回の阪神の攻撃の前に、何千個もの風船を一斉に飛ばすんです。キレイです。以上。
え?やけにあっさりしてる?
当たり前やないけ。オレは今、傷心なんや。
せっかく六甲おろし唄うて言うんのに、むげに断りやがって・・・・。
男ちゅうのはな、繊細な生き物なんや。心はマシュマロのように傷つきやすいんや。
女はそこんとこがわかってへん。
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪


阪神の選手がずらっと先発してたのは、もちろんすっげえ至福だったが、
野球中継の解説が福本さんだったのも嬉しかった。

福本さんの解説は、定評がある。
直感的というか、動物的というか、
早い話が、バカで、いい加減で、てきとーなのだ。(つづく) 


♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
「福本さんて、誰?」てか。
今日は長なったから、それも明日や。つづくや。おあづけや。
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪


7月15日(火よう日) 日直・橋本
 「男性とタクシーに乗る際、
女性が先に乗る」
というのは、
‘決まり’なのかしら?
 仕事中の移動で、
Tさんという男性とタクシーに乗ることに。
タクシーのドアが開くと、
Tさんは、
私が先に乗るのが当然のように、
突っ立ったまま、自分は乗ろうとしない。
私が、
「どうぞ」
と言うと、
「いや、いや、どうぞ」
と促されてしまったので、
「いえ!
私は、あとからがイイんです!」
とも言えず、
仕方なく、先に乗り込んだ。
そして、
先に乗り込んだ者の義務として、
乗るやいなや、
あとから乗ってくるTさんの座るスペースを作るために、
横移動をしなければならないのだ。
ミニスカートや、ぴっちりしたタイトスカートの時ももちろん、
この横移動はヤリにくいが、
ロングスカートの時なぞは、
スソを踏んだりなんかしちゃって、
もう、ほんと、大キライ!
男の人は、
服装も身軽だし、
オオマタ広げりゃ、ひとまたぎで隣りへ移動できるんだから、
先に乗ってくれてもいいじゃない!乗ってよ!
と訴えたくなるほど、
キライ。
あとから乗ってきた人にスカートのスソを踏んづけられ、
それに気づかず、
思いっきり横移動し、
ワンピースを破ってしまった・・・
というトホホな経験が、
過去にあったせいでもあるが、
なにしろ、
「奥につめる」のって、めんどくさい。
Tさんにとっては、
‘レディ・ファースト’のつもりだろう。
あるいは、
「偉い人が先に」という一般常識にのっとった、
私への気遣い?
その気遣い、いらない。
事故ったら死ぬ確率が高い席で、いいや、あたし。
お願いだから、
1番あとから乗らせてチョーダイ。
ササッと乗って、
ササッと降りることができるドア側の席が好きなの、あたしは。

‘横移動’を、こんなにキラってるのって私だけ?

逆に、男の人は、
「女性を先に乗せるべきか、
乗り降りしやすい席にしてあげるべきか」
とかって、
悩んだりはしないのかな?

ここで登場するのが、
先日、私に高級料理をご馳走してくれた上に、
タクシーで送ってくれたJちゃん。
Jちゃんは、
タクシーのドアの前で、一瞬迷ったあと、
私に、まるで「僕が先に乗ったほうが、イイよね?」と了解を得るような視線を送り、
サッと乗り込んだ。
めんどくさい横移動を、みずから買って出てくれたのだ。
これぞ、
女性のことを考えた、ホントの意味での‘レディ・ファースト’。
さすが。
また、ご馳走してください。


7月14日(月よう日) 日直・鬼界
プロ野球の前半戦が終了した。

と、いきなり書き出したものの、
野球なんかに興味の無い女子高生は、ここで読むのをやめてしまうだろう。

女子高生がこの日誌を読んどんのかいっ!

という意見はさておいて、
とにかく、野球のことをあまり知らない方のために解説をつけましょう!
「♪」マークがそのしるしです。
♪でハサんである部分は、
野球通の人は飛ばしてください。
ふつーの解説じゃ、つまんない?
んじゃあ、野球を知らないハニーに優しく語って聞かせるという設定でどう?
ついでに場所は大阪や。


♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
なんや、どうしてん?そんな悩ましげな顔して。
え?「わからんことがあんの。プロ野球の前半戦ってなに?」ってか。
ホンマにおまえは無知なぁ。「ピシッピシッ、さあ、私の足をおなめっ!」って、そのムチちゃうわっ!
アホなくせしてきっちりボケよんな。ま、そこがカワユイしぃ、そこに‘惚れたぜ乾杯’やしぃ。♪かんぱ〜いっ
「歌はええから、はよ教えて」てか。わかってまんがな。
あんなぁ、プロ野球っちゅうのは、春から秋まで、ほとんど毎日試合すんねん。
140試合もやんねん。アホみたいやろ?けど、仕事やから、しゃあないねん。
ほんで、その勝ち負けで優勝チームを決めんねんけど、
ごっつ長期にわたる闘いや。
ずっーとおんなじようにやっとったら飽きるやろ。
ほやから、ちょうど半分のところでオールスターっちゅう、息抜きイベントがあるわけや。
プロ野球では、オールスターの前を前半戦、後を後半戦と呼ぶんや。わかったけ?
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

プロ野球の前半戦が終了した。

あの幻の甲子園観戦記以来、また、ナニのことを書こうとしたのだが、
バカな解説に手間取ってしまった・・・。明日つづきを書こう。  (つづく)

って、マジっすか?結局、今日の日誌の本文は1行だけなのでは・・・?


7月13日(日よう日) 日直・橋本
 「ヨッチャンにつぎ込むだけで、150万円にもなる?」
というミドリちゃんの疑問について、
私も考えてみた。
「ヨッチャンにつぎ込んだ。尽くした。」
といっても、
リュウイチくんがヨッチャンにしてあげたことといえば、
せいぜい、最高で
「銀座で寿司」程度だ。
あとは、コンサートやらグループ旅行の費用やら、
普通のカップルの彼氏が彼女にしてあげてることと、大差はない。
ただ、
年収280万円のリュウイチくんにとっては、
‘チリも積もれば山となる’で、
けっこう、イタイ出費だ。
月々の薄給でおっつかない分を、
少しづつ少しづーつ借りてたら、
ああーっ!という間に150万円・・・って感じ?
 そんなリュウイチくんとは、
比べものにならない“みつぐクン”の話が寄せられた。
世界的スケールだ。
正真正銘『女のために、わたくし、金使ってます』。
私の友人Hさんの友人2人は、
まるで競うように、
頻繁に、
ヒマさえありゃ、
それぞれの‘ヒイキのお国’に飛んでいるそうだ。
Aくんは、
高校時代から、‘金髪好き’。
年季が入っている。
Aくんにとっては、金髪以外の女は、女じゃない。
金髪センモン。
じゃ、あっちに住めばいいんじゃない?
だれか言ってやれよ。
 Bくんは、
さらにマニアックだ。
専門は、
「北欧」「東欧」。
スゴイ先進国でもなければ、
途上国でもない、
なんだか中途ハンパ〜な国の女性がお好み。
どういうこと?
さっぱりわからん。
出張でデンマークへ行って以来、
病みつきになったそうだ。
出張の夜、
Bくんに、一体、どんなイイことがあったんだろう・・・?
デンマークの女・・・。
ぬけるような白い肌・・・。
森の奥深く眠る神秘の湖にも似た○○○・・・。
・・・知りたい。

Aくん、Bくん、
両氏とも独身。
稼いだ金は、
すべて‘ソレ関係’へ、つぎ込んでいるらしい。

そーゆー病気は、
いつかは治るんでしょうかね?


7月12日(土よう日) 日直・橋本
(昨日のつづき)

 ミドリちゃんの相談は、以下のようなことでした。

『結婚しようってぐらいだから、
結婚資金のたくわえが、少しはあるのだろう・・・
と思ってたら、
貯金は、まったく無し。ゼロ。
それどころか、借金が150万円ほど有ることが判った。
ショック。
年収は、300万円にも満たない。
利子がもったいないので、
とりあえず、私が立て替えて返済した。
借用書を書いてもらい、
今は、私に返済してもらっている。
借金のことは内緒にしているらしく、
「お義父さんに事情を話して、結婚式を延期してもらう」
と、私が強く出たら、
「それだけはやめてくれ!」と懇願。
「なぜ借金したの?!」
と、問い詰めたら、
涙ながらに、
「ヨッチャンと出逢ったしまったのが、きっかけ・・・」
とだけ答えた。』

えー、‘ヨッチャン’とは誰かといいますと、
リュウイチくんが、
高校時代からズーッと密かに好意を持っていた女性。
数年前に、
ヨッチャンが離婚して実家に戻っていた時に、
道でバッタリ再会。
以来、
リュウイチくんは、食事・コンサート・グループ旅行などに、
精力的にヨッチャンを誘い、ゾッコン尽くす。
が、2年後、
「もう会いたくない。」
と、ヨッチャンに突然つっぱねられる。
ちなみに、
ヨッチャンは、田中裕子をブサイクにした感じの嫌われ者。
「あの女を連れてくるなら、お前も来るな!」
と、友達連中みんなから言われ、
リュウイチくんにとっては、ツライ立場の2年間であった。

ミドリちゃんの話を続けます。
『リュウイチくんがヨッチャンに貢いで作った借金を、
私は、立て替えた・・・ってわけ。
「肩代わりした借金を返してもらうまでは、結婚しない」
と私が言ったら、
リュウイチくんたら、スゴイうろたえよう。
他の女のためにした借金を肩代わりした私ってバカ。
リュウイチくんが、
「お金が無い、お金が無い」
って言うから、
上京のたびに、私は熊本から野菜などを持ってきて、
彼の汚いアパート(風呂なし・6畳一間)で、
ご飯作って食べている。
なのに、
ヨッチャンには、
銀座で寿司・六本木でフレンチをごちそうしたり、いろいろ尽くしたらしい。
作る時も、材料費は私が持ち、
外食の場合も、支払いは私。
リュウイチは、それが当然だと思っていて、お礼も言わない。
東京・熊本間の飛行機代も、
1度も出してくれたことはない。』

みどりちゃんは、Yさんに
「ヨッチャンにつぎ込むだけで、150万円にもなる?
なんか、他にも借金の理由があるんじゃないか?
心あたりはないか?」
ということも聞きたかったそうです。

熊本くんだりから、野菜や米を持って上京・・・。
戦後の‘買出し’のようです。
お疲れ!ミドリちゃん。
しかも、大散財。ミドリちゃん、金持ち〜。
Yさんは、
「ミドリちゃんとリュウイチくんは、
この先、うまくいくのでしょうか・・・」
と書いておられます。
どーでしょう・・・。
いくような気もするし、いかないような気もするし。
皆さん、どう思う?
「肩代わりした借金を返してもらうまでは、結婚しない」
と言われ、うろたえたリュウイチくん。
逆に、リュウイチくんに言ってもらいたかったよね、ミドリちゃん。
「肩代わりしてくれた借金をキミに返すまでは、結婚しない。
だから、頑張ってスグ返すよ。」って。
2人は、
7月5日に、結納を交わしました。


7月11日(金よう日) 日直・橋本
(昨日のつづき)

 ミドリちゃん(32歳)は、
3年ほど前、
自分の英会話の先生(アメリカ人)と同棲。
ミドリちゃんの住む熊本県は保守的で、
近所のヒンシュクをバンバン買っていました。
でも、
ミドリちゃんは、そんなことには、おかまいなし。
好きな人には、一途に突き進むのさ。
が!
突然の、先生との別れ。
それから3年経ったある日、
ミドリちゃんは、ひょっこり東京に。
仕事関係の知り合いであるYさんを訪ね、
こう言いました。
「誰か独身男性を紹介してください。
熊本には、もう誰もいないんです。」
誰もいないって、あなた・・・。
なんか、
ミドリちゃん、切羽詰った感じ。
Yさんは、
学生時代のバイト仲間である、
リュウイチくん(38歳)を紹介。
1年中ビーサンをはいているからって、
彼が貧乏・・・というワケでは、決して、ありません。
自営業の彼の家は、
家族経営ながら、一応、株式会社。
なので、リュウイチくんも、レッキとした‘会社役員’。
すっかり彼を気に入ったミドリちゃんは、
「熊本に遊びに来てくださいよ〜」
と誘いの言葉。
リュウイチくんは、
「ANAのマイルが貯まってるから、無料で行けるんだ、オレ。」
と、承諾。
で、
約束どおり、後日、熊本にやって来たリュウイチくんに、
ミドリちゃんは言いました。
「付き合って。」
リュウイチくんは答えました。
「オレは、熊本には来れない。それでもいいなら。」
その日から、
4ヶ月間近くにわたる、
ミドリちゃんの‘東京通いby飛行機’が始まりました。
東京滞在中は、
婚約指輪購入・結納の日取り決め・式場予約・新居探し・・・
ミドリちゃん、大忙し。
Yさんは、
「すごいスピードで進展してるなー」
と、少々心配しつつも、
自分が取り持った2人の結婚話を喜んでいました。
と、そんな矢先の
「相談したいことがある。この先どうなるかわからない」
というミドリちゃんからのメール・・・。
Yさん宅にやって来たミドリちゃんの相談事とは・・・
     (つづく)
ヒント:
●1年中ビーサンをはいている
●「無料」が好き
●「オレは、熊本には来れない。」
●「株式会社」だけど、「家族経営」


7月10日(木よう日) 日直・橋本
 掲示板で、Yさんが、

『明日は今秋結婚予定の友人が、家に来ます。
結婚相手も私の友人です(早い話、私が間に入って紹介したの)
彼女は彼に3回目に会ったときに結婚を決意!
(九州と東京なので、3回会うのに3ヶ月かかった)
それが今年の2月。
結納が7月第一日曜。
一見、順調なのに、深刻な感じで
「相談したいことがある。この先どうなるかわからない」
と、彼女からメールがきたのです。
どんな相談かちょっと楽しみ。』

と、お書きになったのを読み、
「結納前に、一体、どんなトラブルが発生したのーー?!
彼女の相談事って、なんだったのーー?!」
と、
他人の‘恋愛不幸話’に目がないアナタのために、
「どんな相談だったか」をご報告します。
「どんな相談だった?どんな相談だった?」
と、Yさんに、昼夜問わず、
メールを送り続けた鬼界事務所に返信されたYさんからのメールは、
プリントアウトすると、
A4サイズ5枚にも、のぼりました(彼女と彼の写真付き)。
紙面(?)の都合上、
ザックリ削ってのご紹介です。
しかも、
明日の日誌で。
ごめんね。
       (つづく)


7月9日(水よう日) 日直・橋本
 テレビのドキュメンタリー番組で、
「ホームレスの‘拾い食い’」を見た。
(「ホームレス」
「失業」
「倒産」
など、お気に入りのテーマはいくつかあるが、
その中でも、
「ホームレス」関連のテーマの時は、
絶対、見る。
なにがなんでも、見るよ、私。)
 マクドナルド前のゴミかごに捨てられた、
ポテトの残りを、
カラスと争って‘拾い食い’してたオジサンは、
「たまには、ハンバーガーも食べたいねぇ」
と、ワガママを言っていた。
 期限切れの為、
従業員がゴミ袋に捨てるコンビニ弁当。
その‘期限切れ弁当’を奪取すべく、
毎日、
コンビニ横のゴミ置き場では、
ホームレスたちの死闘が繰り広げられる。
「ウナギ弁当の時は、ウレシイねぇ。
牛丼は、ウマクねーな。」
と、これまたワガママな発言。

 3日ほど前、新宿で、
‘拾い飲み’を目撃。
テレビではなく、
ナマで。
生まれて初めて。
高島屋ワキの歩道に、
等間隔で、いくつかのゴミ箱が設置されている。
その全部のゴミ箱に、
一様に、
人がへばりついている。
‘ゴミ箱1つ’に付き‘1人’。
「なーにしてんのかしら?
昼間っからゲロ吐いてんのかしら?」
と、確認しに近づいた私。
彼は、
ゴミ箱の穴から拾い上げたドリンク類を、
ゴミ箱上の平面スペースに並べ、
チューチューとストローで吸っていた。
なんか、
「透き通った、プラスチックの入れ物」に入った茶色い飲み物。
高そうなやつ。
スタバとか?
アイス・カフェラテとか?
私だって、飲んだことないのに?
彼は、
その「スタバのラテ」ふうドリンク・カップだけを、
ゴミ箱から拾い、飲んでいた。
ペットボトルの「お茶」とかには見向きもしない、
イッパイ残ってんのに。
他の人にも‘ドリンクの好み’が有るのかな?
有った。
次に私が見に行ったオニイサンは、
ロッテリアのロッテシェーキばかりを、拾い飲み。
どうやら、オニイサンはシェーキ好き。
その日は、
‘ロッテシェーキ半額の日’だった。
なので、ロッテシェーキの飲み残しを捨てる人、多し。
ってことで、オニイサンの収穫、多し。
柑橘系(オレンジなど)ジュースが好きな人もいた。

ホームレスって、
とってもワガママさん。


7月8日(火よう日) 日直・鬼界
六本木ヒルズ53階の展望台のさらに上、
屋上にも展望台があります。(‘東京スカイデッキ’という、これまた、まんまの名前です)

六本木ヒルズのあの高〜いビルの屋上?
ガラス張りじゃなくて、オープンエアー?
うっわぁー、行ってみたぁーい!!

