鬼橋日誌(おにはしにっし) 
鬼界事務所の構成員、鬼界と橋本が書く日誌です
                    
・2000.5.12〜12.31の日誌は、こちら
・2001.1.4〜5.31の日誌は、こちら
・2001.6.1〜10.21の日誌は、こちら
・2001.10.22〜2002.3.30の日誌は、こちら
・2002.3.31〜8.31の日誌は、こちら

・2002.9.1〜12.31の日誌は、こちら
・2003.1.5〜5.5の日誌は、こちら
・2003.5.6〜9.2の日誌は、こちら
・2003.9.3〜12.31の日誌は、こちら
・2004.1.1〜4.30の日誌は、こちら
・2004.5.1〜8.31の日誌は、こちら
・2004.9.1〜12.31の日誌は、こちら
・2005.1.6〜7.31の日誌は、こちら
・2005.8.1〜12.31の日誌は、こちら




7月2日(月よう日) 日直・橋本
 12チャンの『大食い新女王発掘予選スペシャル』を見た。

主要都市数ヶ所で行われた第1次予選の各勝者が戦い、
最終的に、
現・女子チャンピオンであるギャル曽根に挑戦するというもの。

以前は、
実力の差で、
女子大会よりも、断然、男子大会のほうが人気が有り、
大会の数も、圧倒的に男子のほうが多かった。
が、最近、
ギャル曽根に代表されるような、若くて可愛らしい女の子が、
多数、出場するようになってからというもの、
形勢逆転。
挑戦する絶対数が増えれば、おのずと実力者の数も増える。
「大食い女王決定戦」は、今や、男子並みに見ごたえのあるものとなった。

んが、
今回の「予選スペシャル」には、少々ガッカリした。
出場選手中、‘子持ち専業主婦’の割り合いが、やたら多い。
0歳〜5歳くらいの子供を、1人〜3人持った、
根元が黒くなった茶髪の、化粧の濃い20代の主婦たち。
皆、一様に、
ダンナと子供らを決戦場に伴い、
見物席の家族に「ママ、がんばるからね〜!」と手を振ったりする。
亭主とガキも笑顔で手を振り返す。
バカだな、こいつら。
これまで、「大食い」などという、
世間的には「あまりミットモイイものではない」と思われていた頃には、
主婦なぞは出て来やしなかったのに、
なんだ、このザマは。
ファミリーイベントのようなお気軽さは。
人気が出、流行り出すと、すぐ、これだ。
選手たちの食べる料理が乗っている神聖なテーブルに、のこのこ近寄り、
「ママ〜、ママ〜」とテレビカメラを意識しつつ、はしゃぐバカ餓鬼。
胸クソ悪いぜ、まったく。
しかも、この主婦ら、まったく弱い。
先人たちの努力によって、ここまで培われた「大食い」というものに挑戦し得る実力が、無い。
「普段、少しばかり他人より食う」ぐらいじゃ話にならない。
お遊びで出てきて、
「もう、お腹いっぱいで食べられませ〜ん。」とシレ〜と言うヤツらばかりの大食い大会なぞは、
見ていて面白くもなんともない。

何度も言うが、
デブはダメだ。
ただの「よく食うデブ」だ、そりゃ。
デブたちは、試合では、ことごとくアッケなく負けている。
特殊な胃を持つ「ヤセの大食い」タイプでなければ、絶対に勝ちあがれない。
今回の予選で、見事、勝ち抜いた女の子は、
身長153cmで、体重は35kg。
期待できるぞ。
ギャル曽根との戦いには、トレーニングを積んで万全の体調で臨んでほしいなぁ。

某番組で、
ギャル曽根が、こんな質問をされた。

「やっぱり、すごいウンコが出るんですか?」

「大食い」の人には、私も、いっぱい質問したいことが有るが、
これも、そのひとつ。ホントのところ、どうなんだろう?
彼女は、こう答えた。

「すごいですよ。
他の人のと比べたことがないのでハッキリとは言えないけど、
たぶん・・・5,6倍の量じゃないかと。」

やっぱりだ。
食ったものは、ほぼウンコになって出るんだ。
だから、まったく太らないんだ。

「そのウンコは、一回で流れるんですか?」

と訊いてほしかったなぁ。


6月24日(日よう日) 日直・鬼界
雨の中を歩いていると
無意識にこんな唄を歌っていた。

♪雨 雨 ふれ ふれ 母さんがぁ 
  蛇の目で おむかえ 嬉しいな
    ピチピチ チャプチャプ ランランラン

僕の中の童心が呼び覚まされたのだ。
2番も口をついて出る。

♪あれ あれ あの子は ズブ濡れだぁ
  やさしい 母さん いないんだ
    ピチピチ チャプチャプ ランランラン

こんな歌詞だっけ?
母さんいないのにランランラン?
ひどくね?
それとも
母さんがいなくてズブ濡れで泣きたい悲しい気持ちをグッと抑え
ランランランと明るく振舞ってるの?
顔で笑って心で泣いて、みたいな?
でも、童謡だぜ。
そんな複雑な心理を子供に歌わせる?

なんかちょっと違う気がしたが、
僕の童心が命ずるので、そのまま歌った。

singin’ in the rain とても楽しかった。 


4月15日(日) 日直・橋本
 「キッザニア東京で遊んでみたいのだ。」と書いた私に、友人Y美からメールが来た。

「あんた、お店屋さんごっこするぐらいなら、
バイトを紹介してあげっから、ホントの店で働けば?
お金になるじゃん。」

Y美よ、
それを言っちゃあ、お仕舞いよ。


4月13日(金よう日) 日直・橋本
 NHKニュースで、
「世界理数化学大会」なるものが紹介されていた。
毎年開催されてるらしい。
世界各国の理数化学における天才少年・少女らが一堂に会し、能力を競うらしい。
んが、
その各国代表に選ばれるためには、
これまたドエラク難しい試験に挑まなければならないらしい。
日本代表選考試験の受験者の中には、
中学生で東大試験問題をクリアしたヤツや、
小学3年の時には、既に、
大学卒業レベルの問題をクリアしてるヤツなどなどがザラに居るらしい。
らしいらしいと書いてるが、ホントにスゴイらしい。
んが、
世界には、上には上がいるらしく、
日本は、過去最高7位どまり。
常にトップを占めるのは、なんと中国。
ロシアにおけるバレエ、
ブラジルにおけるサッカーのように、
見込みのある子供をいち早く発掘し、
国がお金を出して、英才教育を受けさせ、能力を伸ばしていってるらしい。
世界一の強国になる為の政策の一環らしい。
天才少年・少女らが勉強している特別授業の様子が映し出された。
その中で、ドエラクふけた小学生が映った。
髪型といい、洋服といい、どう見ても40才の主婦だ。
確かに身体は小学4年だが、顔は40才。
あのフケかたは、どう考えても頭脳の使い過ぎによるものだ。
精気を、すべて数学問題を解くのに使ったせいで、あんな顔になっちゃったにチガイない。
特異体質。
さすが中国、なんでも有りだな。
と、そこで、私は思った。
あれが小学4年で通るんだったら、
私も小学6年に変装できないだろうか?
実を言うと、
私は、どうしてもキッザニア東京で遊んでみたいのだ。
しかし、あそこは2才児から12才までしか遊べない。
スッカリあきらめていたのだが、
あのフケタ小学生を見たら、なんとなくウッスラと希望が。
しかし、
あれは中国だからな。
日本人には居ないかな、あれほどフケたチビッコは。
キッザニア北京が出来れば行けるかな。


2月14日(水よう日) 日直・橋本
 小学5年だか6年の時の今日2月14日に、
8歳の時からの悪友・R子に「不二家ハートチョコ」をもらったのが、
私がバレンタインデーを初めて認識した時だったような。
ランドセルの中でツブされたのか、
ヒビヒビに割れたハートチョコは、クソまずそうに見えたが、
食ったら意外にウマかったのを覚えている。
 不二家といえば、
私の初めての長期アルバイト先が、不二家だった。
大学4年の春から、確か、1年間ほど。
就職活動しないからヒマだったのね。
「オープン間近!全国初の新スタイルロードショップ。従業員・パート・アルバイト大募集!」
という新聞折込チラシを見て、
「近所だし、ケーキも食えるぞ。」と思い、応募した。
時給もいいし、不二家だし、ってことで、
面接会場には、ワンサカ人が押しかけていた。
で、バイトすることになって、
1週間、銀座の不二家本社に通い、トレーニング。
朝9時から昼メシを挟んで午後もミッチリ。
これがまたシケた社員食堂。
暗くて小汚い。
銀座の中のダークスポット。
メニュー数の少なさに加え、クソまずい。
中でもマシなキツネうどんとカレーを、日々、交互に食った。
面接で選ばれし7人の女子は、
毎日毎日、トレーナーのバァさんにしごかれた。
ケーキの箱詰めの仕方や、接客の要領など、
模範ビデオを見せられた後、実際にやらされる。
各人の実演をビデオに撮り、
皆に見せながら、
ババァが、ああだこうだとアラさがし。
まぁ、そのトレーニングはいいとして、
ババァがトクトクと語る「不二家の歴史」を、
私らがノートに取る意味が、どこに有んの?だ。
なので、
私、やたら詳しいよ、不二家の歴史に。
 建てられたばかりの真新しい店が、いよいよ営業開始。
オープン当初、不二家の偉い人たちが、毎日のように視察。
私らオープニングメンバー7人、
緊張しつつも、トレーニングどおりに順調な仕事ぶり。
そのうち視察も来なくなる。
そうなると、従業員らの天下。
店長は、7人のうち、唯一社員として雇われたKちゃん(私と同い年)。
あとは全員アルバイト。
そのうち2人はパートのオバサンで、勤務は毎日午前中のみ。
店長のKちゃんは、朝から夕方まで。
私を含めた4人の大学生は、
シフト勤務で、入る時間はマチマチだが、ラストまで居る。
楽しくラクチン。
来た客にケーキと菓子を売ってりゃいいの。
そして、慣れは怠惰を生む。
夜9時閉店の30分前には、早々とピンクのワンピースの制服から私服に着替え、
帰り支度。
売れ残ったケーキやデザートを皆で分配し、お持ち帰りように箱詰め。
あとは帰るだけ。
9時ピッタシに勤務カードに打刻し、店を出る。
本来は、打刻してから、帰り支度をする規則なのに。
そして、怠惰は犯罪へと。
早退した仲間のカードの打刻を請け負うワザも覚えた。
授業の代返からヒントを得て。
売れ残りだけでは飽き足らず、
欲しい商品をお持ち帰り。
「持ち手付きのペコちゃん缶バッグお菓子詰め合わせ」は、
千円・千5百円・2千円、全てのタイプをゲット。
他にも、
友達の誕生日用、
演劇公演出演の友人への差し入れ用、
病気の知人への見舞い用、
いろんな場面への手みやげに、
いろんな商品をタダで活用。
金、一切使わず。
パラダイス。
しかし、犯罪はいつかはバレる。
「売り上げと品数が合わない。合わな過ぎる。」ということが問題となり、
「支部長」という肩書きのオッサンが店に配属になった。
チビでハゲの、このオッサン、
始終、掃除に励み、その間も、私たちアルバイトの監視の目を怠らず。
金魚のフンみたいにくっついてくる。
今までとは打って変わった職場環境の居心地の悪さ。
オッサンのウザさ。
おそらく「人事見直し」の目的で配属されてきたオッサンのモクロミどおりになるのはシャクだったが、
私たち大学生4人は、一斉に辞めた。
今でも年賀状のヤリトリをする友人と出会えた不二家でのバイトは、
楽しかったが、
あのオッサンは、いただけなかった。
「不二家なんて、つぶれてしまえ。」と思った。
にもかかわらず、
少し前、古くはなったものの当時と変わらず営業している店の前を車で通った時、
「まだ、有るんだなぁ。」と、言い知れぬ懐かしさ。
「やっぱり、不二家は嫌いには、なれんな。」
と思ったのも、つかのま。
不二家危うし。
危うし不二家。
ズサンなことしちゃいけませんね。
従業員の監視と商品管理はキビシク行いましょう。


10月18日(水よう日) 日直・橋本
 トップページのカウントが、「66666」になろうとしている。
「鬼橋日誌」をブログに移し、
この、古巣である「日誌ページ」を更新しなくなってからは、
トップページのカウントの進み具合が、遅くなっちゃった。
ブログしか開けてくれないのかしら?
ブログのアクセス数との差が歴然なので、
きっと、そうなのね。
ただ、ブログの場合、
「検索したら、こんなとこに来ちゃった」というお客さん(?)も多少いるから。
なので、(って、話つながってます?)
「今日の一言」を載せているトップページや
更新の見込み薄の、この日誌ページを、
それでも、
「今日は、更新してるかなー。」と期待して、
あるいは
「鬼界と橋本のことだから、ウラをかいて、更新してるかも。」という確認がてら、
もしくは
「単なるクセ」で、
日々、開けて下さる極少数の方々、
本当に有難う。
(話つながってます?)
 ホームページを作る時、
「どこのホームページでも日記というものを書いてるようだ。マネしよう。」となり、
鬼橋日誌が誕生したわけですが、
「んが、
だからといって‘今日はあーしたこーした’だけの行動日記は、つまらん。
自分らが普段目指している舞台作り同様、
オモシロクて楽しいと思ってもらえるものを書こう。」ということを決めました。
要するに、
「一日誌、一ネタ」、
正確に言えば、
「たとえネタといえるようなシロモノじゃなくても、
無理矢理ネタにまで昇華(?)させて書く」ことを目標にしたというか。
目標は高く!です。
デカク出たもんです。
んが、そのうち、
「目標変更!好き勝手書いていい。とにかく書きゃいい。」となりました。
「だってぇ〜、毎日毎日、シンドイぜ〜」とグチを垂れつつ、
今日まで来ました。
まさか「66666」まで、鬼橋日誌が続くとは。
なぜかゾロ目のカウントが近くなると、
いつも、そんなことを思うんですよ。
「一体なんの為にブログなんか書くのか。」と、
常々、面倒くさがっては自問している私の唯一の原動力は、
この日誌ページとトップページを相変わらず開けてくれてる皆さんかもしれませんね。


9月30日(土よう日) 日直・橋本
 「イタリア回顧期間中」に観るべと思っていた映画『ハンニバル』。
レンタル100円デーを狙って行ったら、なぜか貸し出し中。
「今さら誰が観るのさ、あんな映画を。」と毒づいたのは、もう、かれこれ1ヶ月近く前ですね。
で、先日、やっとまた100円デーがきたので、今度こそと。
んが、また貸し出し中。
ふざけろよ。
誰だよ。
数年前、『ハンニバル』の原作を最初読んだ時は、
舞台となっているフィレンツェの街の描写に対して、
著者トマス・ハリスのフィレンツェへの惚れ込みようは伝わってはきたものの、
当然、行ったこともない街への感慨なぞ、生まれるはずもなかった。
が、
帰国後、再読すると、私を魅了したフィレンツェが、まぁ、よみがえる、よみがえる。
「フィレンツェロケも有ったはずの映画のほうも、も1度観ねば。」と決めたわけだが、
行くたんびに貸し出し中とは、どういうこと?
おもしろくないよ、あの映画。
ははん、さては誰かが、バックレて返却してないんだな。
店員に訊いてみると、
「いえ、ほんと、たまったま、貸し出されちゃうようでして。」
ほんとかよ。
仕方ない。ちぇ・・・。
と、
あきらめ、帰りかけた私を呼び止める、店員の大声。
「お客様!戻って参りました!たった今、戻って参りました!ハンニバルでございます!」
こら。
大声でハンニバルとか言うのはやめなさい。
まるで私がハンニバルを観たくて観たくて心待ちしていた人みたいに思われてしまうじゃないですか。
というわけで、やっとこ観れたわけですが、
映ってましたねー。
すぐ判りました。
スリがレクター博士を尾行し始める、妙に素敵な回廊。
あれは、例の、私から2万3千円をボッタクった郵便局がある回廊です。
あんなルネッサンスな回廊に郵便局が有ろうとは、誰も想像できまい。

ついでに、
『SAYURI』も借りる。
行きの機内で、ヒマにまかせて観た映画。
アリタリア航空のボロクソモニターで、ほとんど写真のネガのような色合いで観た為、
内容すらイマイチつかめず仕舞い。
ウンコみたいな映画なので、どーでもよかったのだが、
ラスト「ツィイーと謙が結ばれるのか否か」の決着がつくだろう場面で、
モニターがぶっ壊れたのか、突然、観られなくなった。
そりゃ、ないぜ。
イチから観直す気はないが、ラストだけ観ようと借りた。
100円だからね。

そして。
苦手分野、ホラーを1本。
そう、掲示板で話題になった『死霊のはらわた』。
怖かっただよぉ。
予想はしてましたが、
やはり、ほとんど観れてません。
「小さなカベ穴から、かろうじてノゾキ見した」ごとき程度。
ほぼラジオドラマ状態。
なので、「髪型が急に変わっている」は確認できず。
それでも、
「木にヤられる」シーンだけは見逃すまいと頑張りました。
「痛っ!」って感じですね。
怖ろしかとです。
かいま見てしまったオドロオドロ顔を夜中に思い出してしまい、
お便所に行けなくなりましたとさ。
たはは。


9月15日(金よう日)  日直・鬼界
 (前回のつづき)
生協からの回答は
(細部は忘れたけど)
こんなものだった。


豆乳は大変人気があり、
全種類を販売したいのですが、
いかんせん、フルーツ風味のみ
販売状況がかんばしくございません。
存続できないかと協議を重ねましたが
今回、残念ながら入荷を見合わせることとなりました。
ご迷惑をおかけし、本当に申し訳ありません。

個人的なことではございますが、
私もフルーツ風味の大ファンで
毎昼食の後には必ず痛飲しておりました。
ひとことカードをくださったK様が1日最低1〜2個お買い上げくださり、
私も及ばずながら1日最低1〜2個購入しましても、
1日2〜4個の売り上げにしかなりません。
今回の決定は個人的にも本当に本当に残念ではありますが、
この状況ではあきらめざるをえないかと思っております。



驚きました。
紀文の豆乳フルーツ風味を買っていたのは
なんと
たった2人ぽっちだったのです!
日大や東海大のようなマンモス大学ではありませんが、
千人近い学生がいて、
そのほぼ全員ならびに教職員が生協を利用してるのに
たった2人。
学生に限るなら、僕だけ!オンリーミー!ジャストミー!1000分の1ミー!
それじゃあ、廃盤になっても仕方ありません。。。。

ちなみに、
現在でも、“調整”と“コーヒー味”は販売されてますが、
(しかも、当時とほぼ同じデザイン)
“フルーツ風味”は影も形もありません・・・・。


9月6日(水よう日) 日直・鬼界

今さらなんですが、
『生協の白石さん』を読みました。

人柄がにじみ出ていて、
心が温まります。癒されました。
そういえば、
僕も、‘ひとことカード’を書いたことがあります。
僕の通っていた大学の生協では
紀文の豆乳は
“調整”と“コーヒー味”と“フルーツ風味”の3種類が
販売されていたのですが、
他の2種に比べて
“フルーツ風味”は信じられないくらい売れてませんでした。
僕たちの間でも
「信じられないくらい不味い」
「製品化に踏み切ったのが信じられない」
と、もっぱらの評判でした。
結果、
“フルーツ風味”の入荷停止が決定されました。
超アセッたのは僕です。
実は、“フルーツ風味”の大ファンで
こっそり飲みふけっていたのです。
ダントツ不味いだけあって、
生協以外ではなかなか手に入らない品でした。
僕は、これまた、こっそり‘ひとことカード’を書きました。

<最低1日1〜2個は絶対買うので、
フルーツ風味を売り続けてもらえないでしょうか?>

2,3日後、
驚きの回答があり、あまりのことに、僕はその回答者を待ち伏せしたものです。


というような感想ならびにエピソードを披露したくなる
『生協の白石さん』でした。
と、
まとめりゃあスッキリすんだろうけどよ、
ホントに言いてえのは
ひとつだけだ。

あの本、高くね?

1時間くらいで読んじゃって999円だぜ。
ぜってえ2度と読まないのに、つーか、
一生、手に触れねえのが火を見るより明らかなのに999円だぜ。
だったら、『NANA』の16巻を買ったほうがよくね?
『NANA』は何回か読み返すぜ。
なんなら、『NANA』を2冊買ってもいい。そのほうが安いし。
絶対買うべきじゃない、あの本。


ちなみに、
生協からの回答というのは  (つづく)


9月3日(日よう日) 日直・鬼界

山手線に乗った。
電車の隅っこがビミョーにすいている。
行ってみると、
先頭車両にも使われる車両で3人がけの席がなく
隅っこは立ちスペースになっていて、
そこに、
丸坊主に、ちょびヒゲとあごヒゲをはやし、
眉毛を極限まで細く剃りこみ、
ダっさいピアスをして、
黒のストライプのスーツに開襟シャツを着て、
ピンピンに先のとがったエナメルをはいた、
20代半ばくらいの、
見るからに頭の悪そうなチンピラ君が
肩で風切るようにつっ立っているのだ。

注)
通常、「肩で風を切るように」に続くのは「歩く」ですが、
チン君は、なんかしんないけど、体をずーっと揺すっているので
辞典に反した用法でも、ま、いっか、と。

頭は相当悪そうだけど、
ちょっとは怖そうなので、
みなさん、少しだけをキョリを置いているのだ。

そこへ、
幼稚園くらいの男の子とお母さんが乗ってきた。
すいてるもんだから、
男の子は立ちスペースに走りこんだ。
チン君の真横だ!