と思うかもしれませんが、絶対行ってはいけません。
必ず後悔します。お金と時間の無駄です。

53階からクロ服のねーさんに「いってらっしゃいませ」と作り笑顔で見送られ、
エレベーターの扉が開くと、
配電盤室か倉庫かゴミ置き場の入り口のようなところへ出ます。
そこを入ると、頭がぶつかりそうな狭い通路と狭い鉄階段があって、
そこを抜けると、屋上です。
尾瀬みたいに、木の板の歩道が作られてるのですが、
眺めが悪い悪い。
歩道の外側に巨大パラボラアンテナがあり、巨大配電盤があり、巨大排気口もあるうえ、
巨大ゴンドラのレールが通り、巨大アームを持つ巨大ゴンドラが動いています。
周りなんか見えやしない。

そのうえ、巨大ゴンドラがうるさいのです。
稼動音ももちろんうるさいけれど、
ゴンドラの運転台にいる人と、アームのさきっぽで作業してる人が
大声で叫びあってるんです。

「そっちはバッテリーいくつになってる?」
「はあ?」
「バッテリーはいくつ?」
「なに?」

「だからあ、バッテリーはいくつかって!」
「バッテリーがどうしたあ?」

「い・く・つ!」
「聞こえないよっっ!!」


通信設備とかないんでしょうか?
バカじゃないの。
僕は伝言係になってやろうかと思いました。

屋上にいたのは、わずか3分ほど。
景色は悪いし、太陽に近いから暑いし、
巨大排気口からは中華・イタリアン・和食の入り混じった匂いがゴゥゴゥと排出されて臭いし、
あんなところにいられません。

そして、53階にエレベーターで下りると、
「おかえりなさい」と、さっきのねーさんが作り笑顔で出迎えてくれます。

それがまたムカつくんだ。


7月7日(たなばた) 日直・鬼界
六本木ヒルズにも行きました。
まず展望台へ。(‘東京シティビュー’という、まんまの名前です)
とにかく驚きますよ、案内係の多さに。

チケット売り場のある3階でエレベーターの扉が開くと、
クロ服のおにいさんとおねえさん(そういう制服なんですね)がずらっと並んでいて、
一斉に「いらっしゃいませっ」と作り笑顔で迎えてくれます。
安モンのディスコの開店かい?

そして、少し離れたところに立っている茶髪でホスト系のおにいさんが
「チケット売り場はこちらでございます」と作り笑顔で案内してくれます。
でもさあ、エレベーターの真っ正面にチケット売り場がどーんとあるから、
めくらでもない限り、バカでもチョンでもわかるんだよね。
ホスト系のおにいさん、まったく意味なし。

チケットを買うと、ジムで働いてそうな健康ハツラツのおねえさんが
「東京シティビューへは、こちらのエレベーターでどうぞ」と
すぐそこにエレベーターがあるのに、わざわざ、どう考えても不必要だけど、案内してくれます。
もちろん、作り笑顔で。

エレベーターに乗り込むと
おたふく風邪にかかった渡辺満里奈みたいなおねえさんが
「いってらっしゃいませ」と
扉が閉まるまで、見送ってくれます。表情はおわかりですね?

53階に行くと、クロ服の案内係がいるわいるわ。
お客さんの邪魔にならないように、
柱の陰、壁のくぼんだところ、通路のわきなど立っているのが
まるでゴキブリのようだ。色も黒いし。

展望台料金が高いのは、こいつらの時給を払うためだったんだ!

と、ちょっぴりムカつくものの、さすがに眺めは素晴らしいっす。
「ああ、東京って、大都会!」って感じ。(当たり前か・・)


7月6日(土よう日) 日直・鬼界
行ってきました、“鬼界家御一行様・TOKIO最新スポット大攻略”。

東京駅に着いた両親と、まずは‘丸ビル’でランチしたのですが、
エスカレーターに乗ってると、父が
「左っ、左っ!!」と大声で叫ぶんです。

は?

歩く人のために左に寄れと言ってるんです。

でもね、お父さん、よく見てください。
右の列も止まったままの人で半分くらい埋まってるじゃないですか。
1時すぎで、5Fのレストランフロアに行くエスカレーターで、
乗っているのは観光客ばかりなので、だーれも急いでないんですよ。
それを、僕だけに「左に寄れ」と言っても、意味ないじゃないですか。

と僕が言おうとすると、母がすかさず

「朝から、あればっかりやねん」とあきれはてて、つぶやきました。

京都駅では、「右っ、右っ!!」と叫んでたそうです。

関西と関東では、‘急いでる人ゾーン’が逆になるんです。
どうやら、父はそのことを誰かから聞いたようで、
その知識をひけらかしたかったんですね。
「私は旅慣れてますから、右っ!左っ!を使い分けております。エヘン。」ってね。

あんたは子供かいっ!!

東京に到着してわずか10分で、これです。
その後の2日間、鬼界家の恥がどれほど東京で披露されたか!

疲れました・・・。


7月5日(金よう日) 日直・橋本
 2日付けの日誌の最後に、
「私が男に生まれてたら、
マゾ女と付き合って、
イジメてたかもしれない」
と書きました。
頂きました、こんなメール。

『男に生まれなくても、イジメることができます。
マゾ男を探しましょう。
友人カップルは、まさにソレです。
人前では、普通。
いや、普通以上に‘亭主関白’かも。
家では、彼女が彼氏を‘殴る蹴るしてる’のを知ってる私は、
可笑しくてたまりません。
彼女は、
すぐキレる人で、
1日1回以上は必ず、彼氏に暴力を振るうそうです。』

なるほどねぇ。
マゾ男・・・。
でも、残念ながら、
私には、
「マゾ男を満足させられるほどの暴力性」は、無いなぁ。
たまに殴ってみたいけど、
年がら年中
「ボクを殴って!イジメて!」
みたいな目でウロウロされたんじゃ、
ウザイです。
しかしながら。
同じドメスティック・バイオレンスでも、
「女が男に暴力を振るう」パターンだと、
ウマくいくんですかね?
女の力じゃ彼がケガする心配も無いし。
昔、ドラマで、
女の人が「お皿を割って怒りを抑える」場面なんかを、
よく見たけど、
そんな「お皿に八つ当たり」しなくても、
怒りのモトである‘彼氏’に、直に、
その怒りをぶつけることが出来るわけだから、
ストレスや怒りが、
一気に解消されてイイのかも。
2人がウマくいく秘訣かも?

たまに蹴らせて下さる男性、募集中。  


7月2日(水よう日) 日直・橋本
 掲示板で
「ドライブ中、
ダンナにチョット文句を言ったところ、
ダッシュボードに頭を打ちつけられた」
という女の人の話を拝読。
ドメスティック・バイオレンスってゆーの?
怖いです、暴力男。
 以前、
一緒にお芝居をやった仲間で、
「青アザが絶えない女の子」が居た。
私以外の皆は、
「S子ちゃんの青アザは、
彼氏に殴られて出来たアザ」
だということが、判っていたらしい。
S子ちゃんの彼氏というのは、
仲間うちでは有名な
「酒を飲むと暴力的になる男」
いわゆる「酒グセの悪い男」
なので、
S子ちゃんが何も言わなくても、
おそらく、そんなことだろう・・・と、
皆は心の中で了解していた、
というワケだ。
私は、
「S子ちゃんの彼が、そんな人」っつーことも知らなかったし、
たとえ知ってたとしても、
「彼氏が、自分の彼女を殴る」なんつーことは、
思いもつかないことだったので、
ある日、
S子ちゃんが、
コントみたいに左目の周りを真っ黒けにして稽古場に現れた時、
私は、ビックリして聞いてしまった。
「S子ちゃん!
なにそれ?!
クマ?」
S子ちゃんは、
「クマは目の下に出来るもんでしょ〜」
と笑ってごまかしたが、
稽古終了後、
「実は、昨夜、彼氏に殴られた」と、
とうとう皆に打ち明けた。
皆が、
「やっぱり・・・!
女の子の顔を殴るような男なんてダメだ!
別れちゃえ!」
と言ったら、
S子ちゃんは、
「別れる?!なんで?酒グセは悪いけど、イイ人だよ。
公演前に顔にアザができたら困るから、
‘顔はやめて’って言うんだけど・・・。」
いやぁ、驚きました、私。
マゾヒスト?
暴力男は、もちろん悪いけど、
「殴りたくなるタイプの女」ってゆーのも居るのかしら。
「私を殴って!イジメて!」タイプ。
私、ちょっと‘サドっ気’あるから、
男に生まれてたら、
そーゆータイプの女と付き合って、
イジメてたかもしれないな・・・。


7月1日(火よう日) 日直・鬼界
それは1本の電話から始まった。

「あのなぁ、今度、東京に行くことにしてん。
案内してんか。ナウいトキオをな。ほな、たのむわ。あ、そうそう、お父さんも一緒やし。」

母だった。

いつもながら突然だ。しかも、強引だ。

「今度、東京に行くことにしたので、案内してほしいんだけど、都合はどうかな?」
と言うのがフツーじゃないだろうか?
いきなり、「行くことにしてん。案内してんか」はどうだろう?

‘ナウい’は死語どころか、すでに歴史的言葉で、
‘トキオ’なんて言葉を使う日本人はこの世にいない
ってことは、まあ、いいとしても、
夫婦そろって来ることを、思い出したように(って、ホントに思い出したんだろうけど・・)
付け足すのは、どうだろう?
「今度、お父さんと一緒に東京に行くことにしたので」
と言うのが当たり前だ。まがりなりにも、長年連れ添ったダンナでしょ。

そんな人なんです、僕の母は・・・・。

と、嘆いている場合じゃありません。
とにかく、ナウいトキオを案内しなければならないんです。
が、
ヴィーナスポートにも渋谷マークシティにも汐留シオサイドにも丸ビルにも
ラキューアにも六本木ヒルズにもディズニーシーにも
大江戸温泉物語にも豊島園庭の湯にも行ったことないっ!!

困つた・・・
‘はとバス’なんかに乗せたら怒るだろうし・・・・
仕方ない、勉強だ。僕はガイドブックを買いに行った。

こうして、“鬼界家御一行様・TOKIO最新スポット大攻略”が始まったのだ。  (第2回につづく)


6月30日(月よう日) 日直・鬼界
ふと見上げると、銭湯の煙突に人が貼り付いていた。
そばまで走っていって見ると、煙突の補修をしているのだ。
煙突のてっぺんから1本のロープが垂れ下がり、
その途中に板がついていて、
それに職人さんが座って、煙突を塗っているのだ。
その板がとても小さい!
ブランコの座り板くらいの大きさしかないのだ。
そこにチョコンと座ってるだけ。
手すりもワクもなんもない。板切れ一枚以外は掴むところも触るところもない。
フラッと後ろへのけぞったら、そのまま地面へまっさかさまだ。
命綱もつけてないように見える。
命綱をつけてないはずないので、つけてないように見える頼りない簡易命綱をつけてるだけなのだ。
大股を開いて、煙突をはさみ、
右足でちょいと蹴っては左へ移動し、左足で蹴っては右へ移動する。
そして、ロープに取り付けられたストッパーを緩めて徐々に下へ下がっていく。
スルスルッと滑らかには下がらない。
ガクッガクッという感じで、少しづつ滑り落ちていくという感じだ。
僕は口をあけて眺めていた。
すると、職人さんが僕に気づいた。
僕はとっさに尋ねていた。

「怖くないんですかぁ?」

いきなりそんな質問もなんなんだが・・・・。

「はあ?」

煙突があまりに高すぎて聞こえなかったようだ・・・

「怖くないんですかあぁぁ?」

僕は大声をはりあげた。
すると、職人さんは

「怖がってたら仕事になんねえよ。」

と怒鳴り返してくれた。
さすが職人さん。すごくシンプルな答えだ。

やってると慣れるのかなぁ・・・?
最初に乗った時はすっげえ怖かったと思うんだけどなぁ・・・。

      

慌てて家に帰りカメラを持ってきたのですが、
職人さんはすっかり下まで降りてきてました・・・・
なんか、あんま迫力ない写真・・・・
あなたのイマジネーションにかかっています、
煙突のテッペン近くでこんな風に吊り下がってるのを想像して、コワ〜くなれるかどうか。

コワ〜くなれた人は感性豊かな人です。
なれなかった人は、・・・・・。


6月29日(日よう日) 日直・橋本
 来月、
友人の結婚式が2つある。
最近は、
7月挙式が流行りなのかい?
なんでもいーけど、
1ヶ月に2回は、
ツライわ〜。
おこづかいが無くなっちゃうよ〜(叫)!
ここで、
金のことより、さらなる私の悩みとは・・・
そーです。
「記帳」です。
結婚式や披露宴の受付で、
「ご芳名帳に、お名前をお書きください」
ってゆー、アレです。
手が震えて、字が書けないんです。
(四六時中、
ブルブル震えてるわけじゃありません。
アハハ、それって面白いね。
でも、字を書く際、震えること、多いです)
4月公演の時、
掲示板にて、
鬼界事務所公演を100回観てくれている(ウワサ)、
親愛なる‘なかねん’さまに、
「サインちょーだい。」
と、おねだりされた私が、
「手が震えて、字が書けにゃいの・・・」
と、つっぱねたことを、
覚えておられますか?
あぁ、一難さって、また一難。
以前、
やはり友人の結婚式に、
右手首に包帯をグルグル巻いて行き、
あたかも「ケガゆえの震え」のように見せかけ、
見事、
カモフラージュしたことがある。
また、その作戦を使うか・・・。
思うに、
あの、受付の人も悪いよ。
人が手を震わせて記帳してるところを、
ジーッと見てちゃイケナイな。
目をそらすとか、
自分も一緒に手を震わすとか、
そーゆー思いやりを持たなくちゃダメだ。
なんか、イイ方法ないですかね?
「あらかじめ家で書いて持って行った「橋本きよみ」という短冊を、
あっちで帳面に貼り付ける」
ってことを、
マジで考えてもいるんだけどね・・・。


6月28日(土よう日) 日直・鬼界
保険証をなくしました。

不思議で不思議でたまらないんです。

今年の春先に新しい保険証が送られてきました。
はっきりした日付はわかりませんが、
名詞サイズに小型化された保険証を見て
「こんなにちっちゃくなったら、ジジイやババアは、すぐ、なくすんじゃねえの?」
と笑った覚えがあります。
そして、台紙からはがさずに、そのまま‘大事なもの引き出し’に入れました。
それもよく覚えています。

そして、昨日、‘大事なもの引き出し’を整理してて気がついたのです。
保険証がない!
僕は今年、まだ医者に行ってません。
サラ金にもヤミ金にも行ってません。
ビデオ屋の会員の更新には、免許証を使いました。
だから、一度も保険証を取り出してないんです。
なのに、ない!
通帳、はんこ、何枚かのキャッシュカードは、そのまま‘大事なもの引き出し’にあります。
保険証だけがないのです。

どういうこと?

医者に行ったのを覚えてないの?
まさかね、そこまでボケてないよね。
保険証が送られてきたこと自体が夢だったの?
まさかね、現実との区別はつくよね。
泥棒に入られたの?
まさかね、保険証マニアの泥棒?

ホントにホントに見当もつかないから、ちょっとコワイです・・・。もしかして、妖精のしわざ?