いやあ、子供ってスゴいっすねえ。
見慣れないものがあると
てゆうか
どう見てもヘンなモノがあると
てゆうか
見るからにフツーと違う人がいると
遠慮なく、ジロジロ見つめるんですね。
そして、
チン君を見つめる目が
「この人、おかしいよ」
って、訴えてるんです。

正直すぎる。

「なに見てんだよ」
と、子供相手にすごむわけにもいかず、
見てみぬふりをして
チン君は、ますます、肩で風を切ってつっ立っていた・・・。


8月17日(木よう日) 日直・橋本
 残暑お見舞い申し上げます。
ようやく、
1ヵ月半にわたる長旅から帰ってまいりました。
いや〜、暑いですねぇ。
暑い、暑い。
イタリアも暑かったけれど。
旅の最初、ローマに滞在した6月末から7月初旬頃は、
昼間は暑いけれど、
朝と夕は涼しくて、上着をはおったりもしてましたが、
フィレンツェに移動した7月中旬頃から、
俄然、
真夏、真夏。
あっつ〜。
ただ、日本と違うのは、
風が吹いたり、木陰に入ったりすると、
案外、涼しいのです。
湿度が低いせいでしょうかね。
緑の多い公園などでは、セミも鳴いてましたよ。
ミンミンとは鳴きません。
ありゃ、なんだろ、ザンザンかね?
最初、なんの音か判らなかった。
音といえば、
パトカーのサイレンの音がいいね、イタリアは。
レロレロ〜、レロレロ〜と道路を疾走していきます。
水の都ヴェネツィアでは、同様に水路を。
あの音、気に入りました。

時差ボケで、うまく眠れません。
すっかり胃袋が大きくなりました。
スキあらば、ビールかワインを飲もうとします。
日に何度かは、
毎朝私を起こしてくれた、フィレンツェの教会の鐘の音を聞いてます、空耳で。

しばらくは、
心も体もイタリア仕様でいきそうです・・・。


6月30日(金よう日) 日直・鬼界
いよいよ明日から、
ホームページが夏休み!
2000年4月にこのHPを始めて以来、
初めての長期休暇です。

なんと一ヵ月!

電車に乗っても
ヘンなヤツがいないかと目を皿のようにしなくていいんだ。
てゆうか、
ヘンなヤツがいますようにと乗る前に願わなくてもいいんだ。
「ジョナサンつぶれる」なんてメモを
手の甲に書かなくてもいいんだ。
そして、
それを見つけられて、和民の店員に笑われなくてもいいんだ。

ホントっすか?
いいんすか?
無期懲役の囚人が恩赦でシャバに出る感じっすよ。

んが、
楽しみな反面、心配もちょっとあります、
知らない間に日誌依存症になってて、
数日間、日誌を書かないと
イライラして
怒りっぽくなり
電車内で暴れたり
灯油をかぶって火をつけたり
クラシックのコンサート会場で突然、奇声を発したりとか
そんなことをしでかすのではないか・・・
ということです。

大丈夫かな・・・?

ま、その時には
偽名を使って、
てゆうか、別のHNで新たなブログを立ち上げようと思ってます。
だって
休みだ!と宣言したからにゃあ、
意地でも休まなくちゃ申し訳ないもんね。

ちなみに、偽名は
‘鬼界浩己’です。

ビミョーな偽名だ........。


6月9日(金よう日) 日直・鬼界
 (え!まだつづいてたのっ?)
その後のアっハァ〜んジジイの消息を。

・しばしば見かけるのだが、
いつも、同じ服装だ。
すなわち、
『足首ゴムのトレパンで、
クリーム色と茶色が格子のネルシャツを着、
もちろん、すそはトレパンにイン。』
でしたね。
初めて見たときは4月の末、
今は6月も半ばにならんとする時期。
気温はだいぶ違いますよ。
なのに、同じカッコ。
どこまで続くのか楽しみだ。
ぜひ、8月もそのカッコで乗り切ってほしい。

・どうやら、カメラ好き。
一眼レフのけっこー上等そうなカメラを
いつも首からぶら下げている。
ハリウッドの誤った日本人イメージみたいに。
んが、
写真を撮っているのは見たことない。
カメラに触ってるのさえ見たことない。
いっつも首からぶら下がってる。ぶらーぶらー。
あれはお飾り?
もしくは、老人向けケータイ?
あるいは、水鉄砲?

そんな謎をはらみつつ、
アっハァ〜んジジイは
近所の迷惑かえりみず、
今日も「アっハァ〜ん」シャウトするのであった。


5月17日(水よう日) 日直・鬼界
 (やっと書いた、つづき)
100キロ先からでも聞こえるような大音量で
お昼の、みのもんたを見ている家があるのだ。

たまりませんよ、ご近所は。
よくガマンしてるなあ。
僕だったら火をつけるね。
それくらいのことされて当然だ。

近づくにつれて
ますますうるさいやかましいノイジーだ。
と、
突然、
みのもんたが黙った。
静寂。
ちょっと、耳がピィーンとするくらい静かになった。
その静けさの中、
聞こえてくるではないか。

アっハァ〜ん
しかも、
アっハァ〜んアっハァ〜ん
お得意の連発だ。

アっハァ〜んジジイの巣がこのへんにあるんだ。
ヤツの生息地は近いぞ。

アっハァ〜〜〜〜〜〜んん
ひときわ高い雄たけびと共に
ヤツが現れた。
そこは
みのもんたが鳴り響いてた家じゃねえかぁぁぁぁぁぁ

アっハァ〜んジジイは
たいへん耳も悪いのでした。


4月30日(日よう日) 日直・鬼界
 (↓のつづき)
アっハァ〜んの正体は、

足首にゴムの入った、昔ながらのトレパンをはき、
(うん、あれはジャージじゃないね)
しかも、そのトレパンは元は水色だったはずなのに限りなく灰色に近くなっている。
上はクリーム色と茶色の格子柄のネルシャツを着、
しかも、そのネルシャツのすそはトレパンの中にインしてる。
「だらしない&みっともない&近づきたくない」を
絵に描いたようなカッコをした、
ガリガリにやせたジジイだったのだ。

うげっ、棺おけに片足つっこんでるヤツが
あんな悩ましい声を発するのか・・・・
声だけ現役?
世界はまだまだ未知に満ちている。
中国奥地には雪男だって生息するに違いない。

てゆうかさぁ、
色っぺえ声だ、それっ!とヤジウマ丸出しでのぞいたのに
そこにいたのはジジイだった・・・
という経験をさせられた僕って、哀れじゃない?
なんか、まんまとはめられた気がする。

そんな釈然としないままの翌々日、
買い物に出かけると、
なんと、
みのもんたが張り裂けんばかりの大声で叫んでいた・・・。

どういうことだ?  (つづく)


4月20日(木よう日) 日直・鬼界
アっハァ〜ん
夜更けに、うちの前を色っぽい声を出して通るヤツがいた。
しかも、
アっハァ〜んアっハァ〜ん
色っぽ声の連発だ。
んが、
どう聞いても、男の声だ。
オカマ?
ゲイ?
ホモ?
どれでもいいや。てゆうか、どう違うの?
とにかく、
今、うちの前を、パツンパツンの赤い皮のパンタロンに
サイケなシャツを着て
首にはスカーフを巻いた
内股の
ナヨナヨ男が歩いてるんだ。
そう思うと、
ジッとなんかしてられない。
僕はあわててドアを飛び出した。

遠ざかる後ろ姿があった。

ええっーっっ!!マジっ?

それは、
なんと・・・・ (つづく) 


4月12日(水よう日) 

『鬼橋日誌』のブログ化、無事、成功?!
見てみてくださぁ〜い!

http://blog.goo.ne.jp/onihashi/

よろしくね!!


4月11日(火よう日)

今後、『鬼橋日誌』は、
近日中に開始(予定・・つもり・・目標)のブログで更新していきます!

トップページでお知らせしまぁ〜す!
よろしくね!!


4月10日(月よう日) 日直・橋本
(つづき)

 高台から、下の道に降りはしたものの、
そこは、閑静な住宅街。
自家用車は通るが、
タクシーなど半日待っても来る気配がないような道。
オバアチャンは、
ここまで来るうちに、足の痛みも、だいぶ和らいだ模様。
つーか、
まったく平気そう。
ぜんぜん大丈夫そう。
ちょっと腰かけられる場所に、オバアチャンを座らせたところ、
地面に届かぬ両足を、
気持ち良さげにブランブランさせている。
ババア、治ってんのか?
くそ。
重量級をオブったおかげで、こっちの足が痛ぇーよ・・・。
でも、ま、今さら、
「なんか、もう、ぜんぜん平気。」と言われてもだ、
オバアチャン、嫁、私とR子、
三者三様アホっぽいぞ。
このまま、最後まで、「足を痛くした人」をやり遂げてもらわねばね。
特に、
私の顔を立てて欲しいもんだね。
 方向音痴の私がウロチョロすると戻って来れなくなる可能性大なので、
今度は、
方向感覚バツグンのR子が、
その嗅覚で、タクシーを拾いに。
しかし。
この嫁は、ほんとにムカつく女だ。
こいつも、
最近、世の中に急増している「子供が居るとね」症候群のバカ女か。
最初から最後まで、
「子供が居ますとねぇ」と言い訳し、
なーんもしない。
R子がタクシーを見つけに行ってる間が、ヤだったね。
「こんなことなら来なきゃよかった。」を、
嫁、姑、それぞれが、
それぞれの言い分で、
直接、相手に言うのではなく、
私に訴えてくるのだ。
そういう家庭生活とは、一生、無縁でいたいはずの私が、
なんだか、
そーゆーもののド真ん中に立たされちゃったようだったよ。
オバアチャンのセガレ、
すなわち、嫁のダンナ、
帰宅したらヤだろうねぇ、毎日、これじゃ。
R子が、
タクシーを見つけられぬまま、帰還。
仕方ないので、
高台の公園からも見えていた近所の家にSOS。
チッコイ物干し台で「花見」をしている様子が、
いかにも善人家族ふうなので、その家にした。
 ハイヤーを呼んでもらい、
数十分後、
無事、ハイヤーの後部座席に収まることができたオバアチャン。
乗り際、
助手席に乗ろうとしていた嫁に、
「私のバッグを。」と言った。
これ以上、自分のものを嫁に持たせてなるものかってな感じで。
嫁が嫁なら姑も姑なんだな。
だから、ケンカになるんだな。
それにしても。
その「私のバッグを。」で、
思わず「お駄賃くれるのかな?」と思った私って、なに。
帰りの電車の中で、その旨、報告すると、
「あたしも、そう思ったよ。とーぜんじゃん。」
とR子が笑った。


4月8日(土よう日) 日直・橋本
(つづき)

 「そうですかぁ、悪いわねぇ。
じゃ、おかあさん、おぶって頂いたら?」
と、嫁は、なんのタメライもなく言った。
まったくムカツク女だぜ。
考えてみりゃ、おめーがオブればいいんだ。
こんな嫁じゃ、姑はタマらんな。
R子と嫁の介添えで、
なんとか、しゃがんでる私の背中にオバアチャンが乗り、
オブる体勢が整った。
「では。」
いざ、立ち上が
無理。
重えーーーー!
死体かよ。
「中腰からイキます。」
いったん降りてもらったオバアチャンを私の背中に乗り直させ、
中腰の体勢から、
いざ、立ち上が
グエーーーーーーッ グ・・・グ・・グエッーーーーーーー!
なんだ、これは、すごい重量挙げか?!
地獄だ、地獄。
地獄の拷問だ。
まさにヘル。
ヘルだ、ヘル。
「ハァ、ハァ、・・・じゃ、歩きますよ・・・ハァ、ハァ・・」
1歩・・・2歩・・・
ウゲッ!
ヒザがぁ!
ヒザの皿が割れるぅ!水が溜まるぅ!
バ、ババア、なに食ってんだ、
お、重すぎ!
オバアチャンの背中に左手をあてがいながら、
嫁が私に声をかける。
「大丈夫ですかぁ?」
カバ野郎!
これが大丈夫に見えるけ!
その手をどけろ。
その、オバアチャンの背中にあてがった手をどけろ。
少しは軽くなるかもしれない。
7歩・・・8歩・・・
ヘーーーーーールプ!
「ハァ、ハァ、・・・きゅ、救急車を呼びますか・・・」
苦しい息の下で私が言うと、
すかさず嫁は、
「でも、どうやら、大したケガでもないようだし。
救急車を呼ぶほどではないんじゃないかしら?
ね、おかあさん?」
すると、背中のオバアチャンが、
「救急車は、いらない。」
なんだ、なんだ、こいつらグルか?!
新手の「いじめ」犯か?
「つっちゃセンセのところへ行く。」とオバアチャン。
つっちゃセンセ・・・?
嫁によると、
オバアチャンのかかりつけの「つちや医院」の院長らしい。
自宅の近所なので、
ここからは、自宅同様、4駅先に有るらしい。
タクシーさえつかまれば、
その、つちや医院に直行できる。
オバアチャンに訊いてみる。
「つちや医院は、‘骨つぎ’の病院なんですか?」
「つっちゃセンセは、普通の病院。
風邪ひいた時とかに行く。」とオバアチャン。
「え?つっちゃセンセ、ふつーの病院?
じゃ、今日行ったら、つっちゃセンセ、どういう治療をするんでしょう?」
「つっちゃセンセは、シップとかもくれる。」
・・・大丈夫か?つっちゃ医院で。
とりあえず、
医院まで行けるよう算段をしてあげれば、ナントカなるということだ。
タクシーだ、タクシー。
とにかく、タクシーをつかまえられるところまで行かねば。
 高台から下の道路までは、階段を降りるしかない。
さすがに階段は危険なので、
おんぶはヤメだ。
片手を手すりにつかまらせ、片側は私が肩をかし、
痛くしたほうの足をつかないようにして、
ゆっくりゆっくり降りていった。
「子供が2人居ると、ほんと身動きできませんわ。
今日も、おかあさんが桜を見たいとおっしゃるから、
やっと出てきたのに。」と嫁。
姑のオバアチャンは、そう言う嫁を、まるでシカト。
・・・・・・・。
なんか気まずいぞ。
1分ほど経って、オバアチャンが言う。
「あたしは、桜を見たいなんて言わなかったんだけどね、
嫁が行こう行こうっていうもんだから。無理して来て損しちゃった。」
嫁、シカト。
・・・・・・・・・・・・。
気まずいぞーーーーー!
ヘルだ、ヘル。
家庭内ヘル。
     (つづく)


4月6日(木よう日) 日直・橋本
 先日、友人R子と、等々力渓谷へ桜を見に行った時のこと。
高台にある公園の入り口で、
オバアチャンが、
両足を伸ばして、地べたにペタンと座っている。
スグ横で、
子供2人を連れた女性が、
困った様子で、オバアチャンを見おろしている。
オバアチャンは、足をさすっている。
歩き疲れて座っちゃってるのかな?と思いつつ通り過ぎたが、
どうもオカシイ。
オバアチャンは、わりとシャレた格好をしている。
地べたに何も敷かないで座る服装ではない。
数メートル行き過ぎてから、
ケガしたのか?と思い至り、振り返って見た。
どうやら本当にケガらしい。
横に立っている子供連れの女性が、ちょうど通りがかって、
ナントカしようとしているのかな?
が、
困った様子のまま、別段、何もせずにいる。
同じ「通りがかり」の身だ。協力すっか。
引き返して、
事情を尋ねると、
オバアチャンは、
「湿った地面でズルッとすべり、足首をくじいちゃったみたい。
尻もちをついた格好のまま動けないで、困っている。」と言う。
なるほど。
横の子連れの女性に、
「オバアさんのお連れのかたとかが、今、助けを呼びに行ってるとか?」
と訊いてみると、
女性は、
「いえ、子供も居るし、どうしたもんかと思って。」
・・・え?アンタがツレ?
思わず「お連れさん?」と聞き返すと、
「そうなんですよ。
困っちゃったわぁ、こんなところで動けなくなっちゃって。子供も居るし。
おかあさん、立てないんですか?もう、困っちゃったわぁ。」
ああ、嫁と姑ね。
子供ったって、
2人とも小学生じゃん。
子供をオバアチャンに付き添わせといて、
自分は、近所の家に救いを求めるとか、
車通りまで降りていってタクシーを見つけてくるとか、
できることあるじゃんよ。
「お住まいは?」と訊くと、
電車で4駅ほどだと言う。
「ケータイでハイヤーを呼んだら?」と提案すると、
嫁は、
「ここの番地も知らないし、ハイヤーの電話番号も判らないわ。」と。
「あそこの家に行って、教えてもらったらどうです?
私達、居ますから、ここに。」と私たち。
すると、
「でも、子供達を置いても行けないし。困っちゃったわぁ。
おかあさん、ほんとに立てないんですか?」
なんだ、この女。
アホ嫁だ。
ムカつくから、ほっておこう。
とも思ったが、
オシャレして地べたに座ったままじゃ、オバアチャンが哀れだし。
仕方ない。
やろう。
私も小柄なほうだが、R子は、さらに小柄だ。
仕方ない。
私が、やろう。
しかし、このオバアチャン、チビだけどデブだぞ。
重そうだなぁ・・・。
私は、オバアチャンに背中を見せてしゃがみ、
言った。
「下の車通りまで、おぶっていきますから。」
      (つづく)


4月5日(水よう日) 日直・鬼界
実家から異様に重いダンボールが送られてきた。
宅急便のお兄さんも
大きさからは想像もつかない異様な重さに油断したようで
ちょっと腰がフラついている。
フラつきながらもさわやかな笑顔で
(宅急便の人って、
愛想いいお兄さんと、無愛想なオッサンの落差が激しすぎると思う)
「どこに置きましょうか」と聞いてくれるので
「ここでいいですよ」と玄関の地べたを指差したのに、
人の話を聞いてないのか、
上がりがまちのスリッパの隣りに置きやがった。
思わず
「あっ!」
と声が出ちまった。
だってさあ、
宅急便で送られてくるダンボールの底って、メチャクチャ汚れてんじゃん。
はっきり言って、真っ黒け。
宅急便のトラックの荷台はゴミ箱か?
と疑うくらい汚れ果てている。
白いフローリングに置くと、跡がつく。
僕が
「あっ!」と言ったもんだから、
お兄さんも
「えっ?」と素っ頓狂な声を出し、
「すいません、置き場所、違いましたか?」という申し訳な顔をしてるので、
「いえ、なんでもないです」と言いました。
なんでもないヤツが突然、「あっ!」とは叫ばないけど、ま、いいか。
お兄さんが帰ったあと、異様に重い箱をどけると、
案の定、跡がついてたので、拭きました。
ったく、もう
なんとかなんないかねえ、宅急便。

と、ここまで書いて、ふと思ったんですが、
宅配物の箱の底がきっちゃない、というのは
日本国民全員の不満ですよね?
てゆうか、あなたもそう思ってますよね?
僕だけがいじましく神経質になってるわけじゃないですよね?
いちおう、念のための確認。

で、異様に重い箱の中身は、
って、長くなってしまったので、略。いいですよね?


4月4日(火よう日) 日直・橋本
 今朝、
米大リーグ・マリナーズ城島選手(昨年まで、王監督率いるホークスのキャッチャー)のデビュー戦をテレビ観戦。
やはり、観ないとね、デビュー戦。
今までは、
気になるイチロー選手や井口選手(同じく元ホークスの選手)のことは、
スポーツニュースの、各人の試合のダイジェストを見て済ませていたが、
城島選手が入団したとなると、
がぜんマリナーズの試合が気になる。
今シーズンから、
観るものが増えて、大変だな。
なーんてことは、
下山さんの前では、口が裂けても言えないな。
大リーグの大大大ファンである下山さんは、
今朝の試合はモチロン、
そのスグあと放映のヤンキースの試合も、
絶対、絶対、観ていたはず。
観ないわけがない。
全試合、観るはず。
昨年の今頃が、
ちょうど公演前の稽古期間だったのだが、
稽古場でも、
毎日、毎日、
スキあらばメジャーの話に熱中。
聞いてくれる人が、1人減り2人減りして、
最後には、チンプンカンプンの私を相手に、
それでも、嬉しそうに、悔しそうに、
その日の早朝に観た試合について、熱く語ってくれたものだ。
日々、深夜まで仕事をしている下山さんは、
シーズンが始ると、ギリギリの睡眠時間。
今日の、
マリナーズ、ヤンキース、2試合を観たはずの下山さんに、
今夜、会う予定なのだが、
寝不足でご機嫌ナナメなのか、
それとも、
大リーグ・ハイの状態になっているのか。
いずれにしろ、
話題が野球になったら、
例によって熱く語ってくれるにチガイない。
自分が良く知るものを語る際、
大概の人は、批評家めくものだが、
下山さんは、不思議と、そうならない。
だからか、
「彼が語るもの」への、
彼の「ホレ込みよう」だけがジンジン伝わってきて、心地よい。
今夜、会う予定になっていて、ラッキーだったかも。
いい酒が飲める。


4月3日(月よう日) 日直・橋本
 「アナログな私」といえば、
先日、新星堂でもビックリこいた。
ピアノの楽譜を見に行ったついでに、
店内を物色。
買うつもりは無いんだけどね。
今、どんな歌手が居るのかなと。
客は私だけだ、
ゆっくりウロつけるぞ。
すると、
そこかしこに、CD試聴器が設置してある。
そして、
それは、「バーコードをかざせば聴ける」というハイテク試聴器。
試聴器なるものを使ったことが無い私だが、
これだったらデキるのでは?
バーコードをツーとやればいいんでしょ?
よし。
初・試聴器は、やはりビートルズにしよう。
しかも「レット・イット・ビー」だぜ!
ヘッドホンを装着し、
いざ、CDのバーコードをツー。
・・・出ねーじゃん、音。
やり方、マチガってる?
たてよこ左右、あらゆる方向でバーコードを出し入れしてみるも、
ウンともスンともいわない。
聴けないじゃん。
だめだ、これ。次!
隣りの試聴器へと移動。
同じく、何度やり直してもダメ。
おかしい。
CDが悪いのかな?
ビートルズをあきらめ、
陽水のCDを探し、やってみるが、これまた何度やってもダメ。
聴けねーじゃんかよぅ。
だめだ、これ。次!
隣りの試聴器へと移動。
音、出ない。次!
隣りの試聴器へ。
無音。次!
一体、どうなってるの。
陽水のもあきらめ、
そのへんのCDを手当たり次第に次々と取り出しては、
次々と試聴器をはしご。
できなーい。
きけなーい。
たすけてー。
ふと、視線を感じ、
その方向へと振り向くと、
右横8m先にあるレジ・カウンター内の若い男性店員2名が、
思いっきり見ていた。
・・・見てたのね、今の全部。
その「あの女、デキねーでやんの。」という目はヤメテ。
くっそー。
このままスゴスゴ帰ってたまるけ。
こうなりゃ意地でも、
「今までのは、試聴器の不具合のせいだったのか」と、
店員に思わせてから帰らねば、一生の恥だ。
気づけば最後の1台だ。
「頼む。音、出てくれ」と祈るような気持ちでトライ。
CDのほうにも、お祈り。
お願いね。
・・・なに、このジャケットの気取ったおっさん。
誰。
中条きよし。
・・・いいや、もう、誰でも。
音さえ出りゃ。
いや、
たとえ音が出なくても、出たことにして、聴いてるフリをしよう。
2分ぐらい、そうしてりゃ、なんとか格好がつくだろう。
バーコードをツー。
出た!音が出た!
やった!
やり方、合ってたんだ!
ばんざい!
初・試聴!
・・・中条きよしか・・・。


4月1日(土よう日) 日直・橋本
 今日は、エイプリル・フール。
そういえば、
前々回公演の稽古が、ちょうど今頃の季節で、
エイプリル・フールも稽古日だった。
皆、朝から、「ウケるウソ」を思案しつつも、
稽古で、なかなか、それもままならず、
そうこうするうちに、
夕食休憩も終わり、
夜の稽古になってしまった。
ま、仕方ない。稽古中だ。
それに、
皆、お互いが虎視眈々とチャンスをうかがっていたほどだ、
常時「エイプリル・フール」を意識しているということだ。
ちょっとやそっとのウソをついたところで、
だまされやしまい。
考えるのもめんどくせーし。
と、
メンバー5人が全員登場するシーンの稽古の最中、
演出家が、突然、
「ちょっと、ごめんね、急用で家に電話してくる。」と、
稽古を中断し、部屋を出て行った。
と思うと、
数分後、走って戻ってくるなり、
「富士山が噴火したらしいぜ!
今、テレビで大騒ぎしてるんだって!」と、興奮状態で報告。
私達、全員、
「ええええええーーーーーっ!!」
演出家、
「ウソ。」
見事にだまされました。
だまされるもんなんです。意外と。
ちょっとやそっとのウソで、結構、イケるんです。
演出家は、稽古中ずっと、家族につくウソを考えていて、
ふとヒラメイテ、電話をかけに行った。
家族も、思いっきりタマげたそうだ。
「‘富士山’と言うところが、あらゆる意味で、カギだ。」
と演出家は言っていたが、
確かに、そうかも。
で、
今日、このウソ、拝借することにした。
R子に電話。
そうはいっても、やはり、利口なヤツよりバカのほうがチョロいからね。
R子が出た。
「テレビ見てる!?噴火したんだってよ!」
と、いかにも重大事を告げる私。
「なにが?」とR子。
この、まったく食いついてこないR子の返事が、
このあとに「富士山大噴火!」という馬鹿げた大ウソをほざく勇気を失わせた。
テンション低いヤツ相手に大ウソこいて、
「ウ・ソ・さ〜♪」と明るくシメるド根性は無いの、私。
たとえ、やりぬいたところで、どうなるよ。
私は、とっさに、こう答えてしまったのだ。
「阿蘇山。」
R子、
「へぇ〜。」
なんだ、これ。
普通のサメた会話じゃんかよ。
大失敗じゃん。
このウソ、マネっこする時は、
一気に言っちゃったほうがイイみたいっす。


3月31日(金よう日) 日直・鬼界
ドラッグストアへ行くと、
品出ししているおねえちゃんにジイサンが絡んでいる、
と思ったら、
大声で質問しているのだった。

「シャンプーが欲しいんだけど、どのシャンプーがいい?
たくさんあって、わからんけん、ガハハ」

「どういったものをお探しですか?」

「ん、シャンプーじゃ」

このジイサン、バカと見た。

「洗いあがりがシットリするとか、こんな匂いのがいいとか、
何かお好みがございますか?」

このおねえちゃん、強い!、てゆうか、冷たい?
ジイサンの大ボケなんか全く無視、ウケもしなけりゃヒキもしない。

「小さいのがいいな」

「じゃあ、このあたりに」
と、ポンプタイプじゃないのが並んでるところに案内すると

「いやいや、もっと小さいのじゃ。旅行に行くんでな」

「でしたら、こちらです」
と、携帯サイズが並んでいるところへ連れて行く

「おお、こういうのこういうの、旅行に行くんでな。
うちにあるのを持ってくのは重いじゃろ、旅行には。
こういうのを探してたんじゃ、旅行に行くんでな。
いろいろ買い揃えとるんよ、旅行に行くんでな。」

矢継ぎ早に言葉を発するジイサン。
話し掛けられてるから、その場を去ることもできずジリジリしてるおねえちゃん。

おねえちゃん、あんたもバカだったのね。
このジイサンが延々としゃべり続けてる原因はあんたです。
「ご旅行はどちらへ?」
この一言を言って欲しいに決まってるでしょ。
ジイサンは「旅行」という単語を100万回連呼してるじゃないですか。
が、
おねえちゃんはジリジリしてるだけ、
うなづきはしてるが、相槌の言葉もない。
だんだん、ジイサンがジリジリしてきた。
問われたから仕方なく行き先を答えるという展開に持ち込む予定だったのに、
ぜんぜん事が運ばない。
とうとう、ジイサン、自分から言っちゃった。

「中国へ2週間ばかり行くんじゃがね」

どうだい!という自慢げな顔。
それに対し、おねえちゃんは

「あ、そうですか。じゃ」
と、8割がた無視の返しで、そそくさと去って行った。さすがだ、強い、てゆうか、冷たい、というか、
老人虐待に近いものだある。

ジイサンはうなだれてレジへ行った。

そのあと、西友の下着売り場に行くと、このジイサンがいた。
遠くからでもよく聞こえる大声で
「旅行に行くんじゃよ」
と言っていた。

よほど嬉しいのね、中国。



3月30日(木よう日) 日直・橋本
 地方に住む友人に荷物を送る為に、郵便局へ行った。
メモしていった送り先の住所等を記入すべく、
ゆうパックの「伝票」をもらう。
いざ、記入。
そして、
送り先の電話番号をメモしてくるのを忘れたことに気づいた私。
こんな時は、
あれでしょ、皆さん、ケータイで調べるんでしょ?
友人・知人の電話番号、みーんな登録してあんでしょ?
96%ケータイを使いこなせてない私の場合、
こんな時は、
どうするでしょう?
サイフを取り出します。
サイフのポケットに入っている、
自作「プチ・Tel番号案内表」を見るためです。
名刺サイズの2つ折りカードに、
ビッシリ、電話番号が書いてある。
気持ち悪くなるほどチッコイ字。
「都内版」と「それ以外版」と、2つ有る。
電話嫌いの私が、
こっちから、しかも外出先から電話することなど稀だが、
それでも、
なにかの時のために持ってるのさ、念のため。
サイフのポケットは、
他に、
地下鉄路線図、各路線終電時刻表(自作)、愛猫の写真など、
‘ケータイを使いこなせてさえいれば不要’なモノで、ぱんぱん。
仕方ない。やりかたが判らない。
 送る荷物を、
記入し終えた伝票と共に、カウンターに出した。
受け付けのニイチャンに、
「向こうには、いつ到着します?」
と、尋ねてみた。
すると、
ニイチャンは、
ズボンのポケットから、サイフを取り出した。
さらに、
サイフのポケットから、
なにやら名刺サイズのカードもどきを取り出して見ている。
そして、
「明後日です。」と答えた。
あんたもか。
それは、自作の「到着日の早見表」かい?
その、
あんたの目の前のパソコンは、
使いこなせないのかい?
お互い苦労するね。
客といい、局員といい、
郵便局でのアナログな、ひとコマ。


3月29日(水よう日) 日直・鬼界
洋服のブラシを買いに行った。
なにげなく手に取った1本が
「高級豚毛 カシミヤにも使えます」というもので
3500円。
いいお値段のブラシも売ってんだ。
並んでるブラシを次々見ると、
5000円、6000円、9000円とどんどん高くなっていく、
最高は、鹿児島産黒毛豚豚毛使用・高級カシミヤ専用ブラシ18000円だった。
たっかあーっ!
これじゃあ、ブラシ買うよりスーツ買ったほうがいいじゃんか!
鹿児島産黒豚は食うだけじゃなく、こんなとこでもブランドなんだ。
さっき買った靴用ブラシは
同じく豚毛で350円だったのに
(オシャレなフレッシュマンみたいな買い物してるぞ、オレ)
服用ブラシはなぜこんなに高い?
で、
ふと思ったんですが、
どのブラシも、ふさふさと豚毛が使われてるのですが、
豚って毛がはえてた?
ベイブもつるんとしてたし、
スーパーの肉売り場に貼ってある黒毛豚の写真もつるんとしてるよ。
なのに、服ブラシ、靴ブラシ、歯ブラシと
豚毛つかってるものは、いっぱいあるよ。
どういうこと?
それとも、豚の体のどっかよく見えない、陰になってる部分には
もしゃもしゃと毛がはえてんの?
そんな毛で歯をみがいたりすんの?
オエッ。

気持ち悪くも不思議だ。


3月27日(月よう日) 日直・鬼界
 (前回のつづき)
デコちゃんの哀しい恋は、なんと9年間も続いている。
他のデコイには脇目もふらず、
生きたメスが声をかけてもまったく無視し、
ただただ、デコイ22命。
秋になると、やって来てはダンスをし、唐突に乗っかり、
しばらくはウキウキしてるが、やがて、周囲のデコイに当り散らし、
春が来ると、去っていく。
それを9年間繰り返してきたのだ。

これぞ、あほうの中の、あほう。
キング・オブ・あほう。

本人的には、どうなんでしょうねえ?
満足なんでしょうか?
愛さえあれば、五体満足であろうが、植物人間であろうが、なんの違いもない!
ということなんですかね?
でもね、五体満足だった愛する人が植物人間になってしまうのと、
植物人間をいきなり愛するのとは、
だいぶ違う気がするんですけど・・・・。
デコちゃんの胸のうちは、デコちゃんに聞いてみないとわかんないですけどね。
なんにしても、哀しきあほうです。

そして、事態の急変を告げる決定がなされた。
2006年5月、
鳥島からすべてのデコイが撤去されることになったのだ。
え!
あほうどりの繁殖地としてしっかり根付いたので、
人工(模型)のデコイはその役目を終えたというわけだ。

哀しい恋に、こんな結末が待っていたとは。

どうなるんだろう?
どうするんだろう?

何も知らないデコちゃんは、今日もダンスを踊っているにちがいない・・・・。


3月26日(日よう日) 日直・鬼界
  (前回のつづき)
まあ、ここまでの努力があるわけですから、
たとえ、「強姦罪」で裁判に訴えられたとしても
「合意の上の行為」として
勝訴できると思うんですよ。
てゆうか、これで負けたら世論が許しませんよ。
もし万が一、世論さえもが被害者(デコイ22)の側についたとしても、
僕はデコちゃんの味方だ。
「よくぞ、やった」と誉めてあげたい。

が、

一線を超えたとて、どうなるものでもない。
満足そうなデコちゃんは、いそいそと巣の掃除をしたりしているが、
デコイ22は知らんぷり。じっと海を見つめるばかり。
いつ卵は生まれるんだろう、とデコちゃんは落ちつかなげにウロウロしてるが、
デコイ22は海を見つめるばかり。
いつまで待ってもなにも起こらない。
彼女は海を見ているだけ。
やがて、デコちゃんは荒れ出した。
荒れたの荒れないのって、もう大変だったそうだ。
他のデコイに噛み付く、体当たりする、怒鳴り散らす、
相当機嫌の悪い時は、目をつつく。
デコイ22以外の92体のデコイのうち、
最終的には74体が補修されたそうだ。
もちろん、デコイ22は補修の必要はないが、
あほうどり臭くって、ちょっと近寄れないそうだ。
ああ、デコちゃんの愛のにおい。

この実らぬ恋は、一体いつまで続くのか?
なんと・・・・  (つづく)


3月25日(土よう日) 日直・橋本
 本日、
パ・リーグ開幕です。
果たして、
城島選手のアナは、埋められるのでしょうか?
ムネりんは、イチローから学んだ数々のことを生かせるのでしょうか?
松中は、少しは早く走れるようになるのでしょうか?
そして、
王監督は、この短期間で戦力を把握できたのでしょうか?
不安材料は少なくありません。
が、応援するのみです。
今年、
再度、鬼界さんの阪神と戦って日本一になるべく、
応援するのみです。
WBC祝勝会での‘シャンパンかけ’の音頭は、
王監督の、
「諸君は素晴らしい!
今日は、思いっきりヤろうぜ!」の言葉でした。
グーにした片手で空を斬りつつ、
「ぃえーい!」って感じで、
「ヤろうぜぃ!」言ってました。
ぎこちねえーー!
合わねえーー!
でも、いいーー!
いいです、王さん。
好きです。
このヤングな王監督のひとコマは、
とりあえず今年イッパイは保存版です。
と思っていたら、
先日見に行った中川家の漫才でネタにされてました。
「ぎこちなかったでしょ?あれ。
左手だから。
あの人、ギッチョだから。」
なるほど。
ぎこちないのは、左手だったからか。
パ・リーグ開幕戦、
もうすぐプレイボールです。


3月24日(金よう日) 日直・鬼界
  (きのうのつづき)
その時の映像が残されている。

ダンスに疲れたデコちゃんが、
巣のほうへひょこひょこ歩き出すと、
その一瞬の間隙を縫って、
ひらりと1羽のオスあほうどりが舞い降り、
デコイ22に向かって、求愛ダンスを始めるのだ。
その時のデコちゃんの顔!
キョトンというか、ポカンというか、
パチクリ開いた目と半開きの口で突然のライバルの出現に放心している。
間男された抜け作みたい。
とにかく、あほうな面。
ハッと気づいたデコちゃんが叫び声を上げて猛攻に出ると、
ライバルは、なーんの抵抗もなく、さっさと逃げて行くのだ。

どういうことだったのだろう?
デコちゃんをからかったのか?
それとも、「こんな不感症のメス、いらないよ」と早々に見切ったのか?

その後のデコちゃんが切ない。
前にも増して、必死に求愛ダンスをするのだ。
でも、デコイ22は知らんぷり。
哀しすぎる・・。

ダンス・無視・ダンス・無視・ダンス・無視・・・・
来る日も来る日も、そんなこう着状態が続いた。

んが、しかし、けれど、but、
ある日、
デコちゃんは実力行使に出る。
なんの前触れもなく、
いきなりデコイ22に乗っかったのだ!
交尾だ!
交尾だ!
念願の交尾だ!
すっげえ!やるぜ、デコちゃん。 (つづく)


3月23日(木よう日) 日直・鬼界
  (前回のつづき)
その時の映像が残されている。

って、「どの時」か覚えてます?
前回の“デコちゃんのお話”から、3日も経っちゃいましたからね。
その間、
バタバタしてて、WBCは見てないんですが、
昨日の、大会終了後の日本とキューバ、それぞれの盛り上がりを伝えたニュースは見ました。
笑っちまいました。

まず、日本。
NHKの7時のニュースで、
「まもなく、選手達を乗せた飛行機が成田空港に到着します」
とマジメくさった言葉にかぶせて
夜の成田空港の映像が流されているのです。
ただの空港の夜景です。
選手がいるわけじゃなし、滑走路写したって、ただの滑走路ですよ。
昨日の夜の滑走路も明日の夜の滑走路も同じです。
そんなもん見て楽しい?ワクワクする?
で、7時25分過ぎに飛行機が来ました。
すると、
「今、選手達を乗せた飛行機が到着しました。世界一の選手達の帰国です」
という弾んだ声とともに
着陸する飛行機の映像がインサートされたんです。
飛行機写して、どうなんの?
窓から選手が見えるわけじゃなし、機体に「祝!優勝」と書いてあるわけじゃなし、
他の飛行機と何が違うの?って感じでしょ。
こんなもん見て楽しい?感動する?
わからん。

そして、キューバ。
どっかの会場に、たっくさんの人が集まって、すっごい祝賀会やってんですよ。
カストロ議長が、えっらい興奮して演説してました。
なのに、後ろに写ってる軍服の人や、その隣りにいるTシャツの人が
(軍服とTシャツが並んでる式典がそもそもヘンだ)
とってもダラけてんですよ。
ガッバアと大また開いてるし、肘掛で頬杖ついてるし、
あんな態度じゃ銃殺されるよ・・・・
と心配してたら、
なんと、式典は5時間もやってんですって。
バカじゃねえの、キューバ人。
ヒマすぎ。
そりゃあ、5時間もやってりゃダラけるよ。
しかも、カストロ議長の演説は1時間以上もあったそうです。
オシャベリさん?
で、対戦した日本の選手を褒め称えていました。

「世界一になった日本チームは本当に素晴らしい。
私も記憶に残った選手が何人かいた。
華麗な守備を見せてくれた、フ、フ、フヒタ、ソ、ソーリ、
リードが光った、ザ、ザカザギ・・・ザカザギトム
長打の・・・・ンマ、ンマ、ンマカ、・・・・ンマカノーヒー。
彼らの活躍を讃えたい」

一人もわからんわ!
誰だよ、フヒタソーリって?
藤田宗一のことか?ヤツはピッチャーだろ。華麗は守備はしてません。
ザカザギトムって、親指トムの親戚か?
たしかに、里崎は親指みたいな体型してっけどよ。
ンマカノーヒー?アフリカの土人?もしや、松中信彦?
たいがいにせーよ、カストロ議長。
スカトロ議長って、呼んじゃうよ。

あっ!
WBCバカばなしで終わってしまった。
デコちゃんのお話は、次回書きます。つーことで、(つづく)


3月22日(水よう日) 日直・橋本
 19日、21日は、ホント、幸せな2日間でした。
と思っている人は多いんでしょうねぇ。
19日の準決勝(韓国戦)は、
瞬間最高視聴率50%だったらしいですよ。
代打・福留がホームランを打った時でしょうかねぇ?
あのツーランが、
圧勝への口火を切ったわけですからね。
あれで、韓国はガックリです。
で、その、
ガックリした様子の韓国ベンチ、
なんで、あんなに汚いんでしょう?
いろんなモノが落ちている。
津波が去ったあとのような散乱ぶり。
あれは、なに?
紙?紙コップ?箱?
食ったり飲んだりした容器を、足元に捨ててるの?
地面=ゴミ箱?
自分ら、ヤじゃないの?
わかんねえ、韓国人。
次から次へと交代する投手も、
出てくるヤツ出てくるヤツ、皆、同じ顔。
同じ髪型。似た体型。
だれがどれだか、わかんねえ、韓国人。
 わからないといえば、
昨日の決勝戦の相手のキューバ人。
アマチュア野球最強国。
プロ野球は無いそうです。
なぜ?
でも、
アマチュアだからといって、
キューバチームの選手達が、
普段は、町の工場で労働に励む職工ってことはないんでしょ?
大金持ちなんでしょ?
プールつきの豪邸に住んでんでしょ?
国から、いっぱいお金もらってるんでしょ?
「でもアマチュアってことにしとこうぜ」ってことなんでしょ?
社会主義国家だからね。
「貧富の差」の原因を、国が作ってるように見えちゃマズイからね。
カストロ議長も、
試合前、
「わたしは、選手に、“勝て”とは言ってない。
“全力を尽くせ”と言った。」
このように述べてましたもんね。
でも、これ、
「勝たなきゃ殺す。」っつーことなんでしょ?
こっわーい。
カストロ議長って、
『ゴッドファーザーPARTU』で出てきたキューバ革命の人でしょ?
まだ生きてんだ?
こっわーい。
 わからないといえば、
アメリカ人もだ。
そもそもWBCの言い出しっぺなんでしょ?
なのに、
なんで、あまり関心無かったの?
ラジオの米軍放送のスポーツNコーナーでも、
日々、メジャーのオープン戦のことは言っていたが、
WBCのことは、
一言も触れずじまいでしたよ。
チームは、
合宿すらしなかったそうです。
「ナメてた。」そうです。
言い出しっぺなのに?
 わからないことがいっぱいのWBCでしたが、
見応え有りました。
松中選手の
「尊敬する王監督に恥をかかせたくない。監督を頂点に立たせたい。
そう思って頑張りました。」
の言葉に、涙が出ました。


3月20日(月よう日) 日直・鬼界
  (前回のつづき)
そして、10月になった。
繁殖のために、あほうどりがやって来る季節だ。
鳥島に来るあほうどりには足輪がつけられ、
GPSによって、現在位置が誤差50cmの範囲内で把握される。
その作業を担っているのが、
山階鳥類研究所鳥島観測班だ。

読めます?
‘やましなちょうるいけんきゅうじょ(以下略)’です。
「おや?」と思った方、
あなたは皇室通です。
そう、山階鳥類研究所こそ、
あの黒田サーヤ清子サマや、高円宮殿下サマがお勤め遊ばす(ヘンなの、日本語って)、
あの山階鳥類研究所です。
皇室関係者の就職先を、なぜか、一手に引き受けているばかりでなく、
あほうどりの面倒まで見ているとは!
あなどれんな、山階。

あ、それから、
以後は、「山階鳥類研究所」を「研究所」に略します。
「やましな」で変換されないし、長ったらしくて、めんどくさいんで。

そのシーズン初めて、GPS画面に鳥島に向かうあほうどりの群れが映しだされた。
いくつもの点が固まってゆっくり移動している。
その中に、
集団から大きく先行し、鮮やかな光跡を描く点があった。
何かにせきたてられるように、
何かを待ちきれないように、
全くぶれることなく一直線に飛行している。
不思議に思った研究員が、その直線の先をたどってみると、
そこにはデコイ22があった。
まさか・・・・。
2日後、デコイ22に向かって求愛ダンスをする1羽のあほうどりが確認された。
あのあほうだりだ。
また来やがった!