ちなみに、警察などによると、通帳とはんこは別々に保管するのが常識だそうです。
でもさぁ、そんなめんどくさいことやってる?
やってる人がいるとは思えないんだけど・・・。


6月27日(金よう日) 日直・橋本
(昨日のつづき)

 職業‘会計コンサルタント(自称)’の彼は、
代々木上原に5LDKのマンションを借りて住んでいた。
A子さんが、その部屋に引っ越し、
2人の結婚生活がスタート。
 新婚生活初日から、
それは始まった。
朝7時、
なんの前ぶれもなく、
ダンナの母親がやって来た。
A子さんにとって‘義母’となったコノ人は、
2人のマンションの近所に、1人で住んでいる。
ダンナは一人っ子。
‘母一人、子一人’の男と結婚することに、
多少の不安を持ったA子さんだが、
「親とは完全別居」という男の言葉で、
「それなら大丈夫だろう」
と思い、
結婚を決意したのだった。
義母は、
2人の部屋の合鍵を持っているので、
ピンポ〜ンもせず、
勝手に鍵を開け、ズカズカ入ってくる。
A子さん、びっくり。
「朝食を作りに来てあげた」
と義母。
ダンナはというと、
別に驚いたふうもなく、
平然と新聞を読んでいる。
あ然と見守るA子さんを尻目に、
義母は、
息子のために朝食の膳を整え、
お給仕をし、
お茶をいれ、
そして、帰って行った。
 夜。
ダンナが仕事から帰ってきた直後、
義母が、またやって来た。
自分で鍵を開けて。
「夕食を食べに来た」
と義母。
そして、
洗面道具・パジャマ持参の義母は、
その晩、泊まった。
夫婦の隣りの部屋に。
これが、
毎日続いた。
義母の歯ブラシは、
当たり前のように、洗面台の歯ブラシ立てに。
洗顔料・化粧水等も、しかり。
 1週間後。
A子さんは、‘離婚’を決意。
「とにかく、
この部屋を出よう!」
と、(私にとっても友達である)友達のYを呼びつけ、
自分の荷物を運び出すのを手伝わせた。
その日、ダンナが帰ってくる前に、
A子さんの物は、すべて部屋からなくなった。
もちろん、A子さん自身も。
 Yは、
この
『結婚後、1週間で離婚したA子さんの話』
を私に聞かせてくれた際、
「まるで夜逃げみたいだったよ。
しかし、ヤダねぇ、マザコン男。
新婚旅行を熱海にさせたのも、義母だったらしいよ。
なんか、
深夜、2人の部屋の様子をうかがったりとかもしてたらしいし。」
と。
「えっ?!
なになに?!
ノゾキ?どーやって?!」
と、私は当然、聞きました。
Yは、
「あ?詳しいことは聞かなかった。悪いしね。」
だと。
・・・もったいない。
なぜ、つっこんで聞かないかねー。
夜逃げの手伝いまでしたんだから、いーのよ、何を聞いても。
そーゆーところを聞かなきゃダメだ。
日誌を書かなきゃいけない人と、
そんなもの書かない人との‘ドン欲さ’の違いか?
話がそれました。
教訓です。
●マザコン男は、サイテーだ。
●ウマイ話には、ウラがある。
●アセると、ロクなことにならない。


6月26日(木よう日) 日直・橋本
 以前、
日誌に書いた、
「お見合い42回めで、
‘カツラをかぶったチッサイおっさん’をあてがわれ、
がく然とし、
‘私には、もう、こんなヤツしか来ないんだわ・・・’と、
結婚をあきらめかけたモデル系美女」
の話。
その続報です。
この美女は、
私の友達の友達。
私は、
会ったことも見たこともないけど、
背が170cm近くある、
マジ、美人だそうです。
A子さんとしましょう。
A子さんは、
それでも最後の力をふりしぼってトライした43回目のお見合いで、
ウソのような理想的男性に当たった。
過去42回、
回を重ねるごとに、
目に見えて落ちていった、相手の男のランク。
それが、どうよ、
43回目にして、やっと来たクリーンヒット。
いや、特大ホームラン。
まさに3高。
高身長、高学歴、高収入。
あぁ、生きててよかった。
捨てる神あれば拾う神あり。
出口の無いトンネルはない。
即、結婚を決めた。
挙式関連のもろもろの事も、
2人で順調に決めていった。
新婚旅行も、
‘ヨーロッパ周遊’に決定。
が、しかし、
彼の仕事の都合で、変更。
どこに?
熱海。
3泊4日。
マジかよ。
あたみだよ、あたみ。
ヨーロッパが熱海になるか?ふつー。
ウソくせぇ男だ。
A子さんも、ここで
「やややっ?!」
と思うべきだったのだ、今思えば。
       (つづく)


6月25日(水よう日) 日直・鬼界
昨日の日誌は少々、下品な方向へ流れてしまったので、
今日はマジメにいこうと思います。

洋式トイレで小さい方をする時なのですが、

(おいおい、結局、トイレ話かよ!!)

どこにめがけて発射すればいいのか、いつも困ってしまいます。

たとえば、友達の家でトイレを借りたとします。
水たまり部分に発射すると、ジョボジョボジョボッ という、水をたたくものすごい音が
リビングにいる友達に丸聞こえで、とても恥ずかしいです。
(狭い飲み屋、狭い定食屋、そしてなにより、ホテルでもこの問題が発生します)
女性の方は「水を流しながらやればいい」と、おっしゃるかもしれません。
が、タイミングがむつかしいのです。
水を流してから、おもむろにファスナーをおろし始めると、
小をしてる途中で必ず、水は流れ終わってしまい、ジョボジョボ音がむなしく響き渡る結果となります。
ファスナーをおろし、ナニを取り出してから、水レバーをひねろうとすると、
片手でナニを支えることになり、狙いが定まらず、便器の外へOBしてしまうことしばしばです。
女性の方は「両手で支えるまで発射をガマンすればいい」と、おっしゃるかもしれません。
が、そんなこたあできないのです。
物心つく前からの習性で、‘取り出す→発射’は一連の動作として脳にインプットされているのです。

それなら、便器の水たまり部分ではなく、土手部分にめがけて発射すればいいのでしょうか?
実はこれにも問題があります。
土手部分は曲面になっているため、反射の方向が読みにくいのです。
ヘタなところに当ててしまうと、はね返りがすごくて、トイレの床を濡らしてしまいます。
ペーパーで床を拭く羽目になってしまい、必要以上の時間がかかります。
「こんなとこに来て、この人、ウンコしてんの?」などと思われてはたまりません。
また、床を濡らさなくても、はね返りでズボンにしみをつくってしまい、
「そんなに慌てるほど、この人、がっついてんの?」などと思われてもたまりません。

ジョボジョボ音を気にせず、男らしく、大胆になれれば、
なーんの問題もないのでしょうが、
小心者の僕にとっては、永遠の大問題です。


6月24日(火よう日)  日直・鬼界
そして、昨日の日誌についてもお答えをもらったぜえー!!


サイフォン方式とは、高低差(圧力)を使って水を動かす方式を言います。
美人とは関係ありません。
トイレにある管と下水はサイフォン方式で繋がってて
高低差を利用した管のつなぎ方で
トイレのところの排水箇所に常に水があるのだす。


簡潔な説明で、いまいちよくわからないのですが、
もしかして、
石油ストーブに手動ポンプで灯油を入れるとき、
最初2,3回、ポンプの頭(というか、空気袋部分というか、単1電池のケースみたいになってるところ)を
ペコペコ押して、灯油の流れをつくってやると、
その後はポリタンクからストーブに灯油が自然に流れていく、
あの現象をサイフォン方式と業界では言うのですか?

ってことは、どういうこと?

洋式トイレの水たまり部分が、ポリタンクの灯油にあたるわけ?
そこから管がいったん上にあがってから、地下の下水管に繋がってるってこと?
(直接、下水に向かって真下へ繋いじゃうと、高低差もくそもないもんね)
つまり、ウンコもいちいち、鯉の滝のぼりみたいになってるわけ?
便器や管をガラスで作って、シースルーにすると、
豪快なウンコの滝のぼりが見られるんだ。
たまーに、途中で切れないで円筒状の長ーいウンコが出ることがあるじゃない?
そんなときは、ウミヘビの滝のぼり状態?

サイフォン方式って、奥が深い気がする。


6月23日(月よう日) 日直・鬼界
すっげえー、おとといの日誌についてお答えをもらったぜえー!!


それはですね
排水が繋がってる(つまり、下水管が繋がっている)近くのトイレで
誰かがトイレを使用したんですね
トイレって匂いがかえってこないために
サイフォン方式になってるので
近くのトイレを使用すると圧が変わって
きかいさんの家のトイレ(まぁ他も)もゆ〜らゆ〜ら
するんですねぇ


せっかく回答をいただいたのに、いまいちわかりません・・・。
「サイフォン方式」ってのが、???です。
「サイフォン」は、
下からアルコールランプであたためて、コポコポとコーヒーをいれる、あのサイフォンですよね?
あのサイフォンのどこが匂い防止になってるんですか?
そもそも、あれってどうやってコーヒーをいれてるんですか?
そもそも、サイフォンって、実際に見たことねえや。
ドラマとかの喫茶店のシーンでヒゲのマスターがカウンターでサイフォン使ってんのを見ただけだ。
なんか、サイフォンって、すっごいめんどくさそうなイメージがある。
でも、おいしいコーヒーがはいりそうなイメージもある。
サイフォンを使ってるマスターは、人はいいんだけど、なぜか無口なイメージがある。
そして、そのマスターは暗い過去を背負ってそうなイメージもある。
ある日、「・・・ご無沙汰してます」と美人が尋ねてきそうなイメージもある。
マスターと美人の間には、なんともいえない空気が流れるのだが、
バイトのみっちゃんは全然気づかないで、「マスタァ〜、すっごい美人のお客さんですねぇー」
などとのーてんきに言いそうなイメージがある。
美人が何も言わないのに、マスターはブルマンbQを入れ始めるのだ、愛用のサイフォンを使って。
そして、美人のセリフ「覚えていたのね・・・」

この美人がトイレの匂い防止と、どう関係あるのですか?


6月22日(日よう日) 日直・橋本
 5日〜9日付けの日誌に
「突然の偏頭痛にノタうちまわるY美のために、
救急車を呼んだはイイが、
救急車が来る前に、
あっけなくY美が治ってしまい、
仕方ないので、
私がY美の‘替え玉’として‘偏頭痛患者’になりすまし、
まんまと救急車に乗り込み、
見事、
医者をだまくらかした」
というエピソードを書いた。
その最後は、
「期せずして、
今回のレントゲン撮影によって、
私の“脳に異常なし”が証明された。
しかし、
実際、検査すべきだったのは、Y美なのでは・・・?
彼女の‘深夜の激痛’の原因は、一体・・・?」
と結んだ。
その日誌を読んだY様から、
こんなメールを頂きました。

『久しぶりにまとめて日誌を読みました。
しかし気になるのがY美さんの脳です。
私も頭痛もちでめまいもよくしますが、
吐き気は無いですよ。
まりりんさんの脳が何もないってことが確認できたのは、
いいけど。。。』

ありがとう、Y様!
私は、
あなたのメールに、心打たれました。
特に、
「まりりんさんの脳が何もない」
という箇所にシビレました。
♪そーでぇーす
わったしの脳は、何もない〜
スッカスカ〜
空洞でぇーす♪
なんだか、
私の‘真実’を知ってもらえたようで、
妙に嬉しいのは、
なぜでしょう。


6月21日(土よう日) 日直・鬼界
僕はトイレにブルーレットを使ってます。
ビタミンBを飲んだ日に、濃〜い黄色のオシッコをすると、
便器に溜まった水がみるみる緑色になります。
青に黄色を混ぜると、緑になるんだぁ。
美術の勉強を実生活で体験できる瞬間です。

と、そんなことを書こうとしたのではありません。
常々、感じているトイレの疑問があるのです。

用も足していないのに、
洋式トイレに溜まっている水がユラユラ揺れていることありませんか?
波のように左右に揺れているのではなく、
上下というか、
今にも吸い込まれそうな感じでヒクヒク動いているのです。
あれはどういうことなのでしょう?
トイレの管というのは常に排水しようとする力がかかっているのでしょうか?
それなら、洋式便器に溜まっている水が常にヒクヒク動いてなければなりません。
でも、ヒクついてるのは、たまになんです。
もしかして、管がビミョーにつまりかけてるのでしょうか?
完璧につまってるなら、配水しようとする力は便器のたまり水まで及びませんが、
管と‘つまり物’の間に少しすき間があったら、
そのすき間を通して、「排水しようとする力」と「つまろうとする力」の引っ張り合いが発生し
たまり水の水面がヒクヒク揺れるのでしょうか?

洋式トイレに入り、水面がヒクついてると、
ファスナーを下げる手を途中で止めて、水面をみつめ、いつもこんなことを考えてます。

そんなことしてるのって僕だけじゃないですよね・・・?


6月20日(金よう日) 日直・鬼界
6月12日の日誌に書いた‘カラス事件’がその後どうなったか、
公団の掲示板を見に行った。
ありました。その後の張り紙が。


長い間、住みついていて攻撃してきたカラスも
居なくなったようです?(カラスの声はしますが)
最近ではなかった静かな団地に戻りました。
中庭に小鳥も来るようになりました。もう安心だと思います?
長い間、ご迷惑をかけ申し訳ありませんでした。
本当によかったと思います。  管理人、鈴木


この張り紙を見た人全員が言いたくなりますね。
結局、カラスは居なくなったの?もう安心なの?
どういうつもりで「?」を使ってるのか、さっぱりわからん。
鈴木さんの張り紙にはいつも笑わせられる。

と、本来ならこれで終わりのはずが、
それ以上のことがあったのです。

掲示板の手前に、広めの駐輪場(屋根つき)があるのだが、
そこで化っ粧のすげえ濃いオバサンがひとりで空手の練習をしていたのだ。
もちろん空手着を着て。
もちろん下には白Tシャツ着てます。(よかった・・)
「スーハー、スーハー」と呼吸を整えながら、
「ハッ」とか気合をかけて、正拳で突いたりしてるのです。
でも、チークは真っ赤かに塗ってるし、唇も真っ赤かだし、
アイラインとかもビシッといれてるし、マユもキチッと描いてるんですよ。
おっかしくない?
もちろん、空手やってるから、はだしです。
でも、すぐ横に金ピカのヒールが置いてあるんです。
自分の部屋からここまでは空手着にそのヒールをはいていらしたんですか?
ちょっとキチガイっぽくない?
僕があっけにとられて見つめていると、
そのオバサンは僕にまじめな顔でペコリと会釈をした。
さすが武道家、礼儀だけは心得てるんだ。


6月19日(木よう日) 日直・橋本
 13日付け日誌に登場のH子。
「手作り料理で、
彼のハートを射止めよう」
と企てたH子。
H子のモクロミ、大失敗。
初デートは、
‘新宿の飲み屋’となってしまった。
そりゃ、そーだよね。
初デートで、いきなり、女の人んちにノコノコやってくるような男じゃね。
「紀伊国屋で7時に待ち合わせ♪」
と嬉しそうにH子は出かけて行った。
それから5時間後、
H子から、再度、電話。
「家に12時に着くから、
来て。報告聞いて。」と。
明るい声なので、
「とりあえず、今日のデートはウマくいったんだな」
と安心しつつ、チャリでH子宅へ。
H子が買って帰ってきたワインを飲みながら、
報告を聞く。
結果から言えば、
H子はフラれた。
彼には、一緒に住んで数年になる彼女が居た。
H子が仕事で彼を知って1年、
恋心が芽生えて3ヶ月。
H子は失恋した。
「言いたいこと、ハッキリ言えて、スッキリした」
と、明るく、
面白おかしく、デートの様子を報告するH子。
強気のH子のことだから、
メソメソした‘失恋報告’は有りえないが
それにしても、
H子は明るかった。
 朝、H子からメールが来ていた。
「きよみ、ありがと。きよみが帰って、さっきシャワ−あびてたら涙がいっぱいでてきた。
これでなんにも思い残す事ない。また、大人になっちゃった   H子」
H子、我慢してたんだ。
可哀相だったな・・・。
今日は、
H子のことばかり考えて、私は、元気がない。
自分が失恋したみたいだ。


6月18日(水よう日) 日直・鬼界
パソコンの時計って、なんであんなに狂うの?
パソコン画面の右下すみに時刻が表示されてますよね。あれのことです。
先週、合わせたのに、すでに2分も遅れてる。
1週間で2分も遅れる時計って、今どきないぞ。
パソコンはハイテク技術の集大成じゃないの?
それがなんで、電池を替え忘れた目覚ましみたいに遅れんの?狂いすぎ。
そのくせ、外国でも使えるようにタイムゾーンがやたら選べるのだ。
(右下すみの‘時刻’をダブルクリックしてみてください。時間合わせの画面が出ます)
中国時間とかサウジアラビア時間とかアメリカ時間とか、
そんなありきたりものじゃない。
「エニウェトク、クエジェリン」から「ヌクアロファ」まで、
世界72地域の時刻に合わせられます。
「エニウェトク」ってどこだよ?
「ヌクアロファ」ってなんだよ?
生まれてこのかた、そんな名詞、聞いたこともないぞ。
そんな地域の時刻に合わせるヤツが日本に何人いる?
必要あんのか?
そもそも1日は24時間だろ?
時差は24通りしかないってことだ。24の地域で選べるようにすれば充分じゃん。
72個も地域を列記してどうすんの?
72時間も時差がある地域があるわけ?
意味ないじゃん。

なんか間違ってると思います。
エニウェトク時間を表示できるパソコンを作る前に、
正確な時計を作るのが先ではないでしょうか?