なんて、あほうな。
というより、なんて、哀しきあほうなんだ。

研究所でも話題になった。
「よっぽどデコイが好きなんだな」
「でも、他の89体のデコイには見向きもしないんですよ。目指すはデコイ22だけ」
「ホントにデコイが好きなんだ」
「いや、純愛ですよ」
「よっぽどデコイが好きなんだよ」
「同じ事ばっかり言ってません?」
「デコちゃん、だな」
「は?」
「デコイが好きだから、あいつの名前はデコちゃんだ」

なんて、あほうな名付け方。
というより、なんて、哀しきあほうな名前。でも、ピッタリだ。

名前までもらい、研究所で人気者になったデコちゃん。
本人は、いや、本あほうは、そんなこととは露知らず懸命の求愛ダンスを続けていた。
二人の、いや、二あほうの恋愛関係に変化の見られない(当たり前だ)ある日、
別のオスあほうどりが飛んできて、
デコイ22に求愛ダンスを始めたのだ!

なんて、あほうな!たまらん、あほうだ!
どうするデコちゃん? (つづく)


3月18日(土よう日) 日直・鬼界
  (きのうのつづき)
あほうどりの巣は通常、オスメスが協力して作るものらしい。
が、いかんせん、デコイ22は動けない、つーか、動かない。
仕方がないので、彼は一人でせっせせっせと巣作りをした。

「ぼくの彼女は恥ずかしがり。
異性を目の前にすると、カチンコチンに固くなってしまう。
ウブなのかな。
でも、マイホームができれば、きっと彼女も打ち解けてくれるさ。」
あほうなりに自分に言い聞かせ、
一生懸命、作った。
「ぼくが鳥島にやって来たのは、10月だったのに、
いつの間にか、桜の季節を迎えている。
そして、ぼくたちの繁殖期間は5月で終わってしまう・・・。
それなのに、彼女はうんともすんとも言ってくれない。
逃げ出さないところをみると、嫌われているわけではなさそうだ。
でも、愛のダンスにこたえてはくれない。
いつも海を見つめているばかり。
なぜなんだろう?
わからない。
愛って、むつかしい・・・。」

半年あまり、彼は求愛ダンスを踊り続けたが、
なんの成果も得られぬまま、
アラスカへと帰る時が来てしまった。
渡り鳥の宿命だ。
他のあほうどりたちが次々と鳥島をあとにするなか、
彼は最後までデコイ22のそばにいた。
悲しげな鳴き声をあげ、デコイ22の体をくちばしでつついている。
「一緒に帰ろう」
そう言っているのだ。
しかし、デコイ22は海を見つめるばかり。
とうとう、鳥島にいるあほうどりは彼だけになってしまった。
ずっとここにいたい。
でも、渡り鳥の本能が、それを許さない。
亜熱帯には珍しく、まるで梅雨のように、小ぬか雨がそぼ降る6月の或る日、
彼は島を飛び立った。
最愛の恋人を残して。
こうして、悲しい恋は終わりを告げたのだった・・・。
と、思いきや、
なんと、これが悲しい恋の始まりだった。  (つづく)


3月17日(金よう日) 日直・鬼界
ニュースを見て、泣いた。
それはこんな話だ。

絶滅の危機に瀕した、あほうどりに
なんとか繁殖してもらおうと
十数年前、
鳥島(とりしま)に、精巧なあほうどりの模型(デコイ)を90数体設置し、
あほうどりの求愛の鳴き声をスピーカーから流し始めたのだそうだ。
ちょっとアホウに思えるアイデアだが、
なにせ、あほうどりが相手だ。
「おや、この島は、仲間がいっぱいいるぜ。
そのうえ、ヤツラ、求愛中じゃん!
てことは、これからナニするわけだ。
うっわ、いいなっ。ご一緒させてもらおっと。(キュィ〜ン)」と急降下。
日に日に、あほうどりは増え、
一大繁殖地となった。メデタシメデタシ。
で、終われば、
さすがの僕も泣きはしない。
というより、これで泣いたら、ツボ、異常すぎ・・・・・。

ある日、1羽の若きオスあほうどりが飛んで来た。
あるデコイ(bQ2のデコイ)を本物のメスあほうどりと勘違いし、
模型に向かって、熱烈な求愛ダンスを始めた。
あほうどりは、あほうなだけに、
こういうことは、しょっちゅうあるのだそうだ。
が、いくら、あほうでも、
頑張って求愛しても相手がピクリともしないので、
「ダメだ、こいつは奥手すぎる。」とか
「チェッ、オイラのワザって、そんなヘタなんだ・・・」とか思って
すぐにあきらめる。
(「なあんだ、人形なんだ」とは思わないそうだ。さすが、あほう。)
なのに、
このオスあほうどりは、延々とダンスをし続けた。
途中、デコイ22を口ばしで突っついたりもした。
首と首を絡ませたりもした。(かなり高度なテク)
当然、相手は無反応。
とっぷりと日も暮れ、夜の帳が下りてきた。
あほうなうえに、鳥目なもんで、動きもしりめつになってきた。
疲れ果て、とうとう、彼は動きを止めた。
そして、オスあほうどりは飛び去り、
あとには、動かぬデコイ22と満天の星空だけが残された・・・・。
と思いきや、
次の日、早朝から彼はデコイ22のもとに飛来し、
求愛ダンスを再開した。
日が暮れるまで踊った。踊り狂った。
その次の日も、その次の日も。
やがて、彼はデコイ22の隣りに、なんと、巣まで作り始めたのだ・・・・。 (つづく)


3月16日(木よう日) 日直・鬼界
隣りの住人がオカしい。
1ヶ月くらい前から、出かけるときに
念入りに鍵かけをチェックするようになった。
カチャンと鍵をかけたあと、ガチャッとノブを回してロックされてることを確認する。
前はそんなことしなかったのに、
と思ってるうちに、
カチャンガチャッがカチャンガチャッガチャッになり、
そのうち、カチャンガチャッガチャッガチャッガチャッに増え、
すぐさま、カチャンガチャッガチャッガチャッガチャッガチャッガチャッに病的化し、
今や、いったん出かけたのに戻ってきてカチャンガチャッ×100するようになった。
これって、なんとかいう神経の病なんでしょ。
なんのキッカケかわからないけど、ひょっこりなっちゃったりすんでしょ。
ヤだなぁ、こんななったら。
特効薬とかあるのかなあ。
とにかく、隣人も早く治ることを僕は祈るばかりだ。
うるさくってしょうがねえよ。


3月15日(水よう日) 日直・橋本
 下山さんといえば。
実は、
この下山さん、
「私の夢の中での登場回数、ダントツNo1」の人なのだ。
私は、ほぼ毎日、なにかしらの夢を見るのだが、
下山さんの登場は、
平均すると、
3日に1度、
いや2日に1度だな。
5夜連続出場なんてのも、たまにある。
ただし、
たいがい、
重要人物としてではなく、ワキ役としての登場だが。
出番は多いのだが、どれもこれもチョイ役なのだ。
例えば、
「悪者に追われ、山に逃げ込み、道を訊くため山小屋に行くと、
そこに居たのは、キコリ姿の下山さん。」
とか、
「ジョーズの被害者が、大勢、浜に上がったと聞き、急いで駆けつけると、
そこに死んでいたうちの一人は、足を食われた下山さん。」
とか、
「小学生に戻った私が、給食室に給食を取りに行くと、
そこには、三角巾をかぶったカッポウ着姿の下山さん。」
とか。
どこっにでも顔を出す。
「また、アンタかよ。」だ。
人間でならマダしも、
「下山さん」と呼ばれるお魚で出てきたこともある。
これは、一体、どうしたことか。
考えるに、
この現象は、
劇団時代に培われた「私の下山さんに対する印象」のなせるワザ・・・なのではないかと思う。
当時、
稽古だなんだと、
年中、ほとんどの時間を一緒に過ごした劇団仲間。
その男子の中で、
下山さんは、
ダントツ頼りになる男だった。
スポーツマンで、
器用で、
なんでも、こなした。
他の男子がダメ過ぎたということもあるが、
「いいよ、俺がやるよ。」と、
下山さんが買って出てくれた事柄は、数え切れない。
責任感も人一倍強く、
下山さんにまかせておけば安心だった。
それは今も変わらない。
その、
「いろんなことをこなす下山さん」という印象が、
夢の中で、
「いろんな場面に登場しては、いろんな姿で、いろんなことをする下山さん」を、
作り出しているのではないかしら。
・・・ということは、
死ぬまで、
私の夢には、
この頻度で下山さんが登場し続けるのか?
マジで、
「また、アンタだ。」って感じなんですけど。


3月14日(火よう日) 日直・橋本
 なんと、
ホワイトデーの贈り物が届きました。
「なんと」とか言って、
いかにもモテそうに書いてしまいましたが、
バレンタインデーに贈り物をしたお返しです。
ったって、
お返し以上の物ではあります。
「エビでタイ」です。
 贈ってくれた知人Yさんは、
昨年も、
ホワイトデーにはもちろん、
その2ヵ月後の、公演前の稽古中にも「皆さんで、どうぞ。」と、
有名店の高級チョコレート菓子を送ってくれた。
稽古場の冷蔵庫で大切に冷やし、
休憩時間、
皆で、うやうやしく頂いたものだ。
Fさんは、
高級お菓子をつくづく眺め、
「子供の頃、
金持ちの友達んちで、こういうお菓子、出してもらったなぁ。
そこでは、濃いカルピスも飲めたんだ。
自分んちだと、カルピス、うっすいんだよな。」
と遠い目をして語ったりして。
すると、
下山さんが、
「ビンボー自慢だったら負けないぜ。」
とばかりに、
「俺なんか、自分んちでカルピス飲んだことないもんね。
カルピスって、普通のお店じゃ売ってないと思ってたもんね。
‘お中元で送る用の飲み物だ’って、親に教えられたもんね。」
と言って、
またまた私を泣かせたりして。
ついでに、
鬼界さんは、
「僕んちは、カルピスのマガイ物のコーラスだった。」
と自慢(か?)したりして。
 今年は、
どういうシーンで頂こうか。
なにはともあれ、
ホワイトデーは、高級お菓子が食べられる日だ。


3月13日(月よう日) 日直・鬼界
友達のマンションに遊びに行った。
エントランスの管理人室に
‘巡回中’の札が出ている。
んが、
室内のデスクの上には何もない。
鉛筆1本、紙1枚すらない。
というより、ここ数日、使った形跡がない。
てゆうか、ほこりが積もっているのがありありとわかる。
キャビネットのガラスも薄白くにごっているし、
部屋の隅にはダンボールが積んである。
‘巡回中’の札を出してるってことは、
いちおー、「今、管理人は席をはずしてますが、すぐに戻ってきます。
不審者のあなた、侵入したら捕まっちゃいますよ」
という抑止力を狙ってるんでしょ。
なのに、「この部屋に人間が最後に足を踏み入れたのは、いつのことだかわからない」
みたいな状態でいいわけ?
飲みかけのカップを置くとか、
イスに上着をかけとくとか、
少しは努力しようよ。
これじゃ全く意味ない、
どころか、かえって、
不審者になめられんじゃないの?
という感想を友達に告げると、
「先月も若い女性の住人がエレベーターで不審者に抱き付かれるという事件があったんだ」
とのことでした。
やっぱ、なめられてんだよ。
穴場スポットとして、マニアの間では有名なんだよ。
努力が必要だよ、マジで。


3月11日(土よう日) 日直・鬼界
たしか、昨冬、
(一昨年の終わりだったか、昨年の初めだったか)
駅前のイッパイ飲み屋がつぶれて
ラーメン屋になった。
「黒ブタの豚骨スープ」だか「白ブタの豚足スープ」だか
ラーメンに詳しくないのでよく覚えてないが
とにかく、極上の味をウリにしてるチェーン店だった。
華々しいオープンにもかかわらず、
3ヶ月でつぶれた。
その後、すぐに、
「1杯390円」をウリにしたラーメン屋が
これもチェーン店だったと思うが、
その場所で開業した。
が、半年ほどでつぶれた。
その場所に来週、ラーメン屋が開店する、性懲りもなく。
味で攻めてもダメ、
値段で攻めてもダメ、
どこから攻めても負け続けの
「なぜかラーメン屋には鬼門の場所」ということを
知らないのだろうか?
知らないんだろうな。
こういうのを見てると、
商売を始めることの難しさを痛感する。
目に見えないところをチェックしなければならない、
そして、そういう部分が一番大切になってくるのだ。
ん?
イチローが全く同じことを言ってたな。
「見えるとこなんて、ビデオ見りゃわかるんですから。
見えないところの修正が重要であり、面白いんです」
さすがイチロー、ラーメン屋になれる。


3月10日(金よう日) 日直・鬼界
とある家から出てきたオバサンと
出会い頭、ぶつかりそうになった。
このオバサン、スゴいカッコしてる。
日焼防止のサンバイザーをかぶり、
首には日焼防止用と思われるスカーフを巻き
当然、手袋も着用している。
そのうえ、
ごっついガーゼマスクをし、
ツルツル素材のウィンドブレーカーに
ツルツル素材のズボンだ。
さあ!UVでも花粉でも、どっからでもかかってらっしゃいっ!!
という意気込みが全身からみなぎっている。
スゴいね。
ふと見上げると、
そのオバサンの家の物干し台では、何枚ものガーゼマスクが風にひるがえっていた。
へ?
なんか間違っているのでは・・・?
大きなムジュンがあるような・・・?
というより、
あんた、花粉症を心配する必要、皆無っすよ。


3月9日(木よう日) 日直・鬼界
公園に行くと、
沈丁花の花が咲いていた。
春ですね。
そこへ、
定年退職して、なーんもすることありません・・・
みたいな、シケたおっさんが
犬を散歩させて来た。
飼主に似合わず、利口そうな顔つきの犬だ。
犬は、沈丁花の花を見つけると、
ジッーと花を見つめたあと、
クンクンと匂いをかいでいる。
畜生といえども、春が嬉しいのだ。
賢い犬は春を愛でることができるのだ。
そんな情緒にひたってたら、
犬はクルッと振り向き、花にシャーッとションベンして、去って行った。
やはり畜生は畜生か。
あの飼主にこの犬あり、だ。
チッ。


3月8日(水よう日) 日直・橋本
  『たけしの本当は怖い家庭の医学』を見ていると、
症例の再現ビデオの最後に、
怖い声のオバサンが、
「この病気の推定患者数は、およそ100万人。潜在的には200万人。」などと、
オドロオドロしくナレーションしているが、
最近、
「ほんとかよ。」と疑ってしまう。
毎回毎回、
いろんな病気の症例を再現ビデオで見せては、
最後に、
「この病気の推定患者数は、○○万人。 
あなたも、こんな症状ありませんか? 
ほおっておくと、とんでもないことになりますよ・・・ひっひっひ。」と、
怖い声のオバサンが私をオドカシテいる。
そして、
どの病気も、患者数が「万」単位だということに驚かされる。
ポックリ病(?)でさえ、2万人だ。
どえらい数の累積患者数だ。
日本中、なにがしかの病気の患者だ。
二昔前言われた「道で石を蹴れば、日大生に当たる」ならぬ、
「道でツバを吐けば、病気持ちが踏む」だ。
病人だらけだ。
のはずだ。
だが、
実際、
周囲の友人・知人を見渡しても、
『たけしの〜』で取り上げられた病気にかかった人は、皆無。
カスリもしない。
見たことない。
なーんだ。
「患者数200万人」やら「女性の7人に1人」やら、
そんなウヨウヨ居そうなふうなこと言って、
実際は、居ねーじゃん。
 と、先日、知人のライブを聴きに。
案内されたテーブルには、
他に2名のお客さんが座っていた。
演奏前の短い時間、なにげに歓談。
そして、
なにげに病気の話へと。
私の隣りのお客さん。
「僕、帯状疱疹。
ヘルペスでエライ目にあいました。」
ヤった、ヤった、それヤってました、『たけし』で!
私の向かいのお客さん。
「僕、白内障でエライ目にあってます。
右と左で、見ているものがチガウんです。」
ヤった、ヤった、それもヤってました!『たけし』で!!
世の中に出ると、
居るんですねぇ、ちゃんと。
感激。
「井の中の蛙 大海を知らず」だ。


3月7日(火よう日) 日直・橋本
 ハンズでお買い物をした。
平日なのに、なんで、あんなに混んでんだ、ハンズ。
どの売り場も混み混み。
「こんな売り場は混んではいまい。」との予想に反し、
6階「材料フロア」も混雑。
目的の「強力両面テープ」がスグに見つかったので、
「皆は、一体、何を買いに来ているんだろう?」と、
さぐりを入れてみることに。
ひと通り歩いて見た結果、
6階「材料フロア」には、
「組の人」っぽい客が多いことに気がついた。
木材売り場では、
一様にスーツのズボンのポケットに両手を突っ込んだ3人のオッサンが、
ベニヤ板を物色していた。
レジでも、
私の前の客は、
明らかにソレの人だ。
工具やら塗料やらを買っている。
背広の内ポケットから、
サッと、
札束ならぬ商品券の束を出し、
黙って、
店員に「1枚、2枚・・」と数えさせている。
途中、
「商品券は、ツリが出るのか?」とか訊いている。
このオッサンといい、あの3人組といい、
なんだろう。
組の事務所のリフォームとかなのかしら?
3月・4月は、
そういうシ−ズンだからな。
だいがしが、しゃていをお供に、出向いて来たのだろうか。
ちょっとしたリフォームだったら、
自分らでやっちゃった方が早いし、
金もかからんし。
あるいは、
おもての職業「○○建設」の仕事の一環か。
 4階「キッチンフロア」へ。
新しい冷酒グラスを選んだついでに、
ここでも、そのへんを見て回る。
「テーブルクロスの計り売り」売り場をのぞくと、
そこに、
例の、
組の3人が。
「シンプル・ホワイトっつーのを、2メートルな。」とオーダーしている。
やはり、
事務所移転に伴うリフォームなのか。
それにしても、
ちっちゃい組だな。
親分はお留守番なんだな。
 1階「パーティグッズ売り場」は、
親子連れで混んでいた。
そんな中、
5歳児(男子)が、
レイザーラモンHGコスチュームのマネキンを見上げ、
指先で、マネキンの股間をツンツンしていた。
気持ちは、わかる。
きっと、
テレビで見るたびに、
やってみたいと思っていたのだろう。


3月6日(月よう日) 日直・鬼界
サンドラッグに行った。
僕の愛用、銘柄指定の“リーチ・とってもコンパクト・ふつう”を5本持って
レジに行くと、
ばあさんがなにやら相談している。
「はあ・・・・で、こっちのは、どこのメーカー?
へ?太陽薬品?聞いたことないわね。
そっちのと、こっちのと、どっちが甘いの?
は?わからない?
わからないってことないでしょ、薬局なんだから。
主観ってなによ?
同じ甘さでも、あまり甘く思わない人と、とても甘く思う人がいる、って?
そうかしらねえ、甘いものは誰にでも甘いんじゃないかしら」
なんの相談か、よくわからないかもしれないが、
トローチを選んでいるのだ。
ばあさんのとりとめもない話にズルズル答えてるのは
レジのすっげえデブなねえちゃんだ。
キリねえだろ。
いいんだよ、ちゃっちゃとあしらっときゃ。
が、いかんせんデブだ。
トロトロしててらちがあかない。
イライラしてきた。
そのイライラを倍増させるのが、
1メートルむこうで、もう一人の店員が、
レジの混雑なんてなーんも気づかず、棚の整理をしてることだ。
こいつもデブだ。デブ2号だ。
なんで、デブばっかなんだ?ここは養豚場か?
レジが混んでんだから、そんなどーでもいー作業は後回しにしろ。
なのに、ぜーんぜん気づかない、デブだから。
ノロノロノロノロ整理している、デブだから。
だから、声かけた。
そしたら、やっと、振り返り、
「お先にお待ちのお客様からどうぞ」と
あわてて、こっちのレジに入ろうとしたら、
足元に積んであった買い物カゴにけつまづいて、
おっとっととなって、
デブ1号に体当たり。
トロトロしてんじゃねえよ、つーか、ボヨンボヨンしてんじゃねえよ、1号2号。
やっと、レジについた。
「ポイントカードをお持ちですか?」
100年前から、おめえの目の前に置いてあるよ。
ホント、とろいなあ、デブだから。
そのうえ、同じものを5本買ったのに、
1本1本、バーコードをピッとやっている。
マジか?
「お会計490円になります」
1000円出した。
「510円のお返しです。どうもありがとうございました」
ニコッとして、一仕事おえた気になってやがる。
商品はどうしたんだよ!
目の前に置きっぱなしだよ!
お客様、自らの手で、ひとつひとつ、マイバッグにお入れください、ってことか?
あきれてたら、デブの野郎(女だけどね)、
ハッと気づきやがって、あわてて、レジ袋にオレ様のリーチを入れてやんの。
あーやだやだ、これからはセイジョーに行こう。


3月4日(土よう日) 日直・橋本
 年賀状のヤリトリ程度の付き合いをしている、
知り合いのオッサンが居るのだが、
このオッサン、
もう10数年間も、
1年のうちの3分の2を海外で過ごす生活を続けている。
仕事とはいえ、ウラヤマシイ。
オッサンからは、極たま〜にメールも届く。
それによると、
ウィークデーは、仕事現場と宿泊先ホテルとの往復のみ、
だからといって、
休日はウロチョロ観光・・というほど見どころのある国でもないらしく、
仕事時間以外は、
ヒマを持て余しているような様子。
そんなオッサンから、
今朝、
久し振りにメールが来た。

『休日の昼下がりではありますが、はてさてお腹も空いたし
ビールでも飲むか・・とネットで橋本きよみと入れてみたり(以下略)』

検索??!!
私を検索?!
「おひな様の飾り方」とか「白酒と甘酒のチガイ」とか、
そういうことを検索するのではなく、
人を検索すんの?!
いえ、
私も、人を検索したことは有ります。
「ホントにまだ生きてんの?」と、
「山田五十鈴」を、過去に2回ほど検索しました。
でも、
それは有名人、
というより偉人だからです、あの人は。
知り合いを検索する?
ビックリしました。
それって、普通の感覚?
知り合いを検索・・・。
なんとなく悪趣味のような気がするのは、私だけなのかなぁ?

『ビールでも飲むか・・とネットで橋本きよみと入れてみたり』

「休日のオヤジのヒマつぶしに・・かよ。」とムカついたのが、
悪趣味のように感じられたゆえんなのかなぁ?
はぁ・・・。
ホントに、現代は、ネットネットなんですねぇ。
今さらですが。


3月3日(金よう日) 日直・鬼界
今日は、ひな祭りだ。
ひな祭りといえば、女の子のものだ。
女の子といえば、恋愛だ。
恋愛といえば、失恋がつきものだ。
失恋といえば、寅さんだ。
そうそう、寅さんで思い出したが、

と、こんなベタに強引な入りはいかがでしょう?
なんてことは、さておいて

寅さんだ。
去年の秋からNHKBSで全48作連続放送が始まった。
その頃は、NHK総合でも大々的に告知をうち、
かなり鳴り物入りの企画だった。
が、
コンスタントに放送したのは、わずか最初の2,3本だけだった。
得意の国会中継だか、なんだかで
予告もなしに、別番組と差し替えて以来、
ペースはランダムになり、
やったりやんなかったり、
やんなかったりやんなかったりになった。
そして、正月に気が狂ったように、3,4本連発したあと、
1月も2月も1本もやらなかった。
そろそろやるだろうと思ってたら、3月もやんない。
どうなってんだとHPで調べると、
男はつらいよの放送日程が決定しました!
と目立たないように書いてある。
クリックすると、
次回放送は、8月5日です。
だって。
はあああああああ?????
連続放送じゃなかったの?
なんで半年以上もあくわけ?
なんのため?
興味をなくさせたいのか?
それとも、連続放送の連続って、NHK的にはそういう意味なのか?
おかしいぞ。
月に1本でも2本でもやりゃあいいんじゃないの?
視聴者の気持とか、いっさい考えてないのですね。


3月2日(木よう日) 日直・鬼界
中目黒駅のトイレに入った瞬間、
サぁ〜
鼻が落ちるかと思った。
異常に臭いのだ。
異常に臭いウンコを誰かがしてるのかと思いきや、
個室のドアは全部開いている。
異常に臭い残り香か?
と疑問に思いつつ、
一番はしっこの身障者用手すりのついた小便器に向かった瞬間、
目を疑った。
小便器内にこんもりウンコがしてあるのだ。
匂いの元はこれだったのかあ!!
と疑問が解消するどころか、
疑問は増すばかりだ。
いつ?誰が?なぜ?
時間は午後4時過ぎなのだ。トイレ清掃後なのだ。
夜中にファンキーな酔っ払いがやっちゃいました!てのが残っているわけではないのだ。
普通の人が普通に利用してるなか、
ズボンをおろして、ことに及んだのだ。
小便器のしゃがむわけですから、態勢としては、こっち向くですよ。
次から次に入ってくる人と、顔、合いまくるですよ。
一体、どんな度胸があれば、そんな豪胆なことができるのだ。
それとも、身障者の方がおしっこしてるうちに大きい方もしたくなり、
おうちのくせで、くるっとひっくり返って、そこでしちゃったの?
それじゃ、身体障害者じゃなく頭脳障害者ですよ。
一人歩きさせちゃいけないですよ。
最大の疑問は、
健常者がやったとするならば、動機は何か?だ。
もし、駅員に知らされたら、どうするつもりだったのだ。
痴漢で捕まるより恥ずかしいぞ。
究極の愉快犯か?
でも、あの匂い、ちっとも愉快じゃないです。


3月1日(水よう日) 日直・橋本

8才の時からの悪友R子は、とても判りやすい女だ。
あれほど外見にスグ出る女も珍しい。

    男が居ない時→至上最高のブス

R子とは、
「大みそかに会い、一緒に年越し」というのが恒例なのだが、
ここ数年のR子の変化には、
会うたびに、内心、驚いている。
数年前、長い付き合いの彼氏と別れて以来、
R子は、非常に「変化に富む女」になった。
その後、
新しい彼氏ができて2年ほど付き合っていた時のR子は、
私が、長年、見慣れたR子だったのだが、
その彼氏と別れた年の大みそか、
つまり一昨年の大みそかに会った時のR子は、
どえらいことになっていた。
なんか、もう、
「あんた、誰よ!」という感じ。
私のママもビックリ。
「・・・R子ちゃん?よね?」
幼なじみゆえの無遠慮さで何でも言い合う仲ではあるが、
「どしたんだよ、その顔。」とは、
さすがに言えないほどのブサイクさ。
ちなみに、
R子は、いつもスッピンなので、
メイクの加減で左右されるというようなことはない。
加えて、
「恋をすると女はキレイ。
なぜって?それは女性ホルモンがイッ〜パイ出るからぁ♪」などという、
そんな甘っちょろい、ホルモン系の話のレベルでもない。
造作が変化するのだ!造作が!
顔が!
顔の作りがっ!
変わるのだ!
・・・なぜ、
このように、
「ビューティコロシアムのビフォー・アフター状態」ほどまでに、
造作が変化するのか?
謎だ。
本人は、まったく自覚していない。
「失恋でスサム」「新たな恋にウカレル」ということも、特にない。
いつも平常心でいて、
見た目だけが、本人の意思と無関係に変化する。
妖怪じみた女だ。
 昨年の大みそか。
R子は、普通の顔に戻っていた。
案の定、「彼氏、出来た。」と言っていた。

和田勉が、
いつか、どこかで、
「女は、特定の男と別れた直後、次の男を探し出した時が、キレイだ」と言っていた。
これ、
少なくとも、R子には当てはまらねーよ。


2月28日(火よう日) 日直・鬼界
  (きのうのつづき)
不具合はそれだけじゃない。
事務所の人から、
「なんで、いつかけても留守電なの?
スケジュールの確認とかで、直接話さなきゃならないことがあるから、
電話にはなるべく出てほしいんだけど」
と怒られた。
ビックリだぜ。
僕は留守電になんかしてません。
最近は映画にも行ってないから、
間違いなく24時間繋がる状態なはず。
なんで留守電になるわけ?
てゆうか、ずっと不思議だったんだよね。
なんで、いつも、いつの間にかメッセージが入ってんだろう?って。
‘ずっと家にいるときに
ふとケータイを見ると、メッセージが入っている。
え?いつかかった?
トイレに行ってるときにたまたまかかったの?’
あるいは、
‘仕事に行って、ずっーーーーーーーと控え室で待ってて、
ちゃちゃっと撮って、
また、ずっーーーーーーーと待ってて、
みたいな1日を過ごしたあと、ふとケータイを見ると、
メッセージが入っている。
え?わずかな間隙を縫ってかかってきたわけ?すげえ確率!’
とか思ってたのだ。
それも、事務所だけでなく、友達やらなんやらのメッセージもある。
そっか、知らないうちに、
鳴らない設定になってたんだ。
だから、自宅の固定電話からケータイにかけてみました。
ちゃんとかかります。
試しに、公衆電話からもかけてみました。
ちゃんとかかります。
なのに、その夕方、ふとケータイを見ると、メッセージが入ってました。
その日は携帯し続けていたにもかかわらず。
どういうことですか?
鳴るコールと、鳴らないコールがあるのですか?
その選別基準はなんなのですか?
ケータイの気持がつかめない。キョリはますます開くばかりだ・・・。


2月27日(月よう日) 日直・鬼界
やっぱり、ケータイがおかしい。
1月30日の日誌に書いたように、
相変わらず、「パブロフの犬」的症状(山手線に乗ると、必ず1回鳴る。ただし、無着信)は
続いているが、
慣れちゃえば、
「お疲れっ!」とか「グッジョブ!」とか、ケータイが僕に声かけてくれてんだと
思えるようになった。
が、不具合はそれだけじゃなかった。
そもそも、機種変したとき、
スカーフを巻いた厚化粧のおねえさんが
「こちらの機種は3Gなので、電波の受信状態が
今までのものとは若干変わるかもしれません」
とは言っていた。
どういう風に変わるのかと尋ねると
「一概には言えませんが、
弱くなることもあれば、強くなることもあるということです」
と、まったく無意味な返答をしてくれた。
実際、使い始めると、
以前の機種は、家の中ではカンペキに「圏外」だったのだが、
3本立つようになり、
「さすが、3G、電波が良くなったじゃん」
と喜んだ。
でも、以前の機種が3本立ってた外階段の踊り場では
逆に「圏外」になるようになった。
おねえさんの言ってたとおりだ。
「弱くなることもあれば、強くなることもある」‘気まぐれ屋さん’なのだ。
しかし、使っていると、
地下街で「圏外」、伊勢丹の中で「圏外」、吉野家で「圏外」、バスの中で「圏外」になる。
屋根と壁のあるところでは
3分の1ほどの確率で「圏外」表示が出るようになった。
いくらなんでも、気まぐれすぎんじゃないの?
そして、先日、
渋谷のハチ公前で電話しようとしたら、
「圏外」になっていた。
笑っちゃったぜ。
まわりにいるヤツら全員がケータイ使ってんのに、
僕のケータイだけ圏外なの?
あったまに来たので、表示を無視して、電話をかけてみた。
すると、かかるじゃねえか!
しかも、「圏外」のまんまだ!
なんじゃこりゃ?
いかれポンチか?

不思議なのは、
どこでもかしこでも常に「圏外」になってるわけではないことだ。
3本立ったり、1本だったり、圏外になったりするのだ。
なのに、かければかかるのだ。
このケータイは、何を判断して、表示を変えているのだろう?
ケータイの気持がわからない。
ケータイとのキョリがつかめない・・・。


2月25日(土よう日) 日直・橋本
 友人H子が言うには、
「今、気になってる人は、職場の同僚・ヤナセくん」。
バレンタインデーにも、
どさくさにまぎれて、なにげに判る「気合入りチョコ」を贈ったらしい。
それが功を奏したのか、
ヤナセくんから「飲みに行かない?」との、お誘いが。
H子の返事は、
もちろん、
「行く、行く」
「すぐ行く」
「明日、行く」
軽っ。
手練手管もあったもんじゃねえ。
でも、仕方ない。
H子にとっては、
ヤナセくんと親密になる絶好のチャンス。
逃すわけにはいかないのだ。
同僚ら数人でワイワイ飲む時とは打って変わった自分を見せつけようと、
「友人の結婚披露パーティ」レベルのメカシ込みようで臨んだ当日。
H子を待っていたのは・・・・・。
以下は、
翌日、つまり今朝、H子から届いた報告メール。

『行きましたよ、私は。
そしたらなんとまあ、待ち合わせ場所にいたのは、
ヤナセくんファミリー(ヤナセくん、奥さん、子供3歳)。
驚くでしょ。
帰ろうかと思ったさ。
そしてもっと驚くことに、
あとから奥さんのお母さんも登場!
ヤナセくんファミリーのお食事会に私一人参加状態。
ありえない。
どういうこと?』

ありえねえ。
どーゆーこと?


2月23日(木よう日) 日直・鬼界
ここしばらく、お尻が痛い。
姿勢良くイスに座ると、骨が座面に当たるでしょ。
左側のグリグリ当たってるところから
2センチほど前方向で
3センチほど中方向。
ややビミョウな位置が痛い。
立ったり寝たり動いてるぶんには痛くないのだが、
座ると痛い。
ソファに座ってもベンチに座っても地べたに座っても痛い。
当たって痛いわけではない。
でも、痛い。
ズキッという感じとピリッという感じの中間みたいな感じ。
おデキとか何かが出来てるわけじゃない。
なんともなってない。
でも、痛い。
なにが痛むの?
筋肉?
神経?
スジ?
血管?
なんだろう?
一生、座れない体になったら、ちょっと面倒だなあ。
散髪屋に行けなくなる・・・。


2月21日(火よう日) 日直・鬼界
今さらながら、初めて、「みなとみらい線」に乗りました。
だって、横浜なんか行かんでしょ。
元町で買い物するでなし、
港の見える丘公園でデートするでなし、
観光客相手のボッタクリ中華街に行くでなし。
なので、
初乗りというわけです。
馬車道駅が目的駅。
各停しか止まらないので、
みなとみらい駅で乗り換えました。
閑散として殺風景でやけにだだっ広くて温かみのない駅です。
唯一の取り柄はキレイなことぐらいかな。
ま、開業したばっかなんで、当たり前だけど。
そして、この白々したホームで5分も待ちます。
北陸とか東北とか単線しかない地方の人には違和感ないでしょうが、
東京の私鉄で特急と普通の接続で5分待ちというのは
fuck!という感じです。
仕方ない、本でも読んで待ってましょう。
と、本を開いたのだが、なんか読みにくい。
とても暗いのだ。
間接照明でソフトな基調をつくり、要所要所のダウンライトがアクセントに。と、
横浜らしいシャレ感を演出してるつもりだろうが、
くれえんだよ。
一番明るいダウンライトを探して、その下で読みました。
裸電球の下で勉学する苦学生か?
が、読書を妨げるものはそれだけじゃない。
かもめが鳴いているのだ。
安いビジネスホテルで朝飯食うと、小鳥のさえずり有線が流れてるでしょ。
あれのかもめ版だ。
くわぁくわぁ。
横浜らしいマリン感を演出してるつもりだろうが、
うるせえんだよ。
くわぁくわぁ、くわぁくわぁ。
さらに、そのうえ、鳴き声にかぶせて
「改札口行き上りエスカレーターです」
というアナウンスが、ずぅっっっっっっっltj−っっ−−−−−っと流れ続けているのだ。
イライラすんだよ。
「改札口行き上りエスカレーターです改札口行き上りエスカレーターです改札口行き上りエスカレーターです」
1回言やあ、わかんだよ。
つーか、見りゃわかるよ。
めくらのためのアナウンスか?
めくらでも1回聞きゃあ、わかるよ。つんぼじゃねえんだから。
暗くうるさくイライラする。
それが、みなとみらい線を利用した感想です。

ちなみに、
そのエスカレーターをのぼると
「ホーム行き下りエスカレーターです」というアナウンスがエンドレスに流れていた。
バカか?


2月20日(月よう日) 日直・鬼界
  (おとといのつづき)
価格不明の焼きオニギリをいただき、
濃いーレモンサワーを飲み、
タカさんとの会話は弾んだ。
いや、正直に書こう。
「タカさんとの会話」ではなく、「タカさんの話」だ。
とにかく、オシャベリだ。
安焼酎をガブガブ飲んではベラベラしゃべり、
ガハハガハハしゃべってはグビグビ飲む。
一切、食わない。
どう見てもパカパカたばこ吸いそうなのに、まったく吸わない。
飲み話すのみ。
これまでの出演作品の自慢がひとしきり終わったあと、
タカさんも京都出身であることが判明。
そのうえ、熱血映画少年だったことも判明。
話は一層盛り上がった。
当時、
というのがいつ頃かよくわからないのだが、とにかく、タカさんの少年時代、
京都には映画館が何十軒もあったそうだ。
新京極のそばに家があったので、
毎日毎日とにかく映画を見まくり、
ついには、どこの映画館の人とも顔なじみになった結果、
2回に1回は顔パスで入れるようになった。
んが、
「松竹座だけは入れてくれへんかった」そうだ。
(すっかり関西弁になってます)
松竹座!
ありましたありました、やったらデッカイ映画館。
パリ・オペラ座みたいに(行ったことないけど)デッカイ映画館。
3階席まであるのだ。
軽く1000席はありました。
なのに、いつ行ってもガラガラ。
『八つ墓村』のときなんて、客は僕だけ。オンリー・ミー。
僕のためだけに映画やってくれたのだ。オンリー・フォー・ミー。
という話をすると、
「そんなことあらへん。松竹座はいつも満員やった。」
と、タカさんは力説する。
その昔は流行っていたらしい。
「特にな、べんはあの時なんて、
客席が超超満員やったから
舞台に上がって、スクリーンの真横から見たもんや」
顔を真っ赤にしてらっしゃる。
へ?
なんのときですって?
「そやから、べんはあ、やないけ」
べんはあ?
「べんはあ!!」
今ほど、鬼橋日誌に音が出ないのが悔しいことはない。
タカさんは、『ベン・ハー』を思いっきり、なまっているのだ。
普通、“タンカー”と同じ発音で言うでしょ、『ベン・ハー』は。
なのに、タカさんは、
“やったぁー!!”と同じ発音で言うのだ。
ちょっと口にしてみてよ、
“やったぁー!!”と同じ発音の『ベン・ハー』を。
映画の題名とは思えないでしょ。
帝政ローマ時代のスペクタル巨編が、アカデミー賞最多獲得の名作が、
なんと、もっちゃりすることか。
チャールトン・ヘストンが、へすどんという丁稚になって出てきそうだ。
カタカナで書くのはおこがましい。
「ー」で伸ばすのもかたじけない。
どうしたって、べんはあ、だ。
僕は耐え切れず、笑ってしまった。
すると、
「なに、わろてんねん!
関西では、みんな、べんはあ、て、言うてたやないか!!」
とお怒りになった。
誰も言うてません。
タカさん、あなたとあなたのまわりだけです。
この一件でその夜は僕にとって
とても楽しいひとときとなった。