6月17日(火よう日) 日直・橋本
 おとといの日誌に関して、
メールを頂いた。
『橋本さんは、オペラがお好きなんですか?』
と。
オペラ?
好きじゃないです。

オペラ歌手は、太ってる。
(あれだけの声量のためには、必要なのでしょうが。)
その、太った男女がピッタシほっぺたくっつけて、
悲しげ〜に、ささやくよ〜に、デュエットしてると思っていたら、
突如、
激昂。
いきなり、
バカデカイ声張り上げて、
親のかたき討ちみたいな顔で唄いだす。
びっくりすんだよねぇ。
で、
また2人かけ寄り、ヒシと抱き合う。
キチガイ。
まさに‘アホ貴族のヒマつぶし’だっただけある。

でも、
ナマのパヴァロッティは、スゴかったです。
「青年将校」の役。
ふざけろよ。無理だよ、オッサン。
どうまちがっても、青年には見えない。
「青年将校!」と呼ばれて、
いよいよ、パヴァロッティが舞台に登場。
ヒゲはやした百貫デブのオヤジが、
パツンパツンの衣裳着て、
ヨチヨチびっこ引いて出てきたときは、
思わず笑った。
で、いきなり唄いだす。
‘青年’なのに、まったく動かず。
びっこだから。
たーだ唄うだけ。
でも、
スゴイ。
その、声。
世界一デカイ声。
で、「歌をうたってる」んだからねぇ、
たーだデカイ声出してるだけじゃないんだからねぇ、驚いちゃうよ。
鉄工所の工員あがりなんでしょ?(ガセネタ)
どうやって、あんな声を手に入れたんでしょ?
普通のオペラ歌手とは、なんか違う。
他の歌手は、ノドに悪いことは一切しなさそうだが、
パヴァロッティは、
「こいつ、
これ1曲唄い終ってソデにひっこんだら、
タバコ、バカスカ吸って、
ワインとか飲んじゃうんだろうなぁ。」
って、思っちゃうもんねぇ。
「必死じゃない」感じがして、イイんだよねぇ。
「なのに、世界一」ってところが。
私にとっては、
変わった生き物、まさに‘珍獣を見る喜び’。

オペラファンの方々、ごめんなさい。
楽しみかたは人それぞれ・・・ってことで、お許しを。


6月16日(月よう日) 日直・鬼界
お食事会の帰り、地下鉄に乗った。
先頭車両から、20歳くらいの女の子が新宿駅で降りようとしたとき、
腕にかけていたジージャンがするっとすべり、
電車とホームの間に落ちてしまった。
女の子がオロオロしていると、運転手が窓から顔を出した。
事情を聞いた運転手はすぐさま、近くにいた駅員にジージャンを拾い上げるように指示。
マジックハンドの親分みたいなのを使って駅員が無事ジージャンを拾い上げた。
線路に物を落とす瞬間を初めて目撃したし、
線路から物を拾う場面にも初めて遭遇した。
なかなか手際のいいものだ。
その間、約3分。
列車は当然、停まっていた。

じゃあ、もしですよ、
サッカーボールを落としても、拾ってくれるのだろうか?
ジャージャンは真下に落ちるから、簡単に拾えるが、
サッカーボールははずんでしまって、どこに行ったかわからない。
駅員さんが線路に下りて探してくれるのだろうか?その間、列車を停めて?
じゃあ、もし、
ウサギを落としてしまったら?
駅員さんが線路に下りてきたら、ウサギはピョンピョン逃げるから、なかなか捕まらない。
捕まえるまで、列車を停めて待っててくれるの?
じゃあ、もし、
アリを飼ってるガラス箱を落としてしまったら?
エチオピア原産の絶滅寸前のアリで、1匹も逃がしてはいけなかったら?
駅員さんが総動員され、アリを捕まえてくれるのだろうか?
少なくとも数時間はかかるだろう。
その間、全線の地下鉄を停めて待っててくれるのだろうか?

都心の交通をマヒさせるテロに使えるのでは?アリテロ?


6月15日(日よう日) 日直・鬼界
あるお食事会に参加した。
6時集合なのに、数時間も前から来てる人がいた。
なにをしてたんですか?と尋ねると、
「本当は、お芝居を見てからここに来るつもりだったんだけど、
グズグズしてるうちに、どうしてもお芝居に間に合わないことがわかったの。
でも、家を出たの。」
他になにか用事があったのですか?
「なんにも。ただ、家を出たの」

この時点で僕は????だった。
2時には新宿にいらしたそうだ。4時間もあるじゃん!
ほんでもって、べつに何をするあてもなく、ですぜ。
なんで?
家を出るのを、4時間遅らしゃいいんじゃないの?
が、この方は違うのです。“常識”は通じません。
いろいろ話を聞いた。

4時間、何をしてたのですか?
「とりあえず、献血に行ったわ」

け、献血ぅ?
この方は献血マニアなのだそうだ。献血手帳はすでに3冊目に突入。
都内の各献血ステーションは制覇している。
その経験によると、渋谷の献血ステーションが一番いいらしい。

なにがいいのですか?
「飲み物が飲み放題なのは当たり前だけど、
ミスドとアイスが食べ放題なの」

え?経費がかかって仕方ないじゃないですか?
「べつに‘食べ放題’って書いてあるわけじゃないのよ。
‘お召し上がりください’って書いてあるだけ。
だから、普通の人は1個か2個しか食べないの。
でも、何個までって書いてないじゃない。だから、私はお腹いっぱい食べるの。
お金のないときの、献血は最高よ」

発想としては、‘売血’ですね。
第二次大戦後の混乱期には、血を売って生活していた貧しい人が大勢いたそうです。

が、この方は貧しいどころか、
つい先日、新築マンションを購入されたばかりなのです。

ドラマに出てくるような、真っ白な壁のステキなマンション。
18畳のリビングには、シーリングファン(天井にとりつける扇風機の羽根みたいなアレ)が回り、
アスパラソバージュのパスタとワインをディナーに召し上がってるそうです。

でも、月末にはキャベツに塩をふりかけ飢えをしのぐこともたびたびだそうです。

金持ちなんだか貧乏なんだか、わかりません。

客船で世界一周の船旅をしたこともあれば、
ゴキブリが顔の上を這いまわるアパートで暮らしたこともあるそうです。

窓のすぐそばを新幹線が通るので、
セクシーランジェリーを着て窓辺にたたずむことを現在計画中だそうです。
「動体視力のいい人だけが楽しめるの」とおっしゃってました。

理解するのは不可能ながら、なかなかステキな女性です。


6月14日(土よう日) 日直・橋本
 私の友達の友達に、
Y田さんという「クラシック音楽の評論家」
が居る。
テレビや雑誌でも活躍しているようだ。
私にとって、
‘評論家’ほどキライなヤツはいないが、
‘クラシック音楽’の評論家は、
別。
許す。
っていうか、
ありがとう。
あなた達のような人が居ないと、困る。
映画などの評論家は、いらない。
見る目もないのに、文句ばっかりたれやがって、
「じゃ、おめーに創れんのかよ。
創ってみろよ。」
と言いたくなるが、
クラシック評論家は、
基本的に、
‘解説係’だからね、
「オペラの楽しみ方」
「交響曲は、こう聞こう」
とか、
そんなのを、本に書いてるもんね。
「クラシック」という難しい分野には、
なんやかやと説明してくれるナビゲーターが必要だ。
 そのY田さんと、
ひょんなことで、お食事する機会があった。
ワインをガブガブ飲みながら、
「クラシック音楽における、私の疑問」を、あれこれ質問。
(例:
「オーケストラの大ダイコやシンバル、トライアングルの人は、
楽しくてやっているのか?」
「メインの楽器の人と、給料は同じなのか?」
「バイオリンとかがヘタだから、
シンバルとかにまわされてしまったのか?」)
何でも答えてくれるのがスゴイ。
そして話題は、
「三大テノール」に・・・。
その中の一人、
「パヴァロッティ」は、
私も、ニューヨークでナマを観ている。
オペラ界の王者パヴァロッティは、
金にまかせて美味いものを食いすぎたのか、デブデブ。百貫デブ。
で、
太りすぎでヒザにきたのか、ちょっと足を引きずる。
しかし、
その声は、他の追随を許さない、まさに世界の王者。名唱。
あっぱれ。ブラボー。
CDだって数枚持ってる。
だが、
Y田さんのパヴァロッティへの思いは、そんなもんじゃーない。
Y田さんは、日本で屈指のクラシック評論家。
その人が、恋焦がれるパヴァロッティ。
あぁ、それなのに。
私、酔っちゃったんだねぇ・・・
普段、私が呼んでいる‘パヴァロッティの愛称’を、
思いっきり言いまくり。
「びっこのデブ」。
Y田さん、顔面蒼白。
‘私なりの愛情表現’と弁解しても、あとの祭り。
あきらかに、お怒りのご様子。
もう一生、会わないね、おそらく、Y田さんと私。
口は災いの元。
通じるユーモア、通じないユーモア、
通じる相手、通じない相手。
よーく見極めよう。
反省。


6月13日(金よう日) 日直・橋本
 友人H子(おとといの日誌に登場)が、
「手料理を食べさせてあげるから、おいで」
と、私を家に招いたのにはワケがあった。
H子は、
最近、好きな人が出来、
その人に手料理を作ってあげようと計画。
で、
その練習として作った料理を、私に試食させ、
感想を聞こう。
そう、考えたのだ。
彼が、
「この前、飲みに行った店、料理が美味かったなぁ。
サトイモとタコを煮たヤツ、ウマかったなぁ。
サトイモとタコって合うんだねぇ。」
と言っているのを、
小耳に挟んだH子は、
早速、
“サトイモとタコの煮たやつ”に挑戦!
というワケだ。
なので、
私の前に並んだ、H子の手作り料理は、
“サトイモとタコの煮たやつ”ばかり3品。
トマトソースでイタリア風、
ゴマダレを効かせた和風、
大根おろしが決めての‘揚げダシ’風。
どれもウマかった。
(私、タコには目がないし。)
「料理本のレシピどおりに作っただけだよ〜」
とH子は謙遜しつつ、
とても嬉しそうだった。

あれは、ずーっと前の大晦日。
けっこう好きだった男の子。
「彼は、
今年の正月は帰省しないで、東京に居残り」
という情報を聞きつけた私。
「‘年越しそば用’に、どうぞ」
と、
私は、何を差し入れたと思います?
‘どんべえキツネうどん’。
バカでしょ。
‘どんべえタヌキそば’なら、まだしも・・・。
「これは‘おせち’」
と、
新宿三越の「閉店まぎわのタイムサービス品」の
‘洋風おせち〜オードブル盛り合わせ〜’を。
「手料理を差し入れしよう」
なんて発想は全くなかった、私には。
今思うと、
その人、不憫・・・。
カップ麺なんて、もらっても嬉しくねーよね・・・。
H子に好かれた彼は、幸せだ。


6月12日(木よう日) 日直・鬼界
最近、近所にある古い公団アパートの屋上に必ず2羽のカラスがいて、
時おり、通行人に襲いかかる。
僕は攻撃を受けたことはないが、
「キャッー」という悲鳴がしばしば聞こえ、
様子を見に行くと、(つい見に行っちゃうんだよね、こーゆーの好きだから、僕)
必ず、「カラスが突然・・」などと興奮して話している。
ごく最近の現象だ。
なんだろう?
東海大地震をカラスの本能が予知しているのか?
それとも、4年遅れで空から魔王が降ってくるのか?

と、思っていたら、公団の掲示板に張り紙を発見。


『当公団内にてカラスの人への攻撃が増えています。
6月6日夕方、業者の方が来てくださり、カラスの巣を撤去していただけることになりました。
もう少しの間、ご注意ください。』


そして、もう1枚の張り紙


『昨日、カラスの巣を撤去した為に、
親カラス(?)2羽がいらだっており、たいへん攻撃してきます。
注意ください。
この状態は1週間位は続くそうです。』


なるほど、そーゆーことだったのか。
が、この2枚の張り紙、言葉づかいがビミョーに変だ。
・業者にそんなにへりくだることないんじゃないの?金払ってんでしょ。
・『たいへん攻撃してきます』という日本語はないです。


6月11日(水よう日) 日直・橋本
 「私の手料理を食べさせてあげるから、おいで」
とH子が言うので、
昨夜、近所に住む、そのH子の家に行ったら、
H子が、
「私が料理を盛りつけてる間に、
この洗濯物をほしてちょーだい」と・・・。
大量の洗濯物をほすハメになった私。
なんでも、仕事が休みだったので、
溜めに溜めた洗濯物を一気に洗ったそうだ。
3回、洗濯機を回したらしい。
スゴイ量だ。
 
 実は、私は、洗濯物をほすのが大キライ。
『「洗濯機に入れて、ほす」
この作業までは好き・・・。
でも、
「とりこんで、たたんで所定の位置にもどす」
この作業が大嫌い。』
と言っている友人も居るが、
私は、断然、
「ほす」のがキライ。
‘洗濯ほし器’っていうの?あの、洗濯バサミがイッパイぶらさがってるヤツ、
あれに、ほすのがキライ。
バスタオルやら、Tシャツやら、パジャマやら、下着やら、
大物から小物に至るまで、
あの限られた数の洗濯バサミに、
残らず吊るしきらねばならない。
この‘配分’を考えるのが、
エライ面倒。
「バスタオルには4つ」などと、
最初のほうは、ぜいたくに洗濯バサミを使っていて、
最後にきて足りなくなったら、大変だ。
しかも、
‘ほし器’が傾かないよう、
バランスも考えねばならない。
かなり「頭をつかう」作業だ。
大キライ。
 
 そんな私が、
洗濯機3杯ぶんの洗濯物ほし・・・。
あぁ、ツラかった。
「‘ほし器’が2つと、
針金ハンガー5本を使って、ウマク考えてほして。
さぁ、ほせるかな〜?」
とH子。
‘クイズゲーム 難問篇’じゃないんだから。
バスタオルにも、洗濯バサミの割り当ては、1個だけ。
そんなんで、‘ほした’と言えるのかい?
1本の線になってるよ、バスタオル。
パンツは5枚一緒に、ムリヤリ1個の洗濯バサミに。
ブラジャーたちは、‘ほし器’本体に乗せる感じで。
ホント、疲れた。
「ほし作業」・・・
よけい、キライになっちゃったじゃん・・・。


6月10日(火よう日) 日直・鬼界
新宿駅に行くと、掃除のおじさんが、また、階段をホウキではいていた。
「また」というのは、
僕が新宿駅へ行くたんびに階段掃除にぶつかるのだ。
朝夕のラッシュ時間にはやらないのだろうが、
中途半端な午前中とか昼過ぎに行くと、新宿駅ではたいてい階段掃除をしている。

あなたも思ったことありますよね?
「正直言って、あれはやめてほしい」と。

そりゃあ、駅をキレイにするのは大事だけど、
人が絶え間なく上り下りしてる階段をこれでもかとホウキではくのはどうだろう?
ゴミはピンピン飛んで来るし、
ホコリがもーもーと舞い上がるのだ。
太陽の角度によっては、超大量のホコリがキラキラと見え、
「えげっ!こんな中を通るの?肺が腐りはしない?髪の毛が真っ白にならない?」
と恐怖を覚えます。
遠くで思いっきり息を吸い込んでおいて、
掃除している階段は鼻から息を吐き出しながら走り抜けます。
それでも鼻がなんだかムズムズします。
リップなんぞを塗っているときは、
唇にホコリがすっごーく吸着したような気がして、たいへん気持ち悪いです。

なんとかならないでしょうか?
掃除機を使うとか、モップにするとか。。
そもそも、そんなに汚れてないんだから、あんなに掃除することないのでは?