2月18日(土よう日) 日直・鬼界
  (きのうのつづき)
問題は、つまみだ。
ホコリとススで色の変わった短冊に
上手いんだかヘタなんだかわかんない字で
メニューが書いてある。
が、
短冊は5枚くらいしかない。
しかも、
「もろきゅう」とか「自家製 烏賊塩辛」とか「冷奴」とか「枝豆」とか「御新香」とかだ。
和民とかで、‘クイックメニュー’とかいって
「ご注文いただいたら、すぐにお持ちします」という
すぐにできる
てゆうか、すでにできてる品ばっかだ。
ついでに言わせてもらえば、
「塩辛」にわざわざ「自家製」とつけてる店に限って
絶対に自分とこで塩辛なんぞ作ってない。
スーパーとかで買ってきた塩辛に決まってる。
その上、「イカ」を「烏賊」と書く神経が信じられない。
などと、心の中でののしりながら
短冊をジッと見つめていたら、
タカさんが
「鬼界くん、お腹すいてんじゃないの?」
と、僕の態度を良い様に解釈してくれた。
実際、腹も減っていたので
「ええ、ちょっと減ってます」
と答えると
「メニューにはないけど、焼きオニギリとか鍋焼きウドンもできるよ」
と言うではないか。
なんで、それをメニューに書かないわけ。
米も炊いてりゃ、具材も揃えてんじゃん。
てことは、クイックメニューだけじゃなくて、一品料理もできんじゃないの?
なのに、なぜ、お粗末短冊メニューしか掲示しないわけ?
などと、不審に思ってたら、
タカさんが
「和系が嫌いなら、ピラフもできるよ」
と、再び僕の態度を良い様に解釈してく
ええ
ピラフができんの?
なんでいきなりピラフなの?
お茶漬けとかはないの?
なんじゃこの店。
間口が狭いようでいて妙に懐が深いのか?
でも、ピラフはちょっとなぁ・・・・。
「じゃあ、焼きオニギリをお願いします」
と、無難なところを頼んだ。
加賀まりこ(顔面大破済み)似のママさんは
無言でうなづくと
冷蔵庫に向かった。
バリバリバリッ
やけに硬質な音に振り向くと、
ママさんは
冷凍食品の焼きオニギリを開けているではないか!
マジっすか?
冷食、チンして、客に出すんすか?
だから、ピラフもできんすね。
なるほど。
すっげ気になるのは、いくらなんすか?
どうせ、スーパーとかで、よくやってる、冷食半額デーとかで買って来たんすよね。
それをいくらで売りつけるんすか?
メニューにないってことは、言い値っすか?
ママさんの気分次第とか?
鮨屋の時価とどことなく似てますけど、根本的に、なんかが違うと思うんすけど。
マジでマジ、オレ、大丈夫か・・・? (つづく)


2月17日(金よう日) 日直・鬼界
ちょい年配の俳優さんと飲んだ。
そんなに親しくなったわけでもないのだが、
「鬼界くん、ちょっと行きませんか」
と誘われ、
断わる理由もないので
行ったわけである。
渋谷駅から徒歩15分くらいの
ガード下の
闇市の名残りか?と思われるような
バラックみたいな
すさまじい飲み屋に
連れて行かれた。
30mの崖から落ちて顔面を強打した加賀まりこ
に似たママさんが
「タカさん、今日は早いわね」と
無愛想に迎えてくれた。
常連なんだ。
てゆうか、常連以外、ここには足を踏み入れんわな。
当然、僕の飲めそうな甘いカクテルなぞないので、
レモンサワーを注文した。
濃っ!
焼酎、しかも安っい焼酎と、気の抜けた炭酸を1:1で混ぜた感じ。
そこに、干からびて端っこが反り返ったレモンが浮いている。
これ飲むの・・・?
タカさんは焼酎をロックでガブガブ飲んでいる。
オレ、大丈夫か?こんな酒豪とサシになっちゃって・・・。
タカさんの第一声。
「いやあ、鬼界くんがビール頼まないんで見直したよお。
オレはさ、ビール苦手なんだよな。
ションベンばっか出て、飲んだ気しないんだ。
シュワッとする水みたいなもんだからな、ビールは。
でも、たいてい『まずはビール』ってなるから、
しょうがないんで合わすんだけどさ。
飲みたかないんだよ」
マジ、大丈夫か、オレ?史上空前の酒豪だぜ、この人・・・。 (つづく)


2月16日(木よう日) 日直・橋本
 「夢占い」をして差し上げたかたから、
早速、感想のメールを頂いたのですが、
なんかスゴイので、こちらにも載せさせて頂きます。
前々回の吉川様といい、
今回の花園商店様といい、
オモシロイ!

『解釈ありがとうございました。
まず、僕は一度も「あした順子・ひろし」をおもしろいと思ったことはありません。
これだけは、はっきりさせておいてください。
男女の漫才ならば「大空遊平・かほり」が好きです。
今までで一番好きだったのは「晴乃ピーチク・パーチク」、
今マイブームなのは「すず風にゃん子・金魚」です。
根っからの演芸オタです。
さて、夢占いですが、
「社会への批判」も「自身への批判」も思い当たるふしがあります。
少々頭を悩ませています。というよりかなり危機です。
「東京ボーイズ」風に言うと
「加藤条治という人を謎かけ問答で言うならば、
僕の株売買と解きまする。
トラブルなければバラ色のはず」
ライブドアショック以降、まったくツキがなく相当額を損しています。
焦れば焦るほど上手くいきません。
女房にバレたら離婚です。』

スゴイです。
「東京ボーイズ」の「謎かけ問答」、
脱帽です。
同様にオリンピック選手がらみの「謎かけ」で返したいところですが、
無理です。
これで、
花園商店様像がハッキリと浮かび上がりました。

  演芸オタの個人投資家。
  オリンピックを毎晩見、
  近々、離婚。

どうでしょう?
いやぁ〜、
いいもの読ませて頂きました、ホントに。
ところで、私は、
若手の中では、「アンタッチャブル」が好きです。
どうでしょう?


2月14日(火よう日) 日直・橋本
 友人らと、
レニングラード国立バレエ『白鳥の湖』を鑑賞。
観るたびに涙を誘う。
ほんと、かわいそう。
あの白鳥たち。

‘オデット姫の化身である1羽の白鳥’以外の、あの、ただの‘その他の’白鳥たち。
一緒くたに「白鳥たち」と呼ばれる、あの白鳥たち。
24羽居るんだっけ?あの白鳥ら。
オデット姫とジークフリード王子の出逢いの場面で、
ひたすら、2人の背景に徹する24羽の白鳥。
全員同じ振り付けで、
ただただ黙々と、
オデット姫の初登場の瞬間を盛り上げる為だけに踊る白鳥たち。
ま、それでも、
24羽が隊列組んで、
しかも、その隊列が、何通りにも変化していくサマは、
綺麗っちゃぁ綺麗。
思わず「美しい。」とウットリしたところへ、
オデット姫、もったいぶって登場。
それに合わせて、
音楽がジャーーーン。
スポットライトがピカーーーッ。
24羽の白鳥ら、全員でお出迎えのポーーーーズ。
オデット姫登場の直前までは、最高に美しく思えた24羽が、
オデット姫登場と共に、最高にミジメな存在へ。
オデット姫の登場以降は、
見るも哀れな24羽。
私ら駄ドリ。
しょせんワキ役。
オデットが登場するまでは、
24羽に「綺麗ね〜」と感嘆の声をもらしていた観客の視線は、
すべてオデット姫へ。
なんてったって「姫」だから。
同じ白い衣装だが、キラキラが散りばめてあるのがオデット姫。
頭にティアラをつけているのがオデット姫。
スポットライトで追ってもらっているのがオデット姫。
私ら、引き立て役よ。
どうせ王子が見向きもしなかったザコよ。
24羽でナンボよ、どうせ。
誰も見ちゃいねえぇぇぇ。
プリマバレリーナにならなきゃ、ダメなのよ、やっぱ。
やるなら、プリマよ。
主役にならなきゃ、意味ないのよ。
脇役じゃダメよ、ダメよ、ダメなのよーーー!

主役と脇役の格差・落差を、
これでもかと見せつけるバレエ『白鳥の湖』。
そこには、
脇役に対する優しさのカケラもない。
主役が輝いてこその舞台『白鳥の湖』。
プリマバレリーナの地位をめぐる光と影。
バレリーナたちの熾烈な競争を思い、
挫折感を想像しては、
24羽の白鳥に涙する私。


2月12日(日よう日) 日直・橋本
(昨日のつづき)

 夜11時半を過ぎ、
「そろそろヤリたくなってきた。」とか思ってる男と飲んでる、
ちはるねーさんと薫ちゃんと私って。

馬じみている馬井さん。
守備範囲の広さも自慢の1つだ。

馬井さんに、皆が質問した。
「女の子を、無作為に100人選んだとする。全員とヤる?」
馬井さんの答え。
「もちろん、もちろん。」
「この女だけは、ごカンベン。っつーような女でも?」と皆。
「ん?居ないな、そういうのは。だって、女なんでしょ?」と馬井さん。
「女は女でも、100人も居りゃ、
これとはデキねえ。っつーのも何人かは出てくるんじゃない?」と皆。
「だって女なんでしょ?」
議論の余地なし。
「お話にならない。」とは双方の意見。
恐るべき受け入れ態勢。
ちなみに、
同じ質問に対する鬼界さんの答え。
「100人のうち、僕のオメガネにかなうのが5人居たら、バン万歳だ。」
再度、
「お話にならない。」(by皆)

馬井さんは、
この日、
「あて馬」の何たるかを、詳しく説明してくれた。
身振り・手振りを交え、
時には涙ぐみながら、
「あて馬」の悲哀・切なさを語ってくれた。
馬じみた馬井さんには、馬の気持ちがよく解かるらしい。
しかし、
なぜ、
あの席で、その話題なのか?

右腕のヒジから先を曲げ立てて、
その、曲がったヒジに左の手のひらを置いた、
その姿勢のまま、語り続ける馬井さん。
それって、
「ファッ○ ユー!」言う時の外人では?
一体、なんのつもりなのか。

そんな姿勢を無意識に続ける男と飲んでる、
ちはるねーさんと薫ちゃんと私って。


2月11日(土よう日) 日直・橋本
 前回公演の出演者数人と、
久し振りに飲んだ。
このメンバーで飲むのは、
昨夏、江古田に集合し深酒して以来だ。
今回も、
あまりの楽しさで、時間がアッという間に過ぎて行った。
夕方から飲み始めて、
気づくと、早、21時。
そして、22時。
23時。
その23時を回って少し経ったあたりで、
T井さんが、腕時計をチラと見た。
「終電が気になるのかな」と思い、
「時間、大丈夫ですか?」と訊いたところ、
T井さんの答えは、こうだった。

「いや、‘あ、11時半だ。’と思ってさ。」

そうか!そうだ!そうだった!
T井さんにとって、
「夜11時半」という時間は、スペシャルな時刻なのだった。
これは、
公演の打ち上げの時、T井さんが教えてくれた。
何がスペシャルかというと、
だいたい夜11時半になると、
ヤリたくなるのだそうだ。
時計を見て「11時半か。そろそろヤリてえな。」ではなく、
「ヤリてえな。ということは、そろそろ11時半か。」と思って時計を見ると、
決まって11時半を指している・・・という具合。
怖いくらいに正確な体内時計。
わずかな狂いも生じない。
そういえば、
昨夏の江古田での飲み会の時も、
チラと腕時計に目をやり、
「あ、11時半。」と、言っていたのだった。
夜11時半以降のT井さんは、
「単にヤリたがってる人」ってことだ。
いいの?野放しにして。
もし、T井さんと2人だけで飲んでて、
ついつい話がはずみ、
夜11時半になってしまったら、
一体、どうなるの?
そう。
それが、この「夜11時半」の持つ、もう1つのスペシャルな意味。
それは、
誰か女の子と2人だけで飲んでた場合、
夜11時半を過ぎたら、
「ホテルへ誘ってもOK。」という取り決め。
なんだ、その取り決め。
2人で飲んでる間じゅう、
T井さんは、
「この子、ヤラせてくれるのかな、それともダメなのかな」と、考えてるわけです。
しかし、
いくらT井さんでも、
夜9時や10時の、まだ宵の口から、
「オレと、どう?」と誘うのは、はばかられる。
じゃ、いつだったら誘ってもいいの?
何時になれば誘えるの?
それが「夜の11時半」。
「夜11時半」が解禁時刻。
T井さん的には、
「夜11時半を過ぎても、オレと飲んでるということは、
‘ヤってもいいよ’という意思表示と見なす。」ということになるのです。
恐るべし。
以前、
外人の女友達に、
○○○の最中、
「マイ ホーーース!」と絶叫されたというT井さん。
その話を聞いて以来、
私達は、
T井さんを、馬井さんと呼んでいる。
確かに、
馬井さんは、少々、動物じみている。


2月10日(金よう日) 日直・鬼界
(きのうのつづき)
(てゆうか、話的にはつづかないけど)
次の駅でドアが開くと、
幼稚園くらいの女の子とお母さんが乗り込んできた。
女の子は「それでね、それでね」と一生懸命、お母さんに話している。
嬉しかったことを報告しているようだ。
顔が輝いている。
お母さんも満面の笑みだ。
日本一幸せな親子だ。
しかも、女の子は愛くるしい顔だちで、お母さんはすこぶる美人だ。
世界一幸せな親子だ。
反対側の閉まってるドア近くに二人は立ち、
世界一している。
すると、突然
女の子が
「ねこちゃんがかわいそっ!!」
と大声で叫びだした。
なんじゃこいつ。
かわいい顔してキチガイか。
子供のくせに多重人格か。
世界一の不幸親子か。

女の子はさかんにドアを指差している。
そこにはシールがあった。
「駆け込み乗車は危険ですからおやめください」
の言葉の下には
ドアにしっぽをはさまれて泣いているネコの絵が描かれていた。

キチガイではなく、とても優しい子だった。
やはり世界一かもしれない。


2月9日(木よう日) 日直・鬼界
地下鉄の発車間際、
改札からオッサン、オッサン、ジイサンが走りこんで来た。
3人組じゃない。
3台ある自動改札に、
たまたま同時に切符を入れ、たまたま同時に切符をとった、
見ず知らずの3人だ。
横一線でホームを横切り、1つのドアに駆け込もうとした瞬間、
目の前でドアが閉まった。
文字通り、目の前だ。
外人だったら、鼻が挟まれるくらいの至近距離。
そんなところにオッサン、オッサン、ジイサンの3人が残された。
いい歳こいた男がピッチリ並んで、しかも直立不動で
電車を見つめている。
てゆうか、近すぎて焦点あわんだろ。
ふつーなら、愛想笑いなぞ浮かべながら、その場を恥ずかしげに立ち去るのに、
そいつらは動かない。
ピクリともしない。
電車も動かない。
アナウンスもない。
無音の中での異様な4ショット。(オッサン、オッサン、ジイサン、電車)
3秒後、
プシュゥーーという音とともにドアが開き、
オッサン、オッサン、ジイサンは何事もなかったように電車に乗り込んだ。

あの近さで立ちすくまれては危険と車掌が判断したのだろう。

これだから車掌ふぜいはダメなんだ。
オッサ(以下略)にまんまとやられたんだよ。
オッ(以下略)にみすみす勝たせたようなもんだ。
私が車掌だったら、ぜってえドア開けねえ。
「そんなことをなさっても決してドアは開けません。」
とアナウンスしてやるのに。
そして、「あんたがたの負けです」とアナウンスしながら発車させてやるのに。

なんかとても悔しかった。


2月8日(水よう日) 日直・橋本
(昨日のつづき)

 いくら安くてもベンジャミンは危険だ。
「レッスン可能な時間帯」が、
「毎日、早朝7時から夜10時まで」となっている。
朝から晩まで、カフェに居っきり。
住んでる感じ。
ちなみに、イザベルやポールは、
仕事との兼ね合いで、「週に4日、午後の数時間」だ。
ベンジャミン、無職。
時間だけは、タップリ有るの。
高卒の勤続25年ウエイター。
日本にきて半年。
43歳、独身。
日本で頑張ります。
出来れば、嫁も見つけます。
ベンジャミン、頑張る。
だが、
その「頑張ってる感」がイケナイ。
危険だ。
H子の同情を誘ってしまう。
ヤられる。
ベンジャミンの安さに惹かれた様子のH子、
「無料お試しレッスンに申し込む」と言っている。
危険だ。
楽しみだ。
そして、
なんだか、私も、プライベートレッスンしたくなってきた。
どうせなら、
レッスン料なぞ取らない人がいい。
死んだ旦那が残してくれた財産で、
なに不自由なく優雅に暮らす婦人。
子供達も独立してしまい、
有り余る寂しい時間は、
趣味のガーデニングとケーキ作りで、静かに過ごす。
唯一の望みは、
そのホームメイドのケーキを一緒に食べながら、
楽しくオシャベリしてくれる日本のお友達。
オシャベリに付き合ってくれる御礼に、
時には、美味しいディナーもご馳走するわ。
そんなミセス・ロビンソン、
近所に居ませんかぁ?


2月7日(火よう日) 日直・橋本
 友人H子宅へ遊びに行くと、
パソコンで、なにやら検索中。
「マンツーマンの英会話講師を探している」と言う。
英会話学校のようなところへ通ってではなく、
プライベートレッスンで英語を習いたいということらしい。
プライベートで英語を教えている在日外人は、
多いそうだ。
「英語が話せる」ことが、益々、要求されている世の中なので、
需要が多いのだろう。
検索結果が出ている画面を見せてもらうと、
たくさんの講師のプロフィールが、ズラズラ並んでいる。
レッスン場所を、H子宅周辺地域に限定したのに、だ。
レッスン場所といっても、
「講師宅」は少なく、
どいつもこいつも、
「カフェ」を指定している。
カフェで茶しながら適当にダベッて、高い授業料を取る。
くそ、いい商売だなぁ。
私も、どっかの国で、やりてえぇぇ。
でも、日本語じゃダメだな、くそ。
「カフェ」と書いてある隣りの欄は、
「1時間あたりのレッスン料」だ。
本人の言い値だろう。
試しに、
時給5000円を稼ごうとする「イザベル」の詳細プロフィールを見てみた。
メイクアップアーティストを8年、
ファッションモデルを1年半やっていただけあって、
写真も、長身の美人に写っている。
趣味は、
エアロビ、ウエイトトレーニング。
人気で、生徒も増加傾向だそうだ。
次に、
「6000円」の「ポール」を見てみる。
時給6000円とは、デカく出たもんだ。
そのうえ、カフェのコーヒー代も、こっち持ちなんでしょ?
どうだろう、それって。
滞在26年、
日本の高校や航空会社のトレーナーとして、英語を教えた経験あり。
その他、そこそこ、ご立派な履歴。
趣味は空手、ダイビング。
「ビジネス英会話もお任せあれ。」と自信満々。
でも、
2時間で12000円は、高い。
プラス、コーヒーを2杯づつ飲んだとして、2000円。
高い。
と、
「1時間1800円」というのを見つけた。
安っ。
安いぞ!「ベンジャミン」。
43歳、独身。
日本滞在6ヶ月。
「日本語は?」欄には、「ほとんど話せません。」、
「今まで学習した言語は?」欄には、
「母国語以外、学習したことありません。」とベンジャミン。
大丈夫か?ベンジャミン。
趣味は、まんが。
大丈夫か!ベンジャミン。
高校卒業後、レストランのウエイターを25年。
高卒のベテラン・ウエイター。
じゃ、
日本に来ないで、ウエイターしてればいいんじゃねえの?そのまま。
ベンジャミンから「生徒へのメッセージ」。
「あなたの心を開くには、
母国語以外の言語を学びましょう!」
ベンジャミン。
まずは、
おめえが学べよ、日本語を。


2月6日(月よう日) 日直・鬼界
友達が本を出版した。
新聞によく載っている
“お手持ちの原稿を出版いたします”
“あなたもベストセラー作家に”
というアレだ。
わずか70ページの文庫で
800円もする。
普通の本と比較すると、ほんの少し、気にならない程度に、高いが、
友達の労作だ、
喜んで買わせていただいた。
小説を書いてるなんて全然知らなかったから、
どんなものを書くのだろうと
楽しみに読んだ。

感想 : 読まなきゃ良かった・・・。

ムツカシイんですよ、小説書くのって。
書き続けていくうちに上手になるものだし。
最初からクリーンヒット、てのはね・・・。
んが、
問題は、その友達から
「どうだった?」とメールが来たことだ。
どうすりゃいいの?
苦心の処女作で、かなり自信があるみたい。
クリーンヒットどころかホームラン打った手ごたえみたい。
なんて答えればいい?
「面白くなかった」とは言えないし、
「面白かった」とは、余計言えない。
「良い紙を使った本だったね」とでも言っとく?
困った。


2月4日(土よう日) 日直・鬼界
 (きのうのつづき)
「アメリカン・エクスプレスのオリジナリティーを追求した、
スペシャル・イベントと
ポイントを交換することも可能です」
というコーナーがあり、
“あなたの「夢」の実現をお手伝いいたします。”
と、なんか自信満々なコピーがついている。

どんなイベントがあるかというと、

1.スポーツ選手とのイベント
2.スペシャルコンサート
3.有名レストランでのイベント
4.ファッションショー

と書かれているのだが、これって意味ある?

スポーツ選手って、誰だよ。
シャラポワと朝青龍じゃあ、行きたい度がだいぶ違うぜ。
コンサートって、誰のだよ。
有名レストランって、どこだよ。
ファッションショーって、出れんの?
「夢」の実現ちゅうくらいだから、出してくれんでしょうね。見るだけだったら怒るよ。

さらに、

5.りんごの木所有権
6.cooking

と続くと、カンペキ意味不明。

7.おもちゃ取り放題
8.CD/DVD取り放題

は、けっこういいと思うが、

9.プロゴルファー青木功とのラウンドプレー

って、どう?
青木、おまえは売春婦か?