いや、あんなに掃除してるから、そんなに汚れてないのか・・・。


6月9日(月よう日) 日直・橋本
(おとといのつづき)

 「体温35度1分?
低すぎ。
ダメだ、この体温計、壊れてる。
でも、ま、いーね、どーせ熱ないんでしょ?」
デブ君、どんどん、なげやり。
‘優しいオジサン’のほうは、
そんなデブ君から私をかばうように、
「気持ち悪かったら、これに吐いてね。」
と、ゲロ袋をくれた。
例えウソでも、‘病人’の私。
オジサンの優しさが身にしみた。
(その優しさに報いようと、
「ゲロ吐き」に2,3度トライしたが、
何も出ず。)
私の症状を詳しく聞きただし、
病院へ連絡し、
3つの総合病院の名を候補に挙げ、
「どこにする?」
とオジサンが聞いた。
Y美が「近いので、K病院にしまーす」と即答。
K病院へ向け、ようやく救急車は発進した。
 10分弱で病院に到着。
よくドラマやドキュメンタリーで見るような、
“運ばれてくる急患を待ち構える医師・看護士ら”
などは、
だーれも居なく、
救急車から降りた、オジサン・デブ君・Y美・私の4人は、
トボトボと「急患出入り口」へ歩いた。
オジサンが先導し、
デブ君は私のヒジをつかんで、
「急患をいたわり気遣いながら歩く救急員」の形をとって。
考えてみれば、
デブ君たち救急員も、肩身が狭いだろうな・・・。
大げさにサイレンを鳴らして連れてきたのが、
「ふつうに歩ける、ただの頭痛の人」ではねぇ・・・。
こっぱずかしいよねぇ。
重症患者をカッコよく運び込みたいよねぇ。
お気持ち、よーくわかります・・・。
にわかに、仲間意識。
運命共同体。
4人は、寄り添うように病院内へ。
やって来た看護婦が、
たまたま通りかかったふうにも取れる感じで
「あ?頭痛の患者さん?こちらの方ね?」
と私を引き取る。
一方、オジサンとデブ君は、
「つまらないモノですが」という感じで恐縮しつつ、
私を差し出す。
「じゃ、お大事に」と、逃げるように去って行った。
 診察する医師の前に出たら出たで、
さらなる‘頭痛芝居’が必要だった。
はなから「たかが頭痛だろ?」というような態度の、
イヤミな若ゾウ医者との一騎打ちなのだ。
負けるもんか。
なんとか「脳のCTスキャン(レントゲン)」まで持っていけた。
お金がかかるが、
こうなったら、お金よりもプライドが大事だ。
レントゲンの撮影技師は、
12チャンのドラマ『愛と誠』で、
「早乙女くん、僕は、君のためなら死ねる!」
とバカゼリフを吐いた岩清水クンに似ている、
ヘンな髪型の人だった。
出来上がったレントゲン写真を持って、
再び、医者の前へ。
イヤミ君は、言った。
「ほーら、見てー。きれーな脳でしょー?」
 病院からは、歩いてY美んちに帰った。
途中のファミレスでモーニングを食べて。
疲れた。グッタリ。
その日の午後、
保険証を持って、病院へ支払いに。
5770円取られた。
Y美は自分が全額払うと言ったが、
ワリカンにした。
ムリヤリ救急車を呼んだのは、私だもんね、仕方ない。

今、ふと思った。
私が全額払うべき?
期せずして、
今回のレントゲン撮影によって、
私の「脳に異常なし」が証明された。
望んでやったものではないにしても、
その「脳の検査代金」として。
Y美は検査してない。
だから、払う必要ないのでは?
それと・・・、
実際、検査すべきだったのは、Y美なのでは・・・?
彼女の‘深夜の激痛’の原因は、一体・・・?


6月8日(日よう日) 日直・鬼界
つづきものに割り込んでまで書くこともないのだが、
髪の毛を切りに行った。

シャンプーしてもらうと、わかるよね。
この人、いい美容師になる、とか、こいつはダメだ、とかさ。
僕のシャンプーしてくれた、にいちゃんは、
腰に鍵束をぶら下げていた。
こういうのが流行ったのって、ちょっと前じゃない・・・?
ま、いいか。ファッションじゃなくて、実際に鍵を大量に使う生活をしてるのかもしれないしね。
と、納得してみたけど、
ジャラジャラ、うるさい。
僕のすぐ耳元で、にいちゃんが動くたびに、ジャラジャラ、ジャラジャラ。
しかも、このにいちゃんがよく動くんだ。全体的に力も入ってるし。
スポーツやってたに違いない。
イスを倒すとき、ふつーは、頭の下に手を差し入れて、そぅーっとゆっくりやるでしょ。
このにいちゃんは違うもんね。
大胆に一気に倒して、僕の頭をがっちりつかまえてるんだ。
それが、バスケットボールの持ち方と同じなの。
指を全部いっぱいに開いて、両手で僕の頭をはさみこんでます。
僕の頭はパスされちゃうのかと思ったぜ。
もちろん、シャンプーも力入ってる。ゴシゴシ、ガシガシ。さすがスポーツマン。
そして、最後にバスタオルで拭いてくれるんだけど、
これがボウリングのボウルの拭き方なの。
拭いてるっていうより、磨いてるって感じ。キュッキュッキュッ。
人間の頭髪を扱ってるとは思えない。

悪い人じゃないんだけど、美容師には向いてないね。

PS:いつも髪の毛を切ってくれてた人が7月いっぱいでやめちゃうんだって。
ショック・・・
「僕のこの顔に似合うように切ってくれ」っていうだけで
いい具合に切ってくれる人だったのに・・・。
美容師やめて、クロネコやまとで働くんだって。なぜ??


6月7日(土よう日) 日直・橋本
(昨日のつづき)

 「友達であるY美んちに泊まりに来ていた私は、
睡眠中、突然、ヒドイ頭痛に襲われ、救急車を要請。」
ということにしよう!
さっき私がかけた救急車要請の電話で、
「住所」「急患の名前・年齢」を聞かれ、
私は、
Y美のマンションの住所、Y美の名前・年齢を言った。
「私は友人です」と言った覚えもある。
あの電話は、
「私ではなく、Y美がかけた。」
ということにしなければならない。
電話では、
「場所は?」と聞かれたY美が、
自分の住所を言った流れで、カン違いをして、自分の氏名・年齢を述べつつ、
「私の家で、友人が激痛を訴えているんです!」
と説明した・・・
ということにする。
私とY美は同い年なので、年齢に関しては問題ない。
 両手で頭を押さえ抱え込むようにしゃがむ私と、
私の背中に手を置き、
心配そうにのぞきこむY美の、
2人の前で救急車は停まった。
「○川さんですね?」
白衣を着た男が2人、降りてきて尋ねた。
「はーい!○川でーす!」
私と一緒にしゃがんでいたY美が、
ピョコーンと立ち上がり、明るく答えた。
ちっ。
ほーんと、ダメだー、こいつー。
「とにかく、
心配そうに、不安げに、くら〜い感じで。」
と、あれほど念を押したのに。
それでなくても、「頭痛」なんて甘く見られがちだ。
「瀕死の重症患者」に比べたら、
だいぶ、ブが悪い。
へも同然だ。
「ちぇっ、頭痛かよ。そんなもなぁ、ほっときゃ治るんだ。
救急車なんか呼んで大騒ぎしやがって。」
と、心の中でさんざんコケにしているにちがいない。
こうなったら、頼れるのは自分だけだ。
ひとりで暗くするぞ。
私は、しゃがんだまま、思わず片手を地面に着き、
ゲーッした。
救急員2人は、私に近寄り、
「気持ち悪いの?大丈夫?じゃね、車に乗って。歩ける?」
と、両側から私に手を添え、
大きく開いた後ろの扉から、私を車内に。
私は、
両手で頭をギューッとおさえ、
半分、シロ目をむき、
ハァ・・ハァ・・・と苦しげな息を吐きながら、
車内の寝台に倒れこむように座った。
「苦しい?寝ちゃったほうがラクかな?横になる?」
激痛に耐える苦渋に満ちた顔で、私は、
「よ、よこになる・・・」
と答え、あおむけに。
「失礼しまーす」
と乗り込んだY美が、いそいそと私の足元に腰掛けた。
「じゃ、ちょっと、いろいろ伺いますからね、
もうちょっとガマンしてね、
それによって病院に要請しなくちゃならないからね」
2人の救急員のうち、片方は優しいオジサン。
もう片方のヤツは、
大きなマスクで眼しか見えないが、
「あんた、たいしたことないんじゃねーの?」
と、私の正体を既に見破っているような眼をした、
チョットあなどれないデブだ。
そのデブが
「ちょっと体温を測って。」と言うので、測った。
「私の、平熱は36度6分くらい。高い方だ。
しかも、今、けっこう興奮しているし。
ま、恥ずかしくないくらいの数値は出るだろう。
37度3分くらいはいくかな?」
と予想しつつ、体温計を返した。
デブは、数字を読んで冷たく言った。
「35度1分。」
なんじゃ、そりゃーー?!
      (つづく)


6月6日(金よう日) 日直・橋本
(昨日のつづき)

 「ピ〜ポ〜ピ〜ポ〜」は、
だんだん近づいてくる様子・・・。
私たちのところに向かってる車に違いない。
生まれて初めて呼んだ救急車・・・。
夢にまでみた私の‘初・救急車’。
 激痛でノタうちまわるY美を、
 救急員が素早くタンカに乗せ、
 「付き添いの方はっ?!」
 と叫ぶ。
 「はいっ!私です!」
 と、Y美の手を握りしめ、答える私。
 「では、ご一緒に病院へ!」
 と促され、
 Y美を乗せたタンカと共に救急車に乗り込む。
 酸素吸入器をあてがわれた苦しげなY美。
 そして、
 「頑張って!もうスグ病院に着くからね!」
 と、励ましの声をかけ続ける私。
 2人を乗せた救急車は、
 猛スピードで、早朝の街を走り抜ける・・・・・。
と、こうなるはずだった。
「救急車に乗ってみたい。
でも、自分が救急患者になるのはイヤ。
‘友達が運ばれる時の付き添い’っつーのがイイな。」
と、常々思い描いていた理想と、
ピッタシの状況・・・のはずだった。
まさに、待ち望んだ‘対岸の火事’。
なのに・・・。
なんなの、なんなの、なんで神社の鳥居の前で突っ立ってんの、Y美とあたし。
中身スケスケのビニールバッグを手に、ボ〜ッと立つY美ちゃん・・・。
今から豊島園のプールにでも行くのかよ、おめーは。
こんなヤツが救急車を呼んだと知ったら、
さぞかし怒られるだろうなぁ・・・。
「ひやかしですか・・・。」
ぐらいは言われる?
「罰金を払いなさい。」
とも言われるかも。
あぁ、なんで、こんなに早く治ってしまったのか、Y美の偏頭痛。
偏頭痛・・・。・・・そうだ!
私がY美になりすまそう!
「ケガ」じゃない!「頭痛」だ!‘替え玉’が可能だ!
こうなったら、
私が‘急患’になるしかない。
       (つづく) 


6月5日(木よう日) 日直・橋本
 友達のY美んちに泊まった。
朝5時半頃、
Y美のうなり声で目が覚めた。
見ると、
Y美は、ベッドの上に上体を起こし、
頭を両手で押さえながらウンウンうなっている。
「どしたの?!」
と聞くと、
「頭が痛い」
と半泣きで答えた。
「なんで?!」
「わかんない・・・寝てて急に痛くなって起きた・・・」
ズッキズッキと大きく脈を打つような痛さから、
どんどんヒドクなって、
頭の横がギリギリと、割れるように痛くなっている・・・
と苦しそうに訴えるY美。
「偏頭痛には、よくなるけど・・・、寝てて痛くなったのは初めて・・・。」
と。
そう言っている間も、
ほとんど、のた打ち回るようにY美は、頭を抱えて苦しがった。
ビビリました、私。
こういう場面、ドラマで見たことあります。
突然、頭の血管がブチ切れて、
痛みに頭を押さえながらのた打ち回った揚げ句、
ポックリ逝くのです。
ひえ〜!
Y美は、
「吐き気がする・・・」と言い出し、
両手で抱えた、その頭を、便器に突っ込むようにして吐いている。
ヤバイ〜!
そうだ!
救急車を呼ぼう!
こんな時に呼ばずして、いつ呼ぶのだ?!
今が、その時だ!
勇気を出して呼んでみよう!
私がシッカリしなければ!
「ヤダ!恥ずかしい!たいしたことない!少しすれば治る!」
あくまでも救急車を呼ぶのを拒むY美に、
「漫才の‘三球・照代’の照代さんは、
今のY美と同じような頭痛の直後、ポックリ死にました。」
と諭した。
Y美は、やっと、しぶしぶ承諾した。
「・・・じゃ、
恥ずかしいから、マンションの近くの神社に着けてもらって。
そこまで歩いて行く。
サイレン消して来てって言って。」
Y美が顔を洗い、パンツを履き替え(なぜ?)、髪の毛を整えるのを待って、
いざ、119番に電話。
生まれて初めて電話しちゃった。
「もしもーし、消防車ですかぁ、救急車ですかぁ〜?」
こっちの動揺と焦燥をあおらぬようにする為か、
わざとノンビリ、ゆっくり応対するのねぇ、電話番(?)の人。
Y美の症状なども説明し、
電話をきった。
ほっ〜。
「‘救急車を呼ぶ’って、とんでもなくスゴイことだと思ってたけど、
やってみると意外と出来ちゃうね。
運転手に‘呼び賃’って払うのかな?
いくらかな?」
などと話しながら、神社へ。
そこで重大なことに気がついた。
「Y美、
全然、あたま痛そうじゃないんだけど?
まさか、まさか、治ってしまったのではーー?!」
驚愕する私の顔を見て、
どうやらY美も気づいたらしい。
「私、治ってるーーー!?」
でも、お互い怖くて、その事実を確かめ合えない。
よくよくY美を眺めてみた。
どこもかしこも平気っぽい。
どころか、
朝日を浴びて、爽やかな感じ。
洗顔したからだ!
(ちくしょー。
私は、顔も洗ってねーぞ。)
しかも、Y美ったら、ちょっとコジャレた格好。
もっと病気っぽいカッコしてこいよ。バカたれ!
ヤバイ〜。
どっこも悪くない、ふっつーの状態の人が、
神社の鳥居の前で、救急車を待っている・・・。
マズイ〜。
と、その時、
遠くでピ〜ポ〜ピ〜ポ〜と・・・。
         (つづく)


6月4日(水よう日) 日直・鬼界
6/1の日誌に対してメールをいただきました。


セコムさんのつけてるカメラって、ずっと監視してくれてるんじゃなくて
ガラス割って侵入しようとする人に機器が反応したら
セコムさんが慌ててカメラを見てくれたりする仕組みじゃないの?
あと、録画してくれてたりするんじゃない?
で、大体が泥棒さんが帰ってからセコムさんは来るらしい。
だって、警察じゃないからセコムさんが早く着いて
泥棒さんに何かされたらえらいことだもんね。
ニュースでセコムさんが撃たれたとか聞いたことないもんね。
そんなもんさ。
それでもステッカーの威力とかはあるんだろうけど。。。
まぁそんなもんさぁ〜  きっと。


あの日誌を書いたあと、あれこれ考え、
もしかしたら・・・・とは思っていたのですが、やっぱりそうなんですかね。
‘セコムならではの24時間監視!’という宣伝文句はウソ?
「もちろん、泥棒には入られます。
ただ、カメラが録画してたので、捕まえやすいです。」ってこと?
それはどうだろう・・。
じゃあ、逆に、セコムのステッカーが貼ってある家には、
変装して泥棒に入れば捕まらないのだろうか?
ダース・ヴェイダーのカッコとか?
ピカチューの着ぐるみとか?
問題は、指がうまく使えないので、引き出しの中の指輪などは盗めないことだ。
ま、いいか、冷蔵庫や洗濯機を盗めば・・・。