2月3日(金よう日) 日直・鬼界
アメリカン・エクスプレスのポイントカタログを見た。
どこのカード会社でもやってるが、
100円利用ごとにポイントが発生し、
たまったポイント数に応じて
いろいろな景品と交換できる例のアレだ。
さすがアメックス、
ちっとやそっとのポイントじゃあ景品をくれない。
たとえば、
子供用の積み木は、14,000ポイント。
高っ。
パイサーバー・パスタメジャー・ピザカッター・
サンドウィッチスプレッター・チーズナイフの
ほとんど必要ないものばかり集めたキッチン5点セットは、9,000ポイント。
高っ。
てゆうか、マジいらんし。
さらに、
アメリカンエクスプレス特製ドッグフード容器、
早い話が、ただの皿、
これをもらうためには25,000ポイントが必要だ。
250万円も買い物をしたのに、
もらえるのは、犬用の皿が1枚だ。

高ポイント景品に目を向けると、
5000000ポイント、
ってわかりにくいんで、日本語表記すると、五百万得点で、
アルファロメオのスポーツカーがもらえる。
もらえる、っつーか、
5億円も買い物をする人は、欲しい車をすでに持ってるから、
べつにもらいたくないんじゃないだろうか?
さらに、22,000,000ポイントで
宇宙体験旅行1名様ご招待だ!
すっげえ!!
でも、カードで22億も買い物する人が存在するのだろうか?


2月2日(木よう日) 日直・橋本
 それにしても。
人がゲロ吐く姿って、笑える。
私が、
「ゲロ」「ゲロ」言ってはオカシがっているのは、
皆さん、既にご存知かとは思うが。

一昨日、観た、
映画『チーム アメリカ ワールドポリス』の、
立ち上がっては吐き、また立ち上がっては吐きの、
「エンドレス・ゲロ」シーンでは、
声を出して笑った。
先月2日、
インフルエンザ初日の夜、
高熱から来る気持ち悪さで、
夜通し吐き続けた私は、
まさに、あんな感じ。
死ぬほど苦しみながらも、オカシイ。
そもそも、
吐く時の、
ゲー
という音がオカシイ。
普段、出そうと思っても出ないよ、あの音は。
昨年の大みそか。
飲み過ぎたR子が、
カラオケ屋の建物の壁に向かって吐いた時は、
オー言ってましたね。
最低の女ですよ。

ゲロを吐く。
その、
なんか、もう、
最低の姿さらしてる感が、
なんとも言えず可笑しい。


2月1日(水よう日) 日直・橋本
 新宿の地下街。
カレー屋、とんかつ屋、ラーメン屋、うなぎ屋など、
一様に狭い食べ物屋が、
人通りの激しい地下道の両側に並んでいる。
午後4時という中途半端な時間にもかかわらず、
どの店も、
「お客がゼロじゃない」というのが不思議だ。

「食ってる、食ってる。」と、
雑踏の中、いちいち店内をのぞき見つつ歩いていると、
店と店の間の、
あれは何のためなのか、
少し奥まった狭いスペースが、突如、出現。
地上に出る階段にでも続くスペースなのかな?
その、
怪しく奥まったスペースの壁ギワで、
向かい合って話す男女の姿を目撃。
歩き過ぎながら見た、
極短い時間の記憶だが、
確かに、
男女は、各々、制服を着ていた。
女の子は、
白い長袖ブラウスに、黒のヒザ丈ほどのタイトスカート、
淡いピンク色のエプロン。
喫茶店のウェイトレスという感じ。
肩くらいまでの黒髪を1つに結んでいた。
ご近所へのコーヒーの出前の帰りなのか、銀色のお盆を胸に抱きしめ、
向かい合った彼へ笑顔を見せていた。
一方、
男の子は、白衣。
上着もズボンも白で、
いかにも調理場で働く格好。
黒髪・短髪の頭に被った白い帽子の位置を片手で直しながら、
やはり楽しげに、彼女に向かって笑っていた。
彼は、
とんかつ屋さんとかのアルバイトかな?
彼女は、
そのお隣りの珈琲ショップとかでアルバイトしてるのかな?
休憩時間の中の、短いひとときを、
いつも、あそこで、
ああして、おしゃべりして過ごすのかな?

昔、
こんなカップルと知り合った。
広島の高校を卒業後、
2人、手に手をとって、東京へ。
双方の両親に、早すぎる結婚を反対されたからだ。
生活のために、
2人は、それぞれアルバイト。
彼は、レストランでコックの見習い、
彼女は、そのレストランの近くのスーパー。
就労時間のズレで、一緒に居る時間が少なくなってしまった2人は、
午後の休憩の時間を合わせ、
毎日、2人の職場の近くの公園で、
短いながらも楽しいおしゃべり。
オヤツは、
彼女が、自分の職場で、毎日、選んで買ってくるお菓子。
3年間、頑張って働き、貯金を貯め、
とうとう両親らに2人のことを認めさせ、
晴れて結婚した。

地下街の2人。
一瞬といっていいほどの、ほんの短い時間、目にした2人だけど、
あの、私が昔知っていたカップルを思い出させるような2人だったなぁ。


1月31日(火よう日) 日直・鬼界
今日は寒い。
昨日が暖かかっただけに、とてもこたえる。
三寒四温といって、大陸では

などと、気候の話をのんきにしてる場合じゃない。
実は、
一昨日の天気予報が珍しくズバリと当たったのに
驚いているのだ。
ケブカ君が言うには
(注:体毛が異様に濃そうなNHKのお天気お兄さんを、密かにケブカ君と呼んでいます)
「明日30日は3月下旬並みの暖かさ、
あさって31日は真冬並みの寒さになるでしょう」
とのことだった。
ドンピシャだ!
素晴らしい。

などと、天気予報をほめてる場合じゃない。
あれが商売なのだから、当てて当たり前だ。
それより、
言い回しがおかしくね?
「真冬の寒さ」とか「真冬らしい寒さ」と言うべきじゃねえの?
『真冬並みの寒さ』って、今は真冬じゃねえのか?
いつが真冬なんだ?
ケブカ君、毛ばっか生やしてないで、ちったあ頭つかえよ。
それに、この話は前にも書いたぜ。
ケブカ君、毛ぇばっか生やかしてねえで、人の話をちゃんと聞けよ。


1月30日(月よう日) 日直・鬼界
ケータイが鳴るんです。
あまりに唐突な、というか、当たり前な書き出しですが、
実は、
年明け早々、機種変したのです。
使いもしないメールや
使いもしないネットや
使いもしないテレビ電話や
使いもしない3Gナントカっていう機能がついているせいか
すっげえデカくなりました。
バージニアスリムの箱と同じくらいの大きさで
厚さはもっと厚い。
それだけでも僕的にかなりポイント低いのに、
しばしば
プルッと1回だけ鳴るんです。
今でもワンギリ?
最初はそう思ったのですが、
着信履歴に残ってないんです。
ワンギリの意味ねえじゃん!
てゆうか、かかってきてないってことでしょ?
ケータイが気まぐれに音を発してるだけでしょ?
さらに、だんだんわかってきたのは、
電車に乗ると鳴るんです。
学校のチャイムを聞くと遠吠えする犬みたいですが、
そうなんです。
山の手線に乗ると、確実にプルッと吠えます。
でも、中央線ではめったに吠えません。
小田急線では、半分くらい吠えますが、
地下鉄では決して吠えません。
どういうことですか?
何に感応してるのですか?
このケータイの前世は電車だったのですか?
そういうケータイがあるんですか?
NECのかた、ボーダフォンのかた、もしくはマニアのかた、
どうぞお教えください。


1月28日(土よう日) 日直・鬼界
1月の電気の請求書をしげしげと見ると、
「ご参考までに」という書き出しで
昨年1月の使用量が書かれている。
こんなサービスしてくれてんだ、知らなかった。
調べてみると、
ガスも水道も、同じ比較が載っている。
へええ、ぜんぜん知らなかったぜ。
細かい気配りしてくれてんだね。

これで終われば、なんら問題はないのだが、
電気もガスも水道も
すべて昨年1月の使用量を微妙に上回っているのだ。
13kwに8m³に2m³。
微妙な増加だ。
気になるので、昨年1年間の電気ガス水道すべての領収書を調べてみた。
3種12ヶ月分、36枚の領収書のうち、
かなりの減少が4枚、
よほどの増加が2枚あった。
気候の影響だろう。
が、残りの30枚はすべて、前年同月より使用量が微妙に増えているのだ。
そういうもんですか?
微妙に減ってる月があってもいいんじゃない?
電気屋ガス屋水道屋がこっそり水増ししているのでは?
そうだそうに違いない。
思わぬ手口でダマされているに違いない。

と書いてて、しみじみ思った。
なんてセコい人間なんだろう、僕って。


1月27日(金よう日) 日直・橋本
(昨日のつづき) 

 『こんなモノを持って、そんなトコロへ行っちゃ、マズイだろう』の、
「そんなトコロ」の筆頭は、
やはり「銀行」でしょうか。
すると、
「こんなモノ」の筆頭は、
「銃器と見紛うモノ」ってことですか。
「あの中は、もしかしたら・・・」というような、
疑わしいモノを所持して銀行に行った場合、
入り口で呼び止められたりするのでしょうか?
どんなふうに?
5年前ほど前に、
友人が、
お誕生日に「おしゃれな傘」をプレゼントしてくれました。
折りたたみではなく、長い傘です。
‘贈り物にする傘’用の箱に入れられ、
豪華な赤いリボンが結んでありました。
傘専用の箱ってのも、ちゃーんと有るんですねぇ。
その、赤いリボンで飾られた箱が、
あれに似てるんです。
というか、
まさに、それです。
ギャング映画にたびたび登場しますね。
プレゼントに見せかけて、
実は、マシンガンが入っている、あの箱です。
コワモテの、いかにもギャングギャングした男が、
誰かを殺しに行く時、小脇にかかえる、
どうみても不自然な、
あの、赤いリボンを結んだ長い箱なんです、まさに。
実は、
その箱、リボン付きで、とってあります。
「怪しい身なりをして、これ持って銀行に行ったら、どんなかしら。」と思って。
なかなか実行できませんが。


1月26日(木よう日) 日直・橋本
 調べものがあり、図書館へ。
出入り口近くにある検索コーナーで、
検索機を操作していた私。
ふと、入り口に目をやった時、
ちょうど館内に入って来た男を見て、
ギョッとした。
身長165cm前後。
小汚くヨレたガーゼのマスクをし、
細い黒ブチのメガネをかけ、
色落ちした青だか紺だかの野球帽を目深にかぶっている。
リュックを背負い、
ウインドブレーカーともいえる薄手のジャンパーに、
黒ずんだ白いスニーカー。
推定年齢、
13〜55。
要するに年齢不詳。
入り口付近に、なぜか立ち止まり、
ゆっくりと館内を見回している怪しい男。
その男の右手には、
なんと、
あの、灯油を入れる赤いタンクが・・・!
男は、図書館を燃やすつもりなのだ!
館内に灯油をバラまき、火をつける気なのだ!
本は、燃えるぞ〜。
この冬の異常な灯油の値上がりに対する腹いせか?!
よせ!
よく考えろ!
そのバラまこうとしている灯油が惜しくはないのか?!
一目散に逃げたいところだが、
こんな場合、目立ったら撃たれる。
検索を続けるふりをして、
男の動向を横目で追う。
男は、
入り口そばの壁ギワに、灯油タンクを置いた。
そして、
少し離れたカウンターへと近づいていく。
男がカウンターに到着し、
カウンター上に、
背負っていたリュックをおろし、何か出そうとした。
そのスキをついて、
私は、
出入り口に向かって猛ダッシュ。
こんなところで焼け死んでたまるけ。
自動ドアを走り抜けようとした直前、
男が置いた灯油タンクに視線を投げた。
バーコードシールが貼ってあった。
「SEIYU」のセロテープも貼ってあった。
新品だった。
今、西友で買ってきたみたい、その灯油タンク。
このカバ野郎!
灯油タンクを買ったついでに、図書館に来るんじゃねえ!
図書館に行ったついでに、灯油タンクを買うんだ!
男を見ると、
リュックから出した本を、カウンター内の職員に返却しているところだった。
まったく。
驚かされるぜ。


1月25日(水よう日) 日直・鬼界
あの大雪の残りがいまだに道路に凍り付いている。
もう雪でもなんでもない。
ただの氷、カチカチの氷、ツルツルの氷だ。
しぶといだけあって、やたら滑る。
日陰の路地なんか、まだら模様に凍っていて、
それを避けるために足の運びがムツカシイ。
手を使わないツイスターゲームをやってるみたいだ。(懐かしいなあ)
大通りの歩道は、さすがに雪の痕跡も氷の跡形もごくわずかだ。
なのに、吉野家の前の歩道だけ
カチカチに凍りついたままなのだ。
人ひとりが通れる幅だけ、雪かきならぬ氷かきがされていて、
そこを一列になって通るのだ。
大渋滞。
イライラして、氷部分を通ろうとしたら、案の定、滑った。
こら、吉野家のバイト、
歩道の氷かきをちゃんとやれ!
道の向かいのすき家はきちんとやってるぞ!
と思ったのですが、
店内を見ると、
吉野家は混み混みで、すき家はすきすき。(だから、すき家っていうのか!)
なので訂正。
こら、すき家のバイト、
ヒマなんだから吉野家の前の氷かきもやれ!
オレ様が滑ったじゃないか!!


1月24日(火よう日) 日直・橋本
 昨日の日誌について、
メールを頂きました。

『インフルエンザの温床と化した病院の待合室で、
橋本さんのウイルス感染が危ぶまれます。
橋本さんがおかかりになったA型以外にも、型はいくつか有りますからね』

痛えところをつかれました。
まったくもって、仰るとおりでございます。
その事実に、
私は、あえて目をつぶるつもりでございました。
だって、
こわいんだもーん。
あのロッカーどものインフルエンザがA型なら、
A型の免疫が出来た私には、今冬は感染しません。
んが、
もしも、B型やC型、あるいは新種のAB型だったら・・・?
うつります。
抵抗力の衰えた今の私は、イチコロです。
今度こそ、合併症の脳症までも発病する可能性大です。
インフルエンザ→風邪→気管支炎と来て、
再度インフルエンザにかかり、
あげく脳を犯されバカになってしまうのですか?私は。
と考えると、
恐怖で夜も眠れなくなります。
なので、
考えまいとしていたのです。
でも、もう安心です。
雪の日から、既に4日が経ちます。
感染してたら、もう高熱が出てるはずだもんねー。
あー良かった、あー安心した。
T様!
ご心配、痛み入ります。
ご一緒に喜んでください。

そして、
えつこ様。
ネット福袋お披露目、
有難うございました。
「二万円以上の値札が付いたカットソーという名のベスト。そして、もう1つベスト。」という、
どんなものだか今だに想像もつかなきゃ、
予測も出来なかった逸品の数々。
おかげで、
体調不良のストレスが、だいぶ軽減されました。


1月23日(月よう日) 日直・橋本
 1週間分もらった気管支炎の薬を飲みきったので、
一昨日、また、もらいに医者へ。
大雪になるんだったら、
前日に行っときゃよかった・・・と後悔しても、もう遅い。
完全防備で出かけた。
この天候じゃ、他の患者は居るまいと思いきや
先客が四人。
既に診察室で診察を受けている一人と、
待ち合いのベンチに座っている若い男女二人。
少し離れた席に、ジイサンが一人。
混み混みじゃんかよ!
男女は、二人ともマスクをして、ゲホゲホと咳き込んでいる。
同様に、私も、
マスクをして咳き込みながら、ベンチに座ろうとした時、
診察を終えた患者が、
フラフラと診察室から出てきた。
すると、待っていた男女二人が、同時に、
その、自分らと同年輩の青年に、
「どうだった?」と、死にそうな声で訊いた。
お仲間。
連れションならぬ、連れ医者。
「インフルエンザ」と、ベンチに倒れこみながら答える青年。
診察室から、
「サグチさーん」と、次の患者を呼ぶ声。
男女二人が「はーい」と答え、一緒に診察室に入っていった。
どうやら夫婦のようだ。
夫婦って、一緒に診察受けるもんなの?
ヘェ〜。
10分ほどして出て来た二人は、
先の青年に、こう報告。
「やべぇよ、俺たちもインフルエンザ」
私が来る前に、
例の、
鼻の穴に綿棒を突っ込む「インフルエンザか否か検査」を済ませていたらしい三人は、
こうして、全員、見事にインフルエンザ陽性という結果が出たもよう。
三人は、
薬が出るのを待つ間、
咳き込みながらも、
仲間同士、会話を弾ませている。
ジイサンの診察が終わるのを待つ私は、聞き耳を立てた。
三人は、ロッカーだそうです。
「やべぇよ、俺たち、今夜、ライブ、出来んのかよ」と言ってました。
無理なんじゃないすか?
中止にしたほうがいいすよ。
悪化すると長引きますぜ。
でも、やるんでしょうな、おそらく。
お客さん、大迷惑。
大雪の中、
インフルエンザの温床と化したライブハウスに、
そうと知らずに足を運ぶ。
そこで、
インフルエンザ重症患者三人がマキ散らすウイルスを、
存分に浴びる。
そして、
3日後、
客のほとんどが、インフルエンザを発症する。
あぁ、おそろしや。
ペスト菌の媒介はネズミです。
インフルエンザ・ウイルスの媒介はロッカーです。


1月21日(土よう日) 日直・鬼界
昨日は誕生日だった。
ローゼンハイムでマロンプリンハイムを買った。
名前どおりマロンとプリンのハーモニーが美味しいケーキだ。
賞味期限は、2006.1.20
オー・ファン・パレでもケーキを買った。
店名を覚えるのが精一杯で、すっげややこしいケーキの名前は覚えられなかった。
が、名前どおり複雑な味のアンサンブルが美味しいケーキだ。
賞味期限は、2006.1.20
目の前のケーキが1.20を主張して
僕の誕生日を祝福してくれている。
きっと世界中のケーキが、1.20を主張して
僕の誕生日を祝福してくれたに違いない。
なんて幸せな男なんだろう、僕は。

それにしても、あの注意書き
「本日中にお召し上がりください」っていうやつ、
意味ねえぜ。
守ってるやつがいんのかい?
食えるわけねえじゃんかよ、あんなデカいケーキ。

へ?そんなデカいの買ったの?

はい、買いました・・・・・ウフ。


1月19日(木よう日) 日直・橋本
 正月の2日にかかったインフルエンザ。
そのウイルスは、
特効薬で死滅させたが、
免疫力が落ちたところを細菌につけ込まれたのか、
いつのまにか風邪へと移行し、
結果、気管支炎となり、
いまだ咳に苦しめられる毎日。
なんなのよ。
年が明けてから、
楽しいこと、いっこもねえぞ。
この咳は長引きそうだ。
同様に天罰が下り大風邪をひいたR子は、
とっくのとうに治癒したもよう。
まったくムカつく女だ。
頭にきたので、
ヤツの風邪がブリ返すよう、
ヤツの、
近々くるお誕生日に贈る予定の指輪に、
呪いをかけた。
ベロベロなめて、ヨダレでドロドロにし、
これでもかと咳を吐きかけ、
細菌まみれにして、包装し直してやった。
「この指輪をなめろ。」とカードを添えた。ふふん。
ピンピンしていられるのも今のうちだ。
不幸を一人で背負ってなるものか。


1月18日(水よう日) 日直・鬼界
鬼界家の人々。第六回

今日は、おねえさんの話を。
おねえさんといっても、お姉さんではない、
お義姉さんだ。
お義姉さんといっても、二人いるのだが、
すぐ上の兄のほうのお義姉さんだ。
そういうのって、なんて言うの?
直上兄義姉さん?
なんて読むんだよ?

とにかく、お義姉さんの話だ。
お義姉さんは、韓流ドラマのファンだ。
特に、イ・ドンゴンの大ファン、
ん?
イ・ミンチョルだっけ?
イ・ビョンビョンだっけ?
とにかく、イの大ファンだ。
ある日、『美しき日々』のDVDを借りに行くと、
なぜか、
いや、
案の定、全部貸し出し中だった。
気持がすっかりイになってたお義姉さんは、
どうしても諦めることができず、
空パッケージのイの写真をつくづく眺めたそうだ。
でも、物足りない・・・
お義姉さんは、パッケージの裏のあらすじを次々と読み始めた。
一緒に行った、さやか(直上兄義姉長女、つまり、ぼくの姪ですね)が
あきれ驚きおそれるくらいに熟読黙読完読したそうだ。

この話を聞いた僕がお義姉さんに
「じゃあ、DVDは、その後も、結局、借りずじまいなんやね?」
と言うと
「ううん、借りた。全部、借りた。カッコよかったわあ」
と、おっしゃった。

あらすじ読む意味ないやん!
てゆうか、あらすじ読まんほうが楽しめるやん!!