結局、セコムに入ったほうが安全なの?
ピカチューに狙われるから、かえって危険なの?
セコム関係者の方、ご意見お待ちしております。


6月3日(火よう日) 日直・橋本
 テレビショッピングで、
目覚し時計を売っていた。
「イギリス・ライオネル社の創立100年記念商品」だそうだ。
おもちゃのような時計。
セットした時刻になると、
時計の周り(直径:約50cm)を、
汽車が、いきなり走リ出す。
けたたましい音と共に。
録音に失敗したような“汽車の走る音と、汽笛”音。
大音響。
あれ、ビックリして飛び起きるね、絶対。
心臓に悪い。
年寄りだったら、死ぬかもしれない。
テレビショッピングのCM映像では、
少年が、ベッドの上で飛び起きざまに、
サイドテーブルに置いてあった野球帽をかぶっていた、
パジャマのままで。
ビックリしちゃったんだねー、かわいそうに。
「お子様も大喜び!
こんなカッコイイ音で起きたら、
今日も1日ハッピーデー!」
と、ナレーションは言っていた。
ほんとかよ。
けたたましけりゃイイってもんじゃないよ、目覚し時計は。
 で、
先週、目覚し時計を買った。
アラーム音は、「波の音」。
売り場で試した時は、イケルかなと思ったんだけどな・・・。
使い始めて、今日の朝で4日めなのだが、
すっごいムカつく、波の音。
考えてみると、
「波の音」っていえば、心地良い音。
眠りさえ誘う場合もある。
「その‘本来は心地良いはずの音’を、
‘たたき起こすのが目的のアラーム音’に使う」
ってのが不自然だわ。
矛盾だわ。
優しい笑顔でチクチクいじわるされるようなもんだわ。
偽善者だ、この「波の音目覚し時計」は。
超寝起きの悪い私は、
少しでも気分良く目覚めたいの。
ないかしら?
ゴキゲンで起きられる目覚し時計。


6月2日(月よう日) 日直・鬼界
気がつくと、もう6月で、今年も半分終わりだ。
え!?マジ?って感じ。
ついこの前、お正月だったじゃない?
そうだよ、一番最近映画館で見た映画が『マイノリティー・リポート』だぜ。
あれを見たのがお正月さ。
つい先日見た、と思ってたら、半年前なの?もう?
なんで?
銀行のキャッシュコーナーの列に15分も並んで待ってると、
永遠に待ってるって気になるのに、
半年たつのは、あっという間なの?
半年間でなにか成長した?
もし、1日15分英会話をやってれば、今ごろはペラペラになってたわけ?
もし、毎晩お風呂上りに柔軟体操してれば、柔らかい体になってたの?
でも、やってないから、英語はしゃべれないし、体は硬いまんまだ。
こうやって、なにも成長しないで、今年も終わるのかな・・・。


6月1日(日よう日) 日直・鬼界
最近、‘セコム’のステッカーを貼った家が多い。
窓や戸が開いたら反応するセンサーがついてるし、
24時間監視のカメラも設置されている。
物騒なアジア人が急増してるから、
セコムに加入する人も急増しているにちがいない。

が、それぞれの家に取り付けられたカメラの映像を
いったい誰が監視してるのでしょうか?
ものすごい数ですよ。
一戸建てはもちろん、セコムやってるマンションだって、いっぱいある。
体育館ほどの大きな壁に、ケータイの画面くらいのモニターがびっちり並んでるのだろうか?
それを端から順番にチェックしてるのだろうか?
すべてのモニターを見るのに、5時間くらいかかるだろう。
そのすきに、物騒なアジア人は泥棒しほうだいなのでは?
それとも、すっごい大勢でモニターを見ているのだろうか?
壁の前にセコムの制服を着た監視員が200人くらいいて、
満員電車状態でモニターをチェックしてるのだろうか?
隣りの監視員の口が臭かったら、どうする?
口臭に耐えながらのモニター監視。たまらんね。ゲロ吐くね。

うーん、どうなってるんだろう?
とても気になる。


5月31日(土よう日) 日直・鬼界
台風だ。
子供の頃、台風が来るたびに、僕の母親は
「ぜったい、窓を開けたらあかんで。家が飛ばされてしまうからな。」
と必ず注意していた。
窓から大風が吹き込んで、そのまま家が飛ばされてしまうらしい。
母親は真剣に言ってたし、
僕も信じきっていた。
もし、なんかの間違いで窓が開いてて、家が飛ばされかけたら、
反対側の窓を開けよう。そうすれば助かるにちがいない。
そんな非常事態の対応策まで考えていた。

が、本当にそんなことがあるのだろうか?

「台風4号が上陸。500世帯が床上浸水。7世帯が飛翔。」

こんなニュースは聞いたことがない。

うちの母親が独自に考え出した台風被害だったのかしら?
聞いたことありませんか?

そして、台風といえば、雨漏りだ。
僕の家は、まとまった雨が降ると、すっぐに雨漏りした。
「また、漏ってるわぁ」
と、当たり前のように、タオルを敷いた洗面器を置いていたが、
今、考えると、恐ろしい。
雨漏りというのは、屋根のすき間から雨がはいり、天井裏にどんどん水がたまり、
たまりきれなくなった水が漏れ出してるってことでしょ。
天井裏はいったい、どういう状態だったの?
ホコリにまみれた汚水がグジュグジュとたまってたわけ?
一種の沼状態?
オエッ!
そして、そんなものが、すぐに乾くはずもない。
快晴になって、「あぁ、やっぱり、いい天気は気持ちいいねぇ」
などと喜んでいるとき、天井裏はヌルヌルで、カビがはえたり、コケがはえたりしていたの?
ウゲッ!
知らないでいるってことは幸せなことだ・・・。


5月30日(金よう日) 日直・鬼界
遠くのほうで犬が鳴いている。
現在、5月30日午後10時30分だが、9時すぎからずっと鳴いている。
最近、鳴きっぱなしだ。
午前、午後、夕方、夜、とにかく、思い出したように鳴いている。

‘オンオンオン、オンオン、オンオンオンオン’

って感じ。

‘オンオン、オンオン、オンオンオンオン’や‘オンオン、オンオン、オンオン’

もあるが、やっぱり一番多いのは

‘オンオンオン、オンオン、オンオンオンオン’ のパターンだ。
リズム的にしっくりくるのだろう。

なんで、犬の鳴きパターンを分析しなきゃいけないんだ?
って書いてるあいだも、鳴きっぱなしだ。
「バカ犬」なんて、生易しい言葉じゃ言い表せないね。
あれは凶器ですよ。「犬型生きる凶器!」

ねえ、飼い主さん、なんとかしてよ。
エサやってないんじゃないの?散歩してやってないんじゃないの?
犬なりに、すっごいストレスたまってんだよ。
隣りの家の人は気が狂っちゃうよ、きっと。
お前んちに放火するよ、きっと。
そうなる前に、ねえ、飼い主さん、なんとかしてよ。
犬はね、言葉が話せないの。
だから、鳴くしかないの。一生懸命、なにかを訴えてるの。
犬を飼ってんだったら、ちゃんと面倒みないとね。
ねえ、飼い主さん、早くなんとかしないと、オレが放火に行くからね。
優しい言葉を使ってるけど、
内心ホントはすっげえムカついてますんで、なんとかしないと、マジで火をつけるからね。
そこんとこ、夜露死苦。


5月29日(木よう日) 日直・橋本
(昨日のつづき)

 今から2ヶ月近くも前の‘4月7日付け読売新聞’に載った
「鬼界事務所4月公演ご招待券プレゼント」に、
なにをどう間違えて、
S様が、今、応募してきたのかは、
いくら考えてもわからないので、
それは、さておきまして・・・
よくよく、おハガキを見ると、
S様ってエライかも。
“応募の動機”というか、
“私、こーゆー理由で、招待券が欲しいんでーす”
を、ちゃんと述べたりして。
私だったら、
「6月7日 7時の回を希望。」
と書くだけだ、きっと。
 そういえば、
4月7日の記事掲載直後、
多数の応募ハガキが届いたが、
“応募の動機”を書き添えてある人は、けっこう多かった。
「学生時代、
下北沢で、よく観劇しました。
久し振りに行きたいです。」
とか、
「今回の招待券で観て、面白かったら、
そちらの劇団のファンになりたいで〜す。」
とか。
(人の足元見ちゃって。
弱みにつけ込んじゃって。
いや〜ん!)
こんな人もいた。
「私は、寝たきりです。
嫁は、そんな私の世話にかかりっきりで、なんの楽しみもなく、(中略)
そんな嫁を喜ばそうと、内緒で、こっそりこのハガキを出しました。
私の嫁さん孝行に、どうか一助を下さいますよう。
89歳、男性。」
(ホントかよ。
ハガキは、誰が出しに行ったのさ。
と疑った私は、人非人?)
ま、このオジイサンはおいといて、
たとえば、
「あっら〜、こんな人に観てもらいたいわ〜」
っちゅうような真摯なハガキだったら、
「よーし!これ、当選!」
ってなっちゃうよね、やっぱ。
動機を書かないまでも、
お花の絵で囲ったり、
似顔絵入りだったり、
皆さん、自分のハガキが目立つようにいろいろ工夫なさってる。
やっぱり、
こーゆー努力をしないと、
抽選って当たらないのかしら。
‘抽選のプロ’によると、
「当たるハガキの書き方」ってあるらしいし。


5月28日(水よう日) 日直・橋本
 5日ほど前、
「鬼界事務所 読売係御中」という宛名で、
事務所にこんなおハガキがきました。

『希望日時は6月7日 午後7時の回です。

結婚して、明日で、1年7ヶ月になります(ハートマーク)
でも、籍を入れただけなので、
結婚式もしていないし、
ハネムーンへも行ってません。
それどころか、
お互い、日々の生活に追われていて、
2人で一緒に出掛けたことも数えられるくらいしかないんです・・・。
何かきっかけがあれば、
2人でお出掛けできると思いますので、
ステキなデートをするチャンスを下さい。
よろしくお願いします。』

どうやら、
「公演ご招待」への応募ハガキのようです。
昨日のミーティングで、このハガキを見せられた時、
「げっ!
6月に公演やるの?!」
と、思わず叫んだ私もアホですが、
このハガキの差出人のS様も、
一体、どうしたことでしょう。
確かに、
先月の公演前、読売新聞に、
公演情報とともに「観劇ご招待券プレゼント」という記事が載りました。
「公演日は4月16日〜20日。
ご招待は平日のみ。」と。
4月の7日とかに。
もう、はるか昔さ。
公演もとっくに終わっちゃったさ。
もう6月さ。
なのに、なにさ、このハガキ。
ど〜ゆ〜ことかしらん?
さっぱり、わからん。
たとえば、
S様が、新聞記事の数字を、全部読みまちがえて、
「鬼界事務所の公演って、6月4日〜8日なのね」
と思ったとしよう。
で、希望日時は「7日」だって。
しかし、
6月7日は土曜日だから、
記事の「ご招待は平日のみ」にハズレている。
で、
「7時の回」希望だって。
これまたハズレ。
記事には、「7時半」と載っていたはずだ。
・・・S様。
1個も合ってません。
合ってるのは、鬼界事務所の住所だけです。
どーゆーこと?
というわけで、S様、
ごめんなさい。
残念ですが、お役に立てません・・・。
ステキなお出掛けのきっかけ作りは、
どうか他をあたって下さい。


5月27日(火よう日) 日直・鬼界
  いざ!甲子園へ  涙の場外乱闘篇
こんなメールをもらいました。

「けっきょく、野球は見たんですか?」

ま、ま、ま、ま、ま、ま、ま、ま、ま、ま、ま、ま、ま、ま、マジ?

ガックリというか、ゲンナリというか、悲しいです、僕は。

なんでなんでなんでなんでなんで?なぜ?why?

このメールをくれた方だけが、世界でただ一人の特別な人
ってわけじゃないのかな・・・?
もしかして、こういう風に思ってる人が他にもいるってことですか?

問題:鬼界クンが残念そうに言いました。「僕もラーメン食べたかったなぁ」
    さて、鬼界クンは、ラーメンを何杯食べたでしょうか?

・・・・・答えがわからない人、います?

こわいなぁ、ドキドキするなぁ、
「わかりません」って言う人がいっぱいいたらどうしよう・・・?
鬼橋日誌、やめるか・・・

大丈夫ですよね?わかってますよね?答えはもちろん、2杯半です。



ウソだぴょ〜ん。


5月26日(月よう日) 日直・鬼界
  いざ!甲子園へ  その6
電話は、マネージャーからだった。

「もしもし、鬼界です」
「なにしてたのっ!ぜんぜん繋がんないじゃないのっ!!」
「すいません、ケータイの電池が切れちゃったんです」
「先週うけたオーディションなんだけど、カメラテストがうまく撮れてなかったんで、
明日の17時に、もう一度来てほしいんだって。」
「ええっっ!!だって、スケジュールはオフだったじゃないですか。」
「仕方ないじゃない。ダメなの?」
「実は今、関西にいるんです」
「急用?」
「急用と言えば、すごい急用なんですが・・・・」
「なに?」
「明日、阪神の試合を見ようと思って・・」
「アハハハ。大事な用事かと思ったじゃないの。じゃあ、明日、大丈夫ね?」
「・・・・・・」
「阪神と仕事とどっちが大事なの?」
「阪神です」
「・・・そう、わかったわ。鬼界くんたら、ホントに仕方ないんだから。
でも、好きなものがあるって、いいことよ。
監督にはうまく言っとくから。思いっきり応援してらしゃい。」

こういう具合に話が進めば、よかったんですが、
現実は甘くありません。

「明日、阪神の試合を見ようと思って・・・・」
「アハハハ。大事な用事かと思ったじゃないの。じゃあ、明日、大丈夫ね?」
「はいっ!もちろんです!」
「野球のチケット買ってたんじゃないの?」
「そんなもん、捨てちゃいますよぉ。たとえ、星野監督からじきじきに電話がかかってきて
『鬼界くんに明日の試合を見てもらわないと、阪神は優勝できないんだ』
と泣いて頼まれたって、僕は東京に戻りますよぉ」
「アハハハ。鬼界くんって、おかしいわね。じゃあ、明日よろしくね。」

電話を切って、僕はへこんだ・・・。

本当に星野監督から電話がかかってきたら、応援に行くね、絶対・・・

でも、現実には、かかってこないんだよね、絶対・・・

ま、そういうもんだよね・・・

そして、次の日、僕を乗せたひかり116号は、定刻どおり発車した。
甲子園とは反対方向の東京に向かって・・・。


5月25日(日よう日) 日直・鬼界
  いざ!甲子園へ  その5
さて、「運命を変える電話」とは、いったい何なんでしょう?
気になりますねぇ。
早く知りたいですねぇ。
が、今日はせっかくの日曜日。この連載も一息いれて、
「運命の電話」のことを書く前に、大阪のスポーツ新聞のお話をしましょう。

って、じらしてるだけやんけっ!

僕は5月20日のスポーツ新聞を4紙、買った。
その見出しは、

‘阪神、優勝へ快進撃!’
‘星野監督、大丈V’
‘阪神・球団オーナー激白「優勝へ突っ走れ」’
‘頼むぞ、浜中、今日もHR!!’

すごいっす、阪神一色です。
念のために申し上げますと、
この前日の19日は、阪神の試合はありませんでした。
それどころか、完全オフで練習さえしてません。つまり、記事になるようなことは皆無。
なのに、阪神が1面を独占。
ついでに申し上げますと、
この前日の19日には、オリックスが7点差をひっくり返して、
奇跡の大逆転をしています。
オリックスは神戸の球団です。
なのに、完全無視。試合のなかった阪神に負けてます。
全紙とも、2面も阪神、3面も阪神。
日刊スポーツなぞは、4面まで阪神オンリーで、
パリーグは5面のみ。しかも、大リーグと一緒くた。
日米あわせて36球団でたった1ページなのに、
試合のなかった阪神が4ページ。
ちょっと不公平すぎない?

さらに、芸能欄を見ると、

‘阪神、優勝決定!’
‘タイガース、V確率100%’

などと書かれている。

なんのこと?

日曜(18日)の阪神ー巨人戦の視聴率が今期最高の30.6%をマーク。
(関東地区は、17.7%)
瞬間最高視聴率も46.7%に到達したのだそうだ。
で、なにが‘阪神優勝決定’なのかというと、

「タイガースが優勝した85年の5月18日は、阪神ー巨人戦の視聴率が38.3%を記録。
その時点での最高視聴率をマークした。
今年も同じ5月18日に今季最高視聴率を記録。
この符号は単なる偶然ではない。阪神優勝のサインだ。」

ってことなんですって。
すっげえこじつけ。
でも、大マジで書いてあるんです。恐るべし、大阪のスポーツ紙!

文化の違いとか、そういうレベルじゃないですね。
阪神がからむと、東京人と大阪人は、地球人と火星人くらい違います。
ほとんど理解不能。

では、話を元に戻しましょう。
「もしもし、鬼界です。・・・・・・ええっ!」
それは運命を変える電話だった。  (つづく)


5月24日(土よう日) 日直・鬼界
  いざ!甲子園へ  その4
「ケンチキ、ってなに?」
「えぇぇぇっっ!!ホンマに、ケンチキ、知らんの?鬼界くんって、関西出身ちゃうの?」
「そ、そうやけど・・・」
「ケンチキいうたら、ケンタッキーフライドチキンのことに決まってるやんか!常識やで。」

本当?
「ケンチキ」なる言葉を使う関西人にお目にかかったことがない。
てゆうか、「ケンチキ」なんて言葉、生まれて初めて聞いたぜ。

「マクドはわかる?」
「マクドナルドやろ」
「そうそう。ほんなら、ファスキチ、ミスタド、サーティー、ロッテリ、ミンミンは?」

なんとなくわかりますよね?
しかし、サーティーワンをサーティーと略していいものだろうか?
数字が減っとるやんけ!
そして、ロッテリは、‘てっちり’と同じイントネーションで発音してください。
ほうら、東京のロッテリアとは似ても似つかないモノになりさがったでしょ。
ハンバーガーというより、草団子が出てきそうでしょ。
でも、「ミンミン」がわからない。

「ミンミンって、なに?」
「マジっ?ミンミン知らんの?5のつく日は餃子が無料になる、‘ギョーザの眠眠’やんか」
「へぇ、そっかぁ・・・って、略してへんやんけっ!!」

さすが、関西人。
なにげない日常会話にボケが入ってます。

そして、友達の行きつけの店に晩御飯を食べに行った。

と、その様子をじっくり書き出すと、この連載が秋まで続いてしまうので、カットします。

僕は帰宅した。
さあ!いよいよ、明日は甲子園だ!
ノドから血が出るくらい阪神を応援するんだっ!!鬼界、燃え尽きます。

あ、そうだ、ケータイの電池が切れてたんだっけ
と、充電を始めた瞬間、ケータイの着メロが鳴り響いた。

「もしもし、鬼界です。・・・・・・・ええっ!」
それは、運命を変える電話だった。  (つづく)


5月23日(金よう日) 日直・鬼界
  いざ!甲子園へ  その3
大阪駅中央口を出て、左を見ると、それはあった。

噴水があって、そのほとりに大木が生えていて、
大木の枝が噴水の上に伸びていて、その枝には葉っぱが繁っている。

こう書くと、ふつーだ。森の中の待ち合わせ場所みたいで、オシャレな感じさえする。
が、現実は大違いなのだ。

まず、噴水。
ワンカップ大関のビンと、エビスビールの空き缶と、キリン淡麗の空き缶がプカプカ浮いている。
いつも浮いているそうだ。
そのせいか、水がなんだかネッチョリした感じだ。
にごってるわけでも、汚れてるわけでもない。なんかネッチョリした感じ。
そう、腐った水に似ているのだ。
そして、その腐った水の真ん中で、六方向に噴水が噴出していてのだが、
ものすごーい中途半端な水量。
55才の男性の立ちションと同じくらいの量と勢いでジョボジョボと水がもれ出ている感じ。
やる気をなくさせる噴水だ。

そして、その横にそびえる大木。
なぜか、銀色に塗りたくられているのだ。
その銀色も薄汚れて、グレイシルバーというか、
20年くらい掃除してないアルミサッシみたいになっている。
もちろん、枝も葉っぱも、きっちゃない銀色に塗られている。
誰の趣味だよ?
てゆうか、意図がさっぱりわからない。
なんで銀色に塗る必要が?木は茶色で葉っぱは緑でいいじゃん。

さらに、おぞましいのは、
その銀色の大木に照明が当てられているのだ。
‘赤→緑→黄色→青’のローテーションで照明の色が刻々と変化していく。
当然、照明もホコリだらけで、
よどんだ赤、くすんだ緑、じじむさい黄色、けがれた青の光が木を照らしている。
不気味としか言いようがない。
悪魔の木をイメージしているのか?

この噴水を作った人はキチガイに違いない。

あ、そっか、だから、キチガイ噴水と呼ばれてるんだ!

しかし、そんなキチガイ噴水の周りには待ち合わせの人がいっぱいいる。
こんなところで平気で待ち合わせをする大阪の人もどうかと思うけど・・・

と、僕が口をあけながら、ぼーぜんと噴水を見つめ、そんなことを考えていると、
「お待たせっ!」と友達が僕の肩をたたいた。

僕はいきなり、まず聞いた。「ケンチキって、なに?」  (つづく)


5月22日(木よう日) 日直・鬼界
  いざ!甲子園へ  その2
新大阪駅のおみやげコーナーをのぞいてみた。
昨日書いた、車内販売や車掌は夢だったが、ここはホントにすごい。
阪神まんじゅう、阪神クッキー、阪神せんべい、阪神プリン、阪神あられetc
‘阪神’と名の付くものがギッシリ並んでいる。
さらには、「星野仙一だいふく」や「仙ちゃんたこ焼き」まである。
(ちなみに、星野仙一とは、阪神の監督です。)
「阪神トラ焼き」というドラ焼きは、ベタなネーミングって感じだが、
「たこ虎せんべい」「いか虎せんべい」になると、よくわかんない。
買って食べてみたが、ただのたこせんべいやんけ!
とにかく、ありとあらゆるものにタイガースのマークをつけて売っているのだ。
マーク使用料だけで阪神はいくら儲けてんの?
さすが、関西!ガメツイでっせ。
そして、大阪駅へ行った。(新大阪と大阪は違うんです)
ここは普通のターミナル駅だ。
みやげもの屋なんかない。普通のキオスクがあるだけだ。
が、その普通のキオスクで、
‘阪神タイガースおにぎり’が売られているのだ。
週間ポストやキシリトールガムの隣りに、
阪神マークがバァ〜ンと印刷されたおにぎりが、当たり前のようにならんでいる。
‘梅’と‘おかか’がありました。
そのうえ、「阪神タイガースおにぎりは、自然栽培、天日干しの米使用!」
と手書きの宣伝までつけてある。
関西人は阪神なしでは生きていけないの?

僕が大阪入りしたこの日(19日)は、月曜なので、阪神の試合はない。
友達に電話した。
晩御飯を一緒に食べることになり、待ち合わせ場所を指定してほしいと言うと
「大阪駅前のケンチキわかる?え?わからへんの?しゃあないなぁ。
ほんなら、大阪駅中央口のキチガイ噴水で待っといて。そんで」と
友達が話してる途中で、僕のケータイの電池が切れてしまった。
ケンチキって、なに?
キチガイ噴水って、なに?
僕は????が渦巻くまま、中央口を出た。
すると、そこには・・・・  (つづく)


5月21日(水よう日) 日直・鬼界
  いざ!甲子園へ  その1
18日の日誌で阪神タイガース(プロ野球の球団なんです。一応、念のため。)のことを
書いたら、体がムズムズしちゃって、どーにもガマンできなくなり、
5月19日、僕は新幹線に飛び乗った。
甲子園(阪神の本拠地の球場ね。ニ応、念のため。)へ行くのだ!!
新幹線は思いのほか、混んでいた。
スーツ姿のサラリーマンばかりだ。
みんな、仕事で名古屋や大阪へ行くのに、僕は阪神の試合を見に行くのだ。
そう思うと、なんだかウキウキしてきて、幸せな気分になり、
僕はいつしか眠っていた。
目が覚めると、京都をすぎ、次はいよいよ新大阪だ。
車内販売のカートがやって来た。
なんと、売り子のおねえさんが阪神の帽子をかぶり、阪神のハッピを着ている。
さすが、関西!阪神人気に便乗している。商売人やねぇ。
そして、車掌までが阪神の帽子をかぶっているではないか!
「阪神甲子園球場へは、大阪駅でJR神戸線にお乗換え下さい。」
こんなことを言いながら、車内を歩いている。
すっげえ、関西!やることが徹底しているぞ。
僕は嬉しくなり、『六甲おろし』(阪神の応援歌です。三応、念のため。)を
鼻唄で歌いはじめた。
すると、それを聞きつけた車掌が、阪神の帽子をふり回しながら、満面の笑みで飛んで来て、
「お客さん、今年の阪神はやりまっせ!応援しまひょ!ね、お客さん、お客さん
お客さん、お客さま、お客様、お客様っ」
車掌に肩をゆすられ、僕は眼がさめた。
新幹線はすでに新大阪駅に到着していた・・・・・。  (つづく)


5月20日(火よう日) 日直・橋本
 こんなメールを頂きました。

『ちょっとだけモウケタお話。
昨晩、
松戸にある酒屋さんが2ヶ月に一回開催している‘日本酒の会’
(きよみさんは聞いただけでゲロってしまうかもしれませんが)で、
今年から趣向を変えて、
その回ごとのテーマのお酒をいろいろと飲むだけでなく、
1箇所に利き酒コーナーができまして、
5種類の日本酒(純米大吟醸とか本醸造とか)を当てると、
ご褒美がもらえるってやつで、
いやしいあたくしは、
「たくさん飲めるわい」と、
普通5〜10CC注ぐところを、
周囲から顰蹙と嘲笑の嵐を浴びつつ、
5種類とも杯に並々と注いで飲んだ挙句、
全問正解(50人中2名でした)で、
大吟醸を1本おまけにゲットしてしまい、
さらなる顰蹙に羨望の白い視線にさらされて、
とてもよい気分(あーやなやつ)でした。
もちろん勝ち取った大吟醸は私の周り
のハイエナどものお腹の中へ・・・
 おかげさまで二日酔いってほどではありませんが、
まだちょっとお酒が残っております。
昨日の反動でちょっと気分は優れません。天気も悪いし。』

T様。
大吟醸ゲット、おめでとうございました。
それにつけても・・・T様、
「昨晩」から始まって「お腹の中へ・・・」までの、
この長文を、
よくぞ、
たった1個の‘。(句点)’で書き切りましたねぇ。
まさに、活字版「立て板に水」。
あたまイイんですね〜。
この前の「から騒ぎ」でも、
さんまちゃんが言ってました。
「頭イイ人は、
知識もボキャブラリーも豊富だから、
ついつい、
無意識に言葉数が多くなる。」
って。
 私の友達の彼は、
「利きケチャップ」が得意だそうです。
常備している4,5種類のケチャップを、
「やや!今日はデルモンテだな!」
とかって、毎日、言い当ててるらしい。
「なんかウザイ。
やる意味がわかんない。」
と、料理を作って出す彼女は、ボヤいています。


5月19日(月よう日) 日直・橋本
 ごめんなさい、鬼界さん。
昨日の日誌を読んで、私は耳が痛いです。
球場に足を運びはしないまでも、
日々、阪神の試合結果を気にしている、
そーです、私も「にわか阪神ファン」です。
1番好きな球団は、
パ・リーグのダイエー(王監督が好きだから。)だが、
セ・リーグでは、現在、阪神を応援している。
日本シリーズで、
ダイエーと阪神が闘って、
結果、ダイエーが日本一に!
というのが、私の望みだ。
 確かに、居る。
私は、明らかに‘にわか’ファンだが、
いかにも、‘昔からの’阪神ファン気取りの人、居る。
‘正真正銘ホンモノ’のファンに混じって、
「長年の俺たちの苦労が、やっと報われた。
阪神よ、ありがとう!」
とか言ってる人。
あれぇ?
前は、単に「阪神が好き」程度じゃなかった?
いつから、そんな大ファン?
物心ついたときから阪神ファンの鬼界さんが、
お腹立ちになるのも無理ないです。
ハッキリ言います。
来年、
阪神が、スッゴク弱くなっちゃって負けてばかりいたら、
私の熱が冷める可能性は大です。
逆に、
来年、引き続き強かったら、
ますますファンになりそうです。
でも、
「昔からの、生粋の阪神ファン気取り」は、絶対にしないことを誓います。

こんなことを書いていた頃は、阪神強かったよなぁ・・・
って、秋頃、思ってるのかなぁ・・・・。


5月18日(日よう日) 日直・鬼界
阪神が今日も勝った。
最下位を独走していた17年間を思うと夢のようだ。
(18年前に優勝したっきり、すっげえ弱かったのです。去年はちょっと頑張ったけど・・。)
甲子園は連日、超満員。
この3日間で159、000人を動員。
小樽の人口と同じ数の人が阪神の試合を見に行ったわけだ。

・どんなに阪神が負け続けても、17年間、球場に通い詰め、応援していた人。
・球場には行かなかったけど、テレビで阪神の試合を観戦していた人。
・スポーツニュースで、一応、阪神の試合結果を気にしていた人。

レベルの差はあっても、こういう阪神ファンがいっせいに甲子園に集まったわけだ。
今年の阪神は、球場に行こう!と思わせる魅力がある。

が、このような人々が、いくら集まっても、せいぜい、網走の人口だ。
誰が、網走を小樽にしたのか?

いつもの‘にわかファン’だ。
横浜ベイスターズが優勝した時、大魔人神社にさい銭をあげてたバカ。
ワールドカップで日本が勝ったときに、ハチ公前の交差点でハイタッチをしていたバカ。
こういうバカが、どこからともなくわいてきて、甲子園を満杯にしたのだ。

なんで?
おまえら、そんなに人生、つまんないわけ?
盛り上がれることがないと、生きていけないわけ?

そんなバカのことより、僕が心配なのは、阪神の選手だ。
もし、来年、スッゴク弱くなっちゃって負けてばっかりいたら、
甲子園はガラ空きになります。
そのときに、阪神の皆さんは、やる気をなくさないですよね?
「あぁ〜あ、去年はよかったなぁ」なんて想い出にふけってエラーなんかしないですよね?
プロの選手なんだから、大丈夫ですよね?

って、来年の心配するあたりが、阪神ファンだ。
勝つことに慣れてないんだよね。負け犬根性が染み付いてんだよね。


5月17日(土よう日) 日直・鬼界
今、春の全国交通安全運動が実施されている。

ちなみに、イメージキャラクターは白石美帆だ。

さらにちなみに、僕はけっこー彼女の顔が好きだ。
が、しゃべるとすっごくガッカリする。
声としゃべり方が好きじゃないのだ。(そういうパターン、あるでしょ?)
彼女がオシだったら、よかったな・・・。
ってヒドイこと書いてるぞ、僕ったら。

話を戻すと、
交通安全運動が行なわれていて、
うちの近くの大通りの交差点に、運動会で使うテントが立てられている。
警察官が座ってることもあるが、
たいてい、ご近所のオバサンやオジサンが座っている。
しかも、“交通安全運動実施中”と書かれたタスキをかけて座っている。
あの人たちは、なんの役にたつのだろう?

もしも、目の前の交差点で事故が発生したら、
事故った瞬間に110番通報できるから、確かに、役にたつ。
(ケータイを持ってなくて通報できないんじゃないかと、ちょっと心配だが・・・)

が、目の前の交差点を
時速100キロで車が走り抜けたら、どうだろう?

「あらぁ、あんなにスピード出しちゃって、危ないわねぇ」
「ホント危ないわ」
「あんなに急ぐことないのにねぇ」
「ホント急ぐことないのにねぇ」
「子供がひょいと飛び出してきたら、どうすんでしょ」
「ホントどうすんでしょ」
「危ないわねぇ」
「ホント危ないわ」

こんな会話が交わされるだけだ。
交通安全の役にたつのだろうか?