と言いたかったのですが、
面と向かっては言えませんでしたので、
謹んでここに書かせていただきました。


1月17日(火よう日) 日直・鬼界
鬼界家の人々。第五回

そんな父を支えるのが母だ。
“隠れた勝負師”
家族の間で、母はもっぱら、そう呼ばれている。

「隠れた勝負師ぃ、今日のおかずはなに?」
とか
「母の日おめでとう、隠れた勝負師」
とか
「今、隠れた勝負師は留守にしておりますので、
山田さんからお電話があったことを、隠れた勝負師に伝えておきます。(ガチャッ)」
などと
直接、間接を問わず、呼ばれている。

もちろんウソだ。

しかし、“隠れた勝負師”であることに違いはない。

ある時、母は豪華客船の旅に行きたくなった。
まず、何をしたか?
豪華客船の旅を主催している会社の株を買った。
割引券がもらえるからだ。
割引券を最大に利用し、母は船に乗った。
さすが豪華客船の旅。
ディナーパーティーはあるわ、ダンスパーティーはあるわ、大パーティーはあるわ、小パーティーはあるわ、
イベントが目白押し。
そのうえ、昼間はカルチャースクールまで開催される。
母は、生まれて一度もやったことがない麻雀を選んだ。
パイの握り方さえわからない母だから、
麻雀教室での成績はビリッケツ、悲しいくらいに落ちこぼれだった。
そして、最終日、卒業トーナメントが開催された。
なんとビックリ、母は初級者の部で逆転優勝。
豪華賞品をかっさらった。
麻雀教室の先生いわく、
「生まれて初めて、奇跡を目の当たりにしました」
ここ一番の強さ、まさに、“隠れた勝負師”也。
そして、
船で知り合った人に誘われて、ゴルフサークルに入った。
もちろん、そんなに上手くない。
美容と健康のためにやってるだけだから。
入会してすぐにコンペが開催された。
母は、ボロクソたたき、とんでもないスコアに終わった。
が、なんと、ブービー賞。
豪華賞品をかっさらった。
そして、次のコンペ。
なんとビックリ、母は優勝。
豪華賞品をかっさらった。
ゴルフはハンデがあるから、こんなこともおこるのだ。
優勝候補と目されていたセミプロのオッサンが打ち上げの席で
ベロベロに酔い、悔し紛れに毒づいていたそうだ。

「あの鬼界て人はなんや!新入りのくせに、
来るたんびに、なんか持って帰るやないか!!どういうこっちゃ!!ヒック」

今ごろ気づいたのか、オッサン。
母は転んでもただでは起きない人なのだ。
まさに、“隠れた勝負師”也。

そして、後日談がある。
割引券をもらうために買った、客船会社の株は、
現在、買値の5倍に急騰しているそうだ。
恐るべき、“隠れた勝負師”也。 (つづく)


1月15日(日よう日) 日直・鬼界
鬼界家の人々。第四回

「見てみぃ、テレビが真っ黒けや。
今までのテレビは、こんな真っ黒になったことない。
久保さんとこも液晶テレビやけど、こんな真っ黒なん、見たことない。
故障とちゃうか?」

テレビは電源がオフになってます。
画面が真っ黒なのは、当たり前です。
一体、この人は、何に対して何の苦情を言っているのだろう?
電気屋さんは、絶句を通り越して、恐怖を感じたに違いありません。

「社長、電源が入ってないのは、わかってはりますな?」
という、
初歩的な(と言うのかな・・?)質問から始まった二人のやり取りを
ここに再現すると、
連載が来年まで続いてしまうので、
簡潔に書きましょう。

まず、父が指摘した今までのテレビとの違い。
これは父が正しい。
以前のテレビはブラウン管テレビだったので、
電源をオフにすると、
画面は、グレーというか、灰緑色になりました。
それを見慣れているので、液晶テレビOFF時の漆黒に違和感があったのです。
んが、
久保さんちのテレビとの違い。
(ちなみに、久保さんとは、父がしばしば訪問するご近所のお友達です)
「久保さんとこの液晶テレビが真っ黒なのを見たことない」
当たり前です。
父が訪問する時はいつもテレビがついてたから。
電源オフ状態の久保さんとこのテレビを見たことなかっただけなのです。

は?
と思われるでしょう、きっと。
僕も書こうかどうしようか迷ったんです。
だって、こんなこと信じてもらえそうにないですもん。
でも、本当なんです。
父は真剣に、かつ単純に
眼前の現象に対し
(久保さんとこのテレビは色つき)+(自分とこのテレビは真っ黒)=故障
と思ったのです。
息子ながら、少し悲しい・・・。

父の肩を持つわけではないですが、
日立はフレームも黒なのに対し
久保さんとこのテレビはパナソニックでフレームが銀色だったから
惑わされる可能性は弱冠高いという事実を申し添え、(高いか?高いな、きっと)
筆を置くのでございます。

PS:この事件の発端となった、“BSジャパン、BS−i、BSフジ”ですが、
父は1回も見てません。

ほな、なんで、液晶、買ったん。 


1月14日(土よう日) 日直・鬼界
鬼界家の人々。第三回

1週間後、電気屋さんは
液晶テレビを配達し、配線を済ませ、
最低限の、リモコンの操作方法をとりあえず説明し、

と書くと、ゴヘイがありすぎるので、
正直に書きましょう。
‘地上波を見るためのリモコンの操作方法を説明し(除く民放)’
へ?
わかりました、ストレートに書きましょう。
‘NHKだけは、なんとか付けたり消したりできるように、リモコンにマーキングし’

これだけのことに数時間を費やし、
くたくたになって、帰りました。
その途端です。
「テレビの調子がおかしい」という父の電話。
とんぼ返りで駆けつけると、
父がご立腹です。

「色がヘンや。
見てみぃ、このカニの色。
赤すぎる。
今まで、こんな赤いカニをテレビで見たことない。
赤すぎる。
実物よりキレイすぎる。
故障してんのとちゃうか?」

電気屋さんは絶句しました。
液晶テレビの特質をいかんなく発揮して、美しい映像をお届けしているのに
文句を言われるとは!
こんな理不尽な苦情がいまだかつてあったでしょうか。
が、そこは商売人。
笑顔で説明です。

「社長、そやから言いましたやん。
液晶テレビはビックリするくらいにキレイでっせ、て。
ね、キレイでっしゃろ。」

アフリカの未開の土人に
「自動車というのは速く走りますね」と説明してるのと同じだよ、これじゃ・・・。

「それだけやのうて、
液晶テレビは、照明の当て方で実物よりキレイな色が出たりするんですわ。
特に日立のテレビは赤系統が得意なんで、
余計に、光るみたいな発色しよるんですわ。
故障やおまへん。」

専門的な説明もまじえ、なんとか、父を納得させました。
その3日後、
また父から苦情の電話です。
「テレビが真っ黒けや」

なんじゃそれ? (つづく)


1月13日(金よう日) 日直・鬼界
鬼界家の人々。第二回

「その民放の衛星放送ちゅうのは、おもろいんか?」
と父が尋ねると

「おもろいのもありますし、おもろないのもおまんな」

「どうやったら見られんねん?」

「社長のこのテレビではあきませんねん。
今話題の液晶テレビとかで見ますねん」

「ほうかあ、見られへんのか。
見てる人も、ほとんどおらんのやったら、見んでもええか」

「そこでんがな、社長。見てる人がおらんから見はったらよろしいんちゃいまっか?」

「なんでや?」

「どこへ行っても、話のタネになりまんがな。
たとえばでっせ、
社長がこう言うとしますわ。
『この前、アマゾンの番組見たんやけど、」

「ワシ、アマゾン、嫌いや。」

「たとえでんがな。」

「オーロラ、好きや。オーロラでやってんか。」

「・・・・・・。
『この前、オーロラの番組見たんやけど、
あれは、ホンマ、神秘的なもんやな。えも言われん感銘を受けたわ。』
て社長が言わはったら、きっと
『そんな番組、いつ、やってました?』
て聞かれますやん。
そしたら、
『よお知らんけど、民放のBSたら言うやつかな。
500日も北極に行きっきりで、ごっつスゴいロケしとってな。
見ごたえあったわ、あれは』
とサラッと言わはったら、どうなります?
『さすが社長や、時代の先端、行ったはる』てなりますやん」

「そうかな?」

「そうでんがな。それに液晶テレビて、画面がメチャメチャ、キレイなんですわ。
大河ドラマかて、全然違う風に見えまっせ」

「そらええわ。“功名が辻”、楽しみにしてんねや」

「よろしおすな、仲間由紀恵」

「誰や?」

「・・・・・。
今年はオリンピックもワールドカップもありまっさかい、液晶テレビは人気なんですわ。
品切れになる前に、買っとかはったらどうですか?」

「ほな、ひとつもらおか」

商談成立。
「ひとつもらおか」ですよ。
メーカーとかサイズとかスペックとかの相談、なーんもなし。全部おまかせ。
もちろん、お値段もおまかせ。
こんないいカモは、なかなかいません。
電話一本で電気屋さんも飛んでくるはずだ。

こうして、HITACHI『WOOO』、ハイビジョン液晶テレビ、32型、
HDDレコーダー内蔵、
定価441,000円の品が鬼界家にやって来た。
が、
話はこれで終わらない。
なにせ、‘ワシを中心に地球は回っとる’と思ってる人ですから・・・。 (つづく)


1月12日(木よう日) 日直・鬼界
鬼界家の人々。第一回

昨年の12月のある日。
父は新聞の番組欄を見て驚いた。
「BSジャパンて、なんや?BS−iて、なんや?BSフジて、なんや?
いつから、ワシの知らんテレビ局があるんや?」

「いつからあるんや?」て、だいぶ前からあるんですけど・・・。
てゆうか、毎日毎日、新聞見て、なぜ気づかなかったのか?
新聞を5紙もとっているのに。

‘ワシを中心に地球は回っとる’
と思っている父は、
自分の知らないテレビ局の存在を知って、いても立ってもいられません。
なじみの電気屋に電話しました。

「ちょっと来てくれへんか?」

「ちょっと来てくれへんか?」て、用件とか時間とか相手の都合とか、なんもなしですか?
そんな電話で電気屋さんが来てくれるんですか?
来るんです。
5分後には、うちの茶の間に座ってたそうです。
ヒマなんかい!
いいえ、違うんです。甘い蜜があるのです・・・・。

父は言いました。
「ワシの知らんテレビがあんねんけど、どういうことや?」
まさに、地球の中心にいる人の発言です。
が、電気屋さんは少しも慌てず、
「社長。

父は以前、鬼界商店なる企業を経営していたので、
(正確に言うと、中小企業ですが)
いまだに、「社長」と呼ばれているのです。

「社長。これはでんな、NHKのマネして、民放が最近、衛星放送やってますのや。
見てる人なんか、ほっとんどおらんさかい、社長が知らはらへんのも無理おません。」

あながちウソでもなく、さりとて、社長の顔もつぶさない、見事な受け答え。
さすが商売人。
てゆうか、父の性格をカンペキにつかみきっています。
そして・・・  (つづく)


1月11日(水よう日) 日直・橋本
 R子とカラオケに行った際、
毎度、気にさわることが1つある。
ひとが唄っている時に、一緒に唄うのである。
私が選びに選んだ曲なのだ。
ひとりで唄わせろ。
唄いたいなら、
自分でも、その曲を選曲すりゃいいんだ。
今は私が唄う番なんじゃい!
ひとの順番の時なので、
R子も、さすがにマイクまでは持ちはしないが、
逆に、マイク無しの、地声で、
そして、その声が、充分に響き渡るほどのセマい部屋で、
気持ちよさげに唄われてしまうと、
大げさにマイクで唄っている私がアホみてえ。
しかも、
R子、
自分がヨク知らない曲ですらも、食いついてくる。
カルチャークラブの『カーマは気まぐれ』の時なんざ、
R子のせいで、ブチ壊しだ。
あの曲は、
画面の英語歌詞にフッてあるカタカナどおりに読んだらイカンのだ。
音とマッタク間尺が合わず、
字余り字余りで、とんでもないことになるのだ。
ボーイ・ジョージのボーカルを完璧にコピーして唄う私の横で、
フガフガフガフガやってると思ったら、
「カマカマカマカマカマカメレオーン」のサビのところで、
突然、勢いづいて唄い、
帳尻合わせやがった。
そんなのズルイ。
『ニューヨーク・シティ・セレナーデ』にしたって、
サビを唄いたいがために、
そこに至るまでの、こつまんない部分だって、
クチがつりそうになりながらも、皆、我慢して唄っているのだ。
おいしいところだけ好き勝手に唄うなどとは、
もってのほかだ。
しかも、
ひとの歌の時に、なんて。
そんなのズルイ、ズルイ。
目には目をだ。
R子の順番の時、一緒に唄ってジャマしてやることにした。
ヤツの選曲は、サザンの『TSUNAMI』。
・・・・・・・。
唄えそうでいて、
実は熟知していないとマッタクご一緒できないのが、サザンの曲。
手も足も出ず。
結果的に、R子の歌にジッと聴き入る形となった。
ズっルーーイ!


1月10日(火よう日) 日直・橋本
 8才の時からの親友・R子から、
大みそかに会って以来、初の連絡が有った。
それによると、
どうやらR子も、ヒドイ風邪をひいたらしい。
「インフルエンザではないが、高熱が出た」そうだ。
うーむ。
R子の大風邪、
そして、私のインフルエンザ、
これは、やはり、天罰が下ったというべきか。

大みそか。
毎年恒例の、R子との年越し忘年会。
夕方、私の家の最寄駅で待ち合わせ。
駅前の店で、さんざっぱら飲み食いした後、
近くの、いつものカラオケ屋へ移動。
カビの生えたような古〜いレパートリーの数々を、
共に、これでもかと披露し合う。
午前2時半。
大いに唄い、飲み、食い、
本人ら、大満足で、
「いや〜、いい年越しをした」と、駐車場に向かう。
寒そうに立っていた警備員のオッサンを交え、
R子のケータイで記念撮影。
「良い年始を〜!」などとオッサンと挨拶を交わし、
私を助手席に乗せたR子のバンは、
近所の私の家に向けて、いざ発進。
そして、
追突。
なにやってんだ、馬鹿R子。
後方の駐車車両のフロント部分に、まともにぶつかった。
R子がかなり酔っているという事実を、遅ればせながら知る私。
警備員のオッサンが、近づいて来、
ぶつけた車の具合を見ている。
事後処理のことを考え、目の前が暗くなった。
隣りでは、R子が、きりかえしのハンドル操作を続けている。
警備員のオッサンが、
R子側の窓をコンコンと叩いた。
あきらめて、てっきり窓を開ける・・・のかと思いきや、
R子は、警備員のオッサンを無視し、
いよいよ道路へ出る態勢へと、車の向きを整えた。
と、
窓を叩きながら大声で何か言ってる警備員のオッサンを振り捨て、
ギュイ〜ンとハンドルをきりつつ道路へ出、そのまま猛スピードでトンズラ。
日活アクションばり。
これで俺たち犯罪者。
・・・いいのか?
ナンバー見られたぞ?
2分後、我が家に到着。
私を降ろし、
R子は、そのまま、10分ほど離れた自宅へ逃走。
その後、
事後報告聞きたくなさで、R子に連絡を取らず。
どうなったかしら?
と、思っていたところへの、R子からの「風邪ひいた。」の連絡だったという次第。
「車の件は、その後、なにも言って来ず。」ということで、
無駄な心配だった模様。
んが、
天は我々を許したわけではなかったのだ。
天は犯罪者を、「大風邪」「インフルエンザ」という方法で罰したのだ。
きっつ〜。

正月早々、
同乗したR子の車で事故ったのは、これで4度めだ。
だから電車で来いっつーの。
私が説得しても、ガンとして、車で来ることをやめない。
こんなことしてたら、いつか捕まる。
「8才の時からの親友」改め、「8才の時からの悪友」だ、アイツは。


1月8日(日よう日) 日直・鬼界
さて、
僕の父は、今を去ること一千二百年前

と書き出して、
どうにも疑問でたまらんことがあります。

新潟県津南町。
連日の大雪ですっかり有名になりました。
こんなことでもなければ、一生知らなかったのに。
山古志村と似てる。
その大雪情報を僕は連日、NHKのニュースで追っていた。

1月5日の報道では、積雪量は3m88cmだった。
それが、1月6日の報道では、3m71cmになり、
1月7日の7時のニュースでは、3m54cmと報じていた。

あんなにガンガン降り続けてるのに、なんで減るわけ?
降る量よりも解ける量のほうが多いのか?
1時間に3cm積もるペースで降っているのに、
2日で34cmも積雪量は減りました。
1時間に何cmの割合で解けていますか?
つるかめ算か?
それとも、
1日の積雪量を報道しているのか?
ってことは、現在、津南町の積雪量は11m13cmもあるのか?
いや、それ以前の積雪もあるから、
ざっと50mくらい積もってることになるわけだ。
地底人だよ・・・。

とても不思議です。
こんな時になんなんですが、
津南町の方、お便りくだされば幸いです。


1月7日(土よう日) 日直・橋本
 あけましておめでとうございます。
新年早々、
インフルエンザで苦しみぬいております。
2日に高熱を出し、
3日にゲロを吐き尽し、
4日に胃炎を併発し、
5日に鼻汁で鼻の下の皮膚がただれ、
6日にゼンソクもどきの咳が最悪化し、
そして今日7日、
咳の発作のたびに腎臓あたりに激痛が走るのは、なーぜ?
怖い・・・。

「あららー。ヒドそうね。順番くるまでベッドで横になってる?」
という看護婦さんの計らいで、
救急病院の処置室のベッドで横になり、
医師の診察を待っていたのは、
私だけではなかった。
他に3人が、私同様、
「ね、言って。正月早々ツイてないヤツ・・・って思ってんでしょ?ね、言って。」
という思いをその潤んだ目に湛えつつ、
ベッドに仰向けになり、天井を見つめていたのだ。
皆、少し前に、
鼻の穴の奥深く、綿棒を差し込まれ、
「これでインフルエンザかどうか調べるから、15分くらい待ってね。」
と言われていた。
それぞれの結果が出たようで、
医師がやってきた。
私から1番離れた人から、順番に診察していくようだ。
ベッドとベッドを仕切るカーテンをシャッっと開閉し、
横になっている患者に話をしている様子。
「インフルエンザはAもBも陰性でした。
うん、だから、おそらく風邪だと思いますよ。」
などと結果を報告し、
患者から症状を聞き、処方する薬の説明等をしている。
次の人も、どうやら陰性だったもよう。
3番目の人も陰性。
そして、私の番。
医師は、
シャッと勢いよくカーテンを開け、
そしてシャッと後ろ手で閉め、
満面の笑みで、こう言った。
「おめでとうございます!インフルエンザA型強と出ました!」
大当たり〜!
がはは!
ざま−見さらせ。
ただの風邪のおめぇらとチガッて、こっちはインフルエンザ様だぞ。
おそれいったか。
とかって、一瞬カン違いしちゃうよね、こういう状況って。

今シーズン、予防接種を受けなかったらテキメン。
昨シーズン、昨々シーズン、
インフルエンザにならなかったのは、
予防接種のおかげだったのね・・・と痛感。
「こんちは。インフルエンザですけど。
あ、おたく、予防接種してる!
んじゃ、いいです。さいなら。」
というように、
予防接種がインフルエンザをはねのけたことが明確に判るのであれば、
よーし今年も受けるぞって気にもなるのだが、
予防接種のおかげかどうかがイマイチ判らんところが、困るんだな。
「予防接種しなくても平気なんじゃないのぉ?」
が高じて、
「せっかく予防接種したのに、インフルエンザ、こねーじゃねーの。
じゃ、いらねーじゃん、予防接種。」
などと、わけのわからんこととなる。

あぁ、まだ休養が必要な身体です。
今度は、いつお目にかかれるか・・・。
皆さん。
今からでも遅くはありません。
予防接種をすることをオススメします。
インフルエンザは苦しいです。
では。

こんな時に、なんですが、
今年もよろしくお願いいたします。


1月6日(金よう日) 日直・鬼界
お正月、実家に帰って、
なにがビックリしたって、
テレビが買い換えられてたことだ。
HITACHI『WOOO』、ハイビジョン液晶テレビ、32型、
HDDレコーダー内蔵、
定価441,000円が
茶の間にでーんと置かれているのだ。
なぜだ?
前のテレビは2年前に購入したばかりだ。
ちゃーんと写ってましたよ。
マルチ画面にだってなりましたよ。(したことないけど)
なぜ買い換えた?
誰がそんなムダをした?
それは、
父です。
オレの親父です。
わてのおとっつあんです。
マイ ファーザーです。
しかも、定価441,000円の品を、441,000円で買ったのだ!
ジーザス!!
今どき、そんな人がいるか?
いるのです、
それが我が父。
つつしんで、皆様にご紹介しよう。
父を始め、忌まわしくも哀しい血を受け継ぐ人々の物語。
新春特別連載、
鬼界家の人々。
初回は2時間スペシャル。

乞うご期待。


1月5日(木よう日) 日直・鬼界
今回の京都帰省で印象深かったことをふたつ。
その1
京都駅におりると、JR西日本の新幹線利用キャンペーンのデカい看板が目に付く。
鮮やかな色のオリーブの入ったカクテル越しに
東京のきらめく夜景の写真に添えたコピー。

ホテルのショットバー。
六本木の夜景を見ながら飲んだマティーニは
僕を少しだけ大人にした。

オリーブたべてもええのん?

あいかわらず、関西CMはええセンスしとる。

さらに、
先斗町の張り紙は
「バイク・自転車、放置禁止。
とめんといておくれやす。たのんまっさ。」

大げさに言うならば、地域に根付いた文化を感じる。
東京には絶対ない。

その2
その先斗町や河原町や四条通り、
つまり、京都の繁華街のメインストリートから狭狭の路地にいたるまで
どんなに混雑していようが、
多くの人が平気でタバコを吸いながら歩いている。
最近の東京に慣れている者には、
その光景はおそろしく時代遅れで非文化的に見える。
文化レベルは高いのに、
そこに暮らす人間はなぜバカなのか?
逆に言うと、簡単には飼いならされないスピリットがあるわけだ。
とても関西っぽい。