5月16日(金よう日) 日直・橋本
 昨日、
友達に『ものまねピョンピョン』という玩具をもらった。
友達の話によると、
「3週間ほど前にラジオで紹介された途端、
バカ売れして、現在、全国的に品切れ状態。」
の人気商品らしい。
『約30cmの大きさの‘クマちゃん’の頭を押し、
「こんにちは」とか「おはよう」とか話し掛けると、
‘メリーさんのひつじ’をBGMに、
ピョンピョン飛びながら、
話し掛けた人のモノマネをする』玩具。
昨日の初起動で、
「わたいはアホでぇ〜す」
と話し掛けてみた。
すると、クマちゃんは、
腕をバタバタさせ、狂喜乱舞しながら(マジで、そんな感じで飛ぶ)、
「わたいはアホでぇ〜す!わたいはアホでぇ〜す!わたいはアホでぇ〜す!!」
と叫んだ。
今度は、
「R子(私の親友)のバーカ。」
と話し掛けてみた。
またまたクマちゃんは、大暴れしながら、
「R子のバーカ!R子のバーカ!R子のバーカ!!」と。
なんて、かわいいヤツ!
無条件で、私の言葉に賛同してくれる。
こんなマブが欲しかったんだ!
「そうだ!
嫌いなヤツの悪口を、思う存分、クマちゃんと言い合おう」
と思ったが、
改めて考えると、
クマちゃんに狂喜乱舞しながら「バカ!バカ!」叫んでもらいたいほど嫌いな人が、
今、私には居ないなぁ・・・
ということに気がついた。
そこで、
今日から、
その日、その日にムカついたヤツのことを、
クマちゃんと一緒に、クソミソに言ってやることにした。
 今日、歩道で、
チャリンコに乗った女が、
歩いている私を追い抜きざま、
「邪魔なんだよ、歩ってんじゃねーよ」
と吐き捨てるように言った。
なぬ〜?!
ここは歩道だぞ。
私が「おい、待てよ。」と言ったら、
びっくりして振り返り、スピードアップして逃げていった。
逃げるくらいなら、言うなよ。
やるなよ。
と私は言いたい。
で、帰宅して、クマちゃんに報告。
「あの女、ダサイです。」
すると、クマちゃんは、
「あの女、ダサイです!あの女、ダサイです!あの女、ダサイですぅ!!」
と、気が狂ったように暴れながら同意してくれた。
これで、気分もスッキリさ!

箱には「この玩具の対象年齢は3才です」と書いてあった。
私が思うに、
ストレスが溜まりがちな大人にモッテコイ!・・・じゃなーい?


5月15日(木よう日) 日直・鬼界
ご存知のように、ADSLを解約し光ファイバーを導入したので、
「今まで使っていたモデム(ADSLの接続装置ですね)を返却してください」
とのメールが来た。
返却先の住所と電話番号が書いてあり、そのあとに、

‘注:返却先の電話番号は、宅配便の伝票に記入する為の番号です。
   決して電話しないで下さい。’

と書かれている。

こんな風に書かれると、思っちゃうじゃないですか、
「電話すると、どうなるんだろう?」って。

すっごい不機嫌なオジサンが出て、
「電話すんなって書いてあるっぺ!なんでいちいち電話してくんだ?
おめーさまみたいなバカッチョに付き合ってる時間はないっぺよ!!」
と怒られるのかしら?
(なぜに田舎モン?でもイメージ的には、そういう感じなんだよね)

それとも、もっとスゴイことになってしまうのだろうか・・・?

震える手で電話した。


結果から申し上げますと、
この番号には通じません。
昨日から今日にかけて、午前、午後、夕方、夜、深夜、真夜中、早朝と
50回以上ダイヤルしたが、ぜんぶ話し中。
常に話し中になるように設定してある回線なんです。

ちぇっ、そうならそうと書きゃあいいじゃん!
思わせぶりに「決して電話しないで下さい」なんて書くから、
「よっしゃぁ!日誌に載せよう」と思って、ワクワクしながら電話するじゃねえかよっ!
どうすんだよ?読者の皆さまを期待させといて、こんな肩すかしのオチで。
信用、ガタ落ちだよ!
憎むべし、ADSL!


5月14日(水よう日) 日直・鬼界
うちの近所に、‘メガネスーパー’がオープンした。
なんと、これでメガネ屋が5軒になった。
‘メガネドラッグ’‘メガネストア’‘銀座メガネチェーン’‘田中眼鏡’
半径100メートルの範囲にメガネ屋が5軒もあるんですぜ。
なんで?
ここは眼が悪い人が住む地区なのか?
逆に、ここに住んでると眼が悪くなるのか?目に悪い毒ガスがわき出ているとか・・?
が、不思議なのは、
どこのメガネ屋にも、客がいるのを見たことがないのだ。
いつも無人。必ず無人。
店頭にあるメガネ洗い器を利用してる人は、たま〜にいる。
でも、店内は無人。店員がボンヤリ立っているだけ。
チェーン店じゃない、昔ながらの‘田中眼鏡’などは、
『デジタルはCASIO』と書かれた、山口百恵のポスターがいまだに貼ってあるくらいだ。
(すっかり変色して、山口百恵なんだか山口もえなんだか、わからなくなっているが・・)
(田中眼鏡は、時計も売っているのだ)
なのに、なんでこんなにいっぱいメガネ屋があるの?
不思議だ。
メガネ屋さんは、メガネが売れなくても食っていけるの?
メガネ屋さんをやろっかな・・・。


5月13日(火よう日) 日直・鬼界
ベッドサイドに置く、電気スタンドを買いに行った。

スイッチを入れると、ヴィーナス像がピンク色にほんのり発光する、
いかにもナイティーなアダルトちっくなスタンドにするか、
ノーマルなアームスタンドにするか、
とっても迷ったけれど、
冒険を避け、アームスタンドを購入した。

家に帰って、早速、設置した。
コンセントを差し込み、スイッチオン!
つかない。
誘導球がゆるんでるのかしら?調べてみると、きっちり入ってる。
不良品?
TWINBIRDなんて、知らないメーカーを買ったのが失敗だったか・・・
損したなぁ、と思っていると、
突然、点灯した。

へ?どういうこと?
あわててスイッチを入れても、ゆっくり点灯してくれる、“時間差機能”?
そんな機能、意味ないじゃん。

もう一度、スイッチオン。
つかない。ジッーと待ってたら、30秒でピカッとついた。
なんじゃ、これ?

ためしに、リビングのコンセントでやってみた。
スイッチオン。即、点灯!
なんじゃこれ?

もう一度、ベッド下のコンセントに差し込み、スイッチオン。
つかない。30秒後に点灯。
リビングでやってみると、即、点灯。

つまり、ベッド下のコンセントは流れてる電気の量が少ないってこと?
神田川とナイル川くらいの差があるってこと?
同じ家の中でそんなことがあるの?
不思議だ。

で、結局、僕はこのスタンドをどの部屋で使うべきだろうか・・・?


5月12日(月よう日) 日直・橋本

 気管支喘息の薬の副作用なのか、
やたら眠い。
食事をし終わる頃に、必ず、急激に睡魔が襲ってくる。
今朝も、
朝食を食べ終わる頃にスゴク眠たくなって、
朝メシ食って、スグに寝た。
起きて、昼メシ食って、また寝た。
いかん。
これじゃ、相撲取りだ。
こんなことやっていたら、牛になる。
早速、
かかりつけの医院に相談に行った。
「気管支喘息の薬ってのは、
人間をブタにでもする薬なんですかい?」
「まぁ、まぁ、きよみちゃんたら・・・オホホ。」
頻繁に通ううちに、スッカリなじみになった私を、
‘ちゃん’呼ばわりする先生は、
お品がいい70年輩の女医だ。
「先生、
私、気管支炎、去年の暮れに続いて2回目なんです。
気管支が弱いんでしょうか?
気管支炎になるたびに、1ヶ月も2ヶ月も治療に通うのは大変です。
精神的にもツライです。」
と、
ウザさを訴えてみた。
先生は、
「人間はね、2つのタイプに分けられるの。
‘芸術家タイプ’と‘スポーツマンタイプ’。
スポーツマンタイプは、
ちょっとやそっとのことじゃビクともしないの。
丈夫で単純だから、
とにかく食べて寝てりゃ、健康でいられるの。
逆に、
芸術家タイプは、敏感で繊細だから、
虚弱なの。
これは仕方がないのよ。
努力して、その虚弱な自分とウマく付き合っていくしかないの。
私もね、
気管支喘息が持病なのよ。
毎朝、看護婦にノドにお薬を塗ってもらってるの。
でも、
コーラスと詩吟をやってるのよ。スゴイでしょ。
ノドが弱くても、やろうと思えば何でも出来るの。
きよみちゃんも勇気を出して頑張りましょう!」
って。
右腕を切断した人に、
「口で絵筆をくわえてだって、絵は描けるのよ!
頑張って!」
と励ますほどの勢いだ。
「私って、そんなに虚弱なの?」
と、かえって不安になるじゃんよ〜。
それに、
医者が、
人間のタイプを、そんな単純な分け方するのも、どーだろー。
ま、みっちゃん(美津子先生)、優しいから好きだけど。

ちなみに、
「食べると眠くなる」のは、副作用ではないらしい。


5月10日(土よう日) 日直・鬼界
 〜「あんた、アホちゃうか?」怒りの光ファイバー事件〜 その3

5月6日、郵便屋さんが来るのを、ポストの前で待ち構え、
エフビットからの通知書が来るやいなや、
ホームページの移転作業を開始した。

案の定、わからないことだらけだ。
早速、エフビットに電話した。

フリーダイヤルなのに、何度電話しても、話し中だ。
フリーダイヤルで話し中?
混んでる時でも、フリーダイヤルなら、すぐにかかって、
「ただいま電話が大変混み合っております。このままもう少々お待ちください」
というメッセージが流れるのが普通じゃないだろうか?
延々とリダイヤルし続け、30分後にやっと繋がった。

「はいこちらはマンションだったらエフビットでおなじみのエフビットカスタマーセンターのハセガワです」

これだけの言葉を一気に言う、やけにキビキビした人が出た。
この前のバカとは違うぞ。
ただ、関西弁イントネーション丸出しのキビキビだ。

「今日からエフビットを利用するのですが、ホームページの開設でわからな・・・」
と言いかけてるのに、
「お客様のお客さま番号をお教えいただけますか?」
と、僕の言葉はキビキビと断ち切られた。

ちょっとキビキビしすぎてんじゃないの?と思いながらも
いろいろ質問すると、ほとんど即答。
すっげえ!エフビットにもこんなキビキビ使える人がいるんだ!

僕がすべての質問を終えたあと、キビキビさんが言った。

「お客様がお使いになるサーバーはご利用頂けない状態が近日中に発生する可能性がございます」

「は?どういう意味ですか?」

「お客様のホームページとメールが一時お使い頂けなくなります」

「えぇぇぇ!いつですか?」

「近日中です」

「近日中って、いつ?」

「現時点ではわかりかねますので、わかり次第ご連絡いたします」

「だいたいでいいから、教えてもらわないと困るんです」

「9日です」

「9日?わかってんじゃない。」

「はい」

「9日は一日中使えなくなるの?」

「未明から正午頃までです」

「なんだよ!ぜんぶわかってるんじゃないか!!」

「はい」

「だったら、なんで最初から言わないの?」

「確定次第ご連絡ということになっております」

「けど、わかってたんでしょ」

「はい」

「だからっ、わかってたのに、なんで言わないのかって聞いてんだよ!」

「はい」

「はい、はい、言ってんじゃないよっ!あんた、アホちゃうか?」

「はい」


キビキビしてるが、やっぱバカだった。
キビキビバカのイントネーションにつられて、最後は僕も関西弁が出てしまった・・・。

こんなバカ達と応対しながら、鬼界浩巳事務所は光ファイバーを導入したのでした。


5月9日(金よう日) 日直・鬼界
 〜「あんた、アホちゃうか?」怒りの光ファイバー事件〜 その2

僕が名前と住所を告げ、しばらくすると、

「お待たせしましたぁ。キカイヒロミさんですね?ご利用開始日は5月6日ですよね?」

「そうです。」

「それなら、5月6日にそちらに到着するように、ちゃんと手配済みですが」

「は?」

「ですからぁ、利用開始日に通知書が届きますので、ご安心を」

「いや、『ご安心を』じゃなくて、
3〜4週間で送られてくるので、4月半ばにはこちらに着くという話しを
申し込みの時にされていたのですが」

「はぁ?そんなはずないですよぉ。」

  「そんなはずない」って、どういうことだよ?
  なんで、こっちの言い分が100%間違いみたいな言い方すんだよ?
  この時点で僕はすでにかなりムカついていた。
  しかし、こんなバカに対しても、あくまで敬語で話している。
  なんて、エライんだ!常識人だぞ、鬼界っ!!

「いや、確かに、4月半ばっておっしゃってました。
とにかく、準備を進めたいんで、早めにアドレスが知りたいんです」

「できません」

  バカのくせに、突然きっぱりと答えやがった。

「は?」

「お客様のプライバシー保護のため、
利用開始日より前にアドレスをお教えすることは、できないんですぅ」

「でも、4月半ばに送るって言ったじゃないかっ!」

  さすがの温厚な鬼界さんも、ちょっとキレて、ちょっぴり怒鳴りました。

「残念ながら、できません」

  怒鳴っても、バカには通じません。

「事務作業の都合があるんです。こちらの身分証明を速達で送りますので、
なんとかなりませんでしょうか?お願いします。早めにわからないと、困るんです・・・」

  作戦変更。‘泣き落とし’に出てみた。

「少々、お待ちください」

  バカが上司に相談しているのだろう。
  電話からは、保留の音楽が流れている。琴の曲だ。
  マジっすか?
  いくら、京都だからって、琴の保留音はないんじゃないの?
  大丈夫なのか、この会社?
  と、心配してるうちに、電話に相手が戻ってきた。

「お待たせしました。やっぱり、できません。」

  怒りを通り越して、僕はあきれ果てた。
  もうちょっと言い方あるんじゃないの?
  「やっぱり、できません」って、オマエは子供か!

こんなやりとりを繰り返したが、
「できません」の一点張りで、結局、アドレスを前もって知ることはできなかった。
仕方ない、5月6日にホームページ移転の作業をやるしかない。
トラブルがなければいいのだが。

そして、その不安が的中することになった・・・ (つづく)


5月8日(木よう日) 日直・鬼界
 〜「あんた、アホちゃうか?」怒りの光ファイバー事件〜

なんだか、思わせぶりなタイトルです、ウフ。

光ファイバー導入によるホームページの引っ越しは5月6日と極秘に決まっておりました。
「えっ?きょ、今日からとつぜん、‘ひかファイ’なの?」
と、皆さまをびっくりさせる作戦だったのです。

申し込んだときの話しでは、
割り当てられるメールアドレスとホームページアドレスが4月半ばには郵送されてくるとのことだったので、
公演終了後、
HP移転の作業に取り掛かれるはずでした。
が、待っても待っても送られてこない!
どうなってんだよっ?
4/25、‘ひかファイ’業者・エフビットに問い合わせの電話をしたのです。
なんと、本社は京都!
大丈夫なのか・・・?と不安を抱きながら、電話しました。

「はぁ〜い、こちらは“マンションだったらエフビットっ!”でおなじみのエフビット、
カスタマーセンターのウメエダでぇ〜す。」

なんじゃ、こいつ?
「はぁ〜い」は、ないだろ。リカちゃん電話じゃないんだから。
電話受付係のくせに、「ウメエダでぇ〜す」って語尾を伸ばすのは、どういうこと?
もうひとつ言わせてもらうなら、
“マンションだったらエフビットっ!”って、なに?
関西ローカルのCM?
そんなもん知らねえよ!
これだから関西人はイヤだね。自分たちが世界の中心だと思ってんだよ。

(お願い:関西在住の方、このCMについてお教えください)

と、ちょっとカチンときながらも、僕は用件を述べた。
「今度、そちらの光ファイバーを使うんですが、
割り当てられるメールアドレスとホームページアドレスが送られてきません。」
「それは申し訳ありません。お名前とご住所をお願いしまぁす。」

だから、語尾を伸ばすなっ!

僕が名前と住所を告げ、しばらくすると・・・・  (つづく)


5月7日(水よう日) 日直・鬼界
ご覧のとおり、引っ越しました。
なぜ?
理由はカンタン、
ADSLが亀ノロになっちまったからです。
ADSLを導入したとき、僕は大喜びしました。
夢のように速いっ!!と鬼橋日誌にも書きました。
が、ADSLの弱点は利用者が多いとどんどん速度が遅くなることです。
夜、インターネットを利用すると、ぜーんぜん画像が出てこない。
それならばと、午前中、ホームページを公表しようとすると、
ぜーんぜん、アップできない。
ムカついたんで、思い切って、真っ昼間にHサイトを見ようとしても、
ぜーんぜんノロすぎて、その気になりゃしない。。
どうやら、このご近所さんは、みーんな同じ回線を使用してるんです。
GWの帰省ラッシュの高速道路のような状態になってんですね、きっと。
これじゃ、ADSLの意味がない!
よし、光ファイバーだっ!!
ついに鬼界浩巳事務所は、光ファイバーを導入したのですっっっ!!
が、
そう簡単にはいかなかったんです・・・
それは・・・ (つづく